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第十章 魔導国学園騒動
44話 夜が降りて来る
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輝く一つ一つの美しい指輪に神の力の一部が封じられている。
それと来るべき時に備える事に何の繋がりがあるのだろうか、どう見ても繋がりがあるように思えない。
この状況が気になるのか、先程までぼく達を見下ろしていたディザスティアが天井を不思議そうに見上げている。
「レースさん、暫くディザスティアの動きを止めてください」
「止めるってどうすれば……」
「先程レースさんが言っいたように、これら全ての指輪に神が封じられています……、レースさんがディザスティアの動きを止めてくれている間に、【智神】セラフナハシュを一時的に顕現させます」
『ほぉう、セラフナハシュをここに呼びだすというのか?今代の魔王が?』
「……え!?」
今の重く威圧感を感じる声は何処から聞こえて来たのだろうか。
周囲を見渡しても、それらしい存在は見当たらない。
ただ……、声に気圧されたのか、ミオラームがその場に座り込んでしまい、身体を小包に震わせている。
「ミオラーム、大丈夫?」
「あ、あぁ……」
「父さん、ミオラームは安全な場所に下げた方がいい」
「あ、いや、そんな……うそ、マリーヴェイパーの声が、なんで?」
「ミオラーム!?」
目の焦点が合っていないし、何よりもミオラームの中に封じられている神の名前を言葉にしていて、何かがあったのは分かるけど、それが何なのか理解をすることが出来ない。
『あれが、今代の賢王か……幼いな、どう見ても幼い少女ではないか』
「……もしかして、この声ってディザスティア?」
『それ以外に何がある、ストラフィリアを治める覇王の血統、我を封じる器の一人よ……』
口の無い頭部からどうやって声を出しているのか。
もしかして、直接ぼく達の頭の中に言葉を送っている?それなら分からないでもいいけど、魔力を使わずにどうしてそのような事が出来るのか、考えても答えを出す事が出来ない。
『あの少女はな、あそこで機械の大蛇に下敷きにされている、初代賢王の中にあった力の残滓が体内に入り込んで苦しんでいるのだよ、今の時代の我らは何の能力も持たない空の器のようなもの、そこに増幅された力の残滓を注ぎ込まれ器を満たされたら苦しむだろう、待っていてやるからそこの【叡智】を持つ娘の元に連れて行き、戦いに巻き込まれないようにするがいい』
ディザスティアの言葉に頷いたダリアが、ミオラームを抱き上げると一瞬で距離を取り母さんの元へ移動すると、その場にそっと下ろすとこちらに戻って来る。
「……ならレティシアーナの身体が滅びたら、ディザスティアの力の残滓である君は何処に行くの?」
『もっとも近くにいる器に宿るであろうな、本来であればこのように意識を持ち行動する事等不可能であるこの身が、人の作った道具で力を増幅させられた結果、このように歪な感じで蘇ってしまった、この闘神ディザスティアともあろうものが嘆かわしい、本来の我であればこのような事にならなかったものを……』
「……なら、今すぐ身体をレティシアーナさんに戻して、再び眠りについたらどうですか?」
『今代の魔王よ残念な事にそれは出来ぬのだ……、我が身体はレティシアーナに組み込まれて魔導具により制御され操られておる、今こうして貴公等と話しているだけでもかなり無理をしているのだ、実に……実に屈辱的だ、闘神である我が……人の作った道具に縛られ、操られなければいけないのだからな』
悔しそうな、そして心の底から屈辱に震えるような声が頭の中に響く。
『……時期に我が意識は深い闇に沈み、機械に刻み込まれた指示に従いこの身体が滅ぶまでの間破壊の限りを尽くすであろう』
「父さん……これはヤバくないか?」
「こうやってぼく達に話しかけて来るって事は、何かして貰いたい事があるんじゃないの?」
『……このような事を貴公等人の子に、頼むこと自体我には屈辱で耐えがたいのだが、今一度我を滅ぼし眠らせてくれ、認めたくは無いが今の世はもう我々神が支配した時代ではなく貴公等人の時代だ、我という天災を滅ぼし、我が力の残滓を己が身に宿せ、そしてこのような屈辱を与えた愚か者を我の変わ……り、ほろぼ……』
ディザスティアの言葉が途中で途切れ、身体の至る所から溢れる朱色の光が消える。
そして意識を失い、全身の力が抜けたかのように動かなくなると、再び全身から光が溢れ、背中から無数に生える人の腕が動き出し、それぞれに手に持った武器をけたたましく鳴らすと、獣のような咆哮を上げぼく達に向かって走り出す。
「……ソフィア!取り合えず話しながら足止めをしたけど、これで大丈夫!?」
「えぇ……おかげで準備が出来ました、後は任せてください『夜空に描け星のアーク、真実の蛇が持ちし鏡に宿りて、封じられし神をこの地へと召させん、【智神降臨】セラフナハシュ!今一度御身の奇跡を我らに授けたまえ!』」
……ソフィアの詠唱が終わると、天井を覆っていた夜空のように輝いていた黒い霧が一か所に集まり二匹蛇へと姿を変えゆっくりと降りて来る。
そしてお互いの尾を飲み込み一つの輪になると、その中央に鏡が表れ……ソフィアの身体から光輝く魔力の塊のような物が表れ、鏡へと取り込まれると中から、光り輝く白い髪を持ち、瞳と同じ深紅に輝く二本の赤い角。
そして黒と白の翼を背中から生やし、黒いドレスに身を包んだ女性が姿を現し不敵な笑みを浮かべるのだった。
それと来るべき時に備える事に何の繋がりがあるのだろうか、どう見ても繋がりがあるように思えない。
この状況が気になるのか、先程までぼく達を見下ろしていたディザスティアが天井を不思議そうに見上げている。
「レースさん、暫くディザスティアの動きを止めてください」
「止めるってどうすれば……」
「先程レースさんが言っいたように、これら全ての指輪に神が封じられています……、レースさんがディザスティアの動きを止めてくれている間に、【智神】セラフナハシュを一時的に顕現させます」
『ほぉう、セラフナハシュをここに呼びだすというのか?今代の魔王が?』
「……え!?」
今の重く威圧感を感じる声は何処から聞こえて来たのだろうか。
周囲を見渡しても、それらしい存在は見当たらない。
ただ……、声に気圧されたのか、ミオラームがその場に座り込んでしまい、身体を小包に震わせている。
「ミオラーム、大丈夫?」
「あ、あぁ……」
「父さん、ミオラームは安全な場所に下げた方がいい」
「あ、いや、そんな……うそ、マリーヴェイパーの声が、なんで?」
「ミオラーム!?」
目の焦点が合っていないし、何よりもミオラームの中に封じられている神の名前を言葉にしていて、何かがあったのは分かるけど、それが何なのか理解をすることが出来ない。
『あれが、今代の賢王か……幼いな、どう見ても幼い少女ではないか』
「……もしかして、この声ってディザスティア?」
『それ以外に何がある、ストラフィリアを治める覇王の血統、我を封じる器の一人よ……』
口の無い頭部からどうやって声を出しているのか。
もしかして、直接ぼく達の頭の中に言葉を送っている?それなら分からないでもいいけど、魔力を使わずにどうしてそのような事が出来るのか、考えても答えを出す事が出来ない。
『あの少女はな、あそこで機械の大蛇に下敷きにされている、初代賢王の中にあった力の残滓が体内に入り込んで苦しんでいるのだよ、今の時代の我らは何の能力も持たない空の器のようなもの、そこに増幅された力の残滓を注ぎ込まれ器を満たされたら苦しむだろう、待っていてやるからそこの【叡智】を持つ娘の元に連れて行き、戦いに巻き込まれないようにするがいい』
ディザスティアの言葉に頷いたダリアが、ミオラームを抱き上げると一瞬で距離を取り母さんの元へ移動すると、その場にそっと下ろすとこちらに戻って来る。
「……ならレティシアーナの身体が滅びたら、ディザスティアの力の残滓である君は何処に行くの?」
『もっとも近くにいる器に宿るであろうな、本来であればこのように意識を持ち行動する事等不可能であるこの身が、人の作った道具で力を増幅させられた結果、このように歪な感じで蘇ってしまった、この闘神ディザスティアともあろうものが嘆かわしい、本来の我であればこのような事にならなかったものを……』
「……なら、今すぐ身体をレティシアーナさんに戻して、再び眠りについたらどうですか?」
『今代の魔王よ残念な事にそれは出来ぬのだ……、我が身体はレティシアーナに組み込まれて魔導具により制御され操られておる、今こうして貴公等と話しているだけでもかなり無理をしているのだ、実に……実に屈辱的だ、闘神である我が……人の作った道具に縛られ、操られなければいけないのだからな』
悔しそうな、そして心の底から屈辱に震えるような声が頭の中に響く。
『……時期に我が意識は深い闇に沈み、機械に刻み込まれた指示に従いこの身体が滅ぶまでの間破壊の限りを尽くすであろう』
「父さん……これはヤバくないか?」
「こうやってぼく達に話しかけて来るって事は、何かして貰いたい事があるんじゃないの?」
『……このような事を貴公等人の子に、頼むこと自体我には屈辱で耐えがたいのだが、今一度我を滅ぼし眠らせてくれ、認めたくは無いが今の世はもう我々神が支配した時代ではなく貴公等人の時代だ、我という天災を滅ぼし、我が力の残滓を己が身に宿せ、そしてこのような屈辱を与えた愚か者を我の変わ……り、ほろぼ……』
ディザスティアの言葉が途中で途切れ、身体の至る所から溢れる朱色の光が消える。
そして意識を失い、全身の力が抜けたかのように動かなくなると、再び全身から光が溢れ、背中から無数に生える人の腕が動き出し、それぞれに手に持った武器をけたたましく鳴らすと、獣のような咆哮を上げぼく達に向かって走り出す。
「……ソフィア!取り合えず話しながら足止めをしたけど、これで大丈夫!?」
「えぇ……おかげで準備が出来ました、後は任せてください『夜空に描け星のアーク、真実の蛇が持ちし鏡に宿りて、封じられし神をこの地へと召させん、【智神降臨】セラフナハシュ!今一度御身の奇跡を我らに授けたまえ!』」
……ソフィアの詠唱が終わると、天井を覆っていた夜空のように輝いていた黒い霧が一か所に集まり二匹蛇へと姿を変えゆっくりと降りて来る。
そしてお互いの尾を飲み込み一つの輪になると、その中央に鏡が表れ……ソフィアの身体から光輝く魔力の塊のような物が表れ、鏡へと取り込まれると中から、光り輝く白い髪を持ち、瞳と同じ深紅に輝く二本の赤い角。
そして黒と白の翼を背中から生やし、黒いドレスに身を包んだ女性が姿を現し不敵な笑みを浮かべるのだった。
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