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第七章 変わりすぎた日常
6話 共に歩きたい
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その後ぼく達がいない間に診療所で何があったのか教えて貰ったけど、どうやら開拓作業が護衛隊隊長グランツ亡き後停滞していたのは知っていたけど、それに関して前領主が放置を続けていた結果、冒険者崩れや力自慢の荒くれ者達が力を持て余し都市内で暴れて問題を起こす事が多かったらしい。
特に一番襲撃が多かったのが診療所だったらしく……、何でもぼくがグランツに誘拐された後に姿を見なくなった事に関して彼等の恨みを買ってしまった事が理由だという事だけど、それ以外にも、護衛隊に所属していた人達から戦う能力が無いと思われていたのが原因との事。
確かにそれ等の事を考えるとこの都市で唯一個人が経営している診療所より、教会という組織に所属している治癒術師達の方が信用はあるだろうし、何か問題が起きても出来る事は違う。
そういう意味では師匠の言うこの診療所が潰されるというのも分からない訳ではない……
『取り合ず冒険者になる事考えときなさい』
そしてこの一言を残して魔王ソフィア・メセリーと共にソファーから立ち上がると、玄関から外へ出て何処かへと帰ってしまった。
……冒険者か、確か以前今のぼくは実力的にはダートと同じ高位ランクと同じくらいはあると言われた記憶はあるけど、それは一緒に戦って来た人達だから分かる事だと思う。
そういう事も含めて師匠はぼくに冒険者になるように言ったのだろう、どんなに実力があったとしても資格が無ければ一般人と同じだし、冒険者でない例えば傭兵だったりしても周りに認知されてないのなら護衛隊に所属している荒くれ者達と同じだ。
「レース大丈夫?、お義母様からは冒険者になれ見たいに言われたけどそんな悩む位なら無理しないでいいよ?」
「……え?」
「何かあったらレースの事は私が守るから……、それにどうしようも無くなったらさ私のいた世界に一緒に逃げちゃおうよ」
「……ダート?」
「ごめんちょっとだけ不安になっちゃっただけ……」
マスカレイドに再開して以降たまに思い悩むような顔をしていたけど、もしかしてホームシックになっているのかもしれない。
こういう時にどうすれば彼女を安心させる事が出来るのだろうか、ぼくがいるから大丈夫だと仮に言ったとしても説得力がないだろうし、どんな言葉をかけてあげるのが正解なのか……
「そうだね、もしそうなったら皆で逃げちゃおうか」
「え?いいの?」
「ダート達がいるならそれでいいよ、大事な人が側にいてくれるならどこででもやり直せるでしょ?」
「レース……」
「でも逃げる前にやれる事をやってみたいからさ、逃げるのはその後でどうしようもなくなったらでいいかな」
正直これで彼女の不安が取り除けたかは分からないけど、多分こういう時は変に作ったりかっこつけるよりも素直な自分の気持ちを相手に伝えた方が良い気がした。
だから嘘偽りのない気持ちを伝えてはみたけどこれで良かったのだろうか……。
「そうだね……、それに私達がいなくなっちゃったらミュラッカちゃんやカエデちゃん達の事が心配だし、折角この世界で出来た親友のコーちゃんが悲しんじゃいそうだもの」
「うん、だからどうしようも無くなったらぼくが言うから、それまでぼくに信じて付いて来て欲しいんだ」
「んー、そこは私がそうならないようにしっかりとレースの事管理するから付いて行くんじゃなくて隣を一緒に歩いて欲しいって言って欲しかったかなぁ、だって将来夫婦になるんでしょ?片方だけ一方的に支えて貰う何て私は嫌だよ?」
「……分かった、それなら一緒に隣を歩いて欲しい」
「んー、言わされてる感があるけど、今はそれで良いかなぁ」
さっきまで不安げな顔をしていたダートの顔が笑顔に戻ると、そのままぼくの顔を見つめて来る。
