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神主に告白 1
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小娘たちが通うようになって、十日が過ぎた頃、新しい動きがあったようじゃ。
「飽きもせず、今日も来たみ…たいね。え?独り…ついに…今日なのぉ。」
木通が大声でウロウロと歩き回っていると、
「檻の中のライオンみたいね。お腹空いたの?」
「夕さん、ヒドイ!ついにこの日が来たの!どうしよう…。」
「てっきり木通は、左京さん狙いだと思っていたけど、実は右京さんだったの?」
ちょっと意外だったと言わんばかりの夕霧に
「そんな訳ないでしょ!」
「そうよね。木通は、右京さんを追い掛けている姿を見なかったから。…でも、どうして?」
今さら聞く?って顔で
「右京さんって顔は良いけど、スイッチ入って話し出すと止まらなくて、ウザいし、ヤバイ。」
「そうなの…」
夕霧は、全く興味なさそうに立ち去った。
「あの…神主さんのお名前…聞いても…いい…ですか?」
チラチラと上目遣いで、モジモジしている女子が、右京に声を掛けた。
「私の名前ですか?」
右京が聞き返した時には、右京の隣に狐、女子の隣に犬がいた。
「はぃ。」
〖聞き返さなくても、右京しかいないだろう。〗
【分かり易くあざといのぉ】
こうなっては、協奏曲のような会話に内容が入って来ない…。
「東雲神社で神主をしている、真淵といいます。どうかなさいましたか?」
〖どうかなさったから、声を掛けたんだろう。〗
そう言いながら、犬は毛繕いを始めた。
「すみません。あの…少し前から、こちらの神社へ来させて貰っているのですが…お話しする機会がなくて。」
【毎回、同じ事を願って、叶わずに帰っておったのぉ。】
右京は、何もしていないのに針の筵に座る気持ちだった。
「あの…私、真淵さんの事…が、好きです。」
【目を潤ませておるぞ。】
狐は九尾を揺らした。
〖中途半端な物言いはするなよ。〗
「はぃ。えっと…少し前から、初めての事に取り組んでいます。それは、これからの為に必要な事なんです。そして私は今、仕事が楽しく、充実しています。申し訳ありませんが、お気持ちには添えません。」
「そう…ですか。…ごめんなさい。」
足早に走り去る後姿を見送った。
〖言い難かっただろうが、よく言ったな。〗
犬が、右京の前に歩み寄った。
【この仕事をしておると出会いがありそうじゃが、その実ないからのぉ。今からでも遅くはなかろう…追いかけてみるか?】
「いいえ。本当に今は、仕事が楽しいし充実しています。」
右京は、犬にも狐にも、はっきりと言い切った。
「飽きもせず、今日も来たみ…たいね。え?独り…ついに…今日なのぉ。」
木通が大声でウロウロと歩き回っていると、
「檻の中のライオンみたいね。お腹空いたの?」
「夕さん、ヒドイ!ついにこの日が来たの!どうしよう…。」
「てっきり木通は、左京さん狙いだと思っていたけど、実は右京さんだったの?」
ちょっと意外だったと言わんばかりの夕霧に
「そんな訳ないでしょ!」
「そうよね。木通は、右京さんを追い掛けている姿を見なかったから。…でも、どうして?」
今さら聞く?って顔で
「右京さんって顔は良いけど、スイッチ入って話し出すと止まらなくて、ウザいし、ヤバイ。」
「そうなの…」
夕霧は、全く興味なさそうに立ち去った。
「あの…神主さんのお名前…聞いても…いい…ですか?」
チラチラと上目遣いで、モジモジしている女子が、右京に声を掛けた。
「私の名前ですか?」
右京が聞き返した時には、右京の隣に狐、女子の隣に犬がいた。
「はぃ。」
〖聞き返さなくても、右京しかいないだろう。〗
【分かり易くあざといのぉ】
こうなっては、協奏曲のような会話に内容が入って来ない…。
「東雲神社で神主をしている、真淵といいます。どうかなさいましたか?」
〖どうかなさったから、声を掛けたんだろう。〗
そう言いながら、犬は毛繕いを始めた。
「すみません。あの…少し前から、こちらの神社へ来させて貰っているのですが…お話しする機会がなくて。」
【毎回、同じ事を願って、叶わずに帰っておったのぉ。】
右京は、何もしていないのに針の筵に座る気持ちだった。
「あの…私、真淵さんの事…が、好きです。」
【目を潤ませておるぞ。】
狐は九尾を揺らした。
〖中途半端な物言いはするなよ。〗
「はぃ。えっと…少し前から、初めての事に取り組んでいます。それは、これからの為に必要な事なんです。そして私は今、仕事が楽しく、充実しています。申し訳ありませんが、お気持ちには添えません。」
「そう…ですか。…ごめんなさい。」
足早に走り去る後姿を見送った。
〖言い難かっただろうが、よく言ったな。〗
犬が、右京の前に歩み寄った。
【この仕事をしておると出会いがありそうじゃが、その実ないからのぉ。今からでも遅くはなかろう…追いかけてみるか?】
「いいえ。本当に今は、仕事が楽しいし充実しています。」
右京は、犬にも狐にも、はっきりと言い切った。
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