22 / 47
22:あなたに逢いたくて
しおりを挟む
私の部屋は二階の南側にあり、リュオンの部屋は二階の北側にある。
私の部屋の窓からはラスファルの整然とした美しい街並みが。
対してリュオンの部屋の窓から見えるのは、遠く連なる山の稜線と、街の北側に広がるラスファルの兵士たちの訓練場だった。
ロドリー王国の各貴族は国内にそれぞれ領地を持っており、国王から政治と防衛を任されている。
己の領地を守る兵士の育成は領主の重要な仕事の一つだ。
二十年前、隣国バレスタとの間に起きた戦で国内外にその武名を轟かせたバートラム様とスザンヌ様は――バレスタからロドリーに嫁がれたスザンヌ様はバレスタでも指折りの武人だったそうだ――たまに訓練場に赴いて兵士たちの訓練状況を視察し、場合によっては自ら剣を振って指導することもあるという。
国軍近衛隊長のノエル様は実家に戻って来てからというもの、頻繁に兵士たちの鍛錬を行っている。
そのおかげなのか、ラスファルの兵士は勇猛果敢、戦においては常勝無敗。
街を覆う結界を張っているリュオンが「おれはいなくてもいいんじゃないかと思う」と零すのも納得だ。
この街は『大魔導師』がいなくなっても充分にやっていける。
事実、リュオンが結界を張らないまま今日で一週間が経っても、街の治安は問題なく維持されていた。
人間の言葉など通用しない凶暴な魔獣も本能で避けているのか、この街が魔獣に襲われたのはもう三年も前のことらしい。
「…………」
横一列に並び、離れた的に矢を射る訓練をしている兵士たちを遠目に見ていた私は、開け放った窓の外から室内へと視線を引き戻した。
椅子に座る私の前には寝台があり、額に濡れた布を乗せたリュオンが横たわっている。
リュオンは眠っていて意識がない。
少し前まで魘されていたけれど、いまは静かだ。
彼の顔に滲む汗を白い綿布で拭った後、私は彼の身体にかけられた掛布をめくりあげて左腕の様子を確かめた。
昨日ほどではないが包帯に血が滲んでいるのを見て、サイドテーブルの上の救急箱を開ける。
包帯を取り外し、怪我を目の当たりにすると涙が出そうだ。
歯を食いしばって泣くのを堪え、小さく切った長方形の綿布に回復薬《ポーション》を含ませ、傷に優しく数回押し当てる。
軟膏を塗って、早く治るように祈りながら包帯を巻き、彼の左腕を寝台に戻そうとしたとき――
「……セラ?」
掠れた声が聞こえ、リュオンの左手の指先が微かに動いた。
はっとして顔を向ければ、リュオンがぼんやりした眼差しでこちらを見ていた。
熱のせいで頬は赤く、瞳が潤んでいる。
「ごめんなさい、起こしてしまったわね。でもちょうどいいわ、喉は乾いてない? 水を飲む?」
「……飲む」
私は水差しを取り上げてコップに水を注いだ。
それから、中腰になってリュオンの上体を持ち上げ、彼が身を起こす手伝いをする。
自力で上体を支えていられないほど弱った彼を見ていると、また涙が込み上げてきた。
「はい」
痛くないようクッションを挟んでから彼の背中をベッドの縁に預けさせ、水の入ったコップを手渡す。
補助が必要かと見ていてハラハラしたけれど、無事彼は一人で水を飲んだ。
「お代わりは?」
「いや、要らない。ありがとう」
「いいえ……」
お礼を言われるほどのことは何もしていない。
何度お礼を言っても足りないのは私のほうだと思いながら、空になったコップを受け取ってサイドテーブルに置く。
「……なんて顔してるんだ」
リュオンは苦笑し、身体を捻って右手で私の頬に触れた。
私に近い左手はとても動かせる状態ではない。
少しでも動かせば激痛が走ることくらい容易に想像ができた。
「だって……私のせいでこんな……ごめんなさい」
私の身の安全と引き換えに、彼は酷い怪我と熱で苦しむことになってしまった。
「おれは勝手に行動して勝手に怪我をしただけだ。セラが気に病むことはない」
