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36:それをきっと愛と呼ぶ
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間髪入れずにリュオンの目が開く。
半分眠りながらも意識は保っていたのか、彼に寝ぼけている様子は一切なく、青い双眸には強い意思の光が宿っていた。
私と目が合うと、彼は安心させるように笑って立ち上がった。
「少し外に出てくる。ノエル、セラを頼む」
「……わかった。気を付けて」
「待って!!」
私は急いでリュオンの元へ行き、彼の右手首を掴んだ。
「誰が来たの? どこに行くの? 一体何が起きようとしているの?」
「何の話? ただの喧嘩の仲裁だよ。警備兵が手を焼いてるようだから助けに――」
「嘘よ。さっきあなたは『来た』って言った。私には読唇術の心得があるの。あなたは間違いなく『来た』って言ったわ」
彼の手首を握る手に力を込める。
多分彼は眠りながらも探査魔法をかけていて、何かを認識したのだ。
「……なんで読唇術の心得があるんだ? まさかそれも淑女教育で身につけさせられたのか?」
「違うわ。昔、イノーラに面白半分で習得させられたのよ」
「……あいつは本当に、ろくなことをしないな……」
目を伏せてため息をつくリュオン。私は焦れて彼の手を揺らした。
「ねえ、お願いだから教えて。リュオンはいまから戦いに行くつもりなの? 私の知らないところで傷ついて、また私を泣かせる気なの?」
「違う、戦うつもりはない。心配は要らない。必ず無事に戻ると約束するから――」
「リュオン」
ノエル様が言葉を遮った。
「もういいでしょう。話そう。セラ自身のことなんだから、セラには知る権利があるはずだ。前から思ってたけど君は過保護だよ」
「待っ――」
「イノーラとクロード王子がラスファルに来た。セラを連れ戻すために」
リュオンの制止を聞かずにノエル様は言い放った。
「………………」
私は呆けてノエル様を見つめた後、頭を巡らせてリュオンを見た。
リュオンは苦い顔をしている。
私が動揺すると思って彼はずっとその事実を伏せてきたのだろう。
もしかしたら彼が全員に緘口令を敷いたのかもしれない。
私のために。私を想って。
「……ああ。そういうことだったのね。最初からそう言ってくれれば良かったのに」
私は苦笑し、リュオンの手首を握っていた手を離した。
「……意外と冷静だな。大丈夫なのか?」
戸惑ったような顔でリュオンが私を見る。
「ええ。散々私を虐げたあの子が私を連れ戻しに来たと知っても、私の心には不思議と波一つ起こらなかった。きっと、リュオンが私の心を守ってくれたからだわ」
私は手を伸ばしてリュオンの頰に触れた。
恐らくリュオンたちは六日前、国内外に情報網を張り巡らせているバートラム様からイノーラとクロード王子の動向を知らされたのだ。
そしてリュオンはその日から毎日魔法を使い続けた。新たに街に入ってきた人間、少しでも屋敷に近づく素振りを見せた人間――いいや、出来る限り全てを監視していた。イノーラに同行しているであろう敵が己以上の技量を持つ魔女であることも想定し、わずかな魔法的な異変も見逃すまいと心を砕いたはず。
全く、信じられない話だ。
いくら私の補助があるとはいえ、四六時中魔法を使って全てを把握しようとするなど、自分にかかる多大な負担をまるで無視している。
それでも彼は私のために無茶を貫き通した。
彼が青白い顔をしているのは私のためだ。
こんなにも私を心配し、大切に想ってくれる人なんて、世界中のどこを探してもいない。
愛おしさがこみ上げ、許されるならこのままキスをしてしまいたいくらいだった。
「薄情かもしれないけれど、いまの私にとってイノーラは私の心を乱すに値しない存在なの。私にはリュオンがいるから。私よりも私を大切にしてくれるあなたがいるから、もう何も怖くない」
リュオンの瞳をまっすぐに見つめて微笑む。
「レアノールに帰るつもりはないわ。私は、セラ・エンドリーネは、ここにいたい。あなたの隣で生きていたいの。叶うなら、これからもずっと」
「……叶うさ。それをセラが望むなら、おれはどんな願いだって叶えてみせる」
リュオンは彼の頬に添えていた私の手を掴んだ。
まるで姫君に忠誠を誓う騎士のように、私の手の甲にそっと口づけを落とす。
胸が甘く痺れ、頬が熱を帯びる。
ここまで私の心を掻き乱すのは彼だけだと実感した。
