探していたのは僕でした

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ウォルケーナへ*

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「今、何とおっしゃいました?」

 人攫い事件が解決してから、数週間。警備隊の事務所へ赴いたり、逮捕に貢献したしたとかで王室での晩餐会に出席させられたり(いつものごとく何もしていないのに)、慌ただしい日々を過ごしてようやく落ち着いてきたというのに、また爆弾が降ってきた。
 
「だから、ウォルケーナ国の王室から晩餐会への招待を受けたから行かなくてはならない」

「なぜ、僕たちが?」

「あの時一緒にいた者」

「ああ、あの子」

「ウォルケーナの王太子殿下だ」

「ぇ゙!?」

「どこかで会ったことがあると思っていたんだ。姿を変えていたから確証を持てなかったが」

「嘘でしょ!? 僕タメ口で喋っちゃった。不敬罪で捕まっちゃうじゃ……」

「それはない。ルシアンのことをいたく気に入っているらしいからな」

 ジトッとした目で見られた。

「何をした?」

「何も。お菓子をあげたくらいで」

「本当にただの友達か?」

「友達だよ」

「何か言われなかった?」

 あの時は確か……

「結婚していると伝えたら驚いてた」

「他には?」

「僕の事を知りたかったとか」

「聞いてない」

「初めて言った」

「君に惹かれているじゃないか」

「どうしてそうなるんだよ?」

「分からないのか!?」

「うーん、分からない」

 フェリクス様が大きなため息をついた。

「ルシアン……なぜ君はそんなにも人を惹きつけるんだ」

「惹きつけてませんよ」

「この屋敷から一歩も出られないようにしようかな」

「怖いこと言わないでよ」

 本当にできてしまいそうだから怖い。

「他の誰かに取られるのではないかと心配で仕方ないんだ」

「ありえないです。僕が愛してるのはフェリクス様だけです。他の人なんて見えてない」

「ルシアン……」

 そう言って彼が顔を近づけてきた。

「ちょっと……急にキスしようとしないでよ」

「いや、今のはする流れだっただろう」

「ふふふ、そうだね」

 啄むようなキスをすると、唇の隙間から舌が入ってきて絡め取られた。

「んっ……」

 彼の手がお尻を弄りだして欲望に火が灯る。唇を離してジッと見つめると「ベッド行く?」と問いかけられた。首に手を回して「行く」と囁くとそのまま抱き上げられてベッドに運ばれた。服を脱ぎあって覆いかぶさる彼と素肌を重ねた。

◆◆◆

 招かれたウォルケーナ国は僕達の住むディガロ国の東側に位置していて、魔法の先進国として知られている。

「ローブをまとっている方が多いね」

 行き交う人たちを物珍しげに見ていると「ぶつかるぞ?」と嗜められた。せっかく行くのだからと少し日程を取ってもらい、今は街中を散策している。

「ローブかっこいいなー」

「買って帰るか?」

「でもディガロではあんまり身につけてる人いないしな」

「ここにいる間だけでも纏ったらいいんじゃないか?」

「フェリクス様もどう?」

「纏えと言うなら構わないが」

「本当に? やったね」

 箒に乗って飛んでいる人がたくさんいて、突然近くに降り立ったりするからその度にビクついてしまう。こんな光景も魔力を持っている人が少数のディガロでは見られないものだ。僕も飛んでみたいと羨望の眼差しを送る。