……何だか気恥ずかしい気持ちになってしまうけど、こういう時どうすればいいのだろうか。
「で、レースは冒険者の仕事をやりたい?それともやりたくない?」
「必要だと思うからやるよ、今のぼくではこの診療所を守る能力が無いのも確かだから……」
「じゃあ……、今から冒険者ギルドに行こっか、あそこは夜間の急な依頼にも対応する為にずっと開いてる施設だからやるなら早めにね」
「……うん、でもその前に魔導具の指輪に付与された偽装を発動させてっと」
指輪に魔力を通して偽装の効果を発動させる、多分これで髪色が白から黒に変わった筈だ……。
「……どうかな?」
「懐かしい黒い髪になったかなぁ……、この色の方が私は安心するかもだってレースって感じがするし」
「ん?なんで?」
「何でって、白い髪もレースも好きだけど、初めて会った時の髪色だから個人的に思い入れがあるの」
「ならダートの前ではずっと黒髪でいる事にするよ」
正直ぼくも今迄黒髪で生活して来たからこっちの方が気が休まる、そう言う意味でもダートがこっちの方が好きと言ってくれたのは良かったのかもしれない。
「準備が出来たから行こうか」
「うん、冒険者ギルドの場所聞いて無いからちょっとだけ迷いそうだけど、建物の形は何処も同じだから案内するね?」
……ダートに手を引かれながら家を出ると、町から都市へと変わったクイストはぼくと知っている風景では無かった。
周囲の建物は今迄通りだから迷う事は無いだろうけど、多分新しい建物が並んでいる場所に行くと何も分からないだろう。
そんな事を考えながら都市内を歩いていると、懐かしいコルクの雑貨屋が見えて中から明かりが漏れている。
ソフィアがコルクとジラルドがこの都市に滞在する様になったと言っていたから、もしかしたら既に戻って来ているのかもしれない。
冒険者ギルドでの用事が終わったらダートと一緒に訪ねてみよう、彼女達には凄い心配させたと思うか等その方が良い筈だ。
ただやっぱり不思議な感じがする家を出て直ぐの場所はこうやって何も変わらないのに、こうやって少し離れると知らない家屋や施設が並んでいるという光景がどうもなれるのに時間が掛かりそうな気がするのだった。
特に一番襲撃が多かったのが診療所だったらしく……、何でもぼくがグランツに誘拐された後に姿を見なくなった事に関して彼等の恨みを買ってしまった事が理由だという事だけど、それ以外にも、護衛隊に所属していた人達から戦う能力が無いと思われていたのが原因との事。
確かにそれ等の事を考えるとこの都市で唯一個人が経営している診療所より、教会という組織に所属している治癒術師達の方が信用はあるだろうし、何か問題が起きても出来る事は違う。
そういう意味では師匠の言うこの診療所が潰されるというのも分からない訳ではない……
『取り合ず冒険者になる事考えときなさい』
そしてこの一言を残して魔王ソフィア・メセリーと共にソファーから立ち上がると、玄関から外へ出て何処かへと帰ってしまった。
……冒険者か、確か以前今のぼくは実力的にはダートと同じ高位ランクと同じくらいはあると言われた記憶はあるけど、それは一緒に戦って来た人達だから分かる事だと思う。
そういう事も含めて師匠はぼくに冒険者になるように言ったのだろう、どんなに実力があったとしても資格が無ければ一般人と同じだし、冒険者でない例えば傭兵だったりしても周りに認知されてないのなら護衛隊に所属している荒くれ者達と同じだ。
「レース大丈夫?、お義母様からは冒険者になれ見たいに言われたけどそんな悩む位なら無理しないでいいよ?」
「……え?」
「何かあったらレースの事は私が守るから……、それにどうしようも無くなったらさ私のいた世界に一緒に逃げちゃおうよ」
「……ダート?」
「ごめんちょっとだけ不安になっちゃっただけ……」
マスカレイドに再開して以降たまに思い悩むような顔をしていたけど、もしかしてホームシックになっているのかもしれない。
