8 / 47
08:人間、ときどき、黒猫
しおりを挟む
椅子に腰かけ、ユリウス様が起きるまで待つ。
尻の下に分厚いクッションを敷いているとはいえ、座りっぱなしというのは辛い。
リュオンが気を利かせて持ってきてくれた本を読もうにも、利き手ではない左手でページをめくるのは地味に大変で、何度か本を落としそうになった。
そもそも片手を握られた状態で集中できるはずもない。
ユリウス様の顔色は青く、目の下には隈がある。
できる限り寝かせてあげたい、そう願う気持ちはリュオンと同じ。
でも、そろそろ限界だ。
右腕はとうに痺れて感覚もないし、腰も痛いし、起きて貰えないかなあ……。
祈るような心地でユリウス様のあどけない寝顔を眺めていると、不意にその長い睫毛が震えた。
――起きた!
「!」
ど、どうしよう。
長らくこのときを待っていたはずなのに、心臓が騒ぎ出す。
ユリウス様の瞼が持ち上がり、紫の瞳がまっすぐに私を捉える。
「…………」
寝起きのユリウス様は二、三度と瞬きを繰り返した。
数秒後に現実を認識したのだろう、紫の瞳が見開かれたその瞬間。
ユリウス様の身体は一瞬のうちに猫へと変化し、着ていた服がばさりと音を立ててソファに落ちた。
一匹の黒猫と化したユリウス様はもぞもぞと動いて身体にまとわりつくシャツから抜け出した。
それから四肢を突っ張って紫の瞳で私を見つめ、誰だお前といわんばかりに、ふしゃー!! と威嚇する。
耳を横に寝かせるようにピンと張り、尻尾を膨らませている!!
でも、女性である私が怖いらしく、黒猫はちょっぴり涙目で、おまけにガタガタ震えていたりした。
凄い、どこからどう見ても猫だ!!
人語は話せないようだし、これは猫にしか見えない!!
ああああなんて可愛いの……!!
私は感動に打ち震えた。
愛猫家の一人としては、ついつい、ご機嫌を取ってその艶やかな毛並みを撫で回したくなってしまう。
「猫になったユリウスを見るのは久しぶりだな」
ソファに座っていたリュオンが立ち上がってこちらへとやってきた。
「セラ、おれが呼ぶまで退室しててくれるか。人間に戻すための魔法陣は組み上げたが、それでも十分はかかると思う」
神秘的な光を放つ金色の魔法陣が彼の周囲を取り巻いている。
冗談のような大きさの魔法陣の中には直線や幾何学模様や文字に似た何かが異常なまでの密度で書き込まれていた。
ユリウス様が目覚めるまでの間、リュオンはソファに座って目を閉じ、ひたすらこの魔法陣を構築し続けていた。
国内に三人しかいない大魔導師であっても、魔法の解除には手間暇がかかる。
リュオンの話によれば、人間を変身させる魔法は空間転移に匹敵する超高難易度の魔法。
一般人にはその存在さえ秘匿された禁止魔法だ。
全ての魔法が自由に使えた混沌の時代、変身魔法に失敗して怪物となった魔女が暴走して国を滅ぼしたり、変身魔法を軍事転用した国が敵国の人間を異形へと変えたため、変身魔法の使い方は魔法書や文献に載っていない。
過去の悲劇を繰り返さないようレアノールでもロドリーでも変身魔法を記述した本は全て発禁本であり、発行者は例外なく処刑されている。
魔女の家系に生まれた私でさえ変身魔法の実在を知らなかった。
では何故リュオンが変身魔法を解除できるかというと、エンドリーネ伯爵が裏ルートで入手した古文書を読み込んだから。
古代語で書かれた本を読み解くには魔法の専門家でも舌を巻くような知識がいる。
たとえ苦労の末に読み解いたとしても、解除魔法には莫大な魔力が必要なため、並の魔女では発動不可能。
猫と化したユリウス様が役人に見つかる前にリュオンと巡り会えたことはエンドリーネ伯爵にとって僥倖だっただろう。
他人に変身魔法をかけられた被害者だと主張することで実刑を免れたとしても、ユリウス様は貴重な古代魔法の見本《サンプル》として魔法研究所に送られていた可能性が高い。
「わかったわ」
私は涙目のユリウス様に可愛らしく――いや、本人は至って真剣なようだから可愛いなんて言ったら失礼か――威嚇されつつ、言われた通りに部屋を出た。
