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#8 新藤彩花
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場所は住宅街にある、とある公園。
白みがかった早朝の太陽が遊具や植木を照らし出す。
その表面はしっとり朝露に濡れている。
そして、そこに男女が二人。
早朝デートにしゃれ込んでいる――わけではない。甘い空気など欠片もなく、ぴんと張り詰めた雰囲気だ。
「シ……ッ」
女が貫手を放つ。切れ味が鋭く空気を裂く。
戦う相手は男だ。
普通ならば、女性が男性に負けるはずがない。
なぜなら、このダンジョン特区において、女性はダンジョンアタックが原則義務であるから。免除されるのは高齢者か、やむを得ない事情の者か、もしくは名家の人たちのような高額納税者だけ。
かくいう女も幼少期からギルドで戦闘訓練を重ね、これまで幾度もダンジョンアタックして、魔物を屠っている。
それが男に、それも目の前の正月の鏡餅のようなデブ男に負ける道理がなかった。
だが――。
女の貫手はたやすく男にさばかれた。
なおも女は連撃を放つ。時には蹴りも織り交ぜて。
そのどれもが男に届かない。それはさながら不動明王のごとく。男を一歩たりとも動かせない。
そして、男の反撃が始まり……。
「く……っ」
女は防戦一方になり――ついに、襟首を掴まれて投げられた。
だが、女が地面に叩きつけられることはなかった。
優しく立たされた。
女――新藤彩花は男に負けたことに一抹の悔しさを感じながらも。荒い息をつきながら胸を熱くさせる。
――やっぱり、ご主人様はすごい!さすごしゅ!
彩花は改めて自分の目に狂いはなかったと思うのだ。
彩花がご主人様――田代学様と会った日の衝撃は生涯忘れることはないだろう。
その日、彩花はダンジョンアタックのため、塔へ行く途中であった。
彩花の前では三人の小娘がぺちゃくちゃお喋り。
「でさー、昨日の冬馬様の配信もすごかったよねー」
「18階層のキラーマンティスってものすごい強敵なのに、氷の剣でずばって、こうずばって!」
「あれって魔法剣って戦闘スタイルなんですよね?」
「だねー。女の私たちじゃ真似できないよねー」
「冬馬様、イケメンだし、最強だし、やっぱり冬馬様がご主人様なんだ、きっと」
「ええ、そうです。冬馬様こそ、ご主人様です」
「「「ねー」」」
「あなたたち――」
彩花は口を挟む。今はメイド業務時間ではないので、多少のお喋りは気にしないが、さすがに「ご主人様」という言葉は聞き捨てならなかった。それは彩花たち、メイドにとっては神聖なワードなのだ。
「そう易々と男性様を「ご主人様」と呼んではなりません。「旦那様」とお呼びしなさい」
「「「はーい」」」
見習いメイド3人娘は不承不承にそう返事した。
――まったく……。室伏冬馬という輩をご主人様と呼んではばからない者が多すぎます。あんなゲスがご主人様なわけないでしょうに……。
半年前、探索者業界に彗星のごとく現れた青年。
室伏冬馬。
当初、彩花の所属するギルド、メイド教団は彼の王子様然とした甘いマスクに踊らされ、冬馬こそ「ご主人様」ではないかと騒然とした。
彩花としてはこれっぽっちもそう思わなかったが。
周りのメイドたちが歓喜していたのを覚えている。
だが、それもこれも諜報部が調査するまでだ。冬馬は自分たちメイドのことを性欲のはけ口としてしかみていない。そんなゲスな思考が明らかになると、彼女たちの興奮は冷めていった。
でも、それは上級、中級メイド以上の話で。
平メイドや見習いメイドはいまだ冬馬に幻想を抱いている者が多い。
諜報部の調査結果もまるで信じない。上のメイドたちが冬馬様を独占したいがために虚偽情報を流している、と。
――まったくもって馬鹿らしい……。
――やはり天上の主が降臨なされることはないのでしょうね……。
メイド教団の教えにはこうある。
来たるXデーに天上の主は地上に降臨し、ご主人様としてメイドを率いて、地上に安寧と幸福をもたらす――。
彩花はその教えをもう半ば諦めていた。
現世では凡百の男性に「旦那様」として仕え、メイドの修行を怠らず、そうすれば、死後で天上の主を「ご主人様」とお呼びできる。それでいい。
そんな思いを抱きながら、ダンジョンの転移魔法陣へ向かっていた。
その時だった。
彩花は光を見た。
――ああ……!!そこにおられたのですね、ご主人様……!!