「ルシアン、あの店に入ってみようか」 

「うん、そうだね」

 店に入ると、ローブがずらりと並んでいて色が違うだけのように見えるけれど、近くでみると刺繍や裏地が違っていて面白い。

「わぁ、どうしよう。どれにしようかな」

 一着一着手にしてみるが、なにせ種類が多くてわけがわからなくなってくる。

「黒がかっこいいと思うんですけどね」
 
「そうだな。刺繍をしてもらえるらしい」

「そうなんですか?」

 シンプルな黒のローブにお互いの瞳の色の刺繍糸で名前を入れてもらうことにした。

「どう? 似合う?」

 早速身にまとってフェリクス様に問いかけると「ルシアンは何を着てもいい」と興奮気味に言われて気分が良くなった。

「フェリクス様もかっこいいですよ」

「ありがとう。新鮮な気分になるな」

「そうだね。次はどこ行こうか?」

 手をつないで、あまり見かけない魔道具や魔法書の店に立ち寄った。

「いたるところに魔法に関するお店があって、さすがという感じだね」

「あぁ、おもしろい。今日はいつにもまして機嫌がいいな」

「フェリクス様とお出かけしてますからね」

 久しぶりにふたりで出かけている事が嬉しくて自ずとテンションが上がっているのだ。

「こんなにも早く遠出できることになるとは思ってもみませんでした。お休みをくださった両陛下には感謝しかありませんね」

「確かに。いやいや了承したが、ルシアンとこうやって過ごすことができると考えれば悪くない」

「嫌々だったんだね」

「当たり前だろう。ルシアンをあの者に会わせたくないからな」

「お会いしたことあるんですか?」

「ある。飄々として人当たりが良さそうに見えるが、何を考えているか読めない曲者だ」

「あの方がねぇ」

 美しい少年というイメージしかないけどな。公式の場だと印象が変わったりするものなのだろうか。

「考えたら嫌になってきた」

「僕も憂鬱です。絶対に場違い感半端ないでしょうし、きちんと振る舞えるか不安しかない」

 お互いにハァっとため息を付いて、空気がどんよりし始めた。

「ダメです。せっかくの楽しい時間がもったいない。美味しいものでも食べて気分を上げましょう」

「はぁ、少し疲れたな」

「大丈夫ですか?」

「うーん……」

「お仕事を詰め込んでた疲れがでたのかな? 泊まるところへ行きましょうか?」

「そうだな。少し眠ろうかな」

「分かりました。じゃあ、行きましょうか」

 本当は疲れていたのに無理させていたのかな。そんな事に気づかずはしゃいでしまうなんて。

「ごめんなさい。気付かなくて」

「いや、いいんだ」

 今日から泊まるところは王宮の敷地内にあるらしい。近くまで転移すると、そびえ立つ白亜の城が見えた。

「うわ、大きい」

 急に現実感が押し寄せてきて胃がキリキリし始めた。ここに行かなければいけないのか……。

「ご挨拶はできるのでしょうか?」

「あの男とは会わないといけないかもしれないな」

 門番に王宮からの書状を見せると何処かへ連絡し始めた。しばらく待っているとこちらへ向かってくる人影が見えた。

「やぁ、ルシアン。待っていたよ」

 僕の名を呼ぶそのお方は、あの時出会った美しい少年ではなく僕よりも頭一つ分大きな麗しい男性だった。
 
「あっ、姿が違うから分からないかな?」

 瞳の色が同じ……まさかこのお方が!?

「僕はすぐに分かったよ。姿が違っても暖かいオーラの色は同じだからね」

「あ……その節はとんだご無礼を」

「もう、いいのに。友達だろう?」

「そういうわけには……」

「ルシアンを困らせるのはやめて頂けますか」

「あっ、フェリクスくん。おひさ」

「ご無沙汰しております。シリル殿下」

「あの時は名乗れなくてごめんね」

「いえ!」

「シリルって呼んで?」

「それは……」

「大丈夫。僕がいいって言ってるんだから。何か言ってくるやつがいたら僕が消してあげるから」

 怖っ。笑顔でそんな恐ろしいことを言わないでほしい。
 
「今日はこれからどうするの?」

「お部屋で休もうかと。フェリクス様がお疲れなので」

「ルシアンは? 疲れてる?」

「いえ……」

「じゃあ、僕と遊ぼ。街を案内するよ」

 隣にいたフェリクス様が僕の腰を持って抱き寄せた。

「お忙しい殿下にそんなことをさせるわけには」

「大丈夫だよ、フェリクスくん。ルシアンのためなら時間は惜しまないから。君は休んでいなよ」

「いや、あの。フェリクス様が心配なので」

「優しいね、君は。でも、せっかく来たのにもったいないじゃん?」

「いえいえ……」

「ルシアンもこう言っておりますので」

「えー、言わせてるんでしょう? 意外と器が小さいね」

「は?」

「シリル殿下、今日は休みたいと思います。またの機会に是非」

「仕方ないな。部屋まで送るよ」

 心の中で爆発しなくてよかったとほっとしながら、案内してくださるというシリル殿下の後をついていく。一度城の中へ入ったあとに、廊下で繋がった建物の中へと案内された。中央のフロアからさらに廊下を進んだ先にある扉の前で立ち止まった。

「この部屋を使って」

「ご案内ありがとうございました」

「じゃあ、また後でね」

 ひらひらと手を振る殿下を見送って、部屋の中に入った。無言でソファに座るフェリクス様の隣に腰を下ろすと、ここと膝の上を指さされた。いつものように横抱きスタイルで座るとギューッと抱きしめられた。

「俺は器が小さいんだろうか」

「そんな事ないですよ」

「ルシアンの事になると余裕がなくなってしまう」

「僕も同じです。取られたくないから必死になっちゃう。攫われた日だって、シリル殿下にフェリクス様のこと好きにならないでって牽制しちゃったんだよ?」

「そうなのか?」

「僕、フェリクス様の事が好きすぎるから。フェリクス様も同じ?」

「うん、俺も好きすぎる。ルシアンのおかげで心が凪いだ。ありがとう」

「それなら、よかった。ベッドで眠りますか?」

「いや、無理だな」

「ん?」

 ゆっくりと唇を重ねられて、差し込まれた舌が口腔内を味わうように這った。顔を離すと情欲の灯った瞳で見つめられて、鼓動が高鳴る。

「抱きたい」

 首筋に舌を這わせながら彼が囁いた。

「もうベッド汚しちゃうの?」

「きれいにするから」

 彼が強く吸い付いてチリっとした痛みが走った。

「跡つけちゃダメだよ。今夜晩餐会なのに」

「別にいいだろう」

「晩餐会前にするってどうなの?」

「だめなのか?」

「だめじゃないけど。あっ、待って」

 おしりの割れ目をゆっくりなぞられて体を震わせた。

「あ……んっ、待ってってばぁ」

「ん?」

「ベッドでしてほしい」

 彼にしがみついてそう強請ると、ゆっくりと抱き上げられた。

「ちゃんと捕まって」

「うん」

 少し触られただけなのに、体は熱を帯びて彼を求めてしまう。扉を開けて目に飛び込んできたのは天蓋付きの大きなベッドだった。

「大きいね。フェリクス様のお部屋と同じ」

「俺は小さくてもいい」

「そうなの?」

「ルシアンを抱きしめて眠るから、そんなにスペースはいらない」

「たしかに。そうかも」

 そっと降ろされて、ローブを取ってもらった。シャツとズボン、下履きを自ら脱いで、彼が脱ぎ終わるのを待った。

「待たせた」

 首を振ると優しくキスをしてくれた。彼の上に跨るように座ってそのままキスを続ける。彼の手は僕の乳首とお尻を弄り始めて、僕も彼のものに触れて上下に扱いた。ヌルヌルした先走りを纏わせてさらに強く刺激すると、仕返しとばかりに指を中に差し入れられた。

「あっ……あっあ……そこ……あっん……ダメ」

「ダメじゃない」

「すぐにイッちゃうよぉ」

「可愛い」

「あっあっああ――っ」

 あっけなくイかされて荒い息を吐いた。

「本当にどんどん感度が上がっているな」

「あっ……やぁっ……」

 さらに、キスをされながら掻き回されて、力がどんどん抜けていき彼にもたれ掛かりながら吐息を漏らした。

「腰を動かして、そんなに欲しいのか?」

「欲しい……フェリクス様の挿れてぇ」

「どうしてそんなにも愛らしいのだ」

 指を引き抜かれてゴロンと押し倒され、自ら足を開いて彼を待った。

「こんなにも蜜を垂らして……どんどんいやらしい体になっていく」

「あぁぁっ――!」

 一気に体重をかけて奥深くまで貫かれた。彼の圧倒的な質量を感じて、さらに快感が駆け巡った。

「もっと……はげしく……してぇ」

 もっと彼を感じたい。全部を僕に刻みつけて。僕はフェリクス様のものだって実感させてほしい。腰を持ち上げられてさらに深く入ってきた彼が激しく僕を突き動かした。

「ルシアン……愛してる」

 愛おしくて堪らなくて、僕も愛してると言葉にしたいのにうまく口を動かせない。

「ぼく……も……ああっ」

 彼の動きに合わせるように腰を動かす。

「あっあっ……イくっ……」

「一緒に……」

 手を重ね合わせて一気に絶頂に達し弛緩した。僕の中に温かいものが広がって、ゆっくりと口づけを交わす。

「愛してる」

「僕も愛してる」

 優しい眼差しで僕を見つめる彼を見て、幸せで胸がいっぱいになる。いつもならキスをして、そのうちに復活したフェリクス様がゆっくりと律動を開始するのだが、今日はさすがに無理か……。彼の胸に顔を埋めて、鼓動に耳を傾けた。

「続きは晩餐会のあとだな」

「うん……」

「もう少ししたらシャワーを浴びて準備しようか」

「うん」

 終わったら目一杯愛してもらおう。そう思ったら憂鬱な晩餐会も乗り越えられる気がした。
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