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出会い編!
リヴァイアサン
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「リヴァイアサン?」
ドンキホーテは首をかしげる。そんな単語聞いたこともないからだ。
「あぁ、リヴァイアサンというのはですね! この世界にいる、ユーライシア大陸を作り出した言われる魔物達またはその末裔のことです。ベヒモスとも呼ばれますね!」
「まああくまでも、セスティマス文明の伝説なんですけどね」とジェイリー博士は付け加えた。
そんなリヴァイアサンがここにいるのだろうか。
博士の言っていた。封印とか危険などの単語の組み合わせから考えるにドンキホーテはそう考えた。ジェイリー博士もそう解釈したようで、ドンキホーテに忠告する。
「冒険者さん、迂闊に何かを触らない方がいいようです、何が起こるかわかりません」
「ああ、そのつもりだぜ博士」
ドンキホーテはその忠告に従うことにした。しかし当の博士はそうはいうものの、「壁に書かれた文字の解読ぐらいならいいですよね!」と魔法ランタンで壁を照らしながら解読作業を進める。
――逞しいな、博士っていうのは……
ドンキホーテは感心しながら、壁に張り付くように見ているジェイリー博士を見ていた。
「ふむふむ、やはりここは、リヴァイアサンを封印する所みたいですね、荒れ狂うリヴァイアサンを操作する方法なんてもの書かれています」
ジェイリー博士の言葉に再びドンキホーテは首をかしげることになる。
「リヴァイアサンを操作? どういうことなんだ、博士?」
「ちょっと待っててください。ただ今、その項目を翻訳してみますので!」
ジェイリー博士は再び壁の文字と睨めっこを続けた。そんなときだ。博士の魔法ランタン以外にぼんやりと壁が照らされたのは。
この広大な空間にはどうやらドンキホーテ達も確認できなかった外へ続く道があるようで、そこから光が差し込んで来たのだ。
ドンキホーテは人の気配に勘付く。
「博士、待ってくれ、誰か来てみたいだぜ、もしかしたら助けかもしれねぇ」
「本当ですか!?」
ドンキホーテは希望を持ってそう言う。明らかにこちらに近づいてくる光源、ドンキホーテとジェイリー博士もまた近づいていった。
光源を持っている主は未だに姿は見えない。ドンキホーテは叫ぶ。
「おおい! こっちだよぉ!」
光源の主はそれに気づいたのか、ドンキホーテ達の場所に近づいてくる。そしてついにお互いの顔が視認できる距離にまで到達した。
ドンキホーテは目を見開く。顔を合わせたのは最も会いたくない男だったからだ。
「これはこれは、ドンキホーテ君じゃあないか!」
光源の主は事もあろうにジャックとその一味だった。
「て、テメェ! ま、まあいいや助けに来てくれたんだろ? 博士を案内してやってくれ」
ドンキホーテはこいつに頼みごとをするのはカンに触るが、ジェイリー博士をここから出さなければいけないと考え、怒りを抑え頼み込んだ。
「まあ、まてよドンキホーテ君」
ジャックはそういうと急に喋り始める
「あーもしもし、ボス? 唐突にすいません、冒険者に見られました。ジェイリー博士もなぜかいます。どうします?」
一方、レーデンスは地上で、採掘作業に勤しんでいた。
「ふぅ、これだけ掘ってみたかったのはこれだけとはな……」
一応、遺物らしき土器のボロボロな皿のようなものを見つけた。レーデンスは笑う、このままではドンキホーテに負けてしまうかもなと。
とりあえずレーデンスはいったんデイル博士に、その土器の皿を見せに行くことにした。
「博士! 遺物を見つけました!」
レーデンスは博士に呼びかけ皿を持っていく。
「おお、ありがとうございます。これは皿かな?」
「そのようです、珍しいものでしょうか」
「はい、ここにこのような生活の跡があった、もしくは何かの捧げものの可能性もある、考察の材料になるので貴重ですよ」
レーデンスはその言葉を聞くと、良かったと胸をなでおろす。
――一応、価値のあるものだったか。ドンキホーテにも自慢はできる、恥ずかしくはないな。
レーデンスは密かにドンキホーテとの勝負事に楽しんでいる自分がなんだかおかしかった。「よし」とレーデンスは気合を入れ直し、デイル博士にいう。
「博士ではこれで、私は採掘に戻ります」
「あの、少し待ってはくれませんか」
デイル博士の提案にレーデンスは、身を翻し戻ろうとするのをやめ、立ち止まる。
「なんでしょう博士?」
「君は辛くないのですか?」
「……何のことですか?」
「君はオークだ……それなりに差別も受けるでしょう、辛くはありませんか?」
レーデンスは、微笑み言った。
「たしかに辛い事もありますが、今は楽しいです、その……パーティメンバーに面白い奴がいるので、そいつは私がオークだからと言って変な目で見たりしないのです。だから今は、今は楽しいと感じています」
「そう……ですか」
レーデンスは不思議とデイル博士が落ち込んでいるように思えた。なぜかはわからないが、博士はどこか悲しそうな表情をしている。そう感じるのだ。
デイル博士はさらに続けた。
「……その関係性はとても尊いものです。大事にしてください」
「ありがとうございます、博士。では……」
レーデンスはそういうと、発掘作業に戻っていった。デイル博士はそんなレーデンスの背中をじっと見つめていた。
不意にデイル博士の頭の中に声が響く。
(あーもしもし、ボス? 唐突にすいません、冒険者に見られました。ジェイリー博士もなぜかいます。どうします?)
