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第九章 戦いの中で……
40話 アンデッドの種類
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あの後現れたというドラゴンに関して、ライさんは何か気づいた事があるのだろうか。
「ライさん、あなたは確かドラゴンにも襲われたのですよね……その個体に関して何か気づいた事がありますか?」
「……胸、心臓にあたる部分がくり抜かれていたね、そこから見ると【死人使い】ルード・フェレスはモンスターの頂点と呼ばれるドラゴンも捕食していた可能性が高い」
「けど、ドラゴンってAやBランク冒険者でも勝つことが難しい程のモンスターでしょ?幾らルードが強くなったからって……」
「レース君、さっき話に出たと思うけど……彼はSランクに匹敵する能力を持っていたケイスニルの能力を継いでいる可能性がある以上不可能では無い」
「……しかし仮にそうだった場合困った事になりましたね、ドラゴンは老齢の個体になると本気になる前のSランク冒険者を圧倒する程の能力を持ちますから、そんな人の範疇を超越した存在がアンデッドとして使役されていた場合、本当にライさん抜きで戦えるのですか?」
本気を出す前のSランク冒険者を圧倒するという事は、少なからずぼくもいつかは老齢のドラゴンを一人で討伐出来る程度には強くならないといけないのかもしれない。
でも……正直心器の長杖を核とした狼が居れば、倒せそうな気がするあたり問題無い気がする。
けどそれって狼が強いのであってぼく自身がそのレベルで強い訳では無いから、作り出す前に襲われたらひとたまりも無いだろう。
「数で押された場合難しいと思うけど……、ハスが使う心器の銃から出る炎の玉で燃やしてしまえばある程度は無力化出来るんじゃないかな」
「本来のアンデッドであれば、頭や心臓を破壊された時点で死霊術によって与えられた仮初の生命の核を破壊出来るからやってみる価値はありそうだね」
「けど、アンデッドは稀に自然発生する場合もありますよ?生前に強靭な意思を持っていたりすると死後体内に残った自らの魔力を使って動き出すとか、もしアンデッドの中にそのような強い意思を持った個体が居たらどうしますか?死者から仮初の生命を与えられて蘇った方達は反乱軍だと思いますし、間違いなく稀に発生するケースに当てはまる可能性があります」
「仮にそうだった場合、首や心臓を破壊しても暫くしたら動き出すだろうね……、自然発生した場合は死後の意思の強さ次第でどんどん進化を遂げていくから早めに手を打たないとまずい事になる」
「進化?ぼくの知ってるアンデッドって全身が骨で出来てるスケルトンや、腐肉で出来た身体を持つゾンビ……や、他の生物の身体を継ぎ接ぎして作るらしいフレッシュゴーレムとかなんだけど?」
他にはグールと言う死肉をあさるアンデッドもいるらしいけど、正直あれは繫殖能力を持ってるからどちらかというとモンスターだと思う。
個体によっては人の言葉を話したり、ぼく達とは変わらない知能を持っているし友好的な態度を取る事から考えると、亜人として考えてもいい気がする。
そう思うと……もしかして
「グールが、その強靭な意思で自らアンデッドになって進化を遂げたのだったりする?」
「他には首無し騎士のデュラハン、リッチと呼ばれる魔術や治癒術を扱う術師、肉体を持たず精霊と同じ身体が魔力で作られたゴーストがいるね」
「後は……現在は確認されてませんが、過去には不死王と呼ばれる個体が生まれ
死霊術で生み出したアンデッドと自然発生した個体を率いて、群を作成し大災害を歴史がありますね」
「死霊術って事は、もしかして死霊術を使う魔術師がアンデッドになったら……進化するとか?」
「……えぇ、その為死霊術は禁術に指定されており、使える者は例外無く国の監視下に入ります、特に彼らは魔力が足りない場合自身の身体の一部を犠牲にして、足りない分を補ったり、術者によっては自らをアンデッドへと徐々に作り上げていくという秘術を行う為、しっかりと管理しておかないと何が起きるのか分からないので」
死霊術と言えばアキラさんの奥さんである、アンさんも死霊術師でマチザワという意思を持ったアンデッドを使役している。
最近は人の顔を象ったマスクと生前の髪形に近いらしい、ウィッグを着けて診療所の手伝いをさせているらしいけど、都市になる前は町のおばあさん達に人気で……今は外から移り住んで来た若い女性達が彼を目当てに来る位だ。
しかも……大した怪我をしてる訳でも無いのに来るから、こんな言い方は良くないけど正直言って迷惑だったりする。
けどあの都市唯一の教会に所属していない、治癒術師が運営している診療所だから無碍にして患者の数を減らすわけには行かないし、経営者目線で考えると悩みどころだ。
「まぁ……とはいえここで幾らたらればの話をしても、どうしようもない……だからここは実際にルード・フェレスとアナイス・アナイアレイトが攻めて来た場合について、俺が今考えてる作戦にレース君の今の手札を組み込んだから説明するよ」
「えぇ……ライさん、よろしくお願いします」
……そう言ってライさんがぼくとカエデに作戦内容を伝えると、再び決戦の時まで身を隠すという事で空間収納の魔術が付与された袋の中へと身を隠す。
