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第一章 死んだらそこは異世界でした
18話 意見のぶつかり合い
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初めての野営だから眠れないんだろうなぁって思ったけど、そんな事が無かったというか。
目がさえて眠れそうにない私に気を使ってくれたゼンさんが、痛そうに自分のお腹を摩りながら眠るまで色んな話をしてくれたおかげで気付いたら夢の中にいた。
……その時に前の世界の辛い思い出を夢に見てしまったけど、多分これに関しては慣れない環境のせいだと思うからしょうがないんじゃないかなぁって事で朝になって目を覚ましても、誰にも言わずにいつも通りを装いながら三日も経ったけど――
「ねぇー、ずっと歩いてばかりで疲れたけど何時になったら首都に着くの?」
「あぁ、多分後一週間位じゃないか?」
「えぇ?まだ歩くの?、他に町とかあったらそこで宿を借りるとかして休みたい……、カーくん近くに人が暮らしてる場所とか無いの?」
「あるけど、今は近づくのは良くないからね……、この前の襲撃の事もそうだけど町に着いて安心した瞬間に襲われたら危ないからね、俺とゼンがいるから万が一の事にはならないとは思うけど、何が起こるか分からない所には近づかない方が良いと思うかな」
「……なら町に行きたいかな、ゆっくりベッドで休みたい」
私達三人なら襲撃されても大丈夫だと思うし、それにこの世界の人間をゼンさんしか見た事無いから出来れば他の人の事も知っておきたいなぁって、だって知らない事ばかりだし……これで仮にこの世界の争いを止める事が出来たとしても根本的な解決にはなってない気がするんだよね。
ほら強い人が一方的に全てを終わらせてさようならってしてしまうよりも、ちゃんと理解した上で行動する人の方が立派と言うか、その方が周囲の人も納得するんじゃないかなぁって……、まぁ自己満足って言われたらそうなんだろうけど、んー、何て言ったらいいのか分からないかも……
「まぁシャルネが行きたいなら言ってみてもいいんじゃないか?、旅に慣れてない奴に無理させるのは良くないしな」
「そうかもしれないけど、俺達は三人と数が少ないから集団で来られたらどうしようも無いと思うんだよね、幾ら強かったとしても個人としての能力は集団の前では無力だと思わない?……まぁ他にも心配な事があるしさ」
「心配な事って、カーくんどうしたの?」
「さっき言った襲われた時の事もそうなんだけど周囲の被害を考えて見なよ、シャルネの事を守るのは当然の事だけど、町に住んでる人達の事はどうするんだい?……守り切る自信があるなら寄ってもいいけど自身はある?」
「……無いかも、もし何かあったら二人は私を守ろうとするんだよね?それなら諦めようかな、私の我が儘で傷付く人が出たら嫌だよ」
もしそれで傷付く人で出てしまったら後悔すると思うし、死人まで出てしまったら残された人がどうなってしまうのか……考えると居た堪れない気持ちになる。
それなら辛くても耐えた方が良いと思うし、泣き言をいうのは止めた方がいいのかも……
「カーティスさぁ、そんな事言ってたら首都に着いた後どうすんだ?そこから次の目的地までこうやって野営を続けてシャルネに疲れを溜めさせるのかよ、俺はそういうのは反対だぞ?……それにだ、集落の外は常に生きるか死ぬかの時代だ、栄花は情勢が安定している方とは言え魔族や天族達と戦争をしているのは変わらないし、しかもこの国から出たら隣の国同士でも争ってんだから早めに慣らした方がいいだろ?、何時までも危険な状況から遠ざけてばかりじゃこいつの為にならねぇよ」
「……確かにそうかもしれないが、いきなり過酷な環境に連れて行くのはどうかと思わないのかな?、そういう野蛮な思考を持つ位なら俺はシャルネに寄り添った考えを選ぶよ」
「あ、あのぉ……私の為に色々と言ってくれるのは嬉しいんだけどね?……私からしたら既にこの環境が過酷って言うか、慣れない野宿とかで辛いのは確かだし、ゼンさんの言うように今のうちに慣らした方がいいかなぁって、カーくんは私に寄り添ってくれるんでしょ?だから一緒に行こ?」
「……そんな事言われたら断ったら俺が悪者になるじゃないか、良いよそれなら行こう……でも何が起きても自分で選んだのだから後悔はしないようにね」
「……うん、後悔しないって言う事に関しては約束出来ないって言うか、多分何か起きたら辛い気持ちにはなって後悔してしまうと思うけど、それでもこの世界について知らない事が多いから……この目で見てちゃんと考えられるようになりたいかな」
「そこまで言うならもう俺からは何も言わないけど……どうしようもない状況になったら町の住民達を皆殺しにしてでも守らせて貰うから覚えておいて欲しい、シャルネの立場はこの世界にとっていや、俺達にとってそれ程までに大事な存在なのだから」
……カーくんはそう言うと何かを考えてるようで難しい顔をしている。
でもこれに関してはしょうがないと思うなぁ、だってカーくんなりにこの旅に関して思う所があると思うし、ゼンさんもゼンさんで考えがあるのは当然で、多分旅の間に何度もこうやってぶつかる事になるんだと思う。
理想論かもしれないけど、その度にお互いの事を知って行って仲良くなれたらなぁって……そんな事を考えながら歩いているとゼンさんが『取り合えず話はまとまったみたいだし、ここから町まではそうだな……今から行けば陽が沈むまでには着けると思うから遅くなる前に行こうぜ!』と言うと私達の前を歩き出すのだった。
