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オーク連続殺人事件~第1~

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 私はアッサム。そろそろ40代に入る刑事だ。刑事とは言われても、暴力で事件を解決するような脳筋ではない。
 そんな若い体があるなら、ローストビーフをもっと食いたいもんだ。だが、今の体だと自分の生活習慣病に導く切符になりそう。肥満ではないが、あまり激しい運動をしていないから、少し太り気味。
 なるべく、ウォーキングを毎朝するようにしている。でもな、朝早く起きるタイプではないから、ちょっとだらけてしまう。
 そのことで、嫁は健康にうるさいから、ジムや野菜を勧めてくる。ちゃんと言うことを聞いているが、そんなものすぐ効果が現れるか?あーもう!肉を食いてぇ―!

 何よりも、酒を飲みたい。物凄く飲みたい!いつだっけかな、最後飲んだ日?2日、いや3日前かな?そんなに経ったか...。
 君たちは私のことを酒豪と思うが、訂正するけど私はバカみたいに飲まない。
 程々飲むタイプで、酒の味、品質、そして匂いを味わいたい。他の同僚(私の同じ年齢)がアホだから一気飲みをよくする。そんなことをするから、捜査の進みが遅くなる!いい大人だから、ちゃんと気を付け。
 後、嫁は私の飲んでいる姿を気にくわないから、買った酒たちはすべて地下室に入れられている。鍵はもちらん彼女が持っている。まったく、余計な事をするなて。

 と、不満を漏らしても、この事件の捜査は一向進まん。今は、この一連の殺害された被害者について詳しく調べているんだ。合計7名。共通点は皆”同じ種族”。どうもこの事件は、単なる殺人ではない。激しい憎しみを持って殺害したに違いねぇ。ほんと、この事件は嫌なもんだ。

「アッサム刑事!すみません、遅れまして!」

 私のオフィスドアを開けた彼女が、ぜえぜえと息を吐きながらそう言った。

「ああ、いいんだ。俺はこの事件の調べをちょうど終えているところだ」

 まあ、嘘ではあるが。

「それで、何か新しい情報を見つけたのか?」

「いえ。それはどうも...」

 彼女の、白い長い垂れている耳を左右で振った。可愛いな君、その振り方。別に下心を持って、言っているんではないからな。どう言えばいいか分からんが、それしか言えないだ。君の姿を。
 よく見るとやっぱすげぇーな。お前のような身体に、私みたいなヒューマンは敵わない。もう降参と言えばいいだろう。ほんとに、君の種族はすごいな。

 言い忘れたが、このロウナード街は様々な種族が住んでいる。およそ120種族以上かな?正確な数は知らないが、とにかく結構多い。
 どうしてこんなに種族の数が増え始めたのか?あまり覚えてはいないが、今の市長さんの父親がある種族と結婚したらしい。どんな種族なのか私にはそういうプライベートなものに興味ない。
 だけど、その結婚によって大反響を呼んだのをはっきり覚えている。制度や法律がどんどん改正していて、今ではロウナード街がもっとも住みやすい街になった。
 嬉しいか嬉しくないか、個人的には分からないが、この時代になっていくんだと改めて実感している。

 そして、先ほどドアを開けた彼女について紹介しよ。彼女の名前はボミー。28歳。種族はラビット族。
 ヒューマンと違って全身ウサギの毛に覆われている。うさぎの耳と小さなしっぽも付いていて、一言を言うとうさぎが急にヒューマンの状態に成長したと表現すればいいだろう。
 ボミーは灰色の毛を持っていて、とても可愛いルックスをしている。警察署の新入りで、少々なドジっ子であるが、結構頼りになれるパートナーだ。
 情報収取が一番早く、私も含めて警察の中で一目置かれる後輩である。

 その”一目に置かれる”という言葉をもう一度利用すると、彼女は警察署の中で有数なナイスボディの持ち主でもある。
 最初に出会ったときは、腰が抜けるぐらいものだった。あの細長い足、キュッとしたプリケツ、美しく締まっているボディライン、そして何よりもあの大きな胸が!
 うわー、この子はグラビアアイドルと思ったよ。すぐ惚れそうだったな、あの頃。まあ、私はちゃんとした大人だから浮気は絶対しない。もちらん、この事を嫁に言ってない。言ったら、物理的と精神的にやられる。

「あのー。大丈夫ですかアッサム刑事?少しぼーっと...」

「ん?ああ、いやいや!すまんすまん!少し疲れてきたかな」

 君のボディを考えてたと言ったら、”変態”というレッテルが張られるから言わないでおこう。

「そうですか。コーヒーを淹れましょうか?」

「ああ、頼む。ブラックで」

 彼女が持っていたファイルを自分のデスクに置いて、私の左にある小さなコーヒーマシンの所に行った。注いでいる時に、私は深くオフィスチェアに座りため息をつく。

「この事件の進展は見えないなー。どうして同じ種族が、どうして同じ時刻に殺されるとは」

「もしかして、集団で殺害を実行したとは...?」

「そう考えていたが、複数の人物に殺害された証拠が出なかったんだ。これは結構難しいものだ」

 こめかみが急に痛く感じ、目を潜めて額に手を当てた。

 ”オーク連続殺人事件”。今、私とボミーが取り扱われている事件だ。被害者の種族は、オーク。7名で全員男性。夜中の11時に皆同じ時間帯に殺害された。
 発見された現場は、ほとんど路地裏。この街の路地裏は精巧に入り組んでいるから、遺体を放棄する場所、そして犯罪を静かに実行できる場所にしては適している。
 殺害方法は、背後から鋭利なもので襲う。オークの体は分厚い脂肪に覆われているから、ナイフ類では簡単に殺すことができない。ソードかダガーの二択しかオークを殺すことができる。
 前者の方だと大きな傷がつけられるが、今回の傷だと首の所に小さく丸い傷だった。ソードではそんな小さな傷をつけることは不可能で、殺人を実行できる時間の早さとしては取り下げた。後者のダガーは、ソードほどの威力を持っていなく、最初この事件に関わりがないと考えていた。

 しかし、ボミーが先週の金曜日に街の武器屋に尋ねると、昔はオークを殺すことができるダガーを売っていたとの情報を調べた。もちろんそのダガーは商品に出していないが、おそらく犯人はどこかで違法に購入したはず。

 それで、私たちはその”オーク殺しダガー”の売っている場所を探している。
 え?ダガーの名前を作ったて?それはもちらん、捜査のために他のダガーと区別するためだ。ん?ネーミングセンスがいい?ふふっ、それはどうも。

「でも、あのデッカいオークを一人で殺害することは、相当勇気がいります。だって、オーク達は普段短気で、匂いで不審者を嗅げるはずです。そしてー」

「ボミー」

 私は、真剣な表情になって彼女を注意した。
 ボミーは、オークに対して嫌な感情を持ち、彼らの特徴を言った。どうして彼女の声が高ぶり、オークに対して吐き捨てるような言い方をしたのか?
 それは、ラビット族は昔オークに強姦(レイプ)や食べ物として捕獲されたから、ボミーはおそらく彼女の祖先に聞いたかもしれない。
 こういったやり方は、ヒューマンとあまり変わらないな。もともと狩人だったからな。

「一応落ち着け、ボミー。君のオークに対する嫌な感情を持っているのを知っているが、私的な感情を介入するのではない。私たちは警察だから」

 冷静になって欲しい。怒りで捜査をすると大きなハンデになる。

「...はい。すみませんでした」

 深く頭を下げて反省した。オークに対する嫌な感情を持つことは仕方がない。
 どの種族にも同じく言える。ラビット族だけでなくほかの種族にもオークに関する嫌な感情を持っているからな。

 すると、ドアにノック音がする。

「入れ」

 ドアを開けると、ボミーと同じく新入りの警察が入ってきた。名前は何だったけ?ええと...

「あら、アレックス君!」

「おお!ボミーちゃん!ここがあなたの働く場所だね」

 青年は優しく微笑み、ボミーは先ほどの落ち込むがなかったかのように気分が回復した。
 アレックス?ああ!確か、ボミーと同じく警察学校を卒業した卒業生か。なるほどね~...。、

 アレックスの種族は...ヴァンパイアだったけ?年齢は...まあそこまで気にする必要はないか。ヴァンパイアは何百年も生きれる種族だから、私よりじじいだ。
 ヴァンパイアの典型的な白色の肌を持ち、牙はしっかりと生えている。
 でもね、ヴァンパイアてどう食事しているかな。吸血鬼だからヒューマンの血を吸いたいよな。それを聞くのを後にするか。

「それでアレックス。私に何か用あるのか?」

「ああ!そうでした!」

 視線が私の方に向いて、早口で言い始めった。

「事件が起きました。312街通りの路地裏で!」

「オークか?」

 冷静に聞くと、彼は頷いた。

「分かった。行くぞ、ボミー」

「は、はい!」

 と、すぐに自分たちのオフィスを出た。外に出ると体が震えるくらい寒い。季節がだんだん寒くなってしまったから、冷たい冬が来るだろうな。

「アッサム刑事。馬車を呼びましょうか?」

「そうだな。このままで歩くと、さらに寒くなるからそうしてくれ」

 彼女はすぐに馬車を呼び、私たちはすぐに現場に向かった。

 また、もう一人のオークが...

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