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第2章 救国のハムスターは新たな人生を歩む
49 自立するってこういうことかしら?
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自由に使えるお金があるってすばらしいよね。
「ターニャもクレアもどんどん食べてね。今日は私のおごりだからね。どんどん、注文してね」
パレードの時に必ず通る大通りに面した小洒落たお店で、私たちはたわいのない話に興じて、おいしいスウィーツに舌鼓を打っていた。
遠慮して何も注文しようとしないターニャとクレアの分もいっぱい頼んで、また、ターニャとの和やかな会話に戻った。
あまりにたくさん注文したせいか、周りの席からの視線が私たちに集中しているような気もするけど、今の私は心身ともに太っ腹だ。
ハムスター時代のように、その程度のことはかるーく弾き返すことができる。
ふふっ。
なにせ、私は王国一の大金持ちなのだ。
使っているお金は前借りしたものだけど、以前とちがってトールのスネをかじってるわけではない。
元救国のハムスターであると打ち明けた私に、トールはいくつか質問した後、何ともいい表せない複雑な表情で、ため息とともに、あきれたような声を吐き出した。
「ああ、まちがいないな。そんなバカみたいなことを言っていたのはハムスターだけだ」
バカとは何だ、とは思ったが、否定しようがなかった。
たしかに、ハムスター脳は、自分を顧みるということがない。
おかげで、幸せな毎日を送れていたのだから、ハムスター脳にもいいところがあるのだけど、今になって思い返すと、さんざんトールを振り回していたのだろう。
「そういえば、トールにはずいぶん迷惑をかけちゃったね。ごめんね」
しんみりと頭を下げた私に、トールはあわてて首を振った。
「いやいやいやいや、お前は私の、いや、王国の恩人だ。いや、恩ハムスターか? いや、今は人なのか? いや、どちらでもいいか。いずれにせよ、迷惑だなどと思ったことはないぞ。まあ、少々変わった奴ではあったがな」
苦笑とも、懐かしい思い出に浸っているとも取れる微妙な笑みを浮かべたトールだったが、プルッキアの賠償金を持ち出すことに関しては、いい顔をしなかった。
救国のハムスターのお金は厳重に管理されているらしく、使っていることがばれたらネコババしていると思われる可能性があるらしい。
その代わり、わたしが元ハムスターであるのなら、なおさら面倒は見させてもらうし、お出かけの金ももちろん出すと、トールは言ってくれた。
ただ、自分のお金で食べるおやつと、人のお金で食べるおやつは味がちがう、という私の主張も取り入れられ、話し合いの末、妥協案が採用されることになった。
これ以降、わたしの使うお金は、レンホルム家のお金とは別会計にして、いずれは救国のハムスターのお金からトールに支払うことになったのだ。
だから、今食べているお菓子はトールのお金ではなく、わたしのお金で手に入れたものなのだ。
私はついに、居候お嬢様(仮)という立場から脱したのだ。
「お嬢様、お口のまわりが蜂蜜だらけですよ」
いつものメイド服ではなく、赤を基調とした丈の長いワンピースを着たターニャが、愛らしい笑みを浮かべながら私の口もとを拭ってくれる。
「うーん。この格好だとあんまり口が開けられないんだよね」
ターニャが小さく切り分けてくれているとはいえ、普段のように大口を開けて頬張ると、顔を隠している布まで口に入ってしまいそうだ。
慎重に、慎重に、ハチミツのたっぷりかかったワッフルに口に押し込む。
とたんに、ターニャがクスクスと笑いながら楽しそうな声を出した。
「お生まれになった頃のお嬢様は、そのようにゆっくりと召し上がっておりました。本当に可愛らしくて、わたくし、お嬢様の食事を口に運ぶ時が本当に幸せで、幸せで。それが、今ではこのように御立派になられて……」
ターニャが胸の前で手を組んで、ホーッと息を吐き出す。
たまにだけど、ターニャは懐かしい思い出に浸るかのように、遠い目をすることがある。
ひょっとしたら、ターニャは私のことを実のこどものように思っているのかもしれない。
実際に、何にもできなかった私の世話をして、ここまで育ててくれたのは、ターニャなのだ。
育ての親と言っても過言ではない。
今日も朝から、かいがいしく私の世話を焼いてくれた。
丁寧に、丁寧に――私の頭を布でぐるぐる巻きにしてくれた。
何してるのー!?