目がさえて眠れそうにない私に気を使ってくれたゼンさんが、痛そうに自分のお腹を摩りながら眠るまで色んな話をしてくれたおかげで気付いたら夢の中にいた。
……その時に前の世界の辛い思い出を夢に見てしまったけど、多分これに関しては慣れない環境のせいだと思うからしょうがないんじゃないかなぁって事で朝になって目を覚ましても、誰にも言わずにいつも通りを装いながら三日も経ったけど――
「ねぇー、ずっと歩いてばかりで疲れたけど何時になったら首都に着くの?」
「あぁ、多分後一週間位じゃないか?」
「えぇ?まだ歩くの?、他に町とかあったらそこで宿を借りるとかして休みたい……、カーくん近くに人が暮らしてる場所とか無いの?」
「あるけど、今は近づくのは良くないからね……、この前の襲撃の事もそうだけど町に着いて安心した瞬間に襲われたら危ないからね、俺とゼンがいるから万が一の事にはならないとは思うけど、何が起こるか分からない所には近づかない方が良いと思うかな」
「……なら町に行きたいかな、ゆっくりベッドで休みたい」
私達三人なら襲撃されても大丈夫だと思うし、それにこの世界の人間をゼンさんしか見た事無いから出来れば他の人の事も知っておきたいなぁって、だって知らない事ばかりだし……これで仮にこの世界の争いを止める事が出来たとしても根本的な解決にはなってない気がするんだよね。
ほら強い人が一方的に全てを終わらせてさようならってしてしまうよりも、ちゃんと理解した上で行動する人の方が立派と言うか、その方が周囲の人も納得するんじゃないかなぁって……、まぁ自己満足って言われたらそうなんだろうけど、んー、何て言ったらいいのか分からないかも……
「まぁシャルネが行きたいなら言ってみてもいいんじゃないか?、旅に慣れてない奴に無理させるのは良くないしな」
「そうかもしれないけど、俺達は三人と数が少ないから集団で来られたらどうしようも無いと思うんだよね、幾ら強かったとしても個人としての能力は集団の前では無力だと思わない?……まぁ他にも心配な事があるしさ」
「心配な事って、カーくんどうしたの?」
「さっき言った襲われた時の事もそうなんだけど周囲の被害を考えて見なよ、シャルネの事を守るのは当然の事だけど、町に住んでる人達の事はどうするんだい?……守り切る自信があるなら寄ってもいいけど自身はある?」
「……無いかも、もし何かあったら二人は私を守ろうとするんだよね?それなら諦めようかな、私の我が儘で傷付く人が出たら嫌だよ」
もしそれで傷付く人で出てしまったら後悔すると思うし、死人まで出てしまったら残された人がどうなってしまうのか……考えると居た堪れない気持ちになる。
それなら辛くても耐えた方が良いと思うし、泣き言をいうのは止めた方がいいのかも……
「カーティスさぁ、そんな事言ってたら首都に着いた後どうすんだ?そこから次の目的地までこうやって野営を続けてシャルネに疲れを溜めさせるのかよ、俺はそういうのは反対だぞ?……それにだ、集落の外は常に生きるか死ぬかの時代だ、栄花は情勢が安定している方とは言え魔族や天族達と戦争をしているのは変わらないし、しかもこの国から出たら隣の国同士でも争ってんだから早めに慣らした方がいいだろ?、何時までも危険な状況から遠ざけてばかりじゃこいつの為にならねぇよ」
「……確かにそうかもしれないが、いきなり過酷な環境に連れて行くのはどうかと思わないのかな?、そういう野蛮な思考を持つ位なら俺はシャルネに寄り添った考えを選ぶよ」
「あ、あのぉ……私の為に色々と言ってくれるのは嬉しいんだけどね?……私からしたら既にこの環境が過酷って言うか、慣れない野宿とかで辛いのは確かだし、ゼンさんの言うように今のうちに慣らした方がいいかなぁって、カーくんは私に寄り添ってくれるんでしょ?だから一緒に行こ?」
「……そんな事言われたら断ったら俺が悪者になるじゃないか、良いよそれなら行こう……でも何が起きても自分で選んだのだから後悔はしないようにね」
「……うん、後悔しないって言う事に関しては約束出来ないって言うか、多分何か起きたら辛い気持ちにはなって後悔してしまうと思うけど、それでもこの世界について知らない事が多いから……この目で見てちゃんと考えられるようになりたいかな」
「そこまで言うならもう俺からは何も言わないけど……どうしようもない状況になったら町の住民達を皆殺しにしてでも守らせて貰うから覚えておいて欲しい、シャルネの立場はこの世界にとっていや、俺達にとってそれ程までに大事な存在なのだから」
……カーくんはそう言うと何かを考えてるようで難しい顔をしている。
でもこれに関してはしょうがないと思うなぁ、だってカーくんなりにこの旅に関して思う所があると思うし、ゼンさんもゼンさんで考えがあるのは当然で、多分旅の間に何度もこうやってぶつかる事になるんだと思う。
理想論かもしれないけど、その度にお互いの事を知って行って仲良くなれたらなぁって……そんな事を考えながら歩いているとゼンさんが『取り合えず話はまとまったみたいだし、ここから町まではそうだな……今から行けば陽が沈むまでには着けると思うから遅くなる前に行こうぜ!』と言うと私達の前を歩き出すのだった。
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