種々雑多(しゅじゅざった)

梁瀬

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金魚草

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 三月に入り、少しずつ春を感じられる日差しも増えて、田んぼの畔に、水仙の葉が芽吹いてきました。
 いつ、可愛らしい花たちが見られるか、今から楽しみです。

 本日も、どうぞよしなに。



 皆さん、金魚草という植物を、ご存知でしょうか?

 金魚のような花の形状から名前が付いた金魚草。
学名は〝Antirrhinum majus〟で〝majus〟は「5月」という意味で、
開花時期(4月~6月)を表しているといわれます。

 金魚草は、鮮明な色で多彩。春めいた賑やかさのある花です。
花色によって異なりますが、はっきりとした甘い香りを漂わせます。
 そして、金魚をイメージさせる、愛嬌のあるふっくらとした花形が特徴で、
一重咲き、八重咲きなどの品種もあり、全く違った印象を受けます。

 日本では、金魚草と呼ばれますが、英名は〝Snap-dragon〟「かみつくドラゴン」と呼ばれています。
 花の姿が、ドラゴンが口を開けたように見えることから名付けられたようです。
また、フランスでは「オオカミの口」、ドイツでは「ライオンの口」などと呼ばれているそうです。
 この花の形状から、動物の口を連想させるからなのか花言葉は、「おしゃべり」「でしゃばり」などがあります。
それにしても、日本とヨーロッパの方々の印象は、だいぶ違いますね。
 
 ここからは可愛らしさではなく、意外性⁈…のある話になります。

 この金魚草、古くは霊力があるとされて、災厄から守ってくれる力があると言われていたそうです。また食べる事で、若さと美しさを取り戻す事が出来るとも言われていたとか…段々、雰囲気が変わってきたでしょ!

 花が終わると、雌しべを残して花弁が落ち、がくの部分が膨らみ、その後、乾燥すると茶色くなり、最後はひび割れてきます。
タネを包んでいる殻(さや)は逆さに付くのですが、そのまま枯れさせ完全に乾燥したら、種を収穫します。

 え?…普通。と思われたかも知れませんが、莢の形状のインパクトが半端ない。
予想以上⁈…想定外の頭蓋骨感。…まさにドクロなの。
 あの金魚感たっぷりでふっくらとした花からは想像出来ないっていうか、振れ幅がエグイ。

 莢の乾燥が進むにつれ、ひび割れが入る部分の形が、目と口に見える…。
アレですよ…類像現象(シミュラクラ現象)ってヤツ。人間は3つの点が集まった
図形を、人の顔と見るようにプログラムされているという脳の働き。
 ソレが遺憾なく発揮されたベストポジションでドクロ‼ さらに、雌しべだった
部分が若干残って、鼻のように見えるオマケ付き。
 そのうえ、花が付いた数だけ莢も付くので、何というか儀式アイテム感がある。
見ようによっては、魔除け⁈…とも言えなくもない。
 金魚草の種って、黒くて凄く細かいんだけど…それが、目や口に見える所から
出てくるっていうか、揺するとソコからあふれ出る⁈…吹き出るように見えるの。
 ざわつく怖さ。

 某人気アニメの中に出てくる同じ名の植物⁈動物⁈は、姿は金魚で「おぎゃぁぁ」と鳴きます。自生地の場所が独特なので、生体はよく分かりませんが、こちらの金魚草と同じ莢の形状をしているのでしょうか?
 だとすれば、あのデスボイスからのドクロ…生息地に納得です。

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