軽い咳払いの声が聞こえて、私は火傷でもしたかのように勢い良く手を引っ込め、リュオンと揃ってノエル様を見た。
「目の前で二人きりの世界を展開されても困るんだけど。ぼくがいること忘れてない? いまそんなことしてる場合じゃないよね?」
私たちを見るノエル様の目は冷たい。まるでお屋敷に来た当時の再現。
「悪い」「すみません」
リュオンと私が同時に謝罪すると、ノエル様は冷ややかな表情を崩して苦笑した。
「まあ、幸せそうなのは結構だけどね」
ノエル様は立ち、長いこと座っていて凝り固まった筋肉をほぐすように伸びをしてからリュオンに視線を向けた。
「ところでリュオン。こうなったらセラも連れてイノーラと直接対決といかない? 魔力を増幅できるセラがいれば君は無敵でしょう。イノーラは何をしでかすかわからない。念のため、君の傍にいてもらった方がいい」
「……でも、セラを連れて行くのは……」
リュオンは悩むように視線を床に落としている。
「お願いリュオン、連れて行って。イノーラと話をさせてちょうだい。大丈夫よ、言ったでしょう。イノーラが何を言ったって私の心には響かないわ」
「……わかった」
リュオンは渋々ながら了承した。
「決まりだね。じゃあ三人で行こう。協力者もいることだし、さっさと終わらせるよ。ここにいるのはセレスティア・ブランシュじゃなく、ぼくの姉だってことをイノーラたちに教えてやろう」
ナイフが隠された外套を羽織り、ノエル様が不敵に笑う。
ノエル様が私を姉と言ってくれたのは初めてで、目頭が熱くなる。
ノエル様は私のためにイノーラたちと戦おうとしている。
ノエル様だけではなく、リュオンも、きっとユリウス様やエンドリーネ伯爵夫妻も、伯爵邸で働く使用人たちも、全員が私を守ろうとしてくれている。
私がここにいることを許し、望んでくれている。
きっと、人はそれを愛と呼ぶのだろう。
――私、こんなに幸せでいいのかしら。
「ありがとうございます、ノエル様」
目頭が熱くなるのを感じながら頭を下げると、ノエル様はまた笑った。
「お礼を言われるようなことじゃないよ。事実セラはぼくの姉で、姉を守るのは当然のことでしょう?」
泣いている場合ではないのに、ノエル様は私を泣かせるようなことを言う。
「そうだな、全部終わったらまた美味しいお茶を淹れてよ。兄さんも呼んで、皆でお茶会をしよう」
「はい。楽しみにしています」
私は目元を擦って口の端を上げた。
半分眠りながらも意識は保っていたのか、彼に寝ぼけている様子は一切なく、青い双眸には強い意思の光が宿っていた。
私と目が合うと、彼は安心させるように笑って立ち上がった。
「少し外に出てくる。ノエル、セラを頼む」
「……わかった。気を付けて」
「待って!!」
私は急いでリュオンの元へ行き、彼の右手首を掴んだ。
「誰が来たの? どこに行くの? 一体何が起きようとしているの?」
「何の話? ただの喧嘩の仲裁だよ。警備兵が手を焼いてるようだから助けに――」
「嘘よ。さっきあなたは『来た』って言った。私には読唇術の心得があるの。あなたは間違いなく『来た』って言ったわ」
彼の手首を握る手に力を込める。
多分彼は眠りながらも探査魔法をかけていて、何かを認識したのだ。
「……なんで読唇術の心得があるんだ? まさかそれも淑女教育で身につけさせられたのか?」
「違うわ。昔、イノーラに面白半分で習得させられたのよ」
「……あいつは本当に、ろくなことをしないな……」
目を伏せてため息をつくリュオン。私は焦れて彼の手を揺らした。
「ねえ、お願いだから教えて。リュオンはいまから戦いに行くつもりなの? 私の知らないところで傷ついて、また私を泣かせる気なの?」
「違う、戦うつもりはない。心配は要らない。必ず無事に戻ると約束するから――」
「リュオン」
ノエル様が言葉を遮った。
「もういいでしょう。話そう。セラ自身のことなんだから、セラには知る権利があるはずだ。前から思ってたけど君は過保護だよ」
「待っ――」
「イノーラとクロード王子がラスファルに来た。セラを連れ戻すために」
リュオンの制止を聞かずにノエル様は言い放った。
「………………」
私は呆けてノエル様を見つめた後、頭を巡らせてリュオンを見た。
リュオンは苦い顔をしている。
私が動揺すると思って彼はずっとその事実を伏せてきたのだろう。
もしかしたら彼が全員に緘口令を敷いたのかもしれない。
私のために。私を想って。
「……ああ。そういうことだったのね。最初からそう言ってくれれば良かったのに」