と、びっくりして叫んだ私に、ターニャはいつもの愛らしい笑みを向けた。
「まさか、顔を出して街を歩けると思っていたのですか、お嬢様? 今や、王都でお嬢様の、いえ、神の使いの顔を知らぬ者などおりません」
というわけで、女の子や恋人たちがいっぱいの小洒落たお店で優雅にティータイムのつもりが、まわりの席からの視線がさっきから私たちに突き刺さっている。
原因が、テーブルの上に所狭しと並べられたスウィーツにあるのか、私の頭と顔にぐるぐるに巻かれた布にあるのか、判断に苦しむ。
ただ、顔を晒せば、この程度ですまないだろうということは、これまでの道中で嫌というほど思い知った。
なんと、立ち寄ったお店すべてに、私の肖像画が飾られていたのだ。
もともと王国では、国王陛下の肖像画を壁に飾るのが、一般的だ。
それから、王国の危機を二度も救った救国のハムスターの肖像画も、ドーンと壁に飾られている。
国王陛下の肖像画があって、その横に救国のハムスターの肖像画というのが、今までの一般的なスタイルだったらしい。
ところが、最近は、さらにその横に私の肖像画を掲げるのが流行らしいのだ。
露天のお店にも、私の肖像画がたくさん並べて売られていた。
ターニャと私、それに護衛として付き添ってくれているクレアとともに、さんざん王都観光を楽しんだ後に立ち寄ったこのお店にも、当然のように、肖像画が並べて飾られている。
顔を隠しておかないと拝まれかねない。
ということで、お菓子を頬張るのに不便ではあるけども、私は布で顔をグルグル巻きにしたまま、ワッフルやらタルトやらケーキやらに手当たり次第ガッついている。
だけど、どうにも綺麗に食べられない。
絶対結界のせいなのか、もともと私は大食らいなのだ。
チマチマ食べるのは、性に合わないというか、お腹が満たされないというか、イライラしてしまう。
どうしても、強引に頬張って口のまわりや布を汚してしまう。
「でも、ここのお菓子はおいしいですから、どうしても口いっぱいに頬張りたくなりますね」
ターニャがそう言いながら、また私の口もとを拭ってくれる。
なんというか、幸せだ。
ずっと頭の上に乗っていた重石のようなものが取れたような気がする。
救国のハムスターが生きていると聞いてから目標としていた自立が、達成されたと言っていいだろう。
命の心配も、お金の心配もなくなり、子爵という地位も手に入れた。
うんうん、絶好調だね。
私はニコニコ顔で、見るからに甘々なケーキを、ズズッとこちらに引き寄せた。
「ターニャもクレアもどんどん食べてね。今日は私のおごりだからね。どんどん、注文してね」
パレードの時に必ず通る大通りに面した小洒落たお店で、私たちはたわいのない話に興じて、おいしいスウィーツに舌鼓を打っていた。
遠慮して何も注文しようとしないターニャとクレアの分もいっぱい頼んで、また、ターニャとの和やかな会話に戻った。
あまりにたくさん注文したせいか、周りの席からの視線が私たちに集中しているような気もするけど、今の私は心身ともに太っ腹だ。
ハムスター時代のように、その程度のことはかるーく弾き返すことができる。
ふふっ。
なにせ、私は王国一の大金持ちなのだ。
使っているお金は前借りしたものだけど、以前とちがってトールのスネをかじってるわけではない。
元救国のハムスターであると打ち明けた私に、トールはいくつか質問した後、何ともいい表せない複雑な表情で、ため息とともに、あきれたような声を吐き出した。
「ああ、まちがいないな。そんなバカみたいなことを言っていたのはハムスターだけだ」
バカとは何だ、とは思ったが、否定しようがなかった。
たしかに、ハムスター脳は、自分を顧みるということがない。
おかげで、幸せな毎日を送れていたのだから、ハムスター脳にもいいところがあるのだけど、今になって思い返すと、さんざんトールを振り回していたのだろう。
「そういえば、トールにはずいぶん迷惑をかけちゃったね。ごめんね」
しんみりと頭を下げた私に、トールはあわてて首を振った。
「いやいやいやいや、お前は私の、いや、王国の恩人だ。いや、恩ハムスターか? いや、今は人なのか? いや、どちらでもいいか。いずれにせよ、迷惑だなどと思ったことはないぞ。まあ、少々変わった奴ではあったがな」
苦笑とも、懐かしい思い出に浸っているとも取れる微妙な笑みを浮かべたトールだったが、プルッキアの賠償金を持ち出すことに関しては、いい顔をしなかった。
救国のハムスターのお金は厳重に管理されているらしく、使っていることがばれたらネコババしていると思われる可能性があるらしい。
その代わり、わたしが元ハムスターであるのなら、なおさら面倒は見させてもらうし、お出かけの金ももちろん出すと、トールは言ってくれた。
ただ、自分のお金で食べるおやつと、人のお金で食べるおやつは味がちがう、という私の主張も取り入れられ、話し合いの末、妥協案が採用されることになった。
これ以降、わたしの使うお金は、レンホルム家のお金とは別会計にして、いずれは救国のハムスターのお金からトールに支払うことになったのだ。
だから、今食べているお菓子はトールのお金ではなく、わたしのお金で手に入れたものなのだ。
私はついに、居候お嬢様(仮)という立場から脱したのだ。
「お嬢様、お口のまわりが蜂蜜だらけですよ」
いつものメイド服ではなく、赤を基調とした丈の長いワンピースを着たターニャが、愛らしい笑みを浮かべながら私の口もとを拭ってくれる。
「うーん。この格好だとあんまり口が開けられないんだよね」
ターニャが小さく切り分けてくれているとはいえ、普段のように大口を開けて頬張ると、顔を隠している布まで口に入ってしまいそうだ。
慎重に、慎重に、ハチミツのたっぷりかかったワッフルに口に押し込む。
とたんに、ターニャがクスクスと笑いながら楽しそうな声を出した。
「お生まれになった頃のお嬢様は、そのようにゆっくりと召し上がっておりました。本当に可愛らしくて、わたくし、お嬢様の食事を口に運ぶ時が本当に幸せで、幸せで。それが、今ではこのように御立派になられて……」
ターニャが胸の前で手を組んで、ホーッと息を吐き出す。
たまにだけど、ターニャは懐かしい思い出に浸るかのように、遠い目をすることがある。
ひょっとしたら、ターニャは私のことを実のこどものように思っているのかもしれない。
実際に、何にもできなかった私の世話をして、ここまで育ててくれたのは、ターニャなのだ。
育ての親と言っても過言ではない。
今日も朝から、かいがいしく私の世話を焼いてくれた。
丁寧に、丁寧に――私の頭を布でぐるぐる巻きにしてくれた。
何してるのー!?
と、びっくりして叫んだ私に、ターニャはいつもの愛らしい笑みを向けた。
「まさか、顔を出して街を歩けると思っていたのですか、お嬢様? 今や、王都でお嬢様の、いえ、神の使いの顔を知らぬ者などおりません」
というわけで、女の子や恋人たちがいっぱいの小洒落たお店で優雅にティータイムのつもりが、まわりの席からの視線がさっきから私たちに突き刺さっている。
原因が、テーブルの上に所狭しと並べられたスウィーツにあるのか、私の頭と顔にぐるぐるに巻かれた布にあるのか、判断に苦しむ。
ただ、顔を晒せば、この程度ですまないだろうということは、これまでの道中で嫌というほど思い知った。
なんと、立ち寄ったお店すべてに、私の肖像画が飾られていたのだ。
もともと王国では、国王陛下の肖像画を壁に飾るのが、一般的だ。
それから、王国の危機を二度も救った救国のハムスターの肖像画も、ドーンと壁に飾られている。
国王陛下の肖像画があって、その横に救国のハムスターの肖像画というのが、今までの一般的なスタイルだったらしい。
ところが、最近は、さらにその横に私の肖像画を掲げるのが流行らしいのだ。
露天のお店にも、私の肖像画がたくさん並べて売られていた。
ターニャと私、それに護衛として付き添ってくれているクレアとともに、さんざん王都観光を楽しんだ後に立ち寄ったこのお店にも、当然のように、肖像画が並べて飾られている。
顔を隠しておかないと拝まれかねない。
ということで、お菓子を頬張るのに不便ではあるけども、私は布で顔をグルグル巻きにしたまま、ワッフルやらタルトやらケーキやらに手当たり次第ガッついている。
だけど、どうにも綺麗に食べられない。
絶対結界のせいなのか、もともと私は大食らいなのだ。
チマチマ食べるのは、性に合わないというか、お腹が満たされないというか、イライラしてしまう。
どうしても、強引に頬張って口のまわりや布を汚してしまう。
「でも、ここのお菓子はおいしいですから、どうしても口いっぱいに頬張りたくなりますね」
ターニャがそう言いながら、また私の口もとを拭ってくれる。
なんというか、幸せだ。
ずっと頭の上に乗っていた重石のようなものが取れたような気がする。
救国のハムスターが生きていると聞いてから目標としていた自立が、達成されたと言っていいだろう。
命の心配も、お金の心配もなくなり、子爵という地位も手に入れた。
うんうん、絶好調だね。
私はニコニコ顔で、見るからに甘々なケーキを、ズズッとこちらに引き寄せた。
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