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#17 再会(1)
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とあるマンションの一室。
その浴室につながる洗面所から一人のデブ男が出てきた。
「ふぅ、いい湯だった……」
男は鏡餅のごとき見た目。そのぷるんもちっとした肌からはつきたての餅のごとく湯気が出ている。
彼の名前は田代学。
魔王討伐を果たした元勇者であり、ついこの前、このパラレルワールドに帰還し、現在は高校に通う新一年生である。
学がまるい首にかかったタオルで髪をふきながらリビングに入ると。
メイドがスタンバイしていた。
隙一つないクラシカルなメイド服の妙齢の女だった。
女の名前は新藤彩花。
パラレルワールド帰還三日目の朝、学の部屋に押し入ってきた押しかけメイドである。今ではこのマンションに引っ越し、ますます学の世話に精を出している。
彩花は手に持つコップを学にうやうやしく差し出してくる。
「ご主人様、お水にございます。他にご用がございますか?」
「ないよ、水、ありがとう」
学はコップを受け取ってソファにずしりと体を沈めた。
水で喉を潤しながら、ふと日中のことを思い出す。
「京子がみんなに馴染めそうでほっとしたな……」
学には高校入学初日にできた友人がいる。
名前は近衛京子。
学が暮らすこの街――日本ダンジョン特区に君臨する四大名家の一つ、近衛家。
京子はその次女である。
高貴な生まれを所作の端々に感じさせるが、けっこう気さくに話しかけてくる。だが、それは学に対してだけであって、他のクラスメイトとは一線を引いていたし、クラスメイトたちも京子の生まれを畏れている雰囲気があった。
体力測定があった昼休みなど、クラスメイトたちとお昼を一緒にしている間中、むすっと黙った時には学も心配した。
だが、翌日の今日の昼休みは一転、昨日の沈黙が嘘のように、食事中うまく会話を回し、場をつないでいた。最初は遠慮がちだったクラスメイトも最後は京子と普通に話をしていた。
学はちょっと感心して帰宅途中の電車内で――。
『京子はコミュ障ってわけじゃないのか』
『コミュ障?初めて言われました。人とお話するのはむしろ得意ですよ。なぜ、そう思われたのでしょう?』
『いや、学校に入って俺とばかり話しているようだったからさ』
『それは……学さんとお話しするのが楽しかったので……学さんは楽しくありませんでしたか?』
『いいや。京子と一緒にいると、いつも楽しいよ』
『学さん……』
潤んだ目で見つめてくる京子。
なんだか甘酸っぱい雰囲気になってしまった。自分がデブ男であることを忘れてしまいそうである。これで学がイケメンフェイスだったらさらにアクションをしかけただろうが、学はしょせん鏡餅風のデブ男。異世界の経験を経て、自分の体型を受け入れてはいるものの、自信があるわけではない。
その後は特に何事も起こらず、駅で二人は別れた――。
学がコップの水を飲み終える。
デジタル時計を見てみると、夜の八時を回っていた。
彩花をそろそろ帰さなければならない。彼女は放っておくと際限なくメイド業務時間を延ばそうとする。「敬虔なメイドだから」という謎のパワーワードを免罪符にして。
学がダイニングテーブルの方を見る。
彩花が姿勢正しく座っていた。
彼女自身も腕時計を気にしていたので、帰る準備をするのかと思えば、「そろそろだと思うのですが……」とつぶやく。まるで何かを待っているようだ。
学はそのつぶやきが聞こえた。
「何がそろそろなんだ?」
「はい、ご主人様。ご主人様に電話がかかってくるのがでございます」
「……君はいつから予言者になった?」
「はて?私は生まれも育ちもメイドにございますが?」
「生まれと育ちの後は普通地名なんだよなあ……まあ、いいや。それで、俺に電話がかかってくるの?本当?」
「タレコミを信じるのであれば、ですが。ですが、情報元は諜報部ですので、確度は高いかと思われます」
「諜報部……彩花のギルドにはやっぱりそういうのがあるのか」
「ございます。各地のメイドよりもたらされる情報を収集、解析する部署のことでして、それらの情報は本来、私ども教団の教義のためのみに利用され、今回のような誰それへの電話という私事が外部に漏れることは通常あり得ないのですが、このたび、誠に喜ばしいことに諜報部にご主人様の派閥の者が生まれまして、その伝手が――」
「待ってくれ!派閥?増えたの?彩花以外に?」
派閥とは、彩花が所属するギルド「メイド教団」において、世間にいる男の誰を「ご主人様」と呼ぶかで分かたれるグループのことであり――「ご主人様」以外の男は「旦那様」らしい――、彼女たちにとっては信仰を左右する一大事とのこと。
学はこれを知った時、楽観視していた。
学を「ご主人様」と呼ぶ変わったメイドは彩花くらいのものだろう。なら、そんなに問題ないよね、と。そう軽く思っていたのだが……。
彩花がすごくいい笑顔で力強く頷いた。
