175 / 192
130 dayan D 解散
しおりを挟む
「ごめん。ありがとう。」
慌てて目を擦るとハンカチを渡された。有り難く使わさせてもらう。
「それから、お前が気にしている他人とやらに対して償う必要は無い。」
「なんで?」
「既に償っているからだ。」
言われてハテナが飛ぶ。
「お前の存在で生じた災いは全てお前が受け取っている。あとは大団円さえ成立させればそれで終わりだろう?」
確かに大団円エンディングを迎えた後はゲームと同じで、めでたしめでたしになる。全てのゴールがそれに繋がっていく運命を感じた。
その後、ハルナツフユとカークに告白した。どのような反応でも受け入れるつもりだったけれど、全てはDの言う通りだった。
「苦しみ…ですか。生憎そのような目に遭った覚えはございませんが?」
フユは小首を傾げてハルもウンウンと同調する。
「今回だけじゃなくて、記憶の無い昔も含めて、だよ。ハルはβ種だったり、死にかけたりしたでしょう?」
「記憶の無い時の事は分かりませんが、感情は残ると言うお話ですよね?でしたら、それにも関わらず今も我が君のお側に控えている事が答えかと。お召しいただけた事が全てを超越する喜びでございます。」
「アキ!さいおうが馬だよ!今の僕は幸せだもん!」
ニコニコ答えられて、ナツを見た。ナツは顎にてをやりつつ苦笑いだ。
「ま、そう言うこっちゃ。今ここでハイサイナラされた方が傷つくわ。」
有り難さと申し訳なさで感極まりそうになる、そこに明るい声が響く。
「あたしは別契約だから関係ないもーん。ここ超楽快適だからそれで良くない?」
そう言いながら、巨大すあま風の何かを頬張っていて思わず笑ってしまった。
それから数日は何事もなく過ごした。最後のピースを探さなくてはならないのは重々承知していたけれど、例によって例のごとく私がダウン。精神疲労か記憶が戻った影響か。多分両方。
Dはまたどこかに出かけて、ナツフユは修行に勤しむ。カークとハルとのんびりとした時間を過ごした。
のんびり過ごしながらも、私が探しているピースについては考える。残りのピースは、近くに無いのでは無いか。だとしたらどこだ。思い当たる場所が一つだけある。
ゲーム開始の条件に揃ってない出来事。それはサンサンが生きていると言う事。何かトラブルがあるかもしれない。それなら、私はあそこに戻らなくてはならない。
体調が戻り、Dも帰ってきて、私は闇の国に戻ろうかと思っている事を相談しようと思った。その私を遮って、リビングにいる皆に向かってDは決定事項を告げた。それは、ダヤンの解散であり、この家を取り潰すという事だった。
「アキが帰り、聖女が現れた時に記憶は一部消される。だが完璧に消え去るわけではなく、聖女をエンディングに導くヒント程度には残されるだろう。」
Dの言葉に皆は初めから思うところがあったのか、静かに聞いていた。
「ヒントのみならば良いが、この家を見つけられ、下手に過去が暴かれる事態は避けるべきだ。聖女御一行には大団円に向かって邁進してもらいたい。だから、ここは更地に戻す。ダヤンの技術もそれぞれの国の研究所にくれてやる。その方が今後何かと都合も良いだろう。」
Dは個人資産も街に住むところもある。どうしても残したい研究機器は既に別の場所に移したそうだ。
「えらい急やけど、アキは聞いてたんか?」
「ううん。でも、私も闇の国に戻ろうかと思っていたところだから。」
「それは好都合だ。」
でも、本当に急だ。何かあったのでは無いかと勘ぐってしまうほどに。見た限りDは通常営業で淡々としている。
「3日後には出て行ってもらう。」
「ちょ、マジ早いわ。」
あまりにも早い期限にナツはここぞとばかりに突っ込んだ。
