11 / 31
出会い編!
逃走
しおりを挟む
「ありゃあ鏡じゃねぇ! 目だ!」
ドンキホーテがそう叫んだのと同時に壁は破壊され中から体長何十メートルもある巨大な蛇が現れた。
ジャックは動揺して、再びテレパシーの魔法でボスに呼びかける。
「おい、ボス! ボス! どういうこったこんなの聞いてねぇぞ!」
そう言うジャックの頭の上に影が落とされる。ジャックは顔をあげると、大蛇と目があった。
大蛇は舌を高速で出し入れし、まるで獲物を見定めるようにジャックを見つめた後、口を大きく開きを下卑た男を丸呑みにすべく、襲いかかった。
「ヒイイィ!!」
情けない声がジャックの口から漏れ出た。下卑た男は恐怖のあまり動くことができない。まさに大蛇の口の中にジャックが飲み込まれようとした瞬間。
「あぶねぇ!」
そう叫びながらドンキホーテがジャックを抱きかかえて跳んだ。間一髪、大蛇の口から生き延びたジャックはドンキホーテに問う。
「な、なんで、お前が俺を……」
「そんなことはいい! お前とお前! 自分の仲間を抱えて走れ! 俺はジェイリー博士を運ぶ!」
ドンキホーテは硬直しているジャックと剣士の男にそう告げる。しかし大蛇はそんな暇を与えない。
すぐさま頭を持ち上げあたりを見回し次の標的を探す。次の標的はドンキホーテに決めたらしい、彼に向かって口を開き突進していく。
「ヤベェ!」
ドンキホーテは剣を構えた、この武器で果たしてどれほど通用するのか、いや考えるより行動だ。今はそれしかない。
しかしドンキホーテの剣が大蛇の鱗に突き立てられることはなかった。
ドンキホーテが剣を振り上げ大蛇を向かい打とうとした瞬間、腰のポーチから光が溢れ出た。するとポーチからひとりでに何かが出て大蛇の前に立ちふさがる。
それはドンキホーテが見つけた。綺麗な石ころだった。綺麗な石は緑色の輝きを自身から放つ。
すると大蛇はその光に阻まれそれ以上先に進めなくなってしまった。
「なんだこりゃ! でもまあいい!」
一番驚いていたのはドンキホーテだが、その幸運を最大限に利用することにした。
「博士!」
「冒険者さん!」
ドンキホーテは腰を抜かしている博士の膝と背中を抱えて持ち上げて走る。
闘気に目覚めたドンキホーテの脚力は凄まじく。人一人抱えていると言うのに速度が衰えていない。そんなドンキホーテの後ろには仲間を抱えたジャックと剣士の男がいた。
目指すはジャック達が入ってきた、外に続く道である。
「ジャックだっけ? 道案内頼むぜ!」
ドンキホーテは走りながらそう言う。ジャックは「わ、わかった」とぎこちなく返事をしてこう指示した。
「こっちだ、この穴から俺たちはやってきたんだ」
それは広大な空間とおそらくどこかをつなぐ洞穴だった。ドンキホーテ達はそこに走り込み、道を進む。
後ろで大蛇が暴れ狂う音が聞こえる。
あの大蛇を阻む光も長くは持ちそうにない。そう考えると自然とドンキホーテ達の足は速くなった。
やがてマジックライトの光も届かなくなり、魔法ランタンドンキホーテは博士に魔法ランタンをつけるように頼んだ。
道が灯りに照らされ、ドンキホーテ達はさらに進んだ。一本道だったため、迷う余地はない。
しかし、ドンキホーテ達が道を進んだ先にあったのは人工物の壁だった。つまり行き止まりなのである。
「どう言うこった! 行き止まりじゃねぇか!」
ドンキホーテはジャックを睨みつける。後ろでは、未だに暴れる音が聞こえた。
「落ち着け、こりゃあ隠し通路だ、そこらにスイッチがある!」
ジャックが仲間の戦士を抱えながら、スイッチを探す。やがてスイッチが見つかったのか「これだ!」とジャックは叫んだ。
すると壁がひとりでに動き出し、上にスライドしていった。
その時だ。後ろで甲高い、金属音のようなものが鳴り響いたのは。
そして次に聞こえたのは何か地響きのような音。巨大な者が這いずっている音だとドンキホーテは気づき言った。
「大蛇が、石を壊しやがった!」
その言葉を聞くや否や、ジャック達は急いで通路を通る。
通路の先は人工的な石造りで出来たと建物だった。
「ここ、オーロ遺跡です!」
ドンキホーテの腕の中のジェイリー博士が叫ぶ。
「じゃあもうすぐ外だな!」
ドンキホーテ達はジャックの先導の元さらに出口へと進んだ。後ろから何かを破壊するような音が聞こえる。あの大蛇が、リヴァイアサンがついに遺跡の中まで入ってきたのだ。
後ろからシュルルという大蛇の舌の音が反響して聞こえた。
「ヒイ!」
思わず萎縮するジャックにドンキホーテは言う
「ビビるな進めぇ! ジャック!」
ドンキホーテの言葉に後押しさせれるようにジャックは走る。
そうしてドンキホーテ達はついに外につながる階段にまできた。
「ここを登れば外のはずです!!」
ジェイリー博士がそういう。外から陽光が差し込む出口に向かってドンキホーテ達は走り出した。後ろからは大蛇の舌の音が聞こえる。
もう大蛇がすぐ近くまで来ている。
ドンキホーテは後ろを振り向かず、がむしゃらに走った。
――今、後ろを振り返れば死ぬ!
ドンキホーテ達はその一心で走り続けついに、陽光の差す出口へ飛び込んだ。
ドンキホーテがそう叫んだのと同時に壁は破壊され中から体長何十メートルもある巨大な蛇が現れた。
ジャックは動揺して、再びテレパシーの魔法でボスに呼びかける。
「おい、ボス! ボス! どういうこったこんなの聞いてねぇぞ!」
そう言うジャックの頭の上に影が落とされる。ジャックは顔をあげると、大蛇と目があった。
大蛇は舌を高速で出し入れし、まるで獲物を見定めるようにジャックを見つめた後、口を大きく開きを下卑た男を丸呑みにすべく、襲いかかった。
「ヒイイィ!!」
情けない声がジャックの口から漏れ出た。下卑た男は恐怖のあまり動くことができない。まさに大蛇の口の中にジャックが飲み込まれようとした瞬間。
「あぶねぇ!」
そう叫びながらドンキホーテがジャックを抱きかかえて跳んだ。間一髪、大蛇の口から生き延びたジャックはドンキホーテに問う。
「な、なんで、お前が俺を……」
「そんなことはいい! お前とお前! 自分の仲間を抱えて走れ! 俺はジェイリー博士を運ぶ!」
ドンキホーテは硬直しているジャックと剣士の男にそう告げる。しかし大蛇はそんな暇を与えない。
すぐさま頭を持ち上げあたりを見回し次の標的を探す。次の標的はドンキホーテに決めたらしい、彼に向かって口を開き突進していく。
「ヤベェ!」
ドンキホーテは剣を構えた、この武器で果たしてどれほど通用するのか、いや考えるより行動だ。今はそれしかない。
しかしドンキホーテの剣が大蛇の鱗に突き立てられることはなかった。
ドンキホーテが剣を振り上げ大蛇を向かい打とうとした瞬間、腰のポーチから光が溢れ出た。するとポーチからひとりでに何かが出て大蛇の前に立ちふさがる。
それはドンキホーテが見つけた。綺麗な石ころだった。綺麗な石は緑色の輝きを自身から放つ。
すると大蛇はその光に阻まれそれ以上先に進めなくなってしまった。
「なんだこりゃ! でもまあいい!」
一番驚いていたのはドンキホーテだが、その幸運を最大限に利用することにした。
「博士!」
「冒険者さん!」
ドンキホーテは腰を抜かしている博士の膝と背中を抱えて持ち上げて走る。
闘気に目覚めたドンキホーテの脚力は凄まじく。人一人抱えていると言うのに速度が衰えていない。そんなドンキホーテの後ろには仲間を抱えたジャックと剣士の男がいた。
目指すはジャック達が入ってきた、外に続く道である。
「ジャックだっけ? 道案内頼むぜ!」
ドンキホーテは走りながらそう言う。ジャックは「わ、わかった」とぎこちなく返事をしてこう指示した。
「こっちだ、この穴から俺たちはやってきたんだ」
それは広大な空間とおそらくどこかをつなぐ洞穴だった。ドンキホーテ達はそこに走り込み、道を進む。
後ろで大蛇が暴れ狂う音が聞こえる。
あの大蛇を阻む光も長くは持ちそうにない。そう考えると自然とドンキホーテ達の足は速くなった。
やがてマジックライトの光も届かなくなり、魔法ランタンドンキホーテは博士に魔法ランタンをつけるように頼んだ。