私は苦笑し、リュオンの手首を握っていた手を離した。
「……意外と冷静だな。大丈夫なのか?」
戸惑ったような顔でリュオンが私を見る。
「ええ。散々私を虐げたあの子が私を連れ戻しに来たと知っても、私の心には不思議と波一つ起こらなかった。きっと、リュオンが私の心を守ってくれたからだわ」
私は手を伸ばしてリュオンの頰に触れた。
恐らくリュオンたちは六日前、国内外に情報網を張り巡らせているバートラム様からイノーラとクロード王子の動向を知らされたのだ。
そしてリュオンはその日から毎日魔法を使い続けた。新たに街に入ってきた人間、少しでも屋敷に近づく素振りを見せた人間――いいや、出来る限り全てを監視していた。イノーラに同行しているであろう敵が己以上の技量を持つ魔女であることも想定し、わずかな魔法的な異変も見逃すまいと心を砕いたはず。
全く、信じられない話だ。
いくら私の補助があるとはいえ、四六時中魔法を使って全てを把握しようとするなど、自分にかかる多大な負担をまるで無視している。
それでも彼は私のために無茶を貫き通した。
彼が青白い顔をしているのは私のためだ。
こんなにも私を心配し、大切に想ってくれる人なんて、世界中のどこを探してもいない。
愛おしさがこみ上げ、許されるならこのままキスをしてしまいたいくらいだった。
「薄情かもしれないけれど、いまの私にとってイノーラは私の心を乱すに値しない存在なの。私にはリュオンがいるから。私よりも私を大切にしてくれるあなたがいるから、もう何も怖くない」
リュオンの瞳をまっすぐに見つめて微笑む。
「レアノールに帰るつもりはないわ。私は、セラ・エンドリーネは、ここにいたい。あなたの隣で生きていたいの。叶うなら、これからもずっと」
「……叶うさ。それをセラが望むなら、おれはどんな願いだって叶えてみせる」
リュオンは彼の頬に添えていた私の手を掴んだ。
まるで姫君に忠誠を誓う騎士のように、私の手の甲にそっと口づけを落とす。
胸が甘く痺れ、頬が熱を帯びる。
ここまで私の心を掻き乱すのは彼だけだと実感した。
軽い咳払いの声が聞こえて、私は火傷でもしたかのように勢い良く手を引っ込め、リュオンと揃ってノエル様を見た。
「目の前で二人きりの世界を展開されても困るんだけど。ぼくがいること忘れてない? いまそんなことしてる場合じゃないよね?」
私たちを見るノエル様の目は冷たい。まるでお屋敷に来た当時の再現。
「悪い」「すみません」
リュオンと私が同時に謝罪すると、ノエル様は冷ややかな表情を崩して苦笑した。
「まあ、幸せそうなのは結構だけどね」
ノエル様は立ち、長いこと座っていて凝り固まった筋肉をほぐすように伸びをしてからリュオンに視線を向けた。
「ところでリュオン。こうなったらセラも連れてイノーラと直接対決といかない? 魔力を増幅できるセラがいれば君は無敵でしょう。イノーラは何をしでかすかわからない。念のため、君の傍にいてもらった方がいい」
「……でも、セラを連れて行くのは……」
リュオンは悩むように視線を床に落としている。
「お願いリュオン、連れて行って。イノーラと話をさせてちょうだい。大丈夫よ、言ったでしょう。イノーラが何を言ったって私の心には響かないわ」
「……わかった」
リュオンは渋々ながら了承した。
「決まりだね。じゃあ三人で行こう。協力者もいることだし、さっさと終わらせるよ。ここにいるのはセレスティア・ブランシュじゃなく、ぼくの姉だってことをイノーラたちに教えてやろう」
ナイフが隠された外套を羽織り、ノエル様が不敵に笑う。
ノエル様が私を姉と言ってくれたのは初めてで、目頭が熱くなる。
ノエル様は私のためにイノーラたちと戦おうとしている。
ノエル様だけではなく、リュオンも、きっとユリウス様やエンドリーネ伯爵夫妻も、伯爵邸で働く使用人たちも、全員が私を守ろうとしてくれている。
私がここにいることを許し、望んでくれている。
きっと、人はそれを愛と呼ぶのだろう。
――私、こんなに幸せでいいのかしら。
「ありがとうございます、ノエル様」
目頭が熱くなるのを感じながら頭を下げると、ノエル様はまた笑った。
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泣いている場合ではないのに、ノエル様は私を泣かせるようなことを言う。
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