「悪いがこちらにも都合がある。聖女が来る時までに体力を回復させておきたい。」
「どういう意味ですか?」
「アキとの契約を解除する。そのダメージを試算したが、それなりのペナルティになりそうだ。」
フユの問いにDが答えて、ナツは反応した。
「…主従契約、解除できるんか?それ、使令もできるか?」
「不可能では無いだろうが、ダメージを考えると現実的では無いな。」
「ナツ…。」
「いや、分かっとる。大団円の方優先や。」
ナツの一刻も早い解放を願う気持ちは分かるけれど、ダメージが大きいなら今はできない。守護神を創造した後ならその神に頼んだ方が早い。
「じゃあ、これからはD抜きで頑張らなきゃだね!僕頑張る!」
「私はいかがいたしましょう?」
フユは真剣な面差しで私に伺いを立てているが、右手はハルをヨシヨシマフマフしている。いや、おかしいでしょ。確かにハル可愛いけど。
「えっと、そうだね。まずは光の国の方に一度顔を出してきてくれる?行方不明のままゲーム突入は良くないだろうし。」
「…プリンとババロアとガトーショコラと…食べ納めのオススメって、あと何かある?」
カークの心残りはスイーツ限定だけかもしれない。
カークとストラスはどうしてもの必要がない限り動かさない方がいい。堂々と連れて行くと触りがある。山のみんなにもお別れに行った。
もう染髪める必要はないけれど、痛みがあるからとカークには最後にトリートメントのスペシャルケアをしてもらった。スイーツのお礼だとか。
「前に話していたカークの願いって聞いてもいい?」
「良いわよ。」
手は止めずにさらりとカークは答えた。
「あたしね、人間になりたいなーって。」
「え?人間?人間になって、そんなにスイーツ食べたら具合悪くなるよ?」
びっくりする私にカークはおほほと笑う。
「よねぇ。でも、ここであんた達と過ごして有限の命もいいなって。ほら、あたしってば、全てが完璧じゃない?だから逆に本気になることなんて無くてさ。」
無限の命。それはいつも置いていかれる側でやはり寂しいものなのかもしれない。
「できた!会心の出来だわ!」
髪も化粧も施され、ついでにとても可愛い服まで着せられた。ダヤンとして動いていた時は動きやすい服に黒フードだったし、かなり新鮮だ。鏡の前でくるくる回ると、思わず笑んでしまう。
「いいわぁ。可愛いわよ。素材は悪かないもんねぇ。」
「もう、ちんちくりんじゃない?」
「ちんちくりんはちんちくりんね。でもそれがあんたの良いとこよ!」
両肩をバシッと叩かれたと思ったらそのまま抱き寄せられた。
「ほんとに持っていきたいくらい可愛いわ。でもこれはあいつへのお礼だしねぇ。これくらいは良いでしょ。」
ギュッとハグされた後、ほっぺにちゅっとキスされた。
「カーク?」
「……、いつか私が人間になって貴女の魂に会う時を楽しみにしてるわ。それまではあんたに近づけないし。」
「そうなの?」
「だって、ここを出ちゃったら、あたしまた人の血への渇望抑えられなくなるはずだもん。好みの女を前にして止められるわけないでしょ。」
「は?」
「じゃあね。」
カークはそう言って部屋を出て行った。カークとはそれきりだった。
「カーク、天才だったんだね。」
ほうぅ、とため息をつくハルの目はハートだ。
「せやな。」「こればかりは異論はありません。」
ナツとフユは多少のリップサービスは込みかもしれない。
「では、契約の解除を済ませる。」
「ほな、俺らは先行くわ。」
そう言ってナツはハルとフユを引きずるように転送円に引っ張って行った。
「ほな、Dの旦那、また!」
慌ただしく三人は行ってしまった。ハルは手をブンブン振らながら消えたが、フユに至って別れを惜しむ情緒皆無だ。記憶なくなってからまた会うわけだけど。
「解除するぞ?」
