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要石 22 禁止事項
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びっくりする朝霧の横で、
「〝これから毎年…その姿で神楽を見たい。〟そう聞こえたのですが…。」
[そう決めた。]
「いえ。勝手に決められても困ります。」
夕霧は、はっきりした口調で否定した。
そこに狐と狼が現れ、共に夕霧の言葉を待っていた。
「毎年、このような姿で神楽を見たいというのは、最初の約束には無かった事です。それに擬人化するのが、どれ程大変かはご存じの筈です。勝手に決められては困ります。」
「僕からも一言良いですか?かめが居ると雑務が増えます。何より朝霧さんが迷惑しています。」
右京は、大きめの声で言った。
「ありがとう。右京さんの心配も尤もです。もし要様を、毎年お迎えするのであれば、こちらとしても準備が必要になります。年末休業中とはいえ、私達は神事もありますし、今回の様にはいきません。」
夕霧は、要石に静かに言った。
「オレが擬人化する訳じゃないから、口出して良い事じゃないけど…。今から話すのは、もし巫女さん二人が了承した場合の話しね。お狐様、大神様、此処にいる神主と巫女が揃っている所で、禁止事項を決めます。かめに対して、一方的に、こちらで禁止行為を設定します。それを遵守する事を求めます。もし、該当する行為が行われた場合、〝毎年擬人化する〟を反故にします。それを了承して貰う事でどうでしょう?」
夕霧の言いたい事を、きちんとまとめてくれる左京さんは頼りになると心強く思った。
[どのようなものか聞こう。]
夕霧は朝霧を見たが、朝霧は頷いた。擬人化を了承し、禁止行為の内容も任せてくれると判断し、話しを進める事にした。
暫く考えを整理して、
「私からは4つ。まず毎年、地脈と水脈の乱れを教えてください。次、擬人化は30日の晩に行い、何事もなければ、年明け2日には必ず、自ら石へと戻って貰います。3つ、私達の仕事や日常に差し支える行為や、振る舞いはしない事。もし邪魔をするような行為があった場合、擬人化自体を白紙に戻します。最後に…姉、朝霧と私の指示は、絶対とします。どのような事でも従って頂きます。以上ですが、他に何かありましたら、皆が揃っているこの場で、仰ってください。」
狐と狼が口を挟む事はなかった。
「…え?良いんですか?」
不安そうに右京は言ったが、皆はどっしりと構えて一様に頷いた。
「〝これから毎年…その姿で神楽を見たい。〟そう聞こえたのですが…。」
[そう決めた。]
「いえ。勝手に決められても困ります。」
夕霧は、はっきりした口調で否定した。
そこに狐と狼が現れ、共に夕霧の言葉を待っていた。
「毎年、このような姿で神楽を見たいというのは、最初の約束には無かった事です。それに擬人化するのが、どれ程大変かはご存じの筈です。勝手に決められては困ります。」
「僕からも一言良いですか?かめが居ると雑務が増えます。何より朝霧さんが迷惑しています。」
右京は、大きめの声で言った。
「ありがとう。右京さんの心配も尤もです。もし要様を、毎年お迎えするのであれば、こちらとしても準備が必要になります。年末休業中とはいえ、私達は神事もありますし、今回の様にはいきません。」
夕霧は、要石に静かに言った。
「オレが擬人化する訳じゃないから、口出して良い事じゃないけど…。今から話すのは、もし巫女さん二人が了承した場合の話しね。お狐様、大神様、此処にいる神主と巫女が揃っている所で、禁止事項を決めます。かめに対して、一方的に、こちらで禁止行為を設定します。それを遵守する事を求めます。もし、該当する行為が行われた場合、〝毎年擬人化する〟を反故にします。それを了承して貰う事でどうでしょう?」
夕霧の言いたい事を、きちんとまとめてくれる左京さんは頼りになると心強く思った。
[どのようなものか聞こう。]
夕霧は朝霧を見たが、朝霧は頷いた。擬人化を了承し、禁止行為の内容も任せてくれると判断し、話しを進める事にした。
暫く考えを整理して、
「私からは4つ。まず毎年、地脈と水脈の乱れを教えてください。次、擬人化は30日の晩に行い、何事もなければ、年明け2日には必ず、自ら石へと戻って貰います。3つ、私達の仕事や日常に差し支える行為や、振る舞いはしない事。もし邪魔をするような行為があった場合、擬人化自体を白紙に戻します。最後に…姉、朝霧と私の指示は、絶対とします。どのような事でも従って頂きます。以上ですが、他に何かありましたら、皆が揃っているこの場で、仰ってください。」
狐と狼が口を挟む事はなかった。
「…え?良いんですか?」
不安そうに右京は言ったが、皆はどっしりと構えて一様に頷いた。
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