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この気持ちは②
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教室に戻って「手伝うよ」と声をかけて、ひたすら注文されたドリンクの準備をした。手を動かしていたら何も考えなくて済む。
「海堂、もう当番の時間終わってるぞ?」
「あっ、これだけやるよ」
「ありがとう。助かった」
もう一人の学級委員である高階くんに声をかけられて我に返る。時計を見ると13時半になろうとしていた。もう少しで始まるな。
体育館に向かって歩いていると友達同士で、カップルで楽しそうに笑い合う人達とすれ違う。人混みの中を目を伏せて足早に歩く。以前なら別に一人でいいと思っていた。でも今は隣に須藤がいればいいなと思う。
体育館の扉の前に立つと盛り上がる歓声と歌声が聴こえてきた。まだ軽音部のライブ中か。そっと扉を開けて中に入ると熱気とみんながジャンプして起こっているのか振動を感じた。壁際に立ってその光景を眺める。
何の歌か分からないけれどボーカルの人が上手いという事は分かる。激しく脳内が痺れるようなサウンドと甘い歌声がアンバランスなのに心地良い。目まぐるしく変わる照明の光に照らされて曲は終わりを迎えた。湧き上がる歓声に包まれながら「ありがとうございました!」と爽やかに告げてバンドメンバーは舞台上から姿を消した。
すごい。まだドキドキしている。ほんの少し聴いただけだけど、ライブって楽しいんだな。たぶんファッションショーがなかったら来ることはなかった。須藤も見ていたかな。準備してるから無理か。一緒に見ることができたらよかったのに。須藤はどんな風に感じただろうか。須藤って音楽を聴くのだろうか。めちゃくちゃ激しい曲とか聴いてそう。
機材が片付けられて、人々が真ん中を開けるようにして座り始めた。なるほど、真ん中をランウェイに見立てて歩くのか。少し出遅れてしまったけれど、折り返し地点の位置に陣取る事ができた。沢山の人に埋もれて始まりの時を待つ。
始まりを告げるアナウンスが流れて、トップバッターの女の子が二人姿を現した。
ふわふわした妖精のような衣装に身を包み、にこやかに歩いてくる。友達の集団の前を通ったのか手を振って歓声が起きた。
次々と前を通り過ぎていく人達がみんな輝いていて眩しく見えた。この中に須藤も混じっているのか。全く想像ができない。
かわいく明るい音楽から一転してお腹に響くような重低音の激しい音楽が鳴り響く。雰囲気が一転してダークな雰囲気の衣装を身に纏った人達が出てきた。格好いい。ここで須藤は出てきそうだなと何となく思った。
前の方でどよめきが起こって舞台上を見ると須藤が立っていた。無表情で前を向き、一歩また一歩と歩みを進める。あまりにも存在感がすごくて目が釘付けになる。今までに出てきた人達には本当に申し訳ないけれど、須藤が1番格好良く見えた。
この群衆の中にいる僕に気づくだろうか?気付いてほしい。祈るような気持ちで須藤を見つめると、不意にこちらを見た須藤と目が合った。
僕を見た瞬間表情を崩して、手をピストルの形にして「バン」と打つポーズをした。あっ、何これ。撃ち抜かれた気がする。僕の周りから歓声が上がった。
見つめる僕から目を逸らして、くるりとUターンをして舞台上へと戻っていった。
何だよ、さっきの。かっこよすぎだろ。その後は何も見えなくなって、いつの間にか全員が舞台上に立っていた。よく見ると服を作ったのであろう人達が中心にいて頭を下げていた。慌てて自分も拍手を送った。拍手喝采の中モデルの人たちがはけていき、最後に残った作りての面々がもう一度頭を下げてファッションショーは終幕した。
特にやることがなくなって、何となくいつも須藤と昼ごはんを食べている場所に向かった。
ファッションショーの須藤を思い出す。思い出してみてもやっぱりかっこよかった。あれで好きになった人がいるんじゃないだろうか。胸がチクリと痛む。誰にも見られたくなかった。
須藤からどこにいる?とメッセージが入った。昼ごはん食べてるとこと返すと「了解」のスタンプが送られてきた。
「りとー」
手を振った須藤がこっちにやってきた。
「どうだった?さっき?」
「うん、かっこよかったよ」
「だろう?俺も自分で格好いいと思った」
「自分で言うか?」
「言っちゃう。喉乾いてない?ジュース買ってきた」
「ありがと」
フタを開けるとプシュッという炭酸が抜ける音がした。少しだけ口に入れるとシュワシュワとした炭酸が広がった。無言で渡すと受け取った須藤が口をつけた。
「あー、片付け面倒くさいなー」
「サボるなよ?」
「ちゃんとやるよ。りとに怒られるし」
「口うるさいやつみたいに言うなよ」
「えっうるさいじゃん」
「悪かったね」
「好きだからいいけど」
「……は?」
「ん?りとのそういうとこ好きだよ」
「あぁ、そう」
ビックリした。好きという言葉に過剰反応してしまった。
「僕も意外と真面目なとこ好きだよ」
自然と口に出していた。
「え?」
「あぁ、友達としてな?」
慌てて友達という言葉を継ぎ足す。
「友達ね、友達。もう1回好きって言って?」
「好きだよ、須藤」
声に出して実感する。須藤には友達だなんて言ったけれど、僕のこの感情はただの友達に向けるものではないと思う。こんなにもドキドキさせられて、ふとした瞬間に須藤の事を考えてしまうんだから。もう疑問符は浮かばない。僕は確実に須藤のことが好きだ。認めてしまうと何だかスッキリした。
「はぁ、複雑」
須藤が膝を抱えて顔を埋めた。
「どうした?」
「いや、何でもない。プラネタリウム行く?」
「うん、行こう!」
手を繋いで廊下を歩く。好きな人と手を繋ぐって緊張するけど、それ以上にすごく嬉しいものなんだな。
「わぁ、すごいな。ダンボールでできているのか?」
教室の中にダンボールでできたドームがあって、そこに投影するようになっているようだった。なかなかの力作に驚く。
「思ったより少ないな。もっと人がいると思ったんだけど」
「今の時間またライブやってるからじゃない?」
「なるほど。そうだったのか」
そっちに行ってもよかったけど、須藤とゆっくりプラネタリウムを眺めるのもいい気がする。
ドームの中に入って須藤の隣に座った。よく見ると周りはカップルだらけで、少し羨ましくなった。この人達は本当に付き合ってるんだもんな。僕も本当の恋人になれたらいいのに。
真っ暗な空間に星空が投影された。偽物の流れ星に須藤に好きになってもらえますようにと祈った。偽物に祈っても叶わないか。心のなかで苦笑いする。手を繋いで二人で眺めたこの時をきっと一生忘れないと思う。
「何か小腹減ったな」
プラネタリウムを見終えると須藤がお腹を擦って呟いた。
「確かに。何か食べる?」
よく考えたらチョコバナナと途中で摘んだポテトくらいしか食べていない。
「フランクフルトは?」
「えー、甘いものがいい」
「残念」
フランクフルトやけに推してくるな。
「須藤が食べればいいじゃん」
「俺はたこ焼きがいい」
「なんだ、それ」
目的の物を探す。終わりの雰囲気が漂っていて少し物悲しい。
須藤はたこ焼き、僕はワッフルを手にして腰をおろす。
思い返せば去年は人目を気にして過ごしていたから楽しかった記憶が1つもない。今年は須藤と一緒に過ごせて本当に楽しい文化祭だった。
「須藤、ありがとう」
「何が?」
「一緒にいてくれて。今年は楽しかったよ」
「当たり前じゃん。りとの彼氏なんだから」
無邪気に言うその一言が胸に突き刺さる。本物じゃないけどな。