「お願いします。」
私とDを繋いでいた機械は取り外され、私の耳朶にDの手が触れる。昔防御魔法がペリペリと剥がれた時と近い感覚があって、Dとの繋がりが、途切れた。
ぐらり、とよろけるDを支える。
「大丈夫?」
「問題ない、と言いたいところだが、流石にきついな。」
その場に座らせて、壁にもたれさせる。このまま放ってはいけないでしょ。
「いくらなんでも、少し回復するまで一緒にいようか?」
「いや…いい。新居には3号が待っている。ハルとフユの家事スキルを落とし込んだから大丈夫だ。」
それは心強い。私にその依頼が来なかったのが少しだけ引っかかるけど。
「だが、そうだな。水を一杯だけもらおうか。」
台所に水を取りに行く。コップは1つ残されていた。家具も多くはそのままだけれど人の気配が一切しない。私達のこの家がとても広く感じられた。
「はい、お水。」
「ああ。」
少しずつ口をつけるDを見つめた。本当に彼にはお世話になりっぱなしだった。
「ねぇ、セレス。今まで、ずっと、ずっとありがとう。闇の国で最後のピース探し出してみせるよ。」
Dの手が止まった。そして、目を閉じたまま口が動く。
「最後のピースは俺が持っている。」
※後書き
セレスあったかも展開18禁を別枠で投稿しました。よろしければご覧ください。
慌てて目を擦るとハンカチを渡された。有り難く使わさせてもらう。
「それから、お前が気にしている他人とやらに対して償う必要は無い。」
「なんで?」
「既に償っているからだ。」
言われてハテナが飛ぶ。
「お前の存在で生じた災いは全てお前が受け取っている。あとは大団円さえ成立させればそれで終わりだろう?」
確かに大団円エンディングを迎えた後はゲームと同じで、めでたしめでたしになる。全てのゴールがそれに繋がっていく運命を感じた。
その後、ハルナツフユとカークに告白した。どのような反応でも受け入れるつもりだったけれど、全てはDの言う通りだった。
「苦しみ…ですか。生憎そのような目に遭った覚えはございませんが?」
フユは小首を傾げてハルもウンウンと同調する。
「今回だけじゃなくて、記憶の無い昔も含めて、だよ。ハルはβ種だったり、死にかけたりしたでしょう?」
「記憶の無い時の事は分かりませんが、感情は残ると言うお話ですよね?でしたら、それにも関わらず今も我が君のお側に控えている事が答えかと。お召しいただけた事が全てを超越する喜びでございます。」
「アキ!さいおうが馬だよ!今の僕は幸せだもん!」
ニコニコ答えられて、ナツを見た。ナツは顎にてをやりつつ苦笑いだ。
「ま、そう言うこっちゃ。今ここでハイサイナラされた方が傷つくわ。」
有り難さと申し訳なさで感極まりそうになる、そこに明るい声が響く。
「あたしは別契約だから関係ないもーん。ここ超楽快適だからそれで良くない?」
そう言いながら、巨大すあま風の何かを頬張っていて思わず笑ってしまった。
それから数日は何事もなく過ごした。最後のピースを探さなくてはならないのは重々承知していたけれど、例によって例のごとく私がダウン。精神疲労か記憶が戻った影響か。多分両方。
Dはまたどこかに出かけて、ナツフユは修行に勤しむ。カークとハルとのんびりとした時間を過ごした。
のんびり過ごしながらも、私が探しているピースについては考える。残りのピースは、近くに無いのでは無いか。だとしたらどこだ。思い当たる場所が一つだけある。
ゲーム開始の条件に揃ってない出来事。それはサンサンが生きていると言う事。何かトラブルがあるかもしれない。それなら、私はあそこに戻らなくてはならない。
体調が戻り、Dも帰ってきて、私は闇の国に戻ろうかと思っている事を相談しようと思った。その私を遮って、リビングにいる皆に向かってDは決定事項を告げた。それは、ダヤンの解散であり、この家を取り潰すという事だった。