パタンと扉を閉じた後、呟く。
「……変身魔法を解くのがあんなに大変だとわかっていて、それでもユリウス様を寝かせて差し上げたかったのね」
苦笑が零れる。
彼は私をお人好しだと言ったけれど、彼のほうがよっぽどお人好しだと思う。
「うーん」
座り続けて凝り固まった全身の筋肉をほぐすべく伸びをしてから、私は暇潰しに別館を散歩することにした。
まずは一階。
厨房には夕餉の支度中のネクターがいるはずだから、挨拶をしよう。
ちょっとした探検気分で歩き出した私は、大広間の中央で足を止めた。
首を傾けて頭上のシャンデリアを見上げる。
続いて金の手すりがついた階段に近づき、人差し指でつーっと手すりの表面を撫でてみる。
指には埃一つついていない。
「この屋敷に使用人と呼べる人間はネクター一人だけよね? リュオンは魔女として仕えながら従僕の真似事でもしているのかしら? それとも、定期的に本館から使用人が手伝いに来ている? そうでないと変よね。あそこの壺もシャンデリアもピカピカだもの。四人全員が力を合わせて掃除しないと、とてもこの清潔さは保てないはず」
しんとした大広間で一人、首を捻っていると。
「おれが『窓を開ければ自動的に小さなゴミや埃がまとめて飛んでいく』という魔法をかけてるからな。掃除の必要がないんだよ、この屋敷も本館も」
背後からリュオンの声がした。
「そんな便利な魔法があるの!? ブードゥー様の館にいた魔女はそんな魔法使ってなかったわよ!? 私を含めた侍女たちが毎日一生懸命、窓を磨いたり床を掃いたりしてたんだけど!」
驚きながら振り向くと、リュオンは私の前で足を止めた。
「おれが独自開発した魔法だ。魔法書にも載ってない」
「良かった。もしロドリーでは一般的な魔法だったのだとしたら、ブードゥー様の館にいた魔女は魔力惜しさにサボっていたのかと恨むところだったわ……って、そんなことよりリュオン、ユリウス様はどうしたの? まだ五分も経ってないでしょう? 何か問題でもあったの? もしかして元に戻せなかった?」
心配になって詰め寄ると、リュオンは急に私の手を掴んで見つめた。
「? 何? 私の手がどうかした?」
「……ふ。ふふ、あははははっ。全く、セラの力はとんでもないな! 出会った瞬間に気づいてはいたが、魔法を使って確信した! レアノールの人間が誰一人、それも十七年も気づかなかったなんて信じられない! こんな魔法を使う魔女なんて国中探してもきっといない! なあセラ、きっと今頃、イノーラは《国守りの魔女》の称号を失って見る影もなく落ちぶれてるよ。確認するまでもない。並の魔女か、下手したらそれ以下になってる」
リュオンは私の手を離し、愉快そうに笑っている。
言葉の意味も、彼の興奮ぶりも、私には全く理解不能だ。
「どうしてそんなことが言えるの? 本当にどうしたのリュオン。もしかしてユリウス様の魔法が解けなくて、ショックで少々おかしくなってしまったんじゃ……」
「大丈夫。おれはいたって正気だ。ユーリの魔法も無事解けたよ。いつもより遥かに早く。セラのおかげでな」
リュオンは笑んだまま私の頭を撫でた。
「……ねえ、わかるように説明して欲しいのだけれど……」
「後で説明するよ。ユーリも落ち着いたみたいだから、先に挨拶を済ませよう」
「??」
なんでリュオンが上機嫌なのかさっぱりわからないまま、私はサロンへと引き返す彼の背中を追った。
尻の下に分厚いクッションを敷いているとはいえ、座りっぱなしというのは辛い。
リュオンが気を利かせて持ってきてくれた本を読もうにも、利き手ではない左手でページをめくるのは地味に大変で、何度か本を落としそうになった。
そもそも片手を握られた状態で集中できるはずもない。
ユリウス様の顔色は青く、目の下には隈がある。
できる限り寝かせてあげたい、そう願う気持ちはリュオンと同じ。
でも、そろそろ限界だ。
右腕はとうに痺れて感覚もないし、腰も痛いし、起きて貰えないかなあ……。
祈るような心地でユリウス様のあどけない寝顔を眺めていると、不意にその長い睫毛が震えた。
――起きた!