宝石よりも綺麗な青い瞳でまっすぐに私を見つめ、彼は撫でるように私の髪を指で梳いた。
「……そうね。気にしないようにするわ」
目元を拭って頷く。
議論はしたくない。
彼は腹部にも傷を負っている。喋る度に痛むはずだった。
「リンゴがあるのだけれど、すりおろしたら食べられそうかしら?」
「食べる」
「わかったわ。少し待ってて」
私は椅子に座って果物ナイフを手に取り、リンゴの皮を剥き始めた。
二人きりの部屋に沈黙が訪れ、吹き込んだ風に茶色のカーテンの端が揺れる。
「あのさ、セラ。前から聞きたかったんだけど。なんで逃亡先にロドリーを選んだんだ?」
リュオンが話しかけてきた。
リンゴを剥く手が止まりそうになり、意識して再び手を動かす。
「どうしてそんなことを聞くの?」
「いや、レアノールから逃げたいなら、隣のウルガルド帝国に逃げ込んだほうが良かったんじゃないかと思って。敵国に逃げてしまえば追われることもないだろ?」
「……それは、そうなのだけれど……全てを捨てて逃げると決めたとき、頭に浮かんだのはウルガルドではなくロドリーだったのよ」
一度だけ家族旅行で訪れた国。
私の手を握って笑った男の子がいた国。
「その……リュオンに会えるかなと思って……」
リュオンはどんな顔をしているのか。
とても確かめる勇気は出ず、私は皮を剥き終えたリンゴを金属製のおろし器ですりおろすことに集中した。
私の部屋の窓からはラスファルの整然とした美しい街並みが。
対してリュオンの部屋の窓から見えるのは、遠く連なる山の稜線と、街の北側に広がるラスファルの兵士たちの訓練場だった。
ロドリー王国の各貴族は国内にそれぞれ領地を持っており、国王から政治と防衛を任されている。
己の領地を守る兵士の育成は領主の重要な仕事の一つだ。
二十年前、隣国バレスタとの間に起きた戦で国内外にその武名を轟かせたバートラム様とスザンヌ様は――バレスタからロドリーに嫁がれたスザンヌ様はバレスタでも指折りの武人だったそうだ――たまに訓練場に赴いて兵士たちの訓練状況を視察し、場合によっては自ら剣を振って指導することもあるという。
国軍近衛隊長のノエル様は実家に戻って来てからというもの、頻繁に兵士たちの鍛錬を行っている。
そのおかげなのか、ラスファルの兵士は勇猛果敢、戦においては常勝無敗。
街を覆う結界を張っているリュオンが「おれはいなくてもいいんじゃないかと思う」と零すのも納得だ。
この街は『大魔導師』がいなくなっても充分にやっていける。
事実、リュオンが結界を張らないまま今日で一週間が経っても、街の治安は問題なく維持されていた。
人間の言葉など通用しない凶暴な魔獣も本能で避けているのか、この街が魔獣に襲われたのはもう三年も前のことらしい。
「…………」
横一列に並び、離れた的に矢を射る訓練をしている兵士たちを遠目に見ていた私は、開け放った窓の外から室内へと視線を引き戻した。
椅子に座る私の前には寝台があり、額に濡れた布を乗せたリュオンが横たわっている。
リュオンは眠っていて意識がない。
少し前まで魘されていたけれど、いまは静かだ。
彼の顔に滲む汗を白い綿布で拭った後、私は彼の身体にかけられた掛布をめくりあげて左腕の様子を確かめた。
昨日ほどではないが包帯に血が滲んでいるのを見て、サイドテーブルの上の救急箱を開ける。
包帯を取り外し、怪我を目の当たりにすると涙が出そうだ。
歯を食いしばって泣くのを堪え、小さく切った長方形の綿布に回復薬《ポーション》を含ませ、傷に優しく数回押し当てる。
軟膏を塗って、早く治るように祈りながら包帯を巻き、彼の左腕を寝台に戻そうとしたとき――
「……セラ?」
掠れた声が聞こえ、リュオンの左手の指先が微かに動いた。
はっとして顔を向ければ、リュオンがぼんやりした眼差しでこちらを見ていた。
熱のせいで頬は赤く、瞳が潤んでいる。
「ごめんなさい、起こしてしまったわね。でもちょうどいいわ、喉は乾いてない? 水を飲む?」