「アキが帰り、聖女が現れた時に記憶は一部消される。だが完璧に消え去るわけではなく、聖女をエンディングに導くヒント程度には残されるだろう。」
Dの言葉に皆は初めから思うところがあったのか、静かに聞いていた。
「ヒントのみならば良いが、この家を見つけられ、下手に過去が暴かれる事態は避けるべきだ。聖女御一行には大団円に向かって邁進してもらいたい。だから、ここは更地に戻す。ダヤンの技術もそれぞれの国の研究所にくれてやる。その方が今後何かと都合も良いだろう。」
Dは個人資産も街に住むところもある。どうしても残したい研究機器は既に別の場所に移したそうだ。
「えらい急やけど、アキは聞いてたんか?」
「ううん。でも、私も闇の国に戻ろうかと思っていたところだから。」
「それは好都合だ。」
でも、本当に急だ。何かあったのでは無いかと勘ぐってしまうほどに。見た限りDは通常営業で淡々としている。
「3日後には出て行ってもらう。」
「ちょ、マジ早いわ。」
あまりにも早い期限にナツはここぞとばかりに突っ込んだ。
「悪いがこちらにも都合がある。聖女が来る時までに体力を回復させておきたい。」
「どういう意味ですか?」
「アキとの契約を解除する。そのダメージを試算したが、それなりのペナルティになりそうだ。」
フユの問いにDが答えて、ナツは反応した。
「…主従契約、解除できるんか?それ、使令もできるか?」
「不可能では無いだろうが、ダメージを考えると現実的では無いな。」
「ナツ…。」
「いや、分かっとる。大団円の方優先や。」
ナツの一刻も早い解放を願う気持ちは分かるけれど、ダメージが大きいなら今はできない。守護神を創造した後ならその神に頼んだ方が早い。
「じゃあ、これからはD抜きで頑張らなきゃだね!僕頑張る!」
「私はいかがいたしましょう?」
フユは真剣な面差しで私に伺いを立てているが、右手はハルをヨシヨシマフマフしている。いや、おかしいでしょ。確かにハル可愛いけど。
「えっと、そうだね。まずは光の国の方に一度顔を出してきてくれる?行方不明のままゲーム突入は良くないだろうし。」
「…プリンとババロアとガトーショコラと…食べ納めのオススメって、あと何かある?」
カークの心残りはスイーツ限定だけかもしれない。
カークとストラスはどうしてもの必要がない限り動かさない方がいい。堂々と連れて行くと触りがある。山のみんなにもお別れに行った。
もう染髪める必要はないけれど、痛みがあるからとカークには最後にトリートメントのスペシャルケアをしてもらった。スイーツのお礼だとか。
「前に話していたカークの願いって聞いてもいい?」
「良いわよ。」
手は止めずにさらりとカークは答えた。
「あたしね、人間になりたいなーって。」
「え?人間?人間になって、そんなにスイーツ食べたら具合悪くなるよ?」
びっくりする私にカークはおほほと笑う。
「よねぇ。でも、ここであんた達と過ごして有限の命もいいなって。ほら、あたしってば、全てが完璧じゃない?だから逆に本気になることなんて無くてさ。」
無限の命。それはいつも置いていかれる側でやはり寂しいものなのかもしれない。
「できた!会心の出来だわ!」
髪も化粧も施され、ついでにとても可愛い服まで着せられた。ダヤンとして動いていた時は動きやすい服に黒フードだったし、かなり新鮮だ。鏡の前でくるくる回ると、思わず笑んでしまう。
「いいわぁ。可愛いわよ。素材は悪かないもんねぇ。」
「もう、ちんちくりんじゃない?」
「ちんちくりんはちんちくりんね。でもそれがあんたの良いとこよ!」
両肩をバシッと叩かれたと思ったらそのまま抱き寄せられた。