「!」
ど、どうしよう。
長らくこのときを待っていたはずなのに、心臓が騒ぎ出す。
ユリウス様の瞼が持ち上がり、紫の瞳がまっすぐに私を捉える。
「…………」
寝起きのユリウス様は二、三度と瞬きを繰り返した。
数秒後に現実を認識したのだろう、紫の瞳が見開かれたその瞬間。
ユリウス様の身体は一瞬のうちに猫へと変化し、着ていた服がばさりと音を立ててソファに落ちた。
一匹の黒猫と化したユリウス様はもぞもぞと動いて身体にまとわりつくシャツから抜け出した。
それから四肢を突っ張って紫の瞳で私を見つめ、誰だお前といわんばかりに、ふしゃー!! と威嚇する。
耳を横に寝かせるようにピンと張り、尻尾を膨らませている!!
でも、女性である私が怖いらしく、黒猫はちょっぴり涙目で、おまけにガタガタ震えていたりした。
凄い、どこからどう見ても猫だ!!
人語は話せないようだし、これは猫にしか見えない!!
ああああなんて可愛いの……!!
私は感動に打ち震えた。
愛猫家の一人としては、ついつい、ご機嫌を取ってその艶やかな毛並みを撫で回したくなってしまう。
「猫になったユリウスを見るのは久しぶりだな」
ソファに座っていたリュオンが立ち上がってこちらへとやってきた。
「セラ、おれが呼ぶまで退室しててくれるか。人間に戻すための魔法陣は組み上げたが、それでも十分はかかると思う」
神秘的な光を放つ金色の魔法陣が彼の周囲を取り巻いている。
冗談のような大きさの魔法陣の中には直線や幾何学模様や文字に似た何かが異常なまでの密度で書き込まれていた。
ユリウス様が目覚めるまでの間、リュオンはソファに座って目を閉じ、ひたすらこの魔法陣を構築し続けていた。
国内に三人しかいない大魔導師であっても、魔法の解除には手間暇がかかる。
リュオンの話によれば、人間を変身させる魔法は空間転移に匹敵する超高難易度の魔法。
一般人にはその存在さえ秘匿された禁止魔法だ。
全ての魔法が自由に使えた混沌の時代、変身魔法に失敗して怪物となった魔女が暴走して国を滅ぼしたり、変身魔法を軍事転用した国が敵国の人間を異形へと変えたため、変身魔法の使い方は魔法書や文献に載っていない。
過去の悲劇を繰り返さないようレアノールでもロドリーでも変身魔法を記述した本は全て発禁本であり、発行者は例外なく処刑されている。
魔女の家系に生まれた私でさえ変身魔法の実在を知らなかった。
では何故リュオンが変身魔法を解除できるかというと、エンドリーネ伯爵が裏ルートで入手した古文書を読み込んだから。
古代語で書かれた本を読み解くには魔法の専門家でも舌を巻くような知識がいる。
たとえ苦労の末に読み解いたとしても、解除魔法には莫大な魔力が必要なため、並の魔女では発動不可能。
猫と化したユリウス様が役人に見つかる前にリュオンと巡り会えたことはエンドリーネ伯爵にとって僥倖だっただろう。
他人に変身魔法をかけられた被害者だと主張することで実刑を免れたとしても、ユリウス様は貴重な古代魔法の見本《サンプル》として魔法研究所に送られていた可能性が高い。
「わかったわ」
私は涙目のユリウス様に可愛らしく――いや、本人は至って真剣なようだから可愛いなんて言ったら失礼か――威嚇されつつ、言われた通りに部屋を出た。
パタンと扉を閉じた後、呟く。
「……変身魔法を解くのがあんなに大変だとわかっていて、それでもユリウス様を寝かせて差し上げたかったのね」
苦笑が零れる。
彼は私をお人好しだと言ったけれど、彼のほうがよっぽどお人好しだと思う。
「うーん」
座り続けて凝り固まった全身の筋肉をほぐすべく伸びをしてから、私は暇潰しに別館を散歩することにした。
まずは一階。
厨房には夕餉の支度中のネクターがいるはずだから、挨拶をしよう。
ちょっとした探検気分で歩き出した私は、大広間の中央で足を止めた。
首を傾けて頭上のシャンデリアを見上げる。
続いて金の手すりがついた階段に近づき、人差し指でつーっと手すりの表面を撫でてみる。