「……飲む」
私は水差しを取り上げてコップに水を注いだ。
それから、中腰になってリュオンの上体を持ち上げ、彼が身を起こす手伝いをする。
自力で上体を支えていられないほど弱った彼を見ていると、また涙が込み上げてきた。
「はい」
痛くないようクッションを挟んでから彼の背中をベッドの縁に預けさせ、水の入ったコップを手渡す。
補助が必要かと見ていてハラハラしたけれど、無事彼は一人で水を飲んだ。
「お代わりは?」
「いや、要らない。ありがとう」
「いいえ……」
お礼を言われるほどのことは何もしていない。
何度お礼を言っても足りないのは私のほうだと思いながら、空になったコップを受け取ってサイドテーブルに置く。
「……なんて顔してるんだ」
リュオンは苦笑し、身体を捻って右手で私の頬に触れた。
私に近い左手はとても動かせる状態ではない。
少しでも動かせば激痛が走ることくらい容易に想像ができた。
「だって……私のせいでこんな……ごめんなさい」
私の身の安全と引き換えに、彼は酷い怪我と熱で苦しむことになってしまった。
「おれは勝手に行動して勝手に怪我をしただけだ。セラが気に病むことはない」
宝石よりも綺麗な青い瞳でまっすぐに私を見つめ、彼は撫でるように私の髪を指で梳いた。
「……そうね。気にしないようにするわ」
目元を拭って頷く。
議論はしたくない。
彼は腹部にも傷を負っている。喋る度に痛むはずだった。
「リンゴがあるのだけれど、すりおろしたら食べられそうかしら?」
「食べる」
「わかったわ。少し待ってて」
私は椅子に座って果物ナイフを手に取り、リンゴの皮を剥き始めた。
二人きりの部屋に沈黙が訪れ、吹き込んだ風に茶色のカーテンの端が揺れる。
「あのさ、セラ。前から聞きたかったんだけど。なんで逃亡先にロドリーを選んだんだ?」
リュオンが話しかけてきた。
リンゴを剥く手が止まりそうになり、意識して再び手を動かす。
「どうしてそんなことを聞くの?」
「いや、レアノールから逃げたいなら、隣のウルガルド帝国に逃げ込んだほうが良かったんじゃないかと思って。敵国に逃げてしまえば追われることもないだろ?」
「……それは、そうなのだけれど……全てを捨てて逃げると決めたとき、頭に浮かんだのはウルガルドではなくロドリーだったのよ」
一度だけ家族旅行で訪れた国。
私の手を握って笑った男の子がいた国。
「その……リュオンに会えるかなと思って……」
リュオンはどんな顔をしているのか。
とても確かめる勇気は出ず、私は皮を剥き終えたリンゴを金属製のおろし器ですりおろすことに集中した。
617
お気に入りに追加
1,698
あなたにおすすめの小説
婚約破棄された検品令嬢ですが、冷酷辺境伯の子を身籠りました。 でも本当はお優しい方で毎日幸せです
青空あかな
恋愛
旧題:「荷物検査など誰でもできる」と婚約破棄された検品令嬢ですが、極悪非道な辺境伯の子を身籠りました。でも本当はお優しい方で毎日心が癒されています
チェック男爵家長女のキュリティは、貴重な闇魔法の解呪師として王宮で荷物検査の仕事をしていた。
しかし、ある日突然婚約破棄されてしまう。
婚約者である伯爵家嫡男から、キュリティの義妹が好きになったと言われたのだ。
さらには、婚約者の権力によって検査係の仕事まで義妹に奪われる。
失意の中、キュリティは辺境へ向かうと、極悪非道と噂される辺境伯が魔法実験を行っていた。
目立たず通り過ぎようとしたが、魔法事故が起きて辺境伯の子を身ごもってしまう。
二人は形式上の夫婦となるが、辺境伯は存外優しい人でキュリティは温かい日々に心を癒されていく。
一方、義妹は仕事でミスばかり。
闇魔法を解呪することはおろか見破ることさえできない。
挙句の果てには、闇魔法に呪われた荷物を王宮内に入れてしまう――。
※おかげさまでHOTランキング1位になりました! ありがとうございます!
※ノベマ!様で短編版を掲載中でございます。
婚約者を義妹に奪われましたが貧しい方々への奉仕活動を怠らなかったおかげで、世界一大きな国の王子様と結婚できました
青空あかな
恋愛
アトリス王国の有名貴族ガーデニー家長女の私、ロミリアは亡きお母様の教えを守り、回復魔法で貧しい人を治療する日々を送っている。
しかしある日突然、この国の王子で婚約者のルドウェン様に婚約破棄された。
「ロミリア、君との婚約を破棄することにした。本当に申し訳ないと思っている」
そう言う(元)婚約者が新しく選んだ相手は、私の<義妹>ダーリー。さらには失意のどん底にいた私に、実家からの追放という仕打ちが襲い掛かる。
実家に別れを告げ、国境目指してトボトボ歩いていた私は、崖から足を踏み外してしまう。
落ちそうな私を助けてくれたのは、以前ケガを治した旅人で、彼はなんと世界一の超大国ハイデルベルク王国の王子だった。そのままの勢いで求婚され、私は彼と結婚することに。
一方、私がいなくなったガーデニー家やルドウェン様の評判はガタ落ちになる。そして、召使いがいなくなったガーデニー家に怪しい影が……。
※『小説家になろう』様と『カクヨム』様でも掲載しております
聖なる言霊を小言と馬鹿にされ婚約破棄されましたが、普段通りに仕事していたら辺境伯様に溺愛されています
青空あかな
恋愛
男爵令嬢のポーラは、詩を詠うことで願った現象を起こす【言霊】という珍しいスキルを持っていた。
スキルを活かし、家の離れで人々の悩みを解決する”言霊館”というお店を開いて、家計を助ける毎日を送る。
そんなポーラは婚約者と義妹たちにも【言霊】スキルで平穏な日々を願っていたが、ある日「小言が多い」と婚約破棄され、家を追い出されてしまう。
ポーラと同じ言葉のスキルを持つ義妹に店を奪われ、挙句の果てには、辺境伯のメイドに勝手に募集に出されていた。
“寡黙の辺境伯”という、誰とも話さず、何を考えているのかわからないと恐怖される辺境伯の屋敷に……。
ポーラは恐れながら屋敷へ行くも、【言霊】スキルの特別な力を示し、無事メイドとして勤めることになる。
屋敷で暮らすようになってから、フェンリルの病気を癒したり、街の火事を静めたり、枯れそうな古代樹を救ったり……ポーラは【言霊】スキルで屋敷の問題を次々と解決する。
日々、他人のため、そして辺境伯のために頑張るポーラを、“寡黙の辺境伯”は静かに溺愛し始める。
一方、義妹たちの毎日は、ポーラを追い出してから少しずつ暗い影が差す。
お店をポーラから奪うも、最初のお客さんである少女の大切な花を枯らして泣かす始末。
義妹のスキルは他人を不幸にするスキルだった。
ついには王様の持病をも悪化させ、瀕死の状態にさせてしまう。
※HOTランキング2位、ありがとうございます!
【完結】私のことを愛さないと仰ったはずなのに 〜家族に虐げれ、妹のワガママで婚約破棄をされた令嬢は、新しい婚約者に溺愛される〜
ゆうき@初書籍化作品発売中
恋愛
とある子爵家の長女であるエルミーユは、家長の父と使用人の母から生まれたことと、常人離れした記憶力を持っているせいで、幼い頃から家族に嫌われ、酷い暴言を言われたり、酷い扱いをされる生活を送っていた。
エルミーユには、十歳の時に決められた婚約者がおり、十八歳になったら家を出て嫁ぐことが決められていた。
地獄のような家を出るために、なにをされても気丈に振舞う生活を送り続け、無事に十八歳を迎える。
しかし、まだ婚約者がおらず、エルミーユだけ結婚するのが面白くないと思った、ワガママな異母妹の策略で騙されてしまった婚約者に、婚約破棄を突き付けられてしまう。
突然結婚の話が無くなり、落胆するエルミーユは、とあるパーティーで伯爵家の若き家長、ブラハルトと出会う。
社交界では彼の恐ろしい噂が流れており、彼は孤立してしまっていたが、少し話をしたエルミーユは、彼が噂のような恐ろしい人ではないと気づき、一緒にいてとても居心地が良いと感じる。
そんなブラハルトと、互いの結婚事情について話した後、互いに利益があるから、婚約しようと持ち出される。
喜んで婚約を受けるエルミーユに、ブラハルトは思わぬことを口にした。それは、エルミーユのことは愛さないというものだった。
それでも全然構わないと思い、ブラハルトとの生活が始まったが、愛さないという話だったのに、なぜか溺愛されてしまい……?
⭐︎全56話、最終話まで予約投稿済みです。小説家になろう様にも投稿しております。2/16女性HOTランキング1位ありがとうございます!⭐︎
婚約破棄をされ、父に追放まで言われた私は、むしろ喜んで出て行きます! ~家を出る時に一緒に来てくれた執事の溺愛が始まりました~
ゆうき@初書籍化作品発売中
恋愛
男爵家の次女として生まれたシエルは、姉と妹に比べて平凡だからという理由で、父親や姉妹からバカにされ、虐げられる生活を送っていた。
そんな生活に嫌気がさしたシエルは、とある計画を考えつく。それは、婚約者に社交界で婚約を破棄してもらい、その責任を取って家を出て、自由を手に入れるというものだった。
シエルの専属の執事であるラルフや、幼い頃から実の兄のように親しくしてくれていた婚約者の協力の元、シエルは無事に婚約を破棄され、父親に見捨てられて家を出ることになった。
ラルフも一緒に来てくれることとなり、これで念願の自由を手に入れたシエル。しかし、シエルにはどこにも行くあてはなかった。
それをラルフに伝えると、隣の国にあるラルフの故郷に行こうと提案される。
それを承諾したシエルは、これからの自由で幸せな日々を手に入れられると胸を躍らせていたが、その幸せは家族によって邪魔をされてしまう。
なんと、家族はシエルとラルフを広大な湖に捨て、自らの手を汚さずに二人を亡き者にしようとしていた――
☆誤字脱字が多いですが、見つけ次第直しますのでご了承ください☆
☆全文字はだいたい14万文字になっています☆
☆完結まで予約済みなので、エタることはありません!☆
【完結】 私を忌み嫌って義妹を贔屓したいのなら、家を出て行くのでお好きにしてください
ゆうき@初書籍化作品発売中
恋愛
苦しむ民を救う使命を持つ、国のお抱えの聖女でありながら、悪魔の子と呼ばれて忌み嫌われている者が持つ、赤い目を持っているせいで、民に恐れられ、陰口を叩かれ、家族には忌み嫌われて劣悪な環境に置かれている少女、サーシャはある日、義妹が屋敷にやってきたことをきっかけに、聖女の座と婚約者を義妹に奪われてしまった。
義父は義妹を贔屓し、なにを言っても聞き入れてもらえない。これでは聖女としての使命も、幼い頃にとある男の子と交わした誓いも果たせない……そう思ったサーシャは、誰にも言わずに外の世界に飛び出した。
外の世界に出てから間もなく、サーシャも知っている、とある家からの捜索願が出されていたことを知ったサーシャは、急いでその家に向かうと、その家のご子息様に迎えられた。
彼とは何度か社交界で顔を合わせていたが、なぜかサーシャにだけは冷たかった。なのに、出会うなりサーシャのことを抱きしめて、衝撃の一言を口にする。
「おお、サーシャ! 我が愛しの人よ!」
――これは一人の少女が、溺愛されながらも、聖女の使命と大切な人との誓いを果たすために奮闘しながら、愛を育む物語。
⭐︎小説家になろう様にも投稿されています⭐︎
婚約破棄ですか???実家からちょうど帰ってこいと言われたので好都合です!!!これからは復讐をします!!!~どこにでもある普通の令嬢物語~
tartan321
恋愛
婚約破棄とはなかなか考えたものでございますね。しかしながら、私はもう帰って来いと言われてしまいました。ですから、帰ることにします。これで、あなた様の口うるさい両親や、その他の家族の皆様とも顔を合わせることがないのですね。ラッキーです!!!
壮大なストーリーで奏でる、感動的なファンタジーアドベンチャーです!!!!!最後の涙の理由とは???
一度完結といたしました。続編は引き続き書きたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
虐げられた令嬢は、姉の代わりに王子へ嫁ぐ――たとえお飾りの妃だとしても
千堂みくま
恋愛
「この卑しい娘め、おまえはただの身代わりだろうが!」 ケルホーン伯爵家に生まれたシーナは、ある理由から義理の家族に虐げられていた。シーナは姉のルターナと瓜二つの顔を持ち、背格好もよく似ている。姉は病弱なため、義父はシーナに「ルターナの代わりに、婚約者のレクオン王子と面会しろ」と強要してきた。二人はなんとか支えあって生きてきたが、とうとうある冬の日にルターナは帰らぬ人となってしまう。「このお金を持って、逃げて――」ルターナは最後の力で屋敷から妹を逃がし、シーナは名前を捨てて別人として暮らしはじめたが、レクオン王子が迎えにやってきて……。○第15回恋愛小説大賞に参加しています。もしよろしければ応援お願いいたします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる