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第一章 目覚めたらそこは……
17話 食の好み
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口に入れて味がする事に思わず驚いてしまい固まってしまう。
もしやとは思うが、味覚が無くなったのでは無く……感じづらくなっただけなのかもしれない。
そうだった場合少しずつ味を薄くしていけば治る可能性がある
(病気になりそうなくらいに甘い……、リーゼちゃん、ミコトちゃん大丈夫?)
(無理……、甘すぎて気持ち悪い、でも食感はいいからなんだか頭の中がおかしくなりそう)
(……だよね、でもキクちゃんから出されたのを残すのは失礼だと思うから、お姉ちゃんが全部食べるね?)
(セツ姉!?無理しちゃだめだよ!兄貴も止めて!)
頭の中が二人の会話で賑やかだ。
止めてと言われるが、個人的にはしっかりと味がして美味しく感じる分出来る事なら全て食べてしまいたいくらいだ。
「えっと……キクさん、これ作るときに味見とかしたの?」
「してないけど?……料理は全部見様見真似でやれば美味しく出来るものでしょ?」
「……全然美味しくないよ?試しに食べてみて?」
「え?うん……、うわぁなにこれ病気になりそう」
「キクさんこんなの出しちゃだめだよ……、兄貴もそう思うで……しょ?」
ミコトがこちらを見て言葉を詰まらせる。
黙々と食べているだけなのにいったいどうしたというのか……、まるで危険な物を見るような顔をされても困るのだが。
「えっとイフリーゼ……、作った私が言うのもどうかと思うけど無理して食べないでいいんだけど?」
「無理はしていない、むしろ味がしっかりとしていて美味しく感じるくらいだな……、二人がいらないのなら全部食べるから貰うぞ?」
「え。えぇ……あの本当においしいの?」
「あぁ、これなら毎日でも食べたい位だな、個人的にはもっと味が濃い方が好みだ」
「な、ならイフリーゼがここに泊まる時に私がここに居たら、特別に私があなたの面倒を見てあげるわ、か、感謝する事ね!」
顔を赤くしながら言うがそんなに嬉しいのだろうか。
そもそも出された食事はしっかりと食べるのは当たり前のだと思うが……。
(兄貴……、これ本当においしいの?)
(あぁ、だから大丈夫だ、ミコトとセツナの分も含めて私が全部食べる)
(リーゼちゃん、無理しないでね?)
(無理はしない)
そう頭の中で会話をしながら無言で出された物を食べ終わると、キクが急いで空いたお皿をまとめて持ち立ち上がり……
「じゃ、じゃあ!私もう行くから皆はゆっくり休んでよね!後で夕飯とか持ってくるから!」
「あぁ、楽しみにしている」
「あなたの分は私が責任を持って作るから、覚悟しとく事ね!」
「食事に覚悟も無いだろう?さっきの美味しさでキクの食事について信用をしているからな」
「う、うるさいわよ!もう!なんなのあなたっ!ほんっと……ありがと」
そういうと耳まで赤らめて部屋を出て行くが、何ていうか忙しい奴だ。
とはいえ先ほどまで賑やかだったこの部屋が彼女が出て行った事で静かになってしまい……。
「……賑やかだったな」
「兄貴が誰かと話していて楽しそうにしてるところ私初めて見たかも」
「そうか?」
「うん……、私が覚えてる兄貴っていつも私の事を心配してたりそれ以外だと、いつも何かに悩んだような顔ばかりしてたからさ」
(リーゼちゃんは思いつめやすい性格してるからね……、でも自分が正しいと思った事には真っすぐに動けるところもあるから、お姉ちゃんは大好きだよ?)
思いつめやすい性格である事は自分でも自覚している。
ただ……大戦の時は覚えている限りではその性格が災いして非常になれなかった。
戦った者たちはみな大事なものを守ろうと必死だったが、私はその者達を誰一人として殺す事が出来ず、氷に閉じ込めていつ目覚めるのか分からない眠りへとと落としただけだ。
それに関して誰かが笑顔で何かを言っていた気がするが、それが何かはぼんやりとして思い出せそうにない。
「……まぁ、過去の事よりも大事なことは今だ、とりあえずだが明日の事はどうする?」
「明日ってそのまま洞窟に帰るんじゃないの?」
「予定としてはそうだが、昇格試験の事も然りまずはどんな事をするのか情報を集めたりした方が良いのではないか?」
(でもどうするの?)
どうするかまでは考えてはいないが、どこかしらに過去の昇格試験の記録がある筈だ。
それを見る事さえできるのなら問題ないだろう。
「それならさ兄貴、先輩の冒険者に聞けばいいんじゃない?」
「先輩?私達と繋がりがある冒険者か……」
(それならお夕飯の時にキクちゃんに聞いてみたら良いんじゃないかな)
「……なるほど、確かにキクなら教えてくれそうだな」
「なら決まりだね、それなら兄貴に任せちゃおうかな……多分だけど私よりも兄貴の方がキクさんと仲良くなれそうだし」
……何故私に対応を任せるのかと一瞬不満に思ったが、ミコトがそういうのなら試してみるのも良いだろう。
そう思いながら夕飯の時間まで特にやることが無い私達は今頃洞窟はどうなっているのだろうかと話しつつゆっくりと時間をつぶすのだった。
もしやとは思うが、味覚が無くなったのでは無く……感じづらくなっただけなのかもしれない。
そうだった場合少しずつ味を薄くしていけば治る可能性がある
(病気になりそうなくらいに甘い……、リーゼちゃん、ミコトちゃん大丈夫?)