あまりの衝撃で固まってしまい、ご尊顔を拝しているうちに、ご主人様はいなくなってしまった。
痛恨の極みである。
急遽、ダンジョンアタックを中止して、見習いメイドたちがぶーたれるのを聞き流しながら、諜報部へ急ぐ。
諜報部に調べてもらった結果、男性は「田代学」と言う名前で今春、地方から日本ダンジョン特区へ高校入学のため引っ越してきたことが分かった。
彩花は周囲に言った。
彼こそ、ご主人様である、と。
それはもう熱烈に。
まったく相手にされなかったが。皆に不憫な者を見る目で見られた。逆に彩花は不憫に思った。デブ男という外見にとらわれて、ご主人様の神聖さが見抜けないなんて。
今は彩花だけでもご主人様にお仕えすることに決めた。
そして、ご主人様の家におもむき、ご主人様に改めてお会いして、メイドとなることを快く了承してもらい、今に至る……。
早くもご主人様のメイドとなって数日が経った。
早朝トレーニングに彩花は付き添っている。
ご主人様は10キロほどを走っても息を切らさない。鍛錬ではメイド教団屈指の実力を持つ彩花の体術をも軽々と上回る。
「もう少し休憩ね。俺も疲れたからさ」
鍛錬後、すぐには動けない彩花。ご主人様に気遣われてしまう。
メイドにあるまじき失態だが、彩花の女の子の部分はきゅんとくる。
彼女のさすごしゅメーター(さすがですご主人様パラメーター)は日々、限界値を突破していた。
――明日は高校の入学式!
――ご主人様の尊いお姿を記録せねば!今は曇った眼のメイドたちのためにも!私が!
公園からの帰り道。
彩花は前を歩くご主人様を熱く見つめながら、ふんすと息巻いた。
白みがかった早朝の太陽が遊具や植木を照らし出す。
その表面はしっとり朝露に濡れている。
そして、そこに男女が二人。
早朝デートにしゃれ込んでいる――わけではない。甘い空気など欠片もなく、ぴんと張り詰めた雰囲気だ。
「シ……ッ」
女が貫手を放つ。切れ味が鋭く空気を裂く。
戦う相手は男だ。
普通ならば、女性が男性に負けるはずがない。
なぜなら、このダンジョン特区において、女性はダンジョンアタックが原則義務であるから。免除されるのは高齢者か、やむを得ない事情の者か、もしくは名家の人たちのような高額納税者だけ。
かくいう女も幼少期からギルドで戦闘訓練を重ね、これまで幾度もダンジョンアタックして、魔物を屠っている。
それが男に、それも目の前の正月の鏡餅のようなデブ男に負ける道理がなかった。
だが――。
女の貫手はたやすく男にさばかれた。
なおも女は連撃を放つ。時には蹴りも織り交ぜて。
そのどれもが男に届かない。それはさながら不動明王のごとく。男を一歩たりとも動かせない。
そして、男の反撃が始まり……。
「く……っ」
女は防戦一方になり――ついに、襟首を掴まれて投げられた。
だが、女が地面に叩きつけられることはなかった。
優しく立たされた。
女――新藤彩花は男に負けたことに一抹の悔しさを感じながらも。荒い息をつきながら胸を熱くさせる。
――やっぱり、ご主人様はすごい!さすごしゅ!
