46 / 58
46
しおりを挟む
いやいや、ちょっと待て!
怪しい物売り自体を演じてどうする!?
そんな事をしても、意味がないだろう!
くっ!
やはり動揺が尋常ではないな。
何か話題は?
何かーー。
ここでカイルはハッとする。
忘れていた事を思い出したのだ。
そうだ!
本来の目的は、『プリシラの服が合わなくなっているからどうする』だろ?
それでいこう!
それがベストだ!
そんな事を忘れているなんて、まったく。
俺のおっちょこちょいめ!
起死回生の話題だと思い、フフッと無意識に笑みを出してしまう。
それを見た母は、ますます眉間の堀を深めた。
「変な話し方したり、いきなり笑ったり。変よ?カイル」
ややこしくなりそうなフラグが立つ。
しかし無意識な反応だった為、今さら後悔しても仕方ない。
怪しげな物売りのマネをした事も、この際飲み込んでしまおう。
今は話題を変える事に集中だ。
気持ちを落ち着ける為に、コホンと咳払いをする。
そして、いつもの声色で話し出した。
「母さん、プリシラの服なんだけどな。サイズが小さいみたいなんだ」
「まぁでも、お父さんとの結婚が決まった時、私も色々、幸せな想像をしていたから、ね?」
「だから、どうしたらいいか聞きに来たんだが」
「それが一つ一つ、叶っていって。そしてカイルとプリちゃんが生まれてきてくれて。そう思うと本当に、私は幸せだわ」
母は幸せそうに微笑む。
まったく会話が噛み合わん!
俺の声が聞こえないのか?
それほど俺のことなど、まったく意に介してない!
幸せそうに微笑みやがって!
どうしたらいいんだ!
焦る心は、思考回路を加速させる。
俺の晒した醜態から、昔の自分を思い出したんだろうが、状況をややこしくしないでくれもらいたい!
幸せ?
大いに結構じゃないか!
俺とプリシラが、それに貢献できているなら尚更だ。
だが今それを伝えられても、なぁ?
なんて答えよう。
悩む時間が少ない中考え、そして口を開いた。
「そうか」
たった一言、そう言った。
答えようが無ぇよ!
何なんだよコレ!
難しすぎるだろ!
例えば『母さんにも、俺と同じような時期があったんだな』なんて言ってみろ。
話題が蒸し返されて、さっきはいやらしい妄想をしていたんだろうと追求されかねん!
かといって、『母さんが幸せなら、俺も幸せだ』とでも言えと?
そんなの恥ずかしくて言えるか!!
そりゃ、母さんが幸せなら嬉しいさ。
そんなの当たり前だ。
俺の存在が、母親の幸せに関わっているなら、自分にグッジョブをあげたい。
でも思春期真っ只中な俺に、そのセリフを求めるのは酷だろ?
酷なんだぞ?
だって、思春期なんだもん。
わかるだろ?
そうなんだって!
わかってくれぇぇぇ!!
魂の叫びを脳内にこだまさせ、グッと目を瞑った。
今後の展開が読めない恐怖と、処理しきれない状況から、目を背けたかったのだ。
もう、好きにしてくれ。
どんな流れになろうとも、それに身を任せ、俺は生きていくよ。
罪人が裁判の判決を待つ。
どんな裁定が下ろうとも、全てを受け入れてから、今後の事を考えよう。
そんな心境だった。
怪しい物売り自体を演じてどうする!?
そんな事をしても、意味がないだろう!
くっ!
やはり動揺が尋常ではないな。
何か話題は?
何かーー。
ここでカイルはハッとする。
忘れていた事を思い出したのだ。
そうだ!
本来の目的は、『プリシラの服が合わなくなっているからどうする』だろ?
それでいこう!
それがベストだ!
そんな事を忘れているなんて、まったく。
俺のおっちょこちょいめ!
起死回生の話題だと思い、フフッと無意識に笑みを出してしまう。
それを見た母は、ますます眉間の堀を深めた。
「変な話し方したり、いきなり笑ったり。変よ?カイル」
ややこしくなりそうなフラグが立つ。
しかし無意識な反応だった為、今さら後悔しても仕方ない。
怪しげな物売りのマネをした事も、この際飲み込んでしまおう。
今は話題を変える事に集中だ。
気持ちを落ち着ける為に、コホンと咳払いをする。
そして、いつもの声色で話し出した。
「母さん、プリシラの服なんだけどな。サイズが小さいみたいなんだ」
「まぁでも、お父さんとの結婚が決まった時、私も色々、幸せな想像をしていたから、ね?」
「だから、どうしたらいいか聞きに来たんだが」
「それが一つ一つ、叶っていって。そしてカイルとプリちゃんが生まれてきてくれて。そう思うと本当に、私は幸せだわ」
母は幸せそうに微笑む。
まったく会話が噛み合わん!
俺の声が聞こえないのか?
それほど俺のことなど、まったく意に介してない!
幸せそうに微笑みやがって!
どうしたらいいんだ!
焦る心は、思考回路を加速させる。
俺の晒した醜態から、昔の自分を思い出したんだろうが、状況をややこしくしないでくれもらいたい!
幸せ?
大いに結構じゃないか!
俺とプリシラが、それに貢献できているなら尚更だ。
だが今それを伝えられても、なぁ?
なんて答えよう。
悩む時間が少ない中考え、そして口を開いた。
「そうか」
たった一言、そう言った。
答えようが無ぇよ!
何なんだよコレ!
難しすぎるだろ!
例えば『母さんにも、俺と同じような時期があったんだな』なんて言ってみろ。
話題が蒸し返されて、さっきはいやらしい妄想をしていたんだろうと追求されかねん!
かといって、『母さんが幸せなら、俺も幸せだ』とでも言えと?
そんなの恥ずかしくて言えるか!!
そりゃ、母さんが幸せなら嬉しいさ。
そんなの当たり前だ。
俺の存在が、母親の幸せに関わっているなら、自分にグッジョブをあげたい。
でも思春期真っ只中な俺に、そのセリフを求めるのは酷だろ?
酷なんだぞ?
だって、思春期なんだもん。
わかるだろ?
そうなんだって!
わかってくれぇぇぇ!!
魂の叫びを脳内にこだまさせ、グッと目を瞑った。
今後の展開が読めない恐怖と、処理しきれない状況から、目を背けたかったのだ。
もう、好きにしてくれ。
どんな流れになろうとも、それに身を任せ、俺は生きていくよ。
罪人が裁判の判決を待つ。
どんな裁定が下ろうとも、全てを受け入れてから、今後の事を考えよう。
そんな心境だった。
0
お気に入りに追加
20
あなたにおすすめの小説
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子
ちひろ
恋愛
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子の話。
Fantiaでは他にもえっちなお話を書いてます。よかったら遊びに来てね。
彼女の母は蜜の味
緋山悠希
恋愛
ある日、彼女の深雪からお母さんを買い物に連れて行ってあげて欲しいと頼まれる。密かに綺麗なお母さんとの2人の時間に期待を抱きながら「別にいいよ」と優しい彼氏を演じる健二。そんな健二に待っていたのは大人の女性の洗礼だった…
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
なりゆきで、君の体を調教中
星野しずく
恋愛
教師を目指す真が、ひょんなことからメイド喫茶で働く現役女子高生の優菜の特異体質を治す羽目に。毎夜行われるマッサージに悶える優菜と、自分の理性と戦う真面目な真の葛藤の日々が続く。やがて二人の心境には、徐々に変化が訪れ…。
前略、旦那様……幼馴染と幸せにお過ごし下さい【完結】
迷い人
恋愛
私、シア・エムリスは英知の塔で知識を蓄えた、賢者。
ある日、賢者の天敵に襲われたところを、人獣族のランディに救われ一目惚れ。
自らの有能さを盾に婚姻をしたのだけど……夫であるはずのランディは、私よりも幼馴染が大切らしい。
「だから、王様!! この婚姻無効にしてください!!」
「My天使の願いなら仕方ないなぁ~(*´ω`*)」
※表現には実際と違う場合があります。
そうして、私は婚姻が完全に成立する前に、離婚を成立させたのだったのだけど……。
私を可愛がる国王夫婦は、私を妻に迎えた者に国を譲ると言い出すのだった。
※AIイラスト、キャラ紹介、裏設定を『作品のオマケ』で掲載しています。
※私の我儘で、イチャイチャどまりのR18→R15への変更になりました。 ごめんなさい。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる