名も無い忌子

蜘優桜

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奈々という存在

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なんだかその顔が見たことある気がした…見たことないはずなのに…

 心優「今度は考え事…?」

心優は私の顔を覗き込む
考え事なんて吹き飛ぶぐらいに心優が可愛い…

 心美「お前…心優のやること、なすこと全部フィルターがかかんのか…気持ちわりぃぞ…」

心美からの突然の悪口

 心優「ははは…何それ…?ボクがそんなに可愛いの?ハハ…」

心優が優しく笑っている
これはこれで可愛いけどまんべんの笑みってやつ見てみたい
どうやったらそんな笑い方してくれるかな?
どんな風に笑うんだろ?
想像しただけでにやけが止まらない…
そしたら心美のやつ

 心美「おい…またキショさがましたぞ…」

とか言ってくんの‼︎

 私「なんでそんな酷いこと言うの⁉︎」

って言ってやったら

 心美「いや…きもいからだろ」

って返してくる…

心美、普通に酷い

 私「いや理由になってないし…」

と声漏らした
今まで黙ってた心優が不思議そうにこっちを見て言った

 心優「二人とも、何言ってるの?そもそも奈々は元からそう言う顔なんじゃない?」

割と酷い。元からきもいってことじゃん⁉︎シンプル悪口!
心優がこんな事言うなんて…
そしたら不思議なことに今日会った可愛らしい男の人のことを思い出した
なんか知ってるかな~って思って聞いてみた___

 私「あっ‼︎そうそう、今日さ女の子みたいな___」

私はいい切らなかった
だって___

 心優「‼︎」

心優が目を見開いている
何にそんなにびっくりしているのだろう?

 心優「僕…どうして…奈…___」

心優が何か、ぶつぶつと呟いている

 私「ちょっ!大丈夫⁉︎」

私は慌てている
___心優が壊れてしまったみたいで怖いから
だから心優を抱きしめようとした
そうしたら

 心優「触れ…ないで…」

ごちょっと言った

 私「心優…?」

とりあえず、心配だった

 心優「触れるな…」

心優は拳を握り、もう片方の手で私を振り払った

 私「ちょっ‼︎大丈夫⁈」

こんな事、普段の心優はしない…

 心優?「触れるな‼︎触れるな‼︎触れるな‼︎触れるな‼︎___‼︎」


心優は目を見開いて言った…怒ってしまった…

 心美「心優‼︎___いや…___いいから落ち着け‼︎どうした?」

心美が心優をなだめる

 心優?「どうして…君達は…‼︎こんな事…ッ‼︎」

心優は泣きそうな目だった
私は言った

 私「心優?大丈夫だよ‼︎だって私たちがついてるもん」

なんだか何が言いたくなったから

 心優「ッ!」

心優は驚きと敵意で目を見開いた
そして

 心優「黙れ‼︎黙れ‼︎黙れ‼︎何も知らないくせにッ‼︎何が大丈夫だ‼︎」

大きな声で心優が怒鳴る

 心美「もう…何も喋るな…余計な事を言うな…‼︎」

心美が悲しそうな顔でそう言い放った

 私「…‼︎」

私…二人の事…キズツケチャッタノ…?

 私「うう…う…ッ…ごめん…ごめん心優…」

無意識に泣いていた…止まらない…

 心優…?「どうして君が泣くのさ…どう…して…」

心優が泣きそうになりながら言ったの…
私も悲しくなったんだ…
だって心優は私を救ってくれた人だから
 心優…?「でもね…
___僕は君が大好きで大嫌いだよ」

あっ…ああ…ああああ…
壊れちゃう…。せっかく直したのに…___

___???
また暗くて…怖いとこ
あの人がいるところ

 ??????『…』

その人は黙って私をみている

 ??????『貴方は___本当は何を望んでるの?』

私が…___
どう言うこと?

 ??????『私は知っているわ、そして貴方が1番分っているはず。どうして自分に嘘をつくの?』

 ??????『まだわからないの?私は貴方。貴方は私…私は私、貴方は貴方…
___すでに気づいているはずよ。全て貴方が望んだ事。そしてその先に本当の強さがある事。全て貴方は知っているはずよ‼︎』

ここは彼女の独壇場___
私は見ているだけ

 ??????『まだ思い出せない?あの人のこと』

何言ってるの⁉︎はっきり、もっとはっきり言ってよ‼︎
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