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第6章 過去の思い出

73話 新聞サークル自称エース

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初配信が俺の想像以上に広まり、いいスタートダッシュを切れた事に、喜びを覚えながら大学に向かうと、またしても知らない奴に声をかけられた。

「災難だったな夏」
「ん?何がだ?と言うかお前は誰だ?」
「おいおい忘れたのか?俺達は何度か講義一緒になっただろ?」
「そうか」

いや、だから誰なんだよ!

「それで災難ってのは何のことだ?」

今よく分からん男に話しかけられてることか?

「アイツだよアイツこの前退学になった男。ほら夏の事合コンによく誘ってた」
「あーアイツね」

で?お前は誰な訳?

「そいつがどうしたんだ?」
「いやな、俺が帰る途中にたまたま聞いたんだけどさ、アイツが裏で夏が金遣いが荒くて女癖の悪い、顔だけの男って変な噂流しまくっててな。まぁどこで曲解されたのかは分かんないけど、実際に流れてたのは女子の中では夏が金持ちって事と、男の中ではかわいい女の子を囲ったハーレムがあるって言う変な噂なんだけどな」

そう見知らぬ男はケラケラと笑いながら話してくれた。

成程ならうちが金持ちだってことがバレたんじゃなくて、単に変な噂が流れてその辺な噂に載せられたバカが、俺に凸って来たって事か

「と言うか何で退学した奴は、そんなしょうもない噂流したんだ?」
「しょうもない?いや俺的には相当陰湿だと思うけど……。それで噂を流した理由だっけ?それなんだけど実はな……」

そう見知らぬ男から教えてもらった話は、嘘みたいなしょうもない話しで、そのくせ半端なくやばい話だった。

「実はアイツうちのミスキャンパスの子が好きだったらしくて、そのミスキャンパスの子が合コンで夏の事が好きって言ったらしくて、それで夏の事を逆恨みしたらしいぞ」
「はぁ……」
「んでその後、ソイツがそのミスキャンパスの子を襲ったらしくて、そのまま退学に……って感じだな」
「ふぅーん。なんか色々と終わってんなこの大学」

まさか俺の身近にそんな犯罪者予備軍……いやもう犯罪者か、が居たとはな……本当この大学大丈夫か?

「と言うか今更何だが、何で1生徒のお前がそんなに今回の件について詳しいんだ?噂の件はたまたま聞いたって事で納得できるけどさ、普通そんな退学理由だったら学校からも教えて貰えないだろ?もしかしてそれもたまたま襲ってた場面を見てたって言うのか?」

俺がその後見知らぬ男に質問を問いかけると、その男はいきなりフッフッフと怪しく笑い始めた。

「ふふふ、バレてしまっては仕方がないそう!この俺こそ大学生内のどんな事もお見通し!期待のエース!新聞サークルの……」
「あ~新聞サークル所属だから知ってたのか。納得いったわ」
「いや、夏そこはせめて最後まで聞こうぜ?」
「そこは興味ないから大丈夫だ。それと俺はこの後用事あるからもう帰るな」
「お、おう……」
「そんじゃまたな……いやまた会うか分からんから、またなは違うか」
「いやそこは普通にまたなでいいだろ!寂しいこと言うなよ!泣くぞ!」
「んじゃ改めて、またな」
「おう、またな」

そうして俺は自称新聞サークル期待のエースの……エースの…………あれ?

誰だっけ?

まぁいいか

そうして俺は見知らぬ男と別れて、少し寄り道して家に帰り、軽く汗を流してから配信を開始した。



「おら!皆んな昨日ぶり!因みに今日は動画は無いからな!」

コメント
:配信2回目でこれとは
:おい初配信の緊張してたホムラはどこ行ったんだよ!
:えー動画無いの?
:元気だな~
:ないの?

「当たり前だろあの動画にいくらかかったと思ってるんだ。それにあー言うのは、たまにやるからいいんだよ。ほら激辛ラーメンとかたまに食うとめちゃくちゃ辛いけど、いつも食ってたら舌がバカになって辛さを感じなくなるだろ?そう言う事だよ」

コメント
:なるほど
:何故そこで激辛ラーメンなんだ?
:ラーメン食いてえ
:腹減った
:最近激辛ラーメン食べた?

「よく分かったな。実は今日激辛ラーメン食べて来たんだよな~。まーじで辛かった。辛すぎてまともに話せないレベルで辛かったから、配信までに話せる様になってよかったよ」

そう言いながら俺は、昼間大学から帰る途中に食べた激辛ラーメンを食べた事を思い出して、口から涎が溢れそうになった。

コメント
:うらやま
:草
:www
:ホムラって辛いの大丈夫なん?
:俺辛いの苦手だな

「辛いの?辛いのは得意ってわけじゃ無いけど、たまに食べたくなる程度は好きだな」

そんなこんな俺はホムラビトの皆んなと激辛の食べ物談議を話していた。

「そういやお前ら星野さんとかの他のメンバーの配信はどう?」

コメント
:面白いよ
:ホムラと違ってコメントしただけでめちゃくちゃ喜んでくれるから好き
:かわいい!
:ミリーちゃんのガバガバ軍人口調かわいい

コメント欄を一瞥すると、まだ配信は2回又は1回しかしていないが、それでも皆んなの配信も好評の様で、俺はホッと安心した。

結構俺が初配信で変な事をしたせいで、もしその被害が他のメンバーにかかっていたらと考えていると、気が気じゃなかったので俺はその返事に安心した。

「そっかそれはよかった。それとお前らの中の何人かさ、星野さん達にコスプレ強要しただろ?あれ辞めろよ迷惑……勝手はないけど。これでも俺達一応vtuberだからさ」

コメント
:おいおいこいつ自分からタブー破ったくせに注意して来たぞ
:コスプレ強要はダメだな
:強要していいのはホムラにだけだぞ
:早く新しい動画だせ!
:次の実写いつ?

「おいこら何で俺にはいいんだよ!それと実写って言うな、実写って!」

結構ふざけた内容を初配信で公開した結果俺は、リスナーからおふざけキャラと認定されたのか、他のメンバーとの差を感じる扱いをされていた。

「そんじゃまぁそろそろ配信終わりますか、乙ホムでした」

コメント
:乙ホムでした
:乙ホム
:また明日
:バイバーイ
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