「そうですか、では――」
デイル博士は細い目を見開き冷徹に命令を下した。
「消してください」
と。
ドンキホーテは首をかしげる。そんな単語聞いたこともないからだ。
「あぁ、リヴァイアサンというのはですね! この世界にいる、ユーライシア大陸を作り出した言われる魔物達またはその末裔のことです。ベヒモスとも呼ばれますね!」
「まああくまでも、セスティマス文明の伝説なんですけどね」とジェイリー博士は付け加えた。
そんなリヴァイアサンがここにいるのだろうか。
博士の言っていた。封印とか危険などの単語の組み合わせから考えるにドンキホーテはそう考えた。ジェイリー博士もそう解釈したようで、ドンキホーテに忠告する。
「冒険者さん、迂闊に何かを触らない方がいいようです、何が起こるかわかりません」
「ああ、そのつもりだぜ博士」
ドンキホーテはその忠告に従うことにした。しかし当の博士はそうはいうものの、「壁に書かれた文字の解読ぐらいならいいですよね!」と魔法ランタンで壁を照らしながら解読作業を進める。
――逞しいな、博士っていうのは……
ドンキホーテは感心しながら、壁に張り付くように見ているジェイリー博士を見ていた。
「ふむふむ、やはりここは、リヴァイアサンを封印する所みたいですね、荒れ狂うリヴァイアサンを操作する方法なんてもの書かれています」
ジェイリー博士の言葉に再びドンキホーテは首をかしげることになる。
「リヴァイアサンを操作? どういうことなんだ、博士?」
「ちょっと待っててください。ただ今、その項目を翻訳してみますので!」
ジェイリー博士は再び壁の文字と睨めっこを続けた。そんなときだ。博士の魔法ランタン以外にぼんやりと壁が照らされたのは。
この広大な空間にはどうやらドンキホーテ達も確認できなかった外へ続く道があるようで、そこから光が差し込んで来たのだ。
ドンキホーテは人の気配に勘付く。
「博士、待ってくれ、誰か来てみたいだぜ、もしかしたら助けかもしれねぇ」
「本当ですか!?」
ドンキホーテは希望を持ってそう言う。明らかにこちらに近づいてくる光源、ドンキホーテとジェイリー博士もまた近づいていった。
光源を持っている主は未だに姿は見えない。ドンキホーテは叫ぶ。
「おおい! こっちだよぉ!」
光源の主はそれに気づいたのか、ドンキホーテ達の場所に近づいてくる。そしてついにお互いの顔が視認できる距離にまで到達した。
ドンキホーテは目を見開く。顔を合わせたのは最も会いたくない男だったからだ。
「これはこれは、ドンキホーテ君じゃあないか!」
光源の主は事もあろうにジャックとその一味だった。
「て、テメェ! ま、まあいいや助けに来てくれたんだろ? 博士を案内してやってくれ」
ドンキホーテはこいつに頼みごとをするのはカンに触るが、ジェイリー博士をここから出さなければいけないと考え、怒りを抑え頼み込んだ。
「まあ、まてよドンキホーテ君」
ジャックはそういうと急に喋り始める
「あーもしもし、ボス? 唐突にすいません、冒険者に見られました。ジェイリー博士もなぜかいます。どうします?」
一方、レーデンスは地上で、採掘作業に勤しんでいた。
「ふぅ、これだけ掘ってみたかったのはこれだけとはな……」
一応、遺物らしき土器のボロボロな皿のようなものを見つけた。レーデンスは笑う、このままではドンキホーテに負けてしまうかもなと。
とりあえずレーデンスはいったんデイル博士に、その土器の皿を見せに行くことにした。
「博士! 遺物を見つけました!」
レーデンスは博士に呼びかけ皿を持っていく。
「おお、ありがとうございます。これは皿かな?」
「そのようです、珍しいものでしょうか」
「はい、ここにこのような生活の跡があった、もしくは何かの捧げものの可能性もある、考察の材料になるので貴重ですよ」
レーデンスはその言葉を聞くと、良かったと胸をなでおろす。
――一応、価値のあるものだったか。ドンキホーテにも自慢はできる、恥ずかしくはないな。
レーデンスは密かにドンキホーテとの勝負事に楽しんでいる自分がなんだかおかしかった。「よし」とレーデンスは気合を入れ直し、デイル博士にいう。
「博士ではこれで、私は採掘に戻ります」
「あの、少し待ってはくれませんか」
デイル博士の提案にレーデンスは、身を翻し戻ろうとするのをやめ、立ち止まる。
「なんでしょう博士?」
「君は辛くないのですか?」
「……何のことですか?」
「君はオークだ……それなりに差別も受けるでしょう、辛くはありませんか?」
レーデンスは、微笑み言った。
「たしかに辛い事もありますが、今は楽しいです、その……パーティメンバーに面白い奴がいるので、そいつは私がオークだからと言って変な目で見たりしないのです。だから今は、今は楽しいと感じています」
「そう……ですか」
レーデンスは不思議とデイル博士が落ち込んでいるように思えた。なぜかはわからないが、博士はどこか悲しそうな表情をしている。そう感じるのだ。
デイル博士はさらに続けた。
「……その関係性はとても尊いものです。大事にしてください」
「ありがとうございます、博士。では……」
レーデンスはそういうと、発掘作業に戻っていった。デイル博士はそんなレーデンスの背中をじっと見つめていた。
不意にデイル博士の頭の中に声が響く。
(あーもしもし、ボス? 唐突にすいません、冒険者に見られました。ジェイリー博士もなぜかいます。どうします?)
「そうですか、では――」
デイル博士は細い目を見開き冷徹に命令を下した。
「消してください」
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