「ご主人様の派閥は日々、着々と増えております」
「なんで!?――あ!彩花、あれは広めるなって言ったろ!」
「あれ、とはもしかして「さすごしゅの章」のことにございますか?」
「そう!その変なネーミングのやつ!」
少し前、通学途中の駅の待ち時間に、京子と彩花が仲良く何かを読んでいたため、学が覗いてみると、学自身の一日の様子を事細かに書いたものだった。学は悲鳴を上げ、それを取り上げた。あんなものがもし広まれば、もうお婿にいけない――。
「書くことはお許しくださいましたよね?」
「まあ……書く書かないは個人の自由だから……」
「ならば、私にやましいことはありませんが?「さすごしゅの章」はいつかご主人様が布教を認めてくださるその日のため、私的に書き連ねているだけにございます」
「そんな日は絶対来ないから……それなら何で派閥が増えるんだ?」
「ご主人様は京子様に護衛がついているのをご存じでしょうか?」
「ああ。通学中は常にいるし、高校にも何人かいるだろ?俺のクラスメイトにも」
学は元勇者だ。
気配や視線を感知するのは当たり前の技量だ。
なぜなら、それがなければ、魔王率いる魔物の大群の中、四方八方からくる物量攻撃に対処できなかった。あと遠征中の奇襲などにも。
そんなことを知らない彩花は恍惚と手を組んで。
「そこまでお気づきとはなんという慧眼……さすごしゅ……!」
と学を褒め称えた後で話を続ける。
「彼女たちは教団の暗部。メイド服を脱ぎ去った禁忌のメイドたちにございます。その活動内容は多岐にわたりますが、一般人に紛れた護衛も仕事の一つです」
「あれ、メイドだったのか……禁忌のメイドとは一体……で、それが派閥とどうつながるんだ?」
「ご主人様は常日頃、京子様と学校生活を共にしておられます。暗部の彼女たちが京子様をお守りすれば必然、ご主人様のことも目につきます。ご主人様が京子様や他の方々に見せる優しさを目撃し、ご主人様に対して心を動かされていきました。そして、極めつけは昨日の体力測定。ご主人様の別格のご活躍を目撃した暗部、その報告を受けた諜報部に一気にご主人様の派閥が生まれました。いまだ少数の派閥ですが、ご主人様の光の導きでメイドたちの曇った眼が開かれたことに、私はご主人様の一のメイドとしてまこと誇らしく思います」
胸に手をあてて堂々そう告げる彩花に対して。
「あ、頭が痛い……」
学が思わず頭を抱えた時。
スマホから着信音が鳴った。
通知された番号は登録されてないものだった。
「本当に電話がきたな……結局、これは誰からの電話なんだ?」
「九条環様――四大名家が一つ、九条家の長女様にございます」
学は思った。誰?俺、まったく面識ないよね?、と。
その浴室につながる洗面所から一人のデブ男が出てきた。
「ふぅ、いい湯だった……」
男は鏡餅のごとき見た目。そのぷるんもちっとした肌からはつきたての餅のごとく湯気が出ている。
彼の名前は田代学。
魔王討伐を果たした元勇者であり、ついこの前、このパラレルワールドに帰還し、現在は高校に通う新一年生である。
学がまるい首にかかったタオルで髪をふきながらリビングに入ると。
メイドがスタンバイしていた。
隙一つないクラシカルなメイド服の妙齢の女だった。
女の名前は新藤彩花。
パラレルワールド帰還三日目の朝、学の部屋に押し入ってきた押しかけメイドである。今ではこのマンションに引っ越し、ますます学の世話に精を出している。
彩花は手に持つコップを学にうやうやしく差し出してくる。
「ご主人様、お水にございます。他にご用がございますか?」
「ないよ、水、ありがとう」
学はコップを受け取ってソファにずしりと体を沈めた。
水で喉を潤しながら、ふと日中のことを思い出す。
「京子がみんなに馴染めそうでほっとしたな……」
学には高校入学初日にできた友人がいる。
名前は近衛京子。
学が暮らすこの街――日本ダンジョン特区に君臨する四大名家の一つ、近衛家。
京子はその次女である。
高貴な生まれを所作の端々に感じさせるが、けっこう気さくに話しかけてくる。だが、それは学に対してだけであって、他のクラスメイトとは一線を引いていたし、クラスメイトたちも京子の生まれを畏れている雰囲気があった。
体力測定があった昼休みなど、クラスメイトたちとお昼を一緒にしている間中、むすっと黙った時には学も心配した。
だが、翌日の今日の昼休みは一転、昨日の沈黙が嘘のように、食事中うまく会話を回し、場をつないでいた。最初は遠慮がちだったクラスメイトも最後は京子と普通に話をしていた。
学はちょっと感心して帰宅途中の電車内で――。
『京子はコミュ障ってわけじゃないのか』
『コミュ障?初めて言われました。人とお話するのはむしろ得意ですよ。なぜ、そう思われたのでしょう?』
『いや、学校に入って俺とばかり話しているようだったからさ』
『それは……学さんとお話しするのが楽しかったので……学さんは楽しくありませんでしたか?』
『いいや。京子と一緒にいると、いつも楽しいよ』
『学さん……』
潤んだ目で見つめてくる京子。
なんだか甘酸っぱい雰囲気になってしまった。自分がデブ男であることを忘れてしまいそうである。これで学がイケメンフェイスだったらさらにアクションをしかけただろうが、学はしょせん鏡餅風のデブ男。異世界の経験を経て、自分の体型を受け入れてはいるものの、自信があるわけではない。
その後は特に何事も起こらず、駅で二人は別れた――。
学がコップの水を飲み終える。
デジタル時計を見てみると、夜の八時を回っていた。
彩花をそろそろ帰さなければならない。彼女は放っておくと際限なくメイド業務時間を延ばそうとする。「敬虔なメイドだから」という謎のパワーワードを免罪符にして。
学がダイニングテーブルの方を見る。
彩花が姿勢正しく座っていた。
彼女自身も腕時計を気にしていたので、帰る準備をするのかと思えば、「そろそろだと思うのですが……」とつぶやく。まるで何かを待っているようだ。
学はそのつぶやきが聞こえた。
「何がそろそろなんだ?」
「はい、ご主人様。ご主人様に電話がかかってくるのがでございます」
「……君はいつから予言者になった?」
「はて?私は生まれも育ちもメイドにございますが?」
「生まれと育ちの後は普通地名なんだよなあ……まあ、いいや。それで、俺に電話がかかってくるの?本当?」
「タレコミを信じるのであれば、ですが。ですが、情報元は諜報部ですので、確度は高いかと思われます」
「諜報部……彩花のギルドにはやっぱりそういうのがあるのか」
「ございます。各地のメイドよりもたらされる情報を収集、解析する部署のことでして、それらの情報は本来、私ども教団の教義のためのみに利用され、今回のような誰それへの電話という私事が外部に漏れることは通常あり得ないのですが、このたび、誠に喜ばしいことに諜報部にご主人様の派閥の者が生まれまして、その伝手が――」
「待ってくれ!派閥?増えたの?彩花以外に?」
派閥とは、彩花が所属するギルド「メイド教団」において、世間にいる男の誰を「ご主人様」と呼ぶかで分かたれるグループのことであり――「ご主人様」以外の男は「旦那様」らしい――、彼女たちにとっては信仰を左右する一大事とのこと。
学はこれを知った時、楽観視していた。
学を「ご主人様」と呼ぶ変わったメイドは彩花くらいのものだろう。なら、そんなに問題ないよね、と。そう軽く思っていたのだが……。
彩花がすごくいい笑顔で力強く頷いた。
「ご主人様の派閥は日々、着々と増えております」
「なんで!?――あ!彩花、あれは広めるなって言ったろ!」
「あれ、とはもしかして「さすごしゅの章」のことにございますか?」
「そう!その変なネーミングのやつ!」
少し前、通学途中の駅の待ち時間に、京子と彩花が仲良く何かを読んでいたため、学が覗いてみると、学自身の一日の様子を事細かに書いたものだった。学は悲鳴を上げ、それを取り上げた。あんなものがもし広まれば、もうお婿にいけない――。
「書くことはお許しくださいましたよね?」
「まあ……書く書かないは個人の自由だから……」
「ならば、私にやましいことはありませんが?「さすごしゅの章」はいつかご主人様が布教を認めてくださるその日のため、私的に書き連ねているだけにございます」
「そんな日は絶対来ないから……それなら何で派閥が増えるんだ?」
「ご主人様は京子様に護衛がついているのをご存じでしょうか?」
「ああ。通学中は常にいるし、高校にも何人かいるだろ?俺のクラスメイトにも」
学は元勇者だ。
気配や視線を感知するのは当たり前の技量だ。
なぜなら、それがなければ、魔王率いる魔物の大群の中、四方八方からくる物量攻撃に対処できなかった。あと遠征中の奇襲などにも。
そんなことを知らない彩花は恍惚と手を組んで。
「そこまでお気づきとはなんという慧眼……さすごしゅ……!」
と学を褒め称えた後で話を続ける。
「彼女たちは教団の暗部。メイド服を脱ぎ去った禁忌のメイドたちにございます。その活動内容は多岐にわたりますが、一般人に紛れた護衛も仕事の一つです」
「あれ、メイドだったのか……禁忌のメイドとは一体……で、それが派閥とどうつながるんだ?」
「ご主人様は常日頃、京子様と学校生活を共にしておられます。暗部の彼女たちが京子様をお守りすれば必然、ご主人様のことも目につきます。ご主人様が京子様や他の方々に見せる優しさを目撃し、ご主人様に対して心を動かされていきました。そして、極めつけは昨日の体力測定。ご主人様の別格のご活躍を目撃した暗部、その報告を受けた諜報部に一気にご主人様の派閥が生まれました。いまだ少数の派閥ですが、ご主人様の光の導きでメイドたちの曇った眼が開かれたことに、私はご主人様の一のメイドとしてまこと誇らしく思います」
胸に手をあてて堂々そう告げる彩花に対して。
「あ、頭が痛い……」
学が思わず頭を抱えた時。
スマホから着信音が鳴った。
通知された番号は登録されてないものだった。
「本当に電話がきたな……結局、これは誰からの電話なんだ?」
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