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第一一章 オきザりの記憶

オきザりの記憶(04)◆

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「……天音?」

 開かれた襖の奥、真っ暗な廊下で天音が1人立っていた。
 天音はゆっくりと部屋の中に入り、ゆっくりと襖を閉める。

「ごめんね。だいぶ待たせちゃったよね」

「いや、それは全然いいのですが……」

「敬語はやめてください」

「わるい……天音、何かあったか?」

 会う頻度が少ないとはいえ、明人は天音の機微を敏感に感じ取った。

「……ううん、別に何も」

 笑ってごまかす奥で、悔しそうにする天音の顔が垣間見えた。その様子が心配になり、明人から天音に近づいていく。

「あんまり、無理をしない方が」

「無理って、儀式のこと?」

「儀式もそうだが、ずいぶん疲れているようだから」

「え……?」

「だから、あんまり無理しないで……儀式は明日にでも――」


 ――トンッ……


 天音の体が、明人の体に飛び込んでくる。突然のことに驚きつつも、明人はその小さな体を優しく受け止める。

「アキくんのそういうところ、本当に罪深い」

「どういうところだ?」

「……見せないようにしてたのに」

 天音の目に涙が浮かぶ。部屋に入ってきた時とは打って変わり、悔しい表情を浮かべていた。

「その、すまん」

「罰として、私が泣き止むまでこのままです」

「はい……」

 天音は言葉の通り、しばらく胸に顔を埋めたまま動かないでいた。掛ける言葉は思い浮かばず、天音の頭に手を置いてなるべく負担を減らすよう抱き寄せて時間を過ごす。

「……アキくんは、平気ですか?」

 やがて天音は顔を上げ、ほんのり赤くなった目で明人を見つめる。今度は天音が心配そうに明人の様子を覗き込んでいた。

「ああ、たぶん」

「その、依子さんのこと……私も覚悟はしていたけれど」

「そう、だな」

 行方を暗ましていた姉が生きており、さらには自身の敵として立ち塞がった。
 平気とは縁遠い状況だった。

「だけど、それよりも心配なことが」

「真由乃さんですか?」

 天音の勘の鋭さにも驚かされる。明人は目を見開きながら頷いた。

「この状況と失った記憶にさいなまされているはず、せめて記憶さえ戻ればスッキリするかもしれないが、今の精神状態で戻りそうには思えない」

「心配してもしょうがありません。今は矢剣も南剛も来てくれています。時間を掛けて、我々は待つしかないでしょう」

「ああ、だが記憶が戻る手伝いとかどうだろうか……例えば昔の家に行ってみるとか――」

「アキくん」

 気づけば天音から体を離し、まるで独り言のようにしゃべっていた。天音は、今度は厳しい表情を明人に向ける。

「アキくん、環日わびのお婆様の気持ちを汲まないと」

「それも、そうですね」

「それに、真由乃さんのことになると随分饒舌じょうぜつになるね」

「いや、そんなことは――」

「アキくん、明里さんとしましたね?」

「え?」

 天音は、明人を立たせたままゆっくりとしゃがむ。
 明人の下腹部に手を当て、上目遣いで明人を睨む。

「私には巫女の『目』があります。明里さんを手元に置いたのは、ソレが目的ですか?」

「いや、そんなことは……」

「私だけでは、物足りませんか?」

「決して、そんなことは」

「私には、そんなに魅力がありませんか?」

「いや、だからそんなことは」

「目を逸らさないで」

 気まずくなって目を逸らしたはずが、天音の声ですぐ向き直された。天音はまっすぐ明人の眼を見つめ、明人も気まずさに耐えながら見つめ返す。
 天音は、目を見つめながら明人の肉棒にゆっくりと手を掛ける。

「今日ばかりは容赦しません」

「天音……」

「今日だけは、私だけを見て――」

 目を離さないまま、明人のえた肉棒に舌を付ける。

「んっ、んちゅ…んちゅる……」

「くっ、天音っ……」

 天音の柔らかな舌遣いだけでなく、鋭い視線がより興奮をそそり、肉棒はすぐに反応して天音の手に収まらないほどに大きくなる。

「んくっ、おっきぃ……」

「くっ」

 肉棒が大きくなった途端、天音は口を大きく開けて咥え込んだ。
 小さな口で肉棒の先端を覆い、限界まで咥え込みながらも、明人からは目を離さない。天音の口の中で、肉棒はさらに大きさを増す。