(無理……、甘すぎて気持ち悪い、でも食感はいいからなんだか頭の中がおかしくなりそう)
(……だよね、でもキクちゃんから出されたのを残すのは失礼だと思うから、お姉ちゃんが全部食べるね?)
(セツ姉!?無理しちゃだめだよ!兄貴も止めて!)
頭の中が二人の会話で賑やかだ。
止めてと言われるが、個人的にはしっかりと味がして美味しく感じる分出来る事なら全て食べてしまいたいくらいだ。
「えっと……キクさん、これ作るときに味見とかしたの?」
「してないけど?……料理は全部見様見真似でやれば美味しく出来るものでしょ?」
「……全然美味しくないよ?試しに食べてみて?」
「え?うん……、うわぁなにこれ病気になりそう」
「キクさんこんなの出しちゃだめだよ……、兄貴もそう思うで……しょ?」
ミコトがこちらを見て言葉を詰まらせる。
黙々と食べているだけなのにいったいどうしたというのか……、まるで危険な物を見るような顔をされても困るのだが。
「えっとイフリーゼ……、作った私が言うのもどうかと思うけど無理して食べないでいいんだけど?」
「無理はしていない、むしろ味がしっかりとしていて美味しく感じるくらいだな……、二人がいらないのなら全部食べるから貰うぞ?」
「え。えぇ……あの本当においしいの?」
「あぁ、これなら毎日でも食べたい位だな、個人的にはもっと味が濃い方が好みだ」
「な、ならイフリーゼがここに泊まる時に私がここに居たら、特別に私があなたの面倒を見てあげるわ、か、感謝する事ね!」
顔を赤くしながら言うがそんなに嬉しいのだろうか。
そもそも出された食事はしっかりと食べるのは当たり前のだと思うが……。
(兄貴……、これ本当においしいの?)
(あぁ、だから大丈夫だ、ミコトとセツナの分も含めて私が全部食べる)
(リーゼちゃん、無理しないでね?)
(無理はしない)
そう頭の中で会話をしながら無言で出された物を食べ終わると、キクが急いで空いたお皿をまとめて持ち立ち上がり……
「じゃ、じゃあ!私もう行くから皆はゆっくり休んでよね!後で夕飯とか持ってくるから!」
「あぁ、楽しみにしている」
「あなたの分は私が責任を持って作るから、覚悟しとく事ね!」
「食事に覚悟も無いだろう?さっきの美味しさでキクの食事について信用をしているからな」
「う、うるさいわよ!もう!なんなのあなたっ!ほんっと……ありがと」
そういうと耳まで赤らめて部屋を出て行くが、何ていうか忙しい奴だ。
とはいえ先ほどまで賑やかだったこの部屋が彼女が出て行った事で静かになってしまい……。
「……賑やかだったな」
「兄貴が誰かと話していて楽しそうにしてるところ私初めて見たかも」
「そうか?」
「うん……、私が覚えてる兄貴っていつも私の事を心配してたりそれ以外だと、いつも何かに悩んだような顔ばかりしてたからさ」
(リーゼちゃんは思いつめやすい性格してるからね……、でも自分が正しいと思った事には真っすぐに動けるところもあるから、お姉ちゃんは大好きだよ?)
思いつめやすい性格である事は自分でも自覚している。
ただ……大戦の時は覚えている限りではその性格が災いして非常になれなかった。
戦った者たちはみな大事なものを守ろうと必死だったが、私はその者達を誰一人として殺す事が出来ず、氷に閉じ込めていつ目覚めるのか分からない眠りへとと落としただけだ。
それに関して誰かが笑顔で何かを言っていた気がするが、それが何かはぼんやりとして思い出せそうにない。
「……まぁ、過去の事よりも大事なことは今だ、とりあえずだが明日の事はどうする?」
「明日ってそのまま洞窟に帰るんじゃないの?」
「予定としてはそうだが、昇格試験の事も然りまずはどんな事をするのか情報を集めたりした方が良いのではないか?」
(でもどうするの?)
どうするかまでは考えてはいないが、どこかしらに過去の昇格試験の記録がある筈だ。
それを見る事さえできるのなら問題ないだろう。
「それならさ兄貴、先輩の冒険者に聞けばいいんじゃない?」
「先輩?私達と繋がりがある冒険者か……」
(それならお夕飯の時にキクちゃんに聞いてみたら良いんじゃないかな)
「……なるほど、確かにキクなら教えてくれそうだな」
「なら決まりだね、それなら兄貴に任せちゃおうかな……多分だけど私よりも兄貴の方がキクさんと仲良くなれそうだし」
……何故私に対応を任せるのかと一瞬不満に思ったが、ミコトがそういうのなら試してみるのも良いだろう。
そう思いながら夕飯の時間まで特にやることが無い私達は今頃洞窟はどうなっているのだろうかと話しつつゆっくりと時間をつぶすのだった。
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