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師走
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寒さが厳しくなると共に、年の瀬に向けて、気忙しくなる師走。
毎年の事じゃが、仕事納めまでは日常と変わらないが、神社の年末休業中にある
神楽の奉納準備が大変じゃろう。
さらに昨年から新顔が入って来て、ソレの対応も同時進行せざるを得ない故、
例年よりもゴタついておる。
以前にも話した事じゃが、篠辺神社は、12月29日午前4時の閉門で仕事納め。
東雲神社は、12月29日午後16時の閉門で仕事納めじゃ。
両神社とも年末年始(12月30日から1月7日)は、休業となる。
神社としては休業にはなるが、両神社の神主と巫女は、重要な仕事をしておる。
12月31日に篠辺神楽を奉納。1月1日は東雲神楽を奉納しておる。
どちらの神楽も、狐や狼、境内に祀られておる神々に奉納する為のものじゃから、
両神楽とも部外者の人が見る事はない。
年末休業中に執り行われる両神社の神楽以外は、神主も巫女も仕事はない。
唯一の長期休暇という訳じゃ。
そして篠辺神楽は、初年度に神主が笛、巫女が舞。
次年度は神主が傘、巫女が扇。3年目は、神主が剣、巫女が弓。
4年目の今年は、神主が舞、巫女が笛を奉納する事になっておる。
東雲神楽は、篠辺神楽の逆順と決まっておる。
初年度に舞と笛。次年度に剣と弓。3年目は、神主が傘、巫女が扇。
4年目の今年は、神主が笛、巫女が舞を奉納する。
休みも少ない中で、神楽の準備や舞の練習をし、仕上げてくるのには驚かされる。
昨年は、要石が動いた事で慌ただしくなったが、それでも完璧な神楽であった。
昨年に引き続き、要石が人の姿になって神楽を観る為に来る約束になっておるが、
擬人化も含め、一層忙しなくなりそうじゃ。
「聖なる夜に申し訳ねぇけど、今日なら確実、参拝者が来ねぇから、打ち合わせして
置きたくて集まって貰ったんだけど、揃ってる?」
左京の声掛けで、12月25日の昼間から拝殿に集まり、〝かめの擬人化と対策〟を
メインに、年末年始の両神楽の打ち合わせ等を確認する事になった。
「東雲は式神も含め、揃ってる。」
東雲は神主の右京を始めとして、東側に並び座った。
「こっちも大丈夫。先ずは何から…えっと、新しい式神達は〝かめ〟を知らないんだよな。それならザックリ話して置いてから進めなきゃマズいな。」
西に居並ぶ篠辺のメンバーを見ながら、左京は情報共有から始める事にした。
去年の年末、境内に祀られている〝要石〟が突如動いた。
大事になる前に、何とか解決できたが、要石の要望で擬人化する事になった。
全てが片付き、両神社の神楽を観た要石が
[ずっと音色だけは楽しんできたが…このような舞があったとは、今日まで知らな
かった…。素晴らしい神楽だ。…是非、また見たい!再び、この姿で神楽を見たい!いや、これからずっと…毎年。]
と言い出した事で、今年から30日より3日間、要石こと〝かめ〟が擬人化した姿で、一緒に過す事になった事を、新顔の式神達に話した。
毎年の事じゃが、仕事納めまでは日常と変わらないが、神社の年末休業中にある
神楽の奉納準備が大変じゃろう。
さらに昨年から新顔が入って来て、ソレの対応も同時進行せざるを得ない故、
例年よりもゴタついておる。
以前にも話した事じゃが、篠辺神社は、12月29日午前4時の閉門で仕事納め。
東雲神社は、12月29日午後16時の閉門で仕事納めじゃ。
両神社とも年末年始(12月30日から1月7日)は、休業となる。
神社としては休業にはなるが、両神社の神主と巫女は、重要な仕事をしておる。
12月31日に篠辺神楽を奉納。1月1日は東雲神楽を奉納しておる。
どちらの神楽も、狐や狼、境内に祀られておる神々に奉納する為のものじゃから、
両神楽とも部外者の人が見る事はない。
年末休業中に執り行われる両神社の神楽以外は、神主も巫女も仕事はない。
唯一の長期休暇という訳じゃ。
そして篠辺神楽は、初年度に神主が笛、巫女が舞。
次年度は神主が傘、巫女が扇。3年目は、神主が剣、巫女が弓。
4年目の今年は、神主が舞、巫女が笛を奉納する事になっておる。
東雲神楽は、篠辺神楽の逆順と決まっておる。
初年度に舞と笛。次年度に剣と弓。3年目は、神主が傘、巫女が扇。
4年目の今年は、神主が笛、巫女が舞を奉納する。
休みも少ない中で、神楽の準備や舞の練習をし、仕上げてくるのには驚かされる。
昨年は、要石が動いた事で慌ただしくなったが、それでも完璧な神楽であった。
昨年に引き続き、要石が人の姿になって神楽を観る為に来る約束になっておるが、
擬人化も含め、一層忙しなくなりそうじゃ。
「聖なる夜に申し訳ねぇけど、今日なら確実、参拝者が来ねぇから、打ち合わせして
置きたくて集まって貰ったんだけど、揃ってる?」
左京の声掛けで、12月25日の昼間から拝殿に集まり、〝かめの擬人化と対策〟を
メインに、年末年始の両神楽の打ち合わせ等を確認する事になった。
「東雲は式神も含め、揃ってる。」
東雲は神主の右京を始めとして、東側に並び座った。
「こっちも大丈夫。先ずは何から…えっと、新しい式神達は〝かめ〟を知らないんだよな。それならザックリ話して置いてから進めなきゃマズいな。」
西に居並ぶ篠辺のメンバーを見ながら、左京は情報共有から始める事にした。
去年の年末、境内に祀られている〝要石〟が突如動いた。
大事になる前に、何とか解決できたが、要石の要望で擬人化する事になった。
全てが片付き、両神社の神楽を観た要石が
[ずっと音色だけは楽しんできたが…このような舞があったとは、今日まで知らな
かった…。素晴らしい神楽だ。…是非、また見たい!再び、この姿で神楽を見たい!いや、これからずっと…毎年。]
と言い出した事で、今年から30日より3日間、要石こと〝かめ〟が擬人化した姿で、一緒に過す事になった事を、新顔の式神達に話した。
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