「ほんとに持っていきたいくらい可愛いわ。でもこれはあいつへのお礼だしねぇ。これくらいは良いでしょ。」
ギュッとハグされた後、ほっぺにちゅっとキスされた。
「カーク?」
「……、いつか私が人間になって貴女の魂に会う時を楽しみにしてるわ。それまではあんたに近づけないし。」
「そうなの?」
「だって、ここを出ちゃったら、あたしまた人の血への渇望抑えられなくなるはずだもん。好みの女を前にして止められるわけないでしょ。」
「は?」
「じゃあね。」
カークはそう言って部屋を出て行った。カークとはそれきりだった。
「カーク、天才だったんだね。」
ほうぅ、とため息をつくハルの目はハートだ。
「せやな。」「こればかりは異論はありません。」
ナツとフユは多少のリップサービスは込みかもしれない。
「では、契約の解除を済ませる。」
「ほな、俺らは先行くわ。」
そう言ってナツはハルとフユを引きずるように転送円に引っ張って行った。
「ほな、Dの旦那、また!」
慌ただしく三人は行ってしまった。ハルは手をブンブン振らながら消えたが、フユに至って別れを惜しむ情緒皆無だ。記憶なくなってからまた会うわけだけど。
「解除するぞ?」
「お願いします。」
私とDを繋いでいた機械は取り外され、私の耳朶にDの手が触れる。昔防御魔法がペリペリと剥がれた時と近い感覚があって、Dとの繋がりが、途切れた。
ぐらり、とよろけるDを支える。
「大丈夫?」
「問題ない、と言いたいところだが、流石にきついな。」
その場に座らせて、壁にもたれさせる。このまま放ってはいけないでしょ。
「いくらなんでも、少し回復するまで一緒にいようか?」
「いや…いい。新居には3号が待っている。ハルとフユの家事スキルを落とし込んだから大丈夫だ。」
それは心強い。私にその依頼が来なかったのが少しだけ引っかかるけど。
「だが、そうだな。水を一杯だけもらおうか。」
台所に水を取りに行く。コップは1つ残されていた。家具も多くはそのままだけれど人の気配が一切しない。私達のこの家がとても広く感じられた。
「はい、お水。」
「ああ。」
少しずつ口をつけるDを見つめた。本当に彼にはお世話になりっぱなしだった。
「ねぇ、セレス。今まで、ずっと、ずっとありがとう。闇の国で最後のピース探し出してみせるよ。」
Dの手が止まった。そして、目を閉じたまま口が動く。
「最後のピースは俺が持っている。」
※後書き
セレスあったかも展開18禁を別枠で投稿しました。よろしければご覧ください。
0
お気に入りに追加
998
あなたにおすすめの小説
気づいたら伝説的クソゲーの悪役第五夫人として転生していたので、全力で離婚を目指します!
葦原とよ
恋愛
「昨日はとても良かったよ」
蓮子は目覚めると、目の前の全裸のイケメンにそんなことを言われた。
そして自分が伝説的クソゲームと呼ばれている18禁乙女ゲームの主人公にして悪役第五夫人に転生してしまったのだと気づく。自らの運命を悟った蓮子は、このイケメン=旦那様との離婚を全力で目指す。
なぜならこのゲームがクソゲーと言われる所以は――
※=R18シーン有り
【完結】飛行機で事故に遭ったら仙人達が存在する異世界に飛んだので、自分も仙人になろうと思います ー何事もやってみなくちゃわからないー
光城 朱純
ファンタジー
空から落ちてる最中の私を助けてくれたのは、超美形の男の人。
誰もいない草原で、私を拾ってくれたのは破壊力抜群のイケメン男子。
私の目の前に現れたのは、サラ艶髪の美しい王子顔。
えぇ?! 私、仙人になれるの?!
異世界に飛んできたはずなのに、何やれば良いかわかんないし、案内する神様も出てこないし。
それなら、仙人になりまーす。
だって、その方が楽しそうじゃない?