内容に関しては三人だけの秘密という事だけど、本当にこれで大丈夫なのだろうかと疑問に思うのだった。
「ライさん、あなたは確かドラゴンにも襲われたのですよね……その個体に関して何か気づいた事がありますか?」
「……胸、心臓にあたる部分がくり抜かれていたね、そこから見ると【死人使い】ルード・フェレスはモンスターの頂点と呼ばれるドラゴンも捕食していた可能性が高い」
「けど、ドラゴンってAやBランク冒険者でも勝つことが難しい程のモンスターでしょ?幾らルードが強くなったからって……」
「レース君、さっき話に出たと思うけど……彼はSランクに匹敵する能力を持っていたケイスニルの能力を継いでいる可能性がある以上不可能では無い」
「……しかし仮にそうだった場合困った事になりましたね、ドラゴンは老齢の個体になると本気になる前のSランク冒険者を圧倒する程の能力を持ちますから、そんな人の範疇を超越した存在がアンデッドとして使役されていた場合、本当にライさん抜きで戦えるのですか?」
本気を出す前のSランク冒険者を圧倒するという事は、少なからずぼくもいつかは老齢のドラゴンを一人で討伐出来る程度には強くならないといけないのかもしれない。
でも……正直心器の長杖を核とした狼が居れば、倒せそうな気がするあたり問題無い気がする。
けどそれって狼が強いのであってぼく自身がそのレベルで強い訳では無いから、作り出す前に襲われたらひとたまりも無いだろう。
「数で押された場合難しいと思うけど……、ハスが使う心器の銃から出る炎の玉で燃やしてしまえばある程度は無力化出来るんじゃないかな」
「本来のアンデッドであれば、頭や心臓を破壊された時点で死霊術によって与えられた仮初の生命の核を破壊出来るからやってみる価値はありそうだね」
「けど、アンデッドは稀に自然発生する場合もありますよ?生前に強靭な意思を持っていたりすると死後体内に残った自らの魔力を使って動き出すとか、もしアンデッドの中にそのような強い意思を持った個体が居たらどうしますか?死者から仮初の生命を与えられて蘇った方達は反乱軍だと思いますし、間違いなく稀に発生するケースに当てはまる可能性があります」
「仮にそうだった場合、首や心臓を破壊しても暫くしたら動き出すだろうね……、自然発生した場合は死後の意思の強さ次第でどんどん進化を遂げていくから早めに手を打たないとまずい事になる」
「進化?ぼくの知ってるアンデッドって全身が骨で出来てるスケルトンや、腐肉で出来た身体を持つゾンビ……や、他の生物の身体を継ぎ接ぎして作るらしいフレッシュゴーレムとかなんだけど?」
他にはグールと言う死肉をあさるアンデッドもいるらしいけど、正直あれは繫殖能力を持ってるからどちらかというとモンスターだと思う。
個体によっては人の言葉を話したり、ぼく達とは変わらない知能を持っているし友好的な態度を取る事から考えると、亜人として考えてもいい気がする。
そう思うと……もしかして
「グールが、その強靭な意思で自らアンデッドになって進化を遂げたのだったりする?」
「他には首無し騎士のデュラハン、リッチと呼ばれる魔術や治癒術を扱う術師、肉体を持たず精霊と同じ身体が魔力で作られたゴーストがいるね」
「後は……現在は確認されてませんが、過去には不死王と呼ばれる個体が生まれ
死霊術で生み出したアンデッドと自然発生した個体を率いて、群を作成し大災害を歴史がありますね」
「死霊術って事は、もしかして死霊術を使う魔術師がアンデッドになったら……進化するとか?」
「……えぇ、その為死霊術は禁術に指定されており、使える者は例外無く国の監視下に入ります、特に彼らは魔力が足りない場合自身の身体の一部を犠牲にして、足りない分を補ったり、術者によっては自らをアンデッドへと徐々に作り上げていくという秘術を行う為、しっかりと管理しておかないと何が起きるのか分からないので」
死霊術と言えばアキラさんの奥さんである、アンさんも死霊術師でマチザワという意思を持ったアンデッドを使役している。
最近は人の顔を象ったマスクと生前の髪形に近いらしい、ウィッグを着けて診療所の手伝いをさせているらしいけど、都市になる前は町のおばあさん達に人気で……今は外から移り住んで来た若い女性達が彼を目当てに来る位だ。
しかも……大した怪我をしてる訳でも無いのに来るから、こんな言い方は良くないけど正直言って迷惑だったりする。
けどあの都市唯一の教会に所属していない、治癒術師が運営している診療所だから無碍にして患者の数を減らすわけには行かないし、経営者目線で考えると悩みどころだ。
「まぁ……とはいえここで幾らたらればの話をしても、どうしようもない……だからここは実際にルード・フェレスとアナイス・アナイアレイトが攻めて来た場合について、俺が今考えてる作戦にレース君の今の手札を組み込んだから説明するよ」
「えぇ……ライさん、よろしくお願いします」
……そう言ってライさんがぼくとカエデに作戦内容を伝えると、再び決戦の時まで身を隠すという事で空間収納の魔術が付与された袋の中へと身を隠す。
内容に関しては三人だけの秘密という事だけど、本当にこれで大丈夫なのだろうかと疑問に思うのだった。
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