指には埃一つついていない。
「この屋敷に使用人と呼べる人間はネクター一人だけよね? リュオンは魔女として仕えながら従僕の真似事でもしているのかしら? それとも、定期的に本館から使用人が手伝いに来ている? そうでないと変よね。あそこの壺もシャンデリアもピカピカだもの。四人全員が力を合わせて掃除しないと、とてもこの清潔さは保てないはず」
しんとした大広間で一人、首を捻っていると。
「おれが『窓を開ければ自動的に小さなゴミや埃がまとめて飛んでいく』という魔法をかけてるからな。掃除の必要がないんだよ、この屋敷も本館も」
背後からリュオンの声がした。
「そんな便利な魔法があるの!? ブードゥー様の館にいた魔女はそんな魔法使ってなかったわよ!? 私を含めた侍女たちが毎日一生懸命、窓を磨いたり床を掃いたりしてたんだけど!」
驚きながら振り向くと、リュオンは私の前で足を止めた。
「おれが独自開発した魔法だ。魔法書にも載ってない」
「良かった。もしロドリーでは一般的な魔法だったのだとしたら、ブードゥー様の館にいた魔女は魔力惜しさにサボっていたのかと恨むところだったわ……って、そんなことよりリュオン、ユリウス様はどうしたの? まだ五分も経ってないでしょう? 何か問題でもあったの? もしかして元に戻せなかった?」
心配になって詰め寄ると、リュオンは急に私の手を掴んで見つめた。
「? 何? 私の手がどうかした?」
「……ふ。ふふ、あははははっ。全く、セラの力はとんでもないな! 出会った瞬間に気づいてはいたが、魔法を使って確信した! レアノールの人間が誰一人、それも十七年も気づかなかったなんて信じられない! こんな魔法を使う魔女なんて国中探してもきっといない! なあセラ、きっと今頃、イノーラは《国守りの魔女》の称号を失って見る影もなく落ちぶれてるよ。確認するまでもない。並の魔女か、下手したらそれ以下になってる」
リュオンは私の手を離し、愉快そうに笑っている。
言葉の意味も、彼の興奮ぶりも、私には全く理解不能だ。
「どうしてそんなことが言えるの? 本当にどうしたのリュオン。もしかしてユリウス様の魔法が解けなくて、ショックで少々おかしくなってしまったんじゃ……」
「大丈夫。おれはいたって正気だ。ユーリの魔法も無事解けたよ。いつもより遥かに早く。セラのおかげでな」
リュオンは笑んだまま私の頭を撫でた。
「……ねえ、わかるように説明して欲しいのだけれど……」
「後で説明するよ。ユーリも落ち着いたみたいだから、先に挨拶を済ませよう」
「??」
なんでリュオンが上機嫌なのかさっぱりわからないまま、私はサロンへと引き返す彼の背中を追った。
615
お気に入りに追加
1,698
あなたにおすすめの小説
婚約破棄された検品令嬢ですが、冷酷辺境伯の子を身籠りました。 でも本当はお優しい方で毎日幸せです
青空あかな
恋愛
旧題:「荷物検査など誰でもできる」と婚約破棄された検品令嬢ですが、極悪非道な辺境伯の子を身籠りました。でも本当はお優しい方で毎日心が癒されています
チェック男爵家長女のキュリティは、貴重な闇魔法の解呪師として王宮で荷物検査の仕事をしていた。
しかし、ある日突然婚約破棄されてしまう。
婚約者である伯爵家嫡男から、キュリティの義妹が好きになったと言われたのだ。
さらには、婚約者の権力によって検査係の仕事まで義妹に奪われる。
失意の中、キュリティは辺境へ向かうと、極悪非道と噂される辺境伯が魔法実験を行っていた。
目立たず通り過ぎようとしたが、魔法事故が起きて辺境伯の子を身ごもってしまう。
二人は形式上の夫婦となるが、辺境伯は存外優しい人でキュリティは温かい日々に心を癒されていく。
一方、義妹は仕事でミスばかり。
闇魔法を解呪することはおろか見破ることさえできない。
挙句の果てには、闇魔法に呪われた荷物を王宮内に入れてしまう――。
※おかげさまでHOTランキング1位になりました! ありがとうございます!
※ノベマ!様で短編版を掲載中でございます。
婚約者を義妹に奪われましたが貧しい方々への奉仕活動を怠らなかったおかげで、世界一大きな国の王子様と結婚できました
青空あかな
恋愛
アトリス王国の有名貴族ガーデニー家長女の私、ロミリアは亡きお母様の教えを守り、回復魔法で貧しい人を治療する日々を送っている。
しかしある日突然、この国の王子で婚約者のルドウェン様に婚約破棄された。
「ロミリア、君との婚約を破棄することにした。本当に申し訳ないと思っている」
そう言う(元)婚約者が新しく選んだ相手は、私の<義妹>ダーリー。さらには失意のどん底にいた私に、実家からの追放という仕打ちが襲い掛かる。
実家に別れを告げ、国境目指してトボトボ歩いていた私は、崖から足を踏み外してしまう。
落ちそうな私を助けてくれたのは、以前ケガを治した旅人で、彼はなんと世界一の超大国ハイデルベルク王国の王子だった。そのままの勢いで求婚され、私は彼と結婚することに。
一方、私がいなくなったガーデニー家やルドウェン様の評判はガタ落ちになる。そして、召使いがいなくなったガーデニー家に怪しい影が……。
※『小説家になろう』様と『カクヨム』様でも掲載しております
聖なる言霊を小言と馬鹿にされ婚約破棄されましたが、普段通りに仕事していたら辺境伯様に溺愛されています
青空あかな
恋愛
男爵令嬢のポーラは、詩を詠うことで願った現象を起こす【言霊】という珍しいスキルを持っていた。
スキルを活かし、家の離れで人々の悩みを解決する”言霊館”というお店を開いて、家計を助ける毎日を送る。
そんなポーラは婚約者と義妹たちにも【言霊】スキルで平穏な日々を願っていたが、ある日「小言が多い」と婚約破棄され、家を追い出されてしまう。
ポーラと同じ言葉のスキルを持つ義妹に店を奪われ、挙句の果てには、辺境伯のメイドに勝手に募集に出されていた。
“寡黙の辺境伯”という、誰とも話さず、何を考えているのかわからないと恐怖される辺境伯の屋敷に……。
ポーラは恐れながら屋敷へ行くも、【言霊】スキルの特別な力を示し、無事メイドとして勤めることになる。
屋敷で暮らすようになってから、フェンリルの病気を癒したり、街の火事を静めたり、枯れそうな古代樹を救ったり……ポーラは【言霊】スキルで屋敷の問題を次々と解決する。
日々、他人のため、そして辺境伯のために頑張るポーラを、“寡黙の辺境伯”は静かに溺愛し始める。
一方、義妹たちの毎日は、ポーラを追い出してから少しずつ暗い影が差す。
お店をポーラから奪うも、最初のお客さんである少女の大切な花を枯らして泣かす始末。
義妹のスキルは他人を不幸にするスキルだった。
ついには王様の持病をも悪化させ、瀕死の状態にさせてしまう。
※HOTランキング2位、ありがとうございます!
【完結】私のことを愛さないと仰ったはずなのに 〜家族に虐げれ、妹のワガママで婚約破棄をされた令嬢は、新しい婚約者に溺愛される〜
ゆうき@初書籍化作品発売中
恋愛
とある子爵家の長女であるエルミーユは、家長の父と使用人の母から生まれたことと、常人離れした記憶力を持っているせいで、幼い頃から家族に嫌われ、酷い暴言を言われたり、酷い扱いをされる生活を送っていた。
エルミーユには、十歳の時に決められた婚約者がおり、十八歳になったら家を出て嫁ぐことが決められていた。
地獄のような家を出るために、なにをされても気丈に振舞う生活を送り続け、無事に十八歳を迎える。
しかし、まだ婚約者がおらず、エルミーユだけ結婚するのが面白くないと思った、ワガママな異母妹の策略で騙されてしまった婚約者に、婚約破棄を突き付けられてしまう。
突然結婚の話が無くなり、落胆するエルミーユは、とあるパーティーで伯爵家の若き家長、ブラハルトと出会う。
社交界では彼の恐ろしい噂が流れており、彼は孤立してしまっていたが、少し話をしたエルミーユは、彼が噂のような恐ろしい人ではないと気づき、一緒にいてとても居心地が良いと感じる。
そんなブラハルトと、互いの結婚事情について話した後、互いに利益があるから、婚約しようと持ち出される。
喜んで婚約を受けるエルミーユに、ブラハルトは思わぬことを口にした。それは、エルミーユのことは愛さないというものだった。
それでも全然構わないと思い、ブラハルトとの生活が始まったが、愛さないという話だったのに、なぜか溺愛されてしまい……?
⭐︎全56話、最終話まで予約投稿済みです。小説家になろう様にも投稿しております。2/16女性HOTランキング1位ありがとうございます!⭐︎
婚約破棄をされ、父に追放まで言われた私は、むしろ喜んで出て行きます! ~家を出る時に一緒に来てくれた執事の溺愛が始まりました~
ゆうき@初書籍化作品発売中
恋愛
男爵家の次女として生まれたシエルは、姉と妹に比べて平凡だからという理由で、父親や姉妹からバカにされ、虐げられる生活を送っていた。
そんな生活に嫌気がさしたシエルは、とある計画を考えつく。それは、婚約者に社交界で婚約を破棄してもらい、その責任を取って家を出て、自由を手に入れるというものだった。
シエルの専属の執事であるラルフや、幼い頃から実の兄のように親しくしてくれていた婚約者の協力の元、シエルは無事に婚約を破棄され、父親に見捨てられて家を出ることになった。
ラルフも一緒に来てくれることとなり、これで念願の自由を手に入れたシエル。しかし、シエルにはどこにも行くあてはなかった。
それをラルフに伝えると、隣の国にあるラルフの故郷に行こうと提案される。
それを承諾したシエルは、これからの自由で幸せな日々を手に入れられると胸を躍らせていたが、その幸せは家族によって邪魔をされてしまう。
なんと、家族はシエルとラルフを広大な湖に捨て、自らの手を汚さずに二人を亡き者にしようとしていた――
☆誤字脱字が多いですが、見つけ次第直しますのでご了承ください☆
☆全文字はだいたい14万文字になっています☆
☆完結まで予約済みなので、エタることはありません!☆
【完結】 私を忌み嫌って義妹を贔屓したいのなら、家を出て行くのでお好きにしてください
ゆうき@初書籍化作品発売中
恋愛
苦しむ民を救う使命を持つ、国のお抱えの聖女でありながら、悪魔の子と呼ばれて忌み嫌われている者が持つ、赤い目を持っているせいで、民に恐れられ、陰口を叩かれ、家族には忌み嫌われて劣悪な環境に置かれている少女、サーシャはある日、義妹が屋敷にやってきたことをきっかけに、聖女の座と婚約者を義妹に奪われてしまった。
義父は義妹を贔屓し、なにを言っても聞き入れてもらえない。これでは聖女としての使命も、幼い頃にとある男の子と交わした誓いも果たせない……そう思ったサーシャは、誰にも言わずに外の世界に飛び出した。
外の世界に出てから間もなく、サーシャも知っている、とある家からの捜索願が出されていたことを知ったサーシャは、急いでその家に向かうと、その家のご子息様に迎えられた。
彼とは何度か社交界で顔を合わせていたが、なぜかサーシャにだけは冷たかった。なのに、出会うなりサーシャのことを抱きしめて、衝撃の一言を口にする。
「おお、サーシャ! 我が愛しの人よ!」
――これは一人の少女が、溺愛されながらも、聖女の使命と大切な人との誓いを果たすために奮闘しながら、愛を育む物語。
⭐︎小説家になろう様にも投稿されています⭐︎
悪役令嬢とバレて、仕方ないから本性をむき出す
岡暁舟
恋愛
第一王子に嫁ぐことが決まってから、一年間必死に修行したのだが、どうやら王子は全てを見破っていたようだ。婚約はしないと言われてしまった公爵令嬢ビッキーは、本性をむき出しにし始めた……。
婚約破棄ですか???実家からちょうど帰ってこいと言われたので好都合です!!!これからは復讐をします!!!~どこにでもある普通の令嬢物語~
tartan321
恋愛
婚約破棄とはなかなか考えたものでございますね。しかしながら、私はもう帰って来いと言われてしまいました。ですから、帰ることにします。これで、あなた様の口うるさい両親や、その他の家族の皆様とも顔を合わせることがないのですね。ラッキーです!!!
壮大なストーリーで奏でる、感動的なファンタジーアドベンチャーです!!!!!最後の涙の理由とは???
一度完結といたしました。続編は引き続き書きたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる