前世の私は幸せでした

米粉

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39 アーヴェントからの手紙

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「これ、マウロさんとメイリーさんに」

 果樹園から帰宅し、リヴェルは出迎えてくれたメイリーにグラバーアップルが入った箱をお土産だと言って手渡した。

「お土産!? なんだろ、開けても良いですか?」

 こくこくと頷くリヴェルに視線を合わせるようにしゃがみ込んで、メイリーは箱を受け取る。
 蓋を開けると、中には立派なグラバーアップルが二つ並んでいた。

「わぁ! 大きなグラバーアップル!」
「リィル君が選んで収穫してくれたのよ。ね?」

 リヴェルの両肩に後ろから手を置いて、グレースは問いかける。

「う、うん……。あの、きれいで、なるべく大きいやつ探したんだ。おいしいのたくさん食べて欲しくて」

 グレースの言葉に頷いて、たどたどしく答えるリヴェルの頬は少しだけ赤らんでいて、照れているのだと分かる。

「リィル坊ちゃんが……自ら……」

 メイリーはゆらりっと立ち上がって、ふらふらと後ずさる。片手は口元を抑え、もう片方の腕はしっかと箱を抱きしめながら、メイリーは勢いよく踵を返した。

「マウロ、マウロ兄さーーーーーーん!!」

 次いで発された叫び声にリヴェルはびくっと肩を震わすが、グレースは微笑み、アーティは表情を変えずにメイリーを見守っていた。オルストン家では、見慣れたいつもの光景なのだ。

「坊ちゃんが、リィル坊ちゃんがーーーーーー!!」
「叫ぶな。はしたない」
「見て、マウロ兄さん!!」

 どこからともなく現れたマウロがメイリーの頭を軽く叩く。しかし、そんな事は気にも止めず、メイリーは箱をマウロに差出した。

「ほぉ、これは立派な。今年のグラバーアップルも見事な出来ですね」
「見た目、味ともに今年も最高の出来だそうよ。そして、これはリィル君が選んだの」
「リィル坊ちゃんが?」
「私と兄さんのお土産用に大きいのを選んでくださったんですって!」

 グレースとメイリーの言葉に、マウロは少し驚いたようにリヴェルをみた。
 正面からマウロの視線を受けてリヴェルはたじろいだが、後ろにグレースがいるため後ずさる事も出来ない。
 マウロは数歩近づいて、リヴェルへと手を伸ばす。

「……っ!」

 思わず堅く目を瞑ったリヴェルの肩に、優しくその手が添えられた。

「リィル坊ちゃんは良い目をお持ちだ。有難く頂戴いたします」

 瞼を開いた一瞬、リヴェルに視線を合わせて微笑むマウロと目が合った。

(わっ……)

 しかし、すぐにいつもの厳格な表情のマウロに戻ってしまう。

「お嬢と坊ちゃんも有難うございます。メイリー、お礼はしたのか?」
「はっ! 私ったら嬉しさの余り……! 有難うございます、リィル坊ちゃん、グレースお嬢様、アーティ坊ちゃん。兄さんと一緒に大切に頂きますね。というわけで、早速美味しく頂くために冷やしてきます! 兄さんあと宜しく! あ、お茶ご用意しますねー!」

 言いながら颯爽と踵を返し、メイリーは厨房がある方向へ足早に消えていった。
 今にも嬉しさでスキップをし出しそうな妹の後姿に、マウロは溜息を吐く。

「まったく、いくつになっても落ち着きがない」
「ふふっ、私メイリーのああいうところ大好きよ」
「元気じゃないメイリーはメイリーじゃない」
「あなた方より年上の良い大人を甘やかさないでください。荷物、お預かりします」

 嬉しそうな後姿を見守るグレースとアーティに咎めるような視線を向けながら、マウロはアーティが手にしていた荷物を受け取った。

「弁当箱と……こちらの箱は?」
「それは、リィルの分のグラバーアップルだ」
「あぁ、坊ちゃんの。メイリーがお茶の用意をしてますし、すぐ召し上がるようなら切ってお持ちしますが」
「あ、あとで良いです」
「分かりました。痛まないように保存しておきますので、いつでもお声がけください。それでは、失礼します」

 軽く頭を下げて、マウロは廊下の奥へと消えていった。
 遠くなるマウロの後ろ姿を見つめながらリヴェルは呟く。

「マウロさん、笑った……」
「ね。にっこにこじゃなかったけれど、リィル君が選んでくれたのが嬉しかったのね」
「いや、あれは心の中でにっこにこになってる。絶対に。保証する」
「だって。アーティが言うならきっとそうね」

 真顔で頷くアーティの言葉には確かな自信が込められていた。

「そうかな、そうだといいな」

 そう言ったリヴェルの表情には笑みが浮かび、マウロに対する緊張はいつの間にか消え去っていた。



 ***



「グレース。居るかい?」

 扉を叩く音に続いて聞こえてきたバートの声に、グレースは部屋の扉を開けた。

「お父様。どうしました?」
「部屋に居なかったんだが、リィルはこっちに居るかい?」
「えぇ、居ますよ」

 ベッドの上に広げた本と地図を眺めながら、リヴェルはアーティに何かを教えて貰っている様だった。
 リヴェルの部屋はグレースとアーティの部屋の間にあり、どちらの部屋にもすぐに行けるようにと扉を付けて続き部屋にしてある。
 リヴェルが目覚めてからはその扉を利用し、夜は夕食後、三人で集まる事が多くなっていた。

「アーティも居たのか。すまないね、邪魔をして。何をしていたんだい?」
「リィル君に領地のことを色々と教えていたんです。今日、果樹園に行ってから興味を持ったみたいで」
「そうか。興味を持って貰えるのは嬉しいね。それにこうして見ると、本当の兄弟みたいだな」

 ベッドの縁に腰かけるアーティとベッドに寝ころぶリヴェルのやり取りを眺めながら、バートは微笑ましそうに呟いた。
 確かに傍から見れば、本当の兄弟のようだ。その微笑ましさにずっと眺めていたくなるのだが、そういうわけにもいかない。用件が忘れられてしまわない内に、グレースはバートに声を掛けた。

「お父様、リィル君に何か用だったんじゃ」
「おっと、そうだった。リィル、少し良いかい?」
「! は、はいっ……!」
「あぁ、いいよ。楽にしてて構わない」

 バートの存在に気付き、リヴェルは慌てて起き上がりベッドから降りようとする。
 そんなリヴェルに静止をかけて、バートは手にしていた封筒をリヴェルに差出した。

「お手紙……?」
「ブラム先生から預かってね。君がこの家に慣れて、体調が良くなったら渡して欲しいと言われていたんだ。後ろを見てごらん」

 リヴェルは封筒を受け取り、言われるがままに封筒を裏返す。

「!」

 そこには王家の紋章が印された封蝋が押されていた。

「君のお兄さんからだそうだ」
「兄様……!」

 驚きの表情から一変して、リヴェルは目を輝かせる。
 喜びを噛みしめるように手紙を見つめるリヴェルに、グレースは優しく声を掛けた。

「開けようか?」
「うん、うん……! おねがいしますっ」

 リヴェルから手紙を預かって、グレースはペーパーナイフを使って丁寧に封を開ける。

「はい、どうぞ」
「ありがとう」

 手紙を受け取り、リヴェルが嬉々として封筒の中から出してみせたのは、二枚の絵葉書と小さなリング。
 てっきり手紙が入っているものだと思っていた一同は、一様に虚をつかれたような表情を浮かべた。

「なん、だろう……これ」

 予想外の中身にリヴェルも困惑を隠せないようで、手の平に乗せたリングを眺めながら首を傾げた。
 見たところ、金属で作られているリングに、グレースは「もしかして」と呟いた。

「それ指輪じゃないかしら。リィル君の指に合わせたシルバーリング」
「成程。小さいうえに何もついてないから、何かの部品かと」

 アーティがそう思うのも無理はない。リングには宝石や模様といった装飾が一切施されておらず、とてもシンプルな作りだ。

「ゆびわ? それに、これも……なんだろう?」
「見ても良い?」
「うん」

 グレースとアーティはリヴェルの手元を覗き込んだ。リヴェルが眺めていたのは、指輪と共に封筒に入っていた二枚の絵葉書。
 どちらの絵葉書にも見た事の無い部屋の絵がそれぞれ描かれていた。
 本棚にみっしりと本が詰められている部屋と、綺麗に整えられた高級ホテルの寝室のような部屋。
 その絵の持つ意味が分からず、グレースは首を傾げた。

「これは、部屋の絵でいいのよね?」
「こっちはブラム先生の病院のお部屋で、こっちは兄様のお部屋だよ」

 絵葉書を交互に示しながら、リィルは答えた。
 その答えに、ますます葉書の持つ意味が分からなくなるグレースとアーティ。しかし、バートだけは何かに気付いたようだった。

「リィル。その指輪を少し見せて貰っても良いかな?」
「はい」

 バートはリヴェルから受け取った指輪を左の掌に乗せ、覆う様に右手を指輪の上に乗せた。
 意識を集中させるように数秒ほど目を閉じたかと思うと、今度はリングを摘まんで様々な角度から見つめ始めた。

「凄いな、これは。シンプルなのは見た目だけだ」
「どういうことですか?」

 感嘆の言葉を述べるバートにグレースは尋ねる。

「この指輪には、肉眼では見えない細かい術式が刻まれてる上に、相当な魔力が込められているよ。恐らくはリィルのお兄さんのものだと思うが……リィル。この指輪にさっき私がしたみたいに意識を集中してごらん。君なら分かる」

 リヴェルは言われた通りに、バートの真似をする。
 掌に意識を集中して瞼を閉じ、数秒の後、静かに目を開けて確信したように呟いた。

「兄様の魔力だ」
「やはりか。そうなると、この指輪はやはり君用に作られたものだね」
「?」
「それに、この絵葉書も」
「絵葉書も???」

 指輪と絵葉書を交互に見るリヴェルの頭上には、いくつものクエスチョンが浮かんでいる。
 グレースとアーティもバートの言葉の意図が分からず、顔を見合わせた。

「簡単に言うと、この指輪は絵葉書に描かれた場所に行くための鍵だ」
「カギ?」
「指輪をはめて、行きたい部屋を思い浮かべながらこの部屋の扉を開ければ、行きたい部屋に繋がる。この指輪に刻まれてる術式は転移魔法のものだよ」
「!」

 バートの言葉にリヴェルは大きく目を見開く。

「じゃあ、兄様に会いにいける!?」
「それはリィル次第だ。転移魔法は魔力が多く必要だが、それはこの指輪が補ってくれるだろう。けれど、この魔法に一番大切なのはイメージと思い込む力だからね」
「イメージと思い込む力?」

 バートは振り返って、部屋の入口である扉を指さした。

「あの扉はお兄さんの部屋に繋がる扉で、開いたら絵葉書と同じ光景が広がっている、という思い込みだよ。その為には、正確に思い出してイメージしなくちゃいけないんだ。お兄さんの部屋の家具と配置、壁に床、天井の色。この絵葉書はそのイメージがしやすいようにだろうね」
「それができたら、兄様にも、ブラム先生にも、フィグにも会えますか……?」
「ああ」

 一段と目を輝かせるリヴェルは、転移魔法を使う気満々だ。
 止めるべきか否かグレースが躊躇っていると、アーティにそっと肩を叩かれた。リヴェルには聞こえないように、アーティはグレースの耳元で小さく耳打ちする。

「姉さん。転移魔法の失敗事例って、やばかった気がする」
「えぇ、お父様も知っている筈だけど……」

 空間を繋げた扉を術者が通ろうとした際に術が途切れ、腕や足、最悪は胴が扉を境に分断された事例がある。繋がった事に喜び気が抜けたのか、イメージが揺らいでしまったのが原因だと、グレースは本で読んだことがあった。
 それゆえに、素人が簡単に試すべきではない魔法としても有名だ。

(止めるべきかしら……けど、お父様は止める様子がないし)

 転移魔法は高難易度魔法だ。現にそれを扱える人間をグレースとアーティは、一人しか知らない。
 絵葉書があるからといってリアルな部屋の情景を思い返す事がリヴェルに出来るだろうか。

「あの、リィル君は転移魔法を使ったことがある?」
「ないけど、見たことはあるよ」
「そう……。あの、お父様」
「何だい?」
「転移魔法は難しい魔法ですよね。簡単に習得できるものなのでしょうか?」
「大丈夫だよ。簡単にとは言わないけど、失敗しても危険はない。例え失敗してもこの指輪が守ってくれるだろうしね」

 グレースの心配を察し、バートは優しく微笑むと、再度まじまじと指輪を見つめた。

「転移魔法の他にも結界に関するものも入ってるし、本当、凄い術式を刻み込んでるなぁ」
「父様」

 感心するバートに声をかけたのはアーティだった。

「父様が繋げるのでは駄目なんですか? 大丈夫とはいえ、魔法を使える父様がやるのが一番早いのでは」

 グレースとアーティが一人だけ知っている転移魔法が使える人物とは父、バートの事だ。
 リヴェルは驚いたようにバートを見る。

「バートおじさんもできるんですか?」
「できるけれど、絵葉書を見ただけじゃ流石に難しいからね。実際に訪れた事があるリィルが使う方が確実なんだ。繋げ方は私が教えてあげよう」
「ほんと!?」
「勿論だとも」

 喜び、嬉しそうに絵葉書を眺めるリィルの手元にバートは視線を落とす。

「あの頃は、まだ殿下の部屋はなかったからなぁ」

 ぽつりっと呟かれた言葉にリヴェルは気付かないまま、顔を上げて身を乗り出した。
 バートを見上げる瞳は輝きを増し、期待に満ちている。

「あの、それでどうすれば良いですか?」
「流石に今は教えられないな。時間が時間だ。今日はゆっくり休んで、そうだな。次のグレースの検診の日に合わせて病院に繋げてみようか。それまでに、体調を整えておくこと。いいかい?」
「はいっ!」
「ふふっ、いい返事だ。それじゃあ、三人とも。あまり夜更かしはしないように」

 おやすみの一言を残して、バートは部屋を後にする。
 廊下に出て寝室に向かおうとすると、窓からの月明かりを背にライラが立っていた。

「話は終わったの?」
「あぁ、驚いたよ。やっぱり陛下とアーリベル様のご子息だと実感した」
「どういう事?」
「魔力がね、似ていたんだ」

 魔力が込められた指輪に触れた時、バートが感じた懐かしい気配を思い出す。
 寝室に向かいながら、バートは手紙の中身とリヴェル達とのやり取りをライラに明かした。

「殿下が生まれる前に城を離れたし、姿を見たのも幼い頃だけど、ご立派になられているんだろうな」
「そういえば病院で一度見かけたけれど、若い頃の陛下に似てたわ。どことなくアーリベルの面影も見えるの」
「え、羨ましいっ。遠目にひと目でもお姿を拝見できやしないかな」
「あら。もしかしたら将来、ひと目見る程度じゃ済まなくなるかもしれないわよ?」
「え、何、どういうこと? ライラさん」
「さぁ」

 くすくすっと笑うライラにバートは疑問の眼差しを向けるが、軽く流されてしまう。

「貴方なら扉ひとつ潜るだけで、いつだって会いに行けるのに」
「今の僕は側付きでも何でもないし、不法侵入で捕まってしまうよ」
「陛下の親友として会いに行くならいいじゃない。貴方が見舞いに来てくれたら陛下だって喜ぶと思うわ」
「ライラさんも一緒に」

 バートの言葉を遮るように、ライラは唇の前に人差し指を立てる。

「床に臥せっている時に、自分から親友を奪っていった女に会いたいと思う? 私だったら門前払いよ」
「そんな事ないって何度も言ってるのになぁ」

 困った様に頬を掻くバートの肩にライラはそっと手を添えた。

「王位継承に殿下の暗殺騒ぎ。今は表に出ていなくても、騒ぎが大きくなるようなら陛下の御身だってどうなるか分からないわ」
「陛下を亡き者にして、無理矢理に殿下を後釜に据える可能性、か。そんな事をする人間が第一王子派に居るとは考えたくもないんだが」
「殿下自身も嫌でしょうね。けど、最悪は常に想定して然るべき。何かあったら、全てを放って陛下の元へ走ってね」
「……ライラさんの事も?」

 不満げな表情を浮かべるバートを追い越して、ライラは振り向いた。
 窓からの月明かりを受けて、ライラのブロンドの髪が静かに輝く。

「勿論。私、守られるほど弱くないもの」

 切れ長の赤い瞳を細めて笑う。
 きっと彼女なら、本当になんとかしてしまうのだろう。
 その不敵な表情に魅せられるとともに、バートは困った様に笑ってライラに向かって手を差し伸べた。

「僕の奥さんは格好良いな」
「ふふっ、それほどでも」

 差出された手を取ると、不敵な笑みを柔らかいものに変えてライラは再びバートの隣に並ぶ。
 互いの手を握ったまま、二人は自室へと向かった。

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