「ん゛っ、んじゅる、んじゅじゅるっ…んぐっ、んぐっ……」

 天音は喉の奥まで肉棒を咥え、苦しそうで泣きそうな目を明人に向ける。
 必死に顔を上下に動かし、唾液を垂らしながら刺激を与えていく。

「んぐっ、んじゅっ……んじゅるるっ!」

「天音っ、そんなにしたらっ……」

 天音の口の中で、天音の舌と唾液が激しく絡む。
 適度な刺激と温かさに包まれ、明人は早くも達しそうになる。

「ん゛っ、んぐっ、ん゛っ…いいよっ…いっはい、だひて……」

「天音っ」

「んじゅっ…ん゛っ、ん゛ーっ……」

 達する直前、明人はつい天音の頭に手を当てて肉棒に押し付けてしまう。
 天音は嗚咽を漏らしながらも肉棒を咥え続ける。

「んぐっ! んぐっ! ん゛ーっ……」

「くっ、天音っ!」

「ん゛っ、んぐぼっ…ん゛ーっ!」

 天音の頭を押さえたまま、明人は大量の精液を口の中に注ぎ込む。
 あまりの量に耐え切れず、天音が肉棒から口を離すと、肉棒からはさらに精液が吐き出される。
 支えを失った肉棒は激しく脈打ちながら、天音の顔に精液を吹き掛けていく。

「んっ、んちゅ…はぁはぁ……」

「天音、すまん」

「ううん、アキくんの、いっぱい……んくっ――」

 天音は、口の中の精液を勢いをつけて飲み込んだ。苦しそうにしながらも、必死に精液を飲み込む姿を見て、肉棒は一向に小さくはならない。
 少し休んだあと、天音は近くの布団に横になり、恥ずかしそうにして明人に股を向けた。

「アキくん、次はこっちに……」

 まったく衰えることのない肉棒を、すぐに天音の陰部に押し当てる。
 口淫だけでも天音の陰部は十分に湿っており、天音の唾液が大量についた肉棒はすんなりと膣内なかに進んだ。

「んあっ! アキく、んっ!」

 明人は、最初からトップスピードで腰をついていく。
 天音の体はその速度にちゃんと付いてきて反応する。

「あぅ! アキくんっ、はげしいっ!」

「天音、気持ちいいよ」

「んあ゛っ! 私も、わたしもきもぢいっ!」

 パンパンと激しく音を立てて腰を打ち付けていく。
 天音の中はきつく締まり、膣内なかのヒダヒダが絡みついてくるのが分かる。

「あっ、あっ、んあっ…イク、イクっ、アキくんっ、イッちゃう!」

「くっ……」

「んあっ、んあっ、イクイク、激しいっ! アキくんっ、イッちゃうよっ!」

「くっ、あまねっ!」

「んあ゛っ、んあ゛っ、イッちゃう! アキくん゛っ! んあ゛ーっ!」

 いつも以上の締め付けに耐え切れず、肉棒は先ほどと同じ量の精液を吐き出していく。
 膣内なかで激しく動き回る肉棒は、やがて抜けてしまい、天音の体にも精液を吐き出していく。

「んっ、アキくんっ…あったかいっ……」

「はぁはぁ……天音?」

 今日は未だ終わらず、息をつく明人の体を、天音はそっと布団に押し倒す。
 明人は抵抗することもなく布団に仰向けになり、天音はその上に跨って肉棒を陰部に押し当てる。

「天音、イッたばっか……」

「言ったよ、今日は容赦しないって」

 普段は見せない不敵な笑みに、明人は戸惑いつつ肉棒を固くする。
 天音はゆっくりと肉棒を膣内なかに埋め込んでいく。

「んんっ…アキく、んん゛っ……」

「天音っ……」

 天音のキツく締まった膣内なかが、肉棒を強く刺激する。
 明人の衰えない肉棒は、天音の膣内なかの奥深くまで突き上げる。

「アキく、んっ! またっ、またイッちゃうよっ」

「あまねっ!」

 その日、その時間――
 明人はお互いの体力が続く限り、天音の膣内なかに濃い精液を注ぎ続けた。
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