彩花は改めて自分の目に狂いはなかったと思うのだ。
彩花がご主人様――田代学様と会った日の衝撃は生涯忘れることはないだろう。
その日、彩花はダンジョンアタックのため、塔へ行く途中であった。
彩花の前では三人の小娘がぺちゃくちゃお喋り。
「でさー、昨日の冬馬様の配信もすごかったよねー」
「18階層のキラーマンティスってものすごい強敵なのに、氷の剣でずばって、こうずばって!」
「あれって魔法剣って戦闘スタイルなんですよね?」
「だねー。女の私たちじゃ真似できないよねー」
「冬馬様、イケメンだし、最強だし、やっぱり冬馬様がご主人様なんだ、きっと」
「ええ、そうです。冬馬様こそ、ご主人様です」
「「「ねー」」」
「あなたたち――」
彩花は口を挟む。今はメイド業務時間ではないので、多少のお喋りは気にしないが、さすがに「ご主人様」という言葉は聞き捨てならなかった。それは彩花たち、メイドにとっては神聖なワードなのだ。
「そう易々と男性様を「ご主人様」と呼んではなりません。「旦那様」とお呼びしなさい」
「「「はーい」」」
見習いメイド3人娘は不承不承にそう返事した。
――まったく……。室伏冬馬という輩をご主人様と呼んではばからない者が多すぎます。あんなゲスがご主人様なわけないでしょうに……。
半年前、探索者業界に彗星のごとく現れた青年。
室伏冬馬。
当初、彩花の所属するギルド、メイド教団は彼の王子様然とした甘いマスクに踊らされ、冬馬こそ「ご主人様」ではないかと騒然とした。
彩花としてはこれっぽっちもそう思わなかったが。
周りのメイドたちが歓喜していたのを覚えている。
だが、それもこれも諜報部が調査するまでだ。冬馬は自分たちメイドのことを性欲のはけ口としてしかみていない。そんなゲスな思考が明らかになると、彼女たちの興奮は冷めていった。
でも、それは上級、中級メイド以上の話で。
平メイドや見習いメイドはいまだ冬馬に幻想を抱いている者が多い。
諜報部の調査結果もまるで信じない。上のメイドたちが冬馬様を独占したいがために虚偽情報を流している、と。
――まったくもって馬鹿らしい……。
――やはり天上の主が降臨なされることはないのでしょうね……。
メイド教団の教えにはこうある。
来たるXデーに天上の主は地上に降臨し、ご主人様としてメイドを率いて、地上に安寧と幸福をもたらす――。
彩花はその教えをもう半ば諦めていた。
現世では凡百の男性に「旦那様」として仕え、メイドの修行を怠らず、そうすれば、死後で天上の主を「ご主人様」とお呼びできる。それでいい。
そんな思いを抱きながら、ダンジョンの転移魔法陣へ向かっていた。
その時だった。
彩花は光を見た。
――ああ……!!そこにおられたのですね、ご主人様……!!
あまりの衝撃で固まってしまい、ご尊顔を拝しているうちに、ご主人様はいなくなってしまった。
痛恨の極みである。
急遽、ダンジョンアタックを中止して、見習いメイドたちがぶーたれるのを聞き流しながら、諜報部へ急ぐ。
諜報部に調べてもらった結果、男性は「田代学」と言う名前で今春、地方から日本ダンジョン特区へ高校入学のため引っ越してきたことが分かった。
彩花は周囲に言った。
彼こそ、ご主人様である、と。
それはもう熱烈に。
まったく相手にされなかったが。皆に不憫な者を見る目で見られた。逆に彩花は不憫に思った。デブ男という外見にとらわれて、ご主人様の神聖さが見抜けないなんて。
今は彩花だけでもご主人様にお仕えすることに決めた。
そして、ご主人様の家におもむき、ご主人様に改めてお会いして、メイドとなることを快く了承してもらい、今に至る……。
早くもご主人様のメイドとなって数日が経った。
早朝トレーニングに彩花は付き添っている。
ご主人様は10キロほどを走っても息を切らさない。鍛錬ではメイド教団屈指の実力を持つ彩花の体術をも軽々と上回る。
「もう少し休憩ね。俺も疲れたからさ」
鍛錬後、すぐには動けない彩花。ご主人様に気遣われてしまう。
メイドにあるまじき失態だが、彩花の女の子の部分はきゅんとくる。
彼女のさすごしゅメーター(さすがですご主人様パラメーター)は日々、限界値を突破していた。
――明日は高校の入学式!
――ご主人様の尊いお姿を記録せねば!今は曇った眼のメイドたちのためにも!私が!
公園からの帰り道。
彩花は前を歩くご主人様を熱く見つめながら、ふんすと息巻いた。
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