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婚約解消を知る
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自室にてドキドキ☆彡再教育プログラムの課題をこなしているレイモンド。その顔は暗い。
だがこれから更なるメンタルダメージを受けることになるとは思ってもみなかっただろう。
控えめなノック音が室内に響く。
「どうぞ」
弱弱しい声で入室を促す。
入ってきたのはシンシアだった。
「!?な…なにか御用ですか…」
明らかにおびえた様子のレイモンド。
そんな彼の様子にため息をつきながらシンシアは彼の前に脚を進める。
「…課題はちゃんとこなしているようね…」
「ありがとうございます…」
「でも別に確認のために来たわけじゃないの」
「え?」
キョトンとした顔をするレイモンド。
シンシアは一呼吸してから口を開く。
「あなたとレンシア嬢の婚約は解消されることが決まりました。こちらの書類にサインをしなさい」
「え?ええええええええ!?」
ーーーーーーーーーーーーーーー
「……」
「……」
静寂が室内を包む。
口を開いたのはシンシアだった。
「もしかしてあなた…レンシア嬢に愛されてるなんて思ってなかったでしょうね」
「…」
「はあ…リリア嬢のことで小説が偽お話だって気が付いたならそっちも間違いに決まっているでしょう?」
「…オッシャルトオリデス…」
シンシアが思っているよりも思い込みを解消するのは難しいらしい。
ただ気になるのは予想よりもダメージを受けているように見えることだ。
「レンシア嬢のことは好きでは無かったのでしょう?どうしてそんなにショックを受けているの?」
「そ、それは…」
「…まさかとは思うけど、あれだけの言葉を投げかけておきながら女性に好かれていること自体はまんざらでもなかったってことかしら…?」
「!!!?」
図星を突かれたといった顔をするレイモンド。
そのすがたにシンシアの目がスッと冷たくなる。
「課題追加」
「え?」
「課題を追加します。勘違い野郎にはさらなる教育が必要です」
その日一日は課題に追われるレイモンドの悲鳴が彼の部屋からずっと聞こえていたという…
だがこれから更なるメンタルダメージを受けることになるとは思ってもみなかっただろう。
控えめなノック音が室内に響く。
「どうぞ」
弱弱しい声で入室を促す。
入ってきたのはシンシアだった。
「!?な…なにか御用ですか…」
明らかにおびえた様子のレイモンド。
そんな彼の様子にため息をつきながらシンシアは彼の前に脚を進める。
「…課題はちゃんとこなしているようね…」
「ありがとうございます…」
「でも別に確認のために来たわけじゃないの」
「え?」
キョトンとした顔をするレイモンド。
シンシアは一呼吸してから口を開く。
「あなたとレンシア嬢の婚約は解消されることが決まりました。こちらの書類にサインをしなさい」
「え?ええええええええ!?」
ーーーーーーーーーーーーーーー
「……」
「……」
静寂が室内を包む。
口を開いたのはシンシアだった。
「もしかしてあなた…レンシア嬢に愛されてるなんて思ってなかったでしょうね」
「…」
「はあ…リリア嬢のことで小説が偽お話だって気が付いたならそっちも間違いに決まっているでしょう?」
「…オッシャルトオリデス…」
シンシアが思っているよりも思い込みを解消するのは難しいらしい。
ただ気になるのは予想よりもダメージを受けているように見えることだ。
「レンシア嬢のことは好きでは無かったのでしょう?どうしてそんなにショックを受けているの?」
「そ、それは…」
「…まさかとは思うけど、あれだけの言葉を投げかけておきながら女性に好かれていること自体はまんざらでもなかったってことかしら…?」
「!!!?」
図星を突かれたといった顔をするレイモンド。
そのすがたにシンシアの目がスッと冷たくなる。
「課題追加」
「え?」
「課題を追加します。勘違い野郎にはさらなる教育が必要です」
その日一日は課題に追われるレイモンドの悲鳴が彼の部屋からずっと聞こえていたという…
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