勝負に負けたから始めた恋人のフリ。好きになってしまった僕は、果たしてこの現実にいつまで耐えることができるのだろうか。
「海堂、もう当番の時間終わってるぞ?」
「あっ、これだけやるよ」
「ありがとう。助かった」
もう一人の学級委員である高階くんに声をかけられて我に返る。時計を見ると13時半になろうとしていた。もう少しで始まるな。
体育館に向かって歩いていると友達同士で、カップルで楽しそうに笑い合う人達とすれ違う。人混みの中を目を伏せて足早に歩く。以前なら別に一人でいいと思っていた。でも今は隣に須藤がいればいいなと思う。
体育館の扉の前に立つと盛り上がる歓声と歌声が聴こえてきた。まだ軽音部のライブ中か。そっと扉を開けて中に入ると熱気とみんながジャンプして起こっているのか振動を感じた。壁際に立ってその光景を眺める。
何の歌か分からないけれどボーカルの人が上手いという事は分かる。激しく脳内が痺れるようなサウンドと甘い歌声がアンバランスなのに心地良い。目まぐるしく変わる照明の光に照らされて曲は終わりを迎えた。湧き上がる歓声に包まれながら「ありがとうございました!」と爽やかに告げてバンドメンバーは舞台上から姿を消した。
すごい。まだドキドキしている。ほんの少し聴いただけだけど、ライブって楽しいんだな。たぶんファッションショーがなかったら来ることはなかった。須藤も見ていたかな。準備してるから無理か。一緒に見ることができたらよかったのに。須藤はどんな風に感じただろうか。須藤って音楽を聴くのだろうか。めちゃくちゃ激しい曲とか聴いてそう。
機材が片付けられて、人々が真ん中を開けるようにして座り始めた。なるほど、真ん中をランウェイに見立てて歩くのか。少し出遅れてしまったけれど、折り返し地点の位置に陣取る事ができた。沢山の人に埋もれて始まりの時を待つ。
始まりを告げるアナウンスが流れて、トップバッターの女の子が二人姿を現した。
ふわふわした妖精のような衣装に身を包み、にこやかに歩いてくる。友達の集団の前を通ったのか手を振って歓声が起きた。
次々と前を通り過ぎていく人達がみんな輝いていて眩しく見えた。この中に須藤も混じっているのか。全く想像ができない。
かわいく明るい音楽から一転してお腹に響くような重低音の激しい音楽が鳴り響く。雰囲気が一転してダークな雰囲気の衣装を身に纏った人達が出てきた。格好いい。ここで須藤は出てきそうだなと何となく思った。
前の方でどよめきが起こって舞台上を見ると須藤が立っていた。無表情で前を向き、一歩また一歩と歩みを進める。あまりにも存在感がすごくて目が釘付けになる。今までに出てきた人達には本当に申し訳ないけれど、須藤が1番格好良く見えた。
この群衆の中にいる僕に気づくだろうか?気付いてほしい。祈るような気持ちで須藤を見つめると、不意にこちらを見た須藤と目が合った。
僕を見た瞬間表情を崩して、手をピストルの形にして「バン」と打つポーズをした。あっ、何これ。撃ち抜かれた気がする。僕の周りから歓声が上がった。
見つめる僕から目を逸らして、くるりとUターンをして舞台上へと戻っていった。
何だよ、さっきの。かっこよすぎだろ。その後は何も見えなくなって、いつの間にか全員が舞台上に立っていた。よく見ると服を作ったのであろう人達が中心にいて頭を下げていた。慌てて自分も拍手を送った。拍手喝采の中モデルの人たちがはけていき、最後に残った作りての面々がもう一度頭を下げてファッションショーは終幕した。
特にやることがなくなって、何となくいつも須藤と昼ごはんを食べている場所に向かった。
ファッションショーの須藤を思い出す。思い出してみてもやっぱりかっこよかった。あれで好きになった人がいるんじゃないだろうか。胸がチクリと痛む。誰にも見られたくなかった。
須藤からどこにいる?とメッセージが入った。昼ごはん食べてるとこと返すと「了解」のスタンプが送られてきた。
「りとー」
手を振った須藤がこっちにやってきた。
「どうだった?さっき?」
「うん、かっこよかったよ」
「だろう?俺も自分で格好いいと思った」
「自分で言うか?」
「言っちゃう。喉乾いてない?ジュース買ってきた」
「ありがと」
フタを開けるとプシュッという炭酸が抜ける音がした。少しだけ口に入れるとシュワシュワとした炭酸が広がった。無言で渡すと受け取った須藤が口をつけた。
「あー、片付け面倒くさいなー」
「サボるなよ?」
「ちゃんとやるよ。りとに怒られるし」
「口うるさいやつみたいに言うなよ」
「えっうるさいじゃん」
「悪かったね」
「好きだからいいけど」
「……は?」
「ん?りとのそういうとこ好きだよ」
「あぁ、そう」
ビックリした。好きという言葉に過剰反応してしまった。
「僕も意外と真面目なとこ好きだよ」
自然と口に出していた。
「え?」
「あぁ、友達としてな?」
慌てて友達という言葉を継ぎ足す。
「友達ね、友達。もう1回好きって言って?」
「好きだよ、須藤」
声に出して実感する。須藤には友達だなんて言ったけれど、僕のこの感情はただの友達に向けるものではないと思う。こんなにもドキドキさせられて、ふとした瞬間に須藤の事を考えてしまうんだから。もう疑問符は浮かばない。僕は確実に須藤のことが好きだ。認めてしまうと何だかスッキリした。
「はぁ、複雑」
須藤が膝を抱えて顔を埋めた。
「どうした?」
「いや、何でもない。プラネタリウム行く?」
「うん、行こう!」
手を繋いで廊下を歩く。好きな人と手を繋ぐって緊張するけど、それ以上にすごく嬉しいものなんだな。
「わぁ、すごいな。ダンボールでできているのか?」
教室の中にダンボールでできたドームがあって、そこに投影するようになっているようだった。なかなかの力作に驚く。
「思ったより少ないな。もっと人がいると思ったんだけど」
「今の時間またライブやってるからじゃない?」
「なるほど。そうだったのか」
そっちに行ってもよかったけど、須藤とゆっくりプラネタリウムを眺めるのもいい気がする。
ドームの中に入って須藤の隣に座った。よく見ると周りはカップルだらけで、少し羨ましくなった。この人達は本当に付き合ってるんだもんな。僕も本当の恋人になれたらいいのに。
真っ暗な空間に星空が投影された。偽物の流れ星に須藤に好きになってもらえますようにと祈った。偽物に祈っても叶わないか。心のなかで苦笑いする。手を繋いで二人で眺めたこの時をきっと一生忘れないと思う。
「何か小腹減ったな」
プラネタリウムを見終えると須藤がお腹を擦って呟いた。
「確かに。何か食べる?」
よく考えたらチョコバナナと途中で摘んだポテトくらいしか食べていない。
「フランクフルトは?」
「えー、甘いものがいい」
「残念」
フランクフルトやけに推してくるな。
「須藤が食べればいいじゃん」
「俺はたこ焼きがいい」
「なんだ、それ」
目的の物を探す。終わりの雰囲気が漂っていて少し物悲しい。
須藤はたこ焼き、僕はワッフルを手にして腰をおろす。
思い返せば去年は人目を気にして過ごしていたから楽しかった記憶が1つもない。今年は須藤と一緒に過ごせて本当に楽しい文化祭だった。
「須藤、ありがとう」
「何が?」
「一緒にいてくれて。今年は楽しかったよ」
「当たり前じゃん。りとの彼氏なんだから」
無邪気に言うその一言が胸に突き刺さる。本物じゃないけどな。
勝負に負けたから始めた恋人のフリ。好きになってしまった僕は、果たしてこの現実にいつまで耐えることができるのだろうか。
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