こういう時にどうすれば彼女を安心させる事が出来るのだろうか、ぼくがいるから大丈夫だと仮に言ったとしても説得力がないだろうし、どんな言葉をかけてあげるのが正解なのか……
「そうだね、もしそうなったら皆で逃げちゃおうか」
「え?いいの?」
「ダート達がいるならそれでいいよ、大事な人が側にいてくれるならどこででもやり直せるでしょ?」
「レース……」
「でも逃げる前にやれる事をやってみたいからさ、逃げるのはその後でどうしようもなくなったらでいいかな」
正直これで彼女の不安が取り除けたかは分からないけど、多分こういう時は変に作ったりかっこつけるよりも素直な自分の気持ちを相手に伝えた方が良い気がした。
だから嘘偽りのない気持ちを伝えてはみたけどこれで良かったのだろうか……。
「そうだね……、それに私達がいなくなっちゃったらミュラッカちゃんやカエデちゃん達の事が心配だし、折角この世界で出来た親友のコーちゃんが悲しんじゃいそうだもの」
「うん、だからどうしようも無くなったらぼくが言うから、それまでぼくに信じて付いて来て欲しいんだ」
「んー、そこは私がそうならないようにしっかりとレースの事管理するから付いて行くんじゃなくて隣を一緒に歩いて欲しいって言って欲しかったかなぁ、だって将来夫婦になるんでしょ?片方だけ一方的に支えて貰う何て私は嫌だよ?」
「……分かった、それなら一緒に隣を歩いて欲しい」
「んー、言わされてる感があるけど、今はそれで良いかなぁ」
さっきまで不安げな顔をしていたダートの顔が笑顔に戻ると、そのままぼくの顔を見つめて来る。
……何だか気恥ずかしい気持ちになってしまうけど、こういう時どうすればいいのだろうか。
「で、レースは冒険者の仕事をやりたい?それともやりたくない?」
「必要だと思うからやるよ、今のぼくではこの診療所を守る能力が無いのも確かだから……」
「じゃあ……、今から冒険者ギルドに行こっか、あそこは夜間の急な依頼にも対応する為にずっと開いてる施設だからやるなら早めにね」
「……うん、でもその前に魔導具の指輪に付与された偽装を発動させてっと」
指輪に魔力を通して偽装の効果を発動させる、多分これで髪色が白から黒に変わった筈だ……。
「……どうかな?」
「懐かしい黒い髪になったかなぁ……、この色の方が私は安心するかもだってレースって感じがするし」
「ん?なんで?」
「何でって、白い髪もレースも好きだけど、初めて会った時の髪色だから個人的に思い入れがあるの」
「ならダートの前ではずっと黒髪でいる事にするよ」
正直ぼくも今迄黒髪で生活して来たからこっちの方が気が休まる、そう言う意味でもダートがこっちの方が好きと言ってくれたのは良かったのかもしれない。
「準備が出来たから行こうか」
「うん、冒険者ギルドの場所聞いて無いからちょっとだけ迷いそうだけど、建物の形は何処も同じだから案内するね?」
……ダートに手を引かれながら家を出ると、町から都市へと変わったクイストはぼくと知っている風景では無かった。
周囲の建物は今迄通りだから迷う事は無いだろうけど、多分新しい建物が並んでいる場所に行くと何も分からないだろう。
そんな事を考えながら都市内を歩いていると、懐かしいコルクの雑貨屋が見えて中から明かりが漏れている。
ソフィアがコルクとジラルドがこの都市に滞在する様になったと言っていたから、もしかしたら既に戻って来ているのかもしれない。
冒険者ギルドでの用事が終わったらダートと一緒に訪ねてみよう、彼女達には凄い心配させたと思うか等その方が良い筈だ。
ただやっぱり不思議な感じがする家を出て直ぐの場所はこうやって何も変わらないのに、こうやって少し離れると知らない家屋や施設が並んでいるという光景がどうもなれるのに時間が掛かりそうな気がするのだった。
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