辛いことだって、楽しいことが待ってると思えば、何だって乗り越えられるよ。
ケセラセラだ。
私を救ってくれた仙人様は、何だか色々抱えてそうだけど。
まぁ、何とかなるよ。
貴方のこと、忘れたりしないから
一緒に、生きていこう。
表紙はAIによる作成です。
月の叙事詩~聖女召喚に巻き込まれたOL、異世界をゆく~
野々宮友祐
ファンタジー
相馬結慧は休日出勤の朝、突然地面に吸い込まれて異世界へと飛ばされた。その世界では月神が太陽神の宝珠を奪い、太陽が昇らなくなってしまっていた。
一緒に飛ばされた陽菜が太陽の聖女として世界を救う旅をするのについて行くが、何故だか出会う人全員に嫌われる。そんな中で辿り着いた月の国、成り行きから役所で働くことに……。
色々な事に巻き込まれ流されていく内に徐々に明らかになる、世界が抱える問題と自分自身の力、そして過去。
神話好きの疲れたOLが異世界で旅して恋して仕事して、自分を知って強くなって、居場所を見つけるまでの話。
恋愛はゆっくりめ、お相手は二章から。
残酷な表現、多少の暴力表現を含みます。
一話1000~3000文字程度。短めです。
他のサイト様にも投稿しております。
タイムスリップビール~黒船来航、ビールで対抗~
ルッぱらかなえ
大衆娯楽
★作中で出来上がるビールは、物語完結時に実際に醸造する予定です
これは読むビール、飲める物語
ーーーー
時は江戸。もしくは江戸によく似た時代。
「泥酔して、起きたらみんなちょんまげだった!!!」
黒船来航により世間が大きく揺らぐ中、ブルワー(ビール醸造家)である久我山直也がタイムスリップしてきた。
そんな直也が転がり込んだのは、100年以上の歴史を持つ酒蔵「柳や」の酒を扱う居酒屋。そこで絶対的な嗅覚とセンスを持ちながらも、杜氏になることを諦めた喜兵寿と出会う。
ひょんなことから、その時代にはまだ存在しなかったビールを醸造しなければならなくなった直也と喜兵寿。麦芽にホップにビール酵母。ないない尽くしの中で、ビールを造り上げることができるのか?!
ビールという飲み物を通じ、歴史が、そして人の心が動く。これはお酒に魅せられ、お酒の力を信じた人たちのお話。
泥酔魔王の過失転生~酔った勢いで転生魔法を使ったなんて絶対にバレたくない!~
近度 有無
ファンタジー
魔界を統べる魔王とその配下たちは新たな幹部の誕生に宴を開いていた。
それはただの祝いの場で、よくあるような光景。
しかし誰も知らない──魔王にとって唯一の弱点が酒であるということを。
酔いつぶれた魔王は柱を敵と見間違え、攻撃。効くはずもなく、嘔吐を敵の精神攻撃と勘違い。
そのまま逃げるように転生魔法を行使してしまう。
そして、次に目覚めた時には、
「あれ? なんか幼児の身体になってない?」
あの最強と謳われた魔王が酔って間違って転生? それも人間に?
そんなことがバレたら恥ずかしくて死ぬどころじゃない……!
魔王は身元がバレないようにごく普通の人間として生きていくことを誓う。
しかし、勇者ですら敵わない魔王が普通の、それも人間の生活を真似できるわけもなく……
これは自分が元魔王だと、誰にもバレずに生きていきたい魔王が無自覚に無双してしまうような物語。
転生令嬢はやんちゃする
ナギ
恋愛
【完結しました!】
猫を助けてぐしゃっといって。
そして私はどこぞのファンタジー世界の令嬢でした。
木登り落下事件から蘇えった前世の記憶。
でも私は私、まいぺぇす。
2017年5月18日 完結しました。
わぁいながい!
お付き合いいただきありがとうございました!
でもまだちょっとばかり、与太話でおまけを書くと思います。
いえ、やっぱりちょっとじゃないかもしれない。
【感謝】
感想ありがとうございます!
楽しんでいただけてたんだなぁとほっこり。
完結後に頂いた感想は、全部ネタバリ有りにさせていただいてます。
与太話、中身なくて、楽しい。
最近息子ちゃんをいじってます。
息子ちゃん編は、まとめてちゃんと書くことにしました。
が、大まかな、美味しいとこどりの流れはこちらにひとまず。
ひとくぎりがつくまでは。
お幸せに、婚約者様。私も私で、幸せになりますので。
ごろごろみかん。
恋愛
仕事と私、どっちが大切なの?
……なんて、本気で思う日が来るとは思わなかった。
彼は、王族に仕える近衛騎士だ。そして、婚約者の私より護衛対象である王女を優先する。彼は、「王女殿下とは何も無い」と言うけれど、彼女の方はそうでもないみたいですよ?
婚約を解消しろ、と王女殿下にあまりに迫られるので──全て、手放すことにしました。
お幸せに、婚約者様。
私も私で、幸せになりますので。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる