上 下
92 / 93
第五章. 悪嬢 vs 悪役令嬢!? 真なるヒロインはどっちだ!

083. ロムルス無双

しおりを挟む
 一方、遠征したロムルスはというと。
 
 彼は早々と現地へと到着しており、乗馬して道を進んでいた。彼の前後には自らが連れてきた近衛十数名と、現地の騎士団の約五十名。異形討伐の為に組まれた精兵たちであった。
 
 目的地はとある小さな村。既に異形に滅ぼされている場所。これまでに得た情報から、そこが異形のねぐらになっているとロムルスは見ていた。
 
「お、王子。やはり危険ではないでしょうか。まずは町にこもって防衛し、様子を見るべきでは……」
「ならぬ。元を絶たねばきりがなかろう」

 領主に仕える騎士団長が忠告してくるが、ロムルスは耳を貸さない。
 
 異形の被害にあう東部地方。最初は小さな村が標的にされていたが、ここ最近は町を襲うようになってきた。
 
 数はそれほど多くないが、強い。既に百を超える領民や兵士たちが犠牲になっている。これは町の中だけの話で、滅びた村を含めれば十倍以上の数になるだろう。城壁があり、兵士が常駐する町だからこそこの程度の被害で収まっていると言っていい。
 
 彼らの努力もあり、二十体ほどの異形の撃破には成功している。しかし襲ってくる数は一向に減らない。異形は一通り人間を食い荒らすと、もう腹は満ちたとばかりに逃げ、再び町を襲ってくるのだ。前回よりもさらに数を増やして。
 
 ここから予想されるのは、異形は現在進行形で増えているという事だ。恐らく数を増やす為に人間を食っているのだろう。よって、再び町を襲ってくる可能性は高い。なのにロムルスは防衛を選ばず、討伐を選んだ。元を絶たねばキリがないと主張して。
 
 流石に危険すぎる。相手がどれだけの数がいるかもわからぬというのに。せめて偵察した後にするべき。そう言って止めた領主たちであるが、ロムルスは聞かなかった。
 
(防衛などしていたらいつまで経っても終わらん。千妃祭に間に合わないではないか……!)

 国王以下、宰相や元帥といったトップ勢に乞われてここに来た。流石のロムルスとて彼ら全員に乞われれば無下にはできない。いや、無下にしようとしたのだが、「このまま異形が暴れ続ければ千妃にケチがつく」と言うもっともな事を言われ、了承せざるを得なかったのだ。
 
 ……いや、ケチがつくのはまだいい。一番の問題は、レヴィアがこの件を知ればどう思うかである。
 
 心優しいレヴィアだ。間違いなく心を痛める。あの美しい顔が悲しみに染まるなど……男として、夫として許せる事ではない。故にロムルスはしぶしぶとはいえ、本気で解決に取り組む気でいる。まあ千妃祭優先なので期日になれば戻るつもりだが。解決の成否に関わらず。

(千妃祭には様々な審査がある。絶対に見逃すわけにはいかない。特に……!)

 ――水着審査。アレだけは見逃す訳にはいかない。
 
 裸とはまた違う、えっちな恰好。それを着たレヴィアは羞恥に顔を赤く染める。
 
 見たい。何としてでも見たい。
 
 女に手を出す速さには定評のあるロムルスである。婚前交渉などお手の物だ。なのに千妃候補の誰にも手をだしていないのは水着審査があるからだ。裸を見てしまえば感動が減る。故に手をつなぐ以上の事は頑張って我慢していたのだ。ものすごくしょーもない理由だが、レヴィアにとっては幸いな事だったといえよう。

(しかし、出兵当日になって私の派遣を願うとは……父上や宰相がそんなギリギリの依頼をするとは思えん。明らかに別の人間の意図が働いている。それは間違いなく……)

 ルシアだ。ヤツが動いたとしか思えない。
 
 最初は平民グループの中でいじめられていたレヴィア。しかしルシアと出会ってからは貴族や冒険者なども彼女を排そうとしていた。
 
 それもこれもルシアの仕業だろう。レヴィアの事が気に食わない様子だった彼女。その権力をもって裏から星の宮を動かしたに違いない。
 
(恐らく千妃が自分の権力を脅かすと考えたのだろう。第十后とはいえ、公爵家出身のルシアに逆らえる后はいない。一から九は一番上でも子爵家出身であるし)

 后の中では最も強い権力を持ち、精神的な力関係でもロムルスの上をいく彼女。今まではそのお陰で自由に振る舞えた。それが陰ることを恐れたのだろう。だからこそ千妃に(ロムルスの中で)内定しているレヴィアに目を付け、排除しようとしているに違いない。
 
 幼い頃の彼女であれば絶対にやらない行為。だが成長した今は分からない。自分とて幼い頃に比べれば格段に変わったのだから。
 
(后にするべきではなかったかもしれん。全く、何で結婚なんてしたのか本気で分からん。……いや、そうか。確か政治的な理由で……)

 ルシアの裏工作から連想したのか、ロムルスはようやく思い出す。反乱軍との戦において、敵味方を区別する為にそういうしたのを。
 
(そうだった。あの偏屈なおきな……公爵家当主と交渉したのを覚えている。最初は断られたんだったな。国を乱すとかで。……いや、既に戦は起きつつあったはず。なのに何故――)
 
「――殿下。ロムルス殿下」
「……む? どうした団長」

 何かを思い出しかけたところで騎士団長に話しかけられた。ロムルスは思考を止め、耳を傾ける。
 
「もう少しで村です。殿下の身に何かあっては大変ですので、せめてお気をつけを」
「そうか。分かった」

 彼の忠告を素直に受け取る。どうやら町に戻るのは諦めてくれたらしい。まだ目的地の村は見えないが、周囲にある木々のせいで遠くが見えないからだろう。

 ロムルスは一連の考えを棚上げし、意識を切り替える。今すべきことは異形の全滅。それこそがヴィペールの問題、そして千妃の問題を解決に近づけてくれる。故に彼はこの討伐一回で全てを焼き尽くすつもりなのだ。
 
 そうして暫く歩くと……。
 
「む?」
「王子、どうしました?」
「……何かいるな」

 ロムルスは何らかの気配を感じ取った。
 
 戦いに関しては超一流のロムルスである。様々な魔物と戦った経験がある為か、敵の気配のようなモノが何となくつかめるのだ。
 
 彼の言を聞いた騎士団長は「総員! 警戒態勢!」と指示。兵士たちが武器を取り、周囲を見張る。ロムルスも馬から降り、腰に差した剣を抜く。
 
 そうしてしばらく経つが……何も起こらない。異形どころか魔物が出てくる様子もなく、森は静かなもの。木々が揺れる音がするだけだった。油断なく周囲を見回していた兵士たちの警戒心も次第に弱まってくる。
 
「ッ! 馬鹿者!」

 そのうちの一人、年若い兵士に向かいロムルスは叫ぶ。「えっ」と呆けた声を出した瞬間に迫る黒い影。油断していた兵士は全く反応する事が出来ない。

 鋭い牙が彼の肉体を貫く――直前で、何かが横を通り過ぎる。
 
「ギャウン!」

 崩れ落ちる影。気づけば彼の前には赤髪の男がおり、目の前の異形を切り裂いていた。
 
「お、王子! た、助かりました!」

 兵士は身を震わせた。死が通り過ぎたことによる恐怖に加え、感動もしているのだろう。まさか王子自らかばってくれるなど普通は思わない。
 
 しかしその感動に浸っている暇はない。見たことのない魔物が姿を現し始めた。森の中から続々と。

 体長二メートルほどの漆黒の獣。目や鼻と言ったものは存在せず、口だけが異様に大きい。狼の口をさらに裂き、首にまで食い込んでいるという姿であった。
 
 雰囲気もここらにいる魔物とは明らかに違う。異形という言葉がぴったりである。さらにその数は五十にも及び、兵士たちの数とあまり変わらない。

 顔を青くする兵士たち。何人もの民があの大口に食われてきたのを見ており、さらにその数は襲撃時よりもはるかに多い。如何に彼らが精兵とはいえ、同数の異形相手に勝てるとは思えなかったのだ。
 
 
 
 ――しかし、ある者は別だった。
 
 
 
「炎よ」

 ロムルスがそう言うと、周囲の温度が一気に上がる。彼の身体が赤い魔力を放ち、さらにその赤色が炎に変わってゆく。そしてそれは右手の剣へと集約し――炎の剣が出来上がった。
 
 彼は地面を踏みしめ、異形へと飛び込む。炎の剣が振るわれ、それだけで目の前の異形はたやすく真っ二つになった。切り口は炭化しており、黒い身体がさらに黒くなっている。

 とびかかってくる複数の異形たち。しかしロムルスは焦らず、さらに大きな炎を放ち、回転切りのようにぶん回した。炎に焼かれ、悲痛な声を上げて燃え尽きる異形たち。

 ――英雄王子ロムルス。またの名を“炎剣”のロムルス。
 
 炎を自在に操り、それを武器とする。灼熱となった剣は全てを断ち切り、時に魔法のように放つ。これこそが彼の戦闘スタイルであった。

 これは普通の戦士にはできない。魔力を炎に変えるのは魔法の領域。如何にオドを練っても火に変化したりはしない。
 
 かといって魔法使いにも無理だ。属性付与エンチャントと呼ばれる魔法で似たようなことはできるが、武器に火の精霊の力を込めるだけであり、炎を纏ったりはしない。
 
 そもそも普通の者が炎など纏えばどうなるか。確実に火傷を負い、自らを傷つける結果となってしまう。内在魔力オドによって軽減できたとしても限界があるのだから。なのにロムルスが無事なのは、彼のレアスキルによるものだ。
 
 ――レアスキル、“炎の加護”。
 
 その名の通り炎を自在に操り、炎熱に対する完全耐性を得る能力。これによってロムルスは炎を武器とする事ができ、自らが生み出した炎によって焼失する事もないのだ。シンプルな能力であったが、シンプルであるがゆえに強力な力でもある。
 
 たった二振りで自らの周囲にいる異形を全滅させたロムルス。彼は兵士に対し叫ぶ。
 
「さあ、兵士たちよ! 魔王の異形など恐れるに足りず! 奮闘せよ! 諸君らには私がついている!」
「「「お、おおおおおお!!」」」
 
 頼もしき王者の姿。それを見た兵士たちの士気が目に見えて向上。この男と共に戦えば勝利は間違いない。そう確信したからだ。
 
 ロムルス自身、そうなるのを狙ってやった。自分一人で殲滅するのは容易だが、自分頼りになるのも困る。魔王の異形が相手にならないと分かった以上、兵士たちに経験を積ませた方がいい。
 
 とはいえ、数が数だ。ロムルスは異形が密集している場所に狙いをつけ、跳躍。そしてその場所の地面へ思いっきり剣を叩きつけた。
 
 ――瞬間、地面から炎が爆発する。
 
 ロムルスがいる場所を中心に、地面から炎が爆発したように吹き出たのだ。
 
 広範囲にわたり噴出する炎。地面はマグマのように赤く染まっており、周囲の異形は一気に焼き尽くされた。

 火の精霊を限界まで纏い、地中に数多く存在する土の精霊へ叩きつける。地中に火の精霊は少なく、また存在しづらい為、反発するように地面から噴き出す。そこにロムルスが自身のレアスキルにより炎として具現化させる。
 
 炎地爆散。彼のレアスキルを生かした広範囲攻撃であった。世界広しといえども、このような技を放てる者はロムルス以外にいない。
 
 戦場を暴れまわるロムルス。彼が動くたびに異形はその数を減らし、もはや十体程度しか残っていない。
 
(ここまでだな。後は部下に任せても大丈夫だろう)

 そう判断したロムルスは殲滅速度を落とし、兵士たちを支援し始める。異形との戦闘経験、そしてそれを打ち破ったという経験はきっと彼らを強くするだろう。加えて彼らの手柄にもなる。
 
 共に戦うという一体感。身を挺して兵士を助けるという優しさと頼もしさ。そして自ら手を下す固執せず、周囲を活躍させ、引き上げようとする心持ち。
 
 これがあるからこそロムルスは軍部から多大な支持を受けているのだ。一般の兵士から騎士、指揮官に至るまで、彼に悪感情を持つ者は少ない。女関係では壊滅的にだらしないロムルスであるが、こと戦場においては無類の有能さを見せていた。
 
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?

闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。 しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。 幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。 お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。 しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。 『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』 さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。 〈念の為〉 稚拙→ちせつ 愚父→ぐふ ⚠︎注意⚠︎ 不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です! 小説家になろうでも10位獲得しました! そして、カクヨムでもランクイン中です! ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●● スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。 いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。 欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・ ●●●●●●●●●●●●●●● 小説家になろうで執筆中の作品です。 アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。 現在見直し作業中です。 変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。

異世界でネットショッピングをして商いをしました。

ss
ファンタジー
異世界に飛ばされた主人公、アキラが使えたスキルは「ネットショッピング」だった。 それは、地球の物を買えるというスキルだった。アキラはこれを駆使して異世界で荒稼ぎする。 これはそんなアキラの爽快で時には苦難ありの異世界生活の一端である。(ハーレムはないよ) よければお気に入り、感想よろしくお願いしますm(_ _)m hotランキング23位(18日11時時点) 本当にありがとうございます 誤字指摘などありがとうございます!スキルの「作者の権限」で直していこうと思いますが、発動条件がたくさんあるので直すのに時間がかかりますので気長にお待ちください。

称号チートで異世界ハッピーライフ!~お願いしたスキルよりも女神様からもらった称号がチートすぎて無双状態です~

しらかめこう
ファンタジー
「これ、スキルよりも称号の方がチートじゃね?」 病により急死した主人公、突然現れた女神によって異世界へと転生することに?! 女神から様々なスキルを授かったが、それよりも想像以上の効果があったチート称号によって超ハイスピードで強くなっていく。 そして気づいた時にはすでに世界最強になっていた!? そんな主人公の新しい人生が平穏であるはずもなく、行く先々で様々な面倒ごとに巻き込まれてしまう...?! しかし、この世界で出会った友や愛するヒロインたちとの幸せで平穏な生活を手に入れるためにどんな無理難題がやってこようと最強の力で無双する!主人公たちが平穏なハッピーエンドに辿り着くまでの壮大な物語。 異世界転生の王道を行く最強無双劇!!! ときにのんびり!そしてシリアス。楽しい異世界ライフのスタートだ!! 小説家になろう、カクヨム等、各種投稿サイトにて連載中。毎週金・土・日の18時ごろに最新話を投稿予定!!

虐げられた令嬢、ペネロペの場合

キムラましゅろう
ファンタジー
ペネロペは世に言う虐げられた令嬢だ。 幼い頃に母を亡くし、突然やってきた継母とその後生まれた異母妹にこき使われる毎日。 父は無関心。洋服は使用人と同じくお仕着せしか持っていない。 まぁ元々婚約者はいないから異母妹に横取りされる事はないけれど。 可哀想なペネロペ。でもきっといつか、彼女にもここから救い出してくれる運命の王子様が……なんて現れるわけないし、現れなくてもいいとペネロペは思っていた。何故なら彼女はちっとも困っていなかったから。 1話完結のショートショートです。 虐げられた令嬢達も裏でちゃっかり仕返しをしていて欲しい…… という願望から生まれたお話です。 ゆるゆる設定なのでゆるゆるとお読みいただければ幸いです。 R15は念のため。

行き遅れの女騎士、便所の神様になるっ!!

黒神譚
恋愛
 28歳を迎えた男爵家の娘パトリシア・ベン・クルスは焦っていた。  何故なら彼女の妹ソフィアが姉を差し置いて先に結婚が決まってしまったからだ。  ソフィアは15歳。この世界では結婚適齢期だった。  対して姉のパトリシアは女だてらに冒険者として活躍し、結婚するそぶりを見せない。  それに業を沸かせたパトリシアの両親はソフィアに家督を譲りパトリシアを勘当することに決めたのだ。  一人実家から放り出されたパトリシアは女騎士として名を馳せていたものの経済力はなかった。  そこでパトリシアは自活していくための策として、とある事業を起こすことを思いつき、幼いころから密かに恋心を抱いていた友人ドミニク・ベン・サルヴァドール筆頭伯爵の家を訪ねるのだった・・・・・・。    果たしてパトリシアの新事業は上手くいくのか?  また幼いころから密かに抱いていた彼女の恋は実るのか?  ぬるい感じの異世界の恋物語。どうぞ、一読下さい。  

オチンチ、オマンマ契約スキルでエロやりたい放題。【18 禁】

四月木蓮
ファンタジー
普通の生活していた会社員がある日、契約スキルをつかえるようになり、より人にやりたい放題、好き勝手に生きる話。未成年に淫行もあります。

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

処理中です...