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第1章 俺の勘違い
第6話 仲直り
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保健室に向かおうと思ったとき、凜が話しかけてきた。
凜「ごめん大丈夫?」
奏太「あ....うん、大丈夫....」
また俺はそれしか言えなかった。それから保健室に行くまでまた気まずい空気が流れ、俺は一言も喋ることができなかった。
(凜を心配する一言くらいも言えないのか俺は。俺がもっと周りを見れてればこんなことにならなかったのに。)
そんな自責の念に駆られ、俺は情けない気持ちでいっぱいだった。
保健室で先生にお互いの怪我の具合を見てもらった。幸い俺も凜も打撲で済んだのだが、打った所を冷やして念のため安静にするように言われたので、残りの体育の時間は2人で見学することになった。
凜「奏太、ごめんね。」
また話を切り出してくれたのは凜の方だった。俺はまだ1人で気まずい空気を漂わせていたのに。
奏太「大丈夫だよ。こっちこそごめん。ぶつかったとこ大丈夫?」
凜「僕も大丈夫だよ。僕に当たったボールを奏太が取ろうとしてくれたの、なんかちょっと嬉しかった。今日朝から距離置かれてる感じで少し寂しかったから。」
奏太「....ごめん。」
凜「気にしないで。でも....奏太さ、やっぱり僕のこと女の子だと思ってたの?」
俺はまた言葉に詰まってしまった。でも凜の「寂しかった。」という言葉が何故かとても響いて、気づくと口が勝手に動いていた。
奏太「うん....ごめん。幼稚園からずっと一緒だったのに性別を間違えていたなんて。着替えで教室が違ったり女子っぽく見えたりしたとはいえ、俺ずっと凜の近くに居たのに....」
凜「まあなんか色々偶然が重なってたし、僕背も小さいから仕方ないよ。昔お泊まり会したときに一緒にお風呂入りたがらなかったのも納得したw」
奏太「マジでごめん。昨日は告白なんかしちゃって。びっくりしたし気持ち悪かったよね....」
凜「え?たしかにめちゃくちゃびっくりしたけど、別に気持ち悪いとか思わなかったよ?今どき男子が男子を好きになっても別に不思議じゃないかなって思ったし。」
奏太「そ、そうなんだ....」
凜「うん!別に奏太となら付き合っても良いかなってちょっと思ったくらいだよw だからね奏太、僕は昨日のことも性別勘違いされてたことも全然気にしてないから、奏太も気にしないで今までどおり話して?昨日のことは誰にも言わないし笑。」
奏太「わかった。ほんとにごめんな凜。」
凜「もーそれ以上謝らないで!ww」
奏太「わかったよ。さっきは僕が逃げ遅れたときに庇ってくれてありがとう。」
凜「えへ、どういたしまして!」
凜は可愛い笑顔を見せてくれた。凜のお陰で、俺のモヤモヤした気持ちもかなり楽になった。この優しくて明るい人柄に今までなんど惚れてきたことか。本当にあいつが女子だったらきっと最高の彼女だっただろうに。
第1章終わり
いつも読んでくださりありがとうございます。拙い文章にもかかわらず、読んで下さる方が少しずつ増えてきていて本当に嬉しいです。次回から第2章に入りますのでよろしくお願いします!
凜「ごめん大丈夫?」
奏太「あ....うん、大丈夫....」
また俺はそれしか言えなかった。それから保健室に行くまでまた気まずい空気が流れ、俺は一言も喋ることができなかった。
(凜を心配する一言くらいも言えないのか俺は。俺がもっと周りを見れてればこんなことにならなかったのに。)
そんな自責の念に駆られ、俺は情けない気持ちでいっぱいだった。
保健室で先生にお互いの怪我の具合を見てもらった。幸い俺も凜も打撲で済んだのだが、打った所を冷やして念のため安静にするように言われたので、残りの体育の時間は2人で見学することになった。
凜「奏太、ごめんね。」
また話を切り出してくれたのは凜の方だった。俺はまだ1人で気まずい空気を漂わせていたのに。
奏太「大丈夫だよ。こっちこそごめん。ぶつかったとこ大丈夫?」
凜「僕も大丈夫だよ。僕に当たったボールを奏太が取ろうとしてくれたの、なんかちょっと嬉しかった。今日朝から距離置かれてる感じで少し寂しかったから。」
奏太「....ごめん。」
凜「気にしないで。でも....奏太さ、やっぱり僕のこと女の子だと思ってたの?」
俺はまた言葉に詰まってしまった。でも凜の「寂しかった。」という言葉が何故かとても響いて、気づくと口が勝手に動いていた。
奏太「うん....ごめん。幼稚園からずっと一緒だったのに性別を間違えていたなんて。着替えで教室が違ったり女子っぽく見えたりしたとはいえ、俺ずっと凜の近くに居たのに....」
凜「まあなんか色々偶然が重なってたし、僕背も小さいから仕方ないよ。昔お泊まり会したときに一緒にお風呂入りたがらなかったのも納得したw」
奏太「マジでごめん。昨日は告白なんかしちゃって。びっくりしたし気持ち悪かったよね....」
凜「え?たしかにめちゃくちゃびっくりしたけど、別に気持ち悪いとか思わなかったよ?今どき男子が男子を好きになっても別に不思議じゃないかなって思ったし。」
奏太「そ、そうなんだ....」
凜「うん!別に奏太となら付き合っても良いかなってちょっと思ったくらいだよw だからね奏太、僕は昨日のことも性別勘違いされてたことも全然気にしてないから、奏太も気にしないで今までどおり話して?昨日のことは誰にも言わないし笑。」
奏太「わかった。ほんとにごめんな凜。」
凜「もーそれ以上謝らないで!ww」
奏太「わかったよ。さっきは僕が逃げ遅れたときに庇ってくれてありがとう。」
凜「えへ、どういたしまして!」
凜は可愛い笑顔を見せてくれた。凜のお陰で、俺のモヤモヤした気持ちもかなり楽になった。この優しくて明るい人柄に今までなんど惚れてきたことか。本当にあいつが女子だったらきっと最高の彼女だっただろうに。
第1章終わり
いつも読んでくださりありがとうございます。拙い文章にもかかわらず、読んで下さる方が少しずつ増えてきていて本当に嬉しいです。次回から第2章に入りますのでよろしくお願いします!
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作者は飲み会を経験した事ないので誤った物を書いているかもしれませんがご了承ください。
本来は二次創作にて登場させたモブでしたが余りにもタイプだったのでモブルートを書いた所ただの創作BLになってました。
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