道が灯りに照らされ、ドンキホーテ達はさらに進んだ。一本道だったため、迷う余地はない。
しかし、ドンキホーテ達が道を進んだ先にあったのは人工物の壁だった。つまり行き止まりなのである。
「どう言うこった! 行き止まりじゃねぇか!」
ドンキホーテはジャックを睨みつける。後ろでは、未だに暴れる音が聞こえた。
「落ち着け、こりゃあ隠し通路だ、そこらにスイッチがある!」
ジャックが仲間の戦士を抱えながら、スイッチを探す。やがてスイッチが見つかったのか「これだ!」とジャックは叫んだ。
すると壁がひとりでに動き出し、上にスライドしていった。
その時だ。後ろで甲高い、金属音のようなものが鳴り響いたのは。
そして次に聞こえたのは何か地響きのような音。巨大な者が這いずっている音だとドンキホーテは気づき言った。
「大蛇が、石を壊しやがった!」
その言葉を聞くや否や、ジャック達は急いで通路を通る。
通路の先は人工的な石造りで出来たと建物だった。
「ここ、オーロ遺跡です!」
ドンキホーテの腕の中のジェイリー博士が叫ぶ。
「じゃあもうすぐ外だな!」
ドンキホーテ達はジャックの先導の元さらに出口へと進んだ。後ろから何かを破壊するような音が聞こえる。あの大蛇が、リヴァイアサンがついに遺跡の中まで入ってきたのだ。
後ろからシュルルという大蛇の舌の音が反響して聞こえた。
「ヒイ!」
思わず萎縮するジャックにドンキホーテは言う
「ビビるな進めぇ! ジャック!」
ドンキホーテの言葉に後押しさせれるようにジャックは走る。
そうしてドンキホーテ達はついに外につながる階段にまできた。
「ここを登れば外のはずです!!」
ジェイリー博士がそういう。外から陽光が差し込む出口に向かってドンキホーテ達は走り出した。後ろからは大蛇の舌の音が聞こえる。
もう大蛇がすぐ近くまで来ている。
ドンキホーテは後ろを振り向かず、がむしゃらに走った。
――今、後ろを振り返れば死ぬ!
ドンキホーテ達はその一心で走り続けついに、陽光の差す出口へ飛び込んだ。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】
ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします
ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった
【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。
累計400万ポイント突破しました。
応援ありがとうございます。】
ツイッター始めました→ゼクト @VEUu26CiB0OpjtL
【完結】あなたに知られたくなかった
ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。
5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。
そんなセレナに起きた奇跡とは?
30年待たされた異世界転移
明之 想
ファンタジー
気づけば異世界にいた10歳のぼく。
「こちらの手違いかぁ。申し訳ないけど、さっさと帰ってもらわないといけないね」
こうして、ぼくの最初の異世界転移はあっけなく終わってしまった。
右も左も分からず、何かを成し遂げるわけでもなく……。
でも、2度目があると確信していたぼくは、日本でひたすら努力を続けた。
あの日見た夢の続きを信じて。
ただ、ただ、異世界での冒険を夢見て!!
くじけそうになっても努力を続け。
そうして、30年が経過。
ついに2度目の異世界冒険の機会がやってきた。
しかも、20歳も若返った姿で。
異世界と日本の2つの世界で、
20年前に戻った俺の新たな冒険が始まる。
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる