2 / 47
02:串焼きと侍女
しおりを挟む
ロドリー王国は夏の初め。
空は青く澄み渡り、街路樹の若葉は誇らしげに風に揺れる。
公園では子どもたちが駆け回り、恋人たちがベンチで愛を囁き合う。
ラスファルの街は至って平和で、道行く人々は誰も彼もが幸せそうに見えるというのに。
私は失意のどん底にいた。
とある富豪の館で住み込みの侍女として働いていた私は、ついさきほどその職を失い、罵倒の言葉と共に館から追い出された。
荷物は左手に下げた鞄一つ。
着替えの服とはした金しか入っていない財布、それからお気に入りの本が一冊。
所持品はそれだけだ。
旦那様は紹介状をくれなかったから、次の仕事の当てはない。
いやまあ、あの状況で紹介状なんて書いてもらえるわけがないんだけども。
大いに差し迫った状況である。
これからどうやって生活していけばいいんだろう……先が見えない。真っ暗だ。
職業斡旋所に行かないと……でも、家のない私を雇ってくれる人はいるかしら。
肩を落とし、人でごった返した市場を歩く。
道の左右には露店商人たちが列を作り、威勢のいい呼び込みの声があちらこちらから上がっている。
商品は瑞々しい野菜や果物、焼き菓子や乾物、果実水など、多種多様だ。
視覚よりも嗅覚が強く食欲を刺激する。
甘い焼き菓子や香辛料の香り、特に焼かれる肉の香りは堪らない。
じゅうじゅうと煙を上げる屋台の串焼きを見て、お腹の虫が鳴る。
追い出されるにしても、せめて昼食を食べた後にしてほしかった。
今日は朝が早かったから、お腹が減って仕方ない。
気づかないうちに私は屋台の前で足を止めていた。
通行人の邪魔にならないよう、屋台のすぐ近くに寄り、無言で喉を鳴らす。
食べたい。猛烈に食べたい。
涎が零れてしまいそう。
でも、ただでさえ少ないお金を無駄遣いするわけにはいかない。
困窮している庶民が厚切りの豚肉なんて贅沢すぎる。
駄目よセラ、冷静になるの……。
「じいさん、串焼き一つ」
「あいよ。一本百デリルだ」
頭の中で食欲と理性が壮絶な戦いを繰り広げている一方、ちょうど通りがかった中年男性が無愛想な初老の商人から串焼きを買った。
「やっぱりログじいさんの串焼きは最高だなァ……塩加減が絶妙で……」
目尻を下げ、頬を緩ませ、中年男性はぶつぶつ呟いている。
その言葉が嘘ではない証拠に、彼は口の周りを肉汁で汚しながら豪快に串焼きを平らげていった。
店先で美味しそうに串焼きを食べる彼の姿はこれ以上ない宣伝になったらしく、俺も、私も、と次々に客が押し寄せる。
店の周囲で串焼きを頬張る客たちの幸せそうな表情といったら。
「………………」
もはや辛抱堪らず、私は財布を鞄から取り出し、所持金を確認した。
――百デリルならギリギリ足りる!
「私も一本ください!」
私はほとんど全財産である硬貨を握り締め、差し出した。
「あいよ」
初老の商人はお金を受け取り、串焼きを私に渡した。
湯気を立てる串焼きを見下ろして、ごくりと唾を飲み込む。
次はいつ食事にありつけるかわからない。心して食べよう。
――いざ!
大きく口を開いたその瞬間、斜め後ろから通行人に押された。
ほとんど突き飛ばされるほどの衝撃を受けて、大きく体勢が崩れ、右手から串が離れた。
串が地面へ落ちて行く様子が酷くゆっくり見える。
引き伸ばされた時間感覚が正常に戻ったとき、串焼きは見るも無残な墜落死体と化していた。
「あああああああああ――っ!!」
十七年生きていてこれほど悲痛な悲鳴を上げたのは初めてだ。
あまりのことに膝を落とし、四つん這いになって串焼きを見下ろす。
愛しの串焼きは砂に塗れてしまっている。
いいえ、なんのこれしき、洗えば食べられる!
たとえ塩が洗い流され、味がなくなっても肉は肉!
人間、食べなきゃ死ぬんだから!
他人の視線が何よ、矜持で腹は膨れない!
恥も外聞もかなぐり捨てて手を伸ばす。
けれど、私が拾い上げる前に、串焼きは通行人の足によって踏み潰された。
「ああっ!?」
「うわ、なんか踏んだ。汚ねえ」
若い男性は顔をしかめ、靴の底を何度か地面にこすりつけて去っていった。
「………………あああ……」
終わった。
四つん這いになったまま、私は伸ばしかけた手を下ろし、深く深く項垂れた。
いくら空腹とはいえ、さすがに他人の靴で踏み潰された串焼きを食べようとは思えない。
私の全財産が……貴重な栄養源が……。
「大丈夫ですか? すみません、ぶつかってしまって……」
申し訳なさそうに屈んで声をかけてきたのは、左手に茶色い袋を抱えた端正な顔立ちの男性だった。
こちらを見て、彼は驚いたようにその目を大きくした。
長身に纏うのは仕立ての良い上等な濃紺のローブ。
茶色にたっぷり灰色を混ぜたような美しいサンディ・ブロンド。
深い海を思わせる紺碧の瞳。
その青い虹彩に金色の環――通称|《魔力環》が浮かんでいるのを見て、私もまた驚きに目を見張った。
――私や妹と同じ魔女なんだ、この人。
魔女とは魔力を持った者の総称。
遠い昔、創造神オルガは「相互扶助の精神を持って、良き隣人となりなさい」と唱えて人間と魔女を作ったという。
混血を繰り返すうちに女性だけではなく男性の魔女も生まれるようになったけれど、男性の魔女は非常に珍しい。
私自身、人生で男性の魔女に会ったのはこれで二回目だ。
偶然にも、初めて男性――正確には年端も行かない男の子の魔女に会ったのは八年前、このロドリー王国の王都でのことだった。
男性の魔女の魔力は大抵が平均値を保つ女性に比べて極端に高いか低いかのどちらかだ。
視線を落として確認してみれば、彼が首に下げている金のペンダントは魔女の最高位『大魔導師』を表していた。
「…………!!」
私は今度こそ、極限まで目を剥いた。
凄い!
『大魔導師』の称号を持つ魔女は国内にたった三人しかいないのに、まさか会える日が来るなんて!!
でも、なんでこんなところにいるんだろう?
『大魔導師』たる魔女なら王宮仕えをしていてもおかしくないけど、街の有力者にでも仕えているんだろうか?
王侯貴族や富豪は一種のステータスとして魔女を側に置く者が多い。
事実、私の主人も一人の魔女を仕えさせていた。
けれど、彼が何者かなんてことより大事なのは彼の発言。
『ぶつかった』ということは、彼が犯人で確定。
空は青く澄み渡り、街路樹の若葉は誇らしげに風に揺れる。
公園では子どもたちが駆け回り、恋人たちがベンチで愛を囁き合う。
ラスファルの街は至って平和で、道行く人々は誰も彼もが幸せそうに見えるというのに。
私は失意のどん底にいた。
とある富豪の館で住み込みの侍女として働いていた私は、ついさきほどその職を失い、罵倒の言葉と共に館から追い出された。
荷物は左手に下げた鞄一つ。
着替えの服とはした金しか入っていない財布、それからお気に入りの本が一冊。
所持品はそれだけだ。
旦那様は紹介状をくれなかったから、次の仕事の当てはない。
いやまあ、あの状況で紹介状なんて書いてもらえるわけがないんだけども。
大いに差し迫った状況である。
これからどうやって生活していけばいいんだろう……先が見えない。真っ暗だ。
職業斡旋所に行かないと……でも、家のない私を雇ってくれる人はいるかしら。
肩を落とし、人でごった返した市場を歩く。
道の左右には露店商人たちが列を作り、威勢のいい呼び込みの声があちらこちらから上がっている。
商品は瑞々しい野菜や果物、焼き菓子や乾物、果実水など、多種多様だ。
視覚よりも嗅覚が強く食欲を刺激する。
甘い焼き菓子や香辛料の香り、特に焼かれる肉の香りは堪らない。
じゅうじゅうと煙を上げる屋台の串焼きを見て、お腹の虫が鳴る。
追い出されるにしても、せめて昼食を食べた後にしてほしかった。
今日は朝が早かったから、お腹が減って仕方ない。
気づかないうちに私は屋台の前で足を止めていた。
通行人の邪魔にならないよう、屋台のすぐ近くに寄り、無言で喉を鳴らす。
食べたい。猛烈に食べたい。
涎が零れてしまいそう。
でも、ただでさえ少ないお金を無駄遣いするわけにはいかない。
困窮している庶民が厚切りの豚肉なんて贅沢すぎる。
駄目よセラ、冷静になるの……。
「じいさん、串焼き一つ」
「あいよ。一本百デリルだ」
頭の中で食欲と理性が壮絶な戦いを繰り広げている一方、ちょうど通りがかった中年男性が無愛想な初老の商人から串焼きを買った。
「やっぱりログじいさんの串焼きは最高だなァ……塩加減が絶妙で……」
目尻を下げ、頬を緩ませ、中年男性はぶつぶつ呟いている。
その言葉が嘘ではない証拠に、彼は口の周りを肉汁で汚しながら豪快に串焼きを平らげていった。
店先で美味しそうに串焼きを食べる彼の姿はこれ以上ない宣伝になったらしく、俺も、私も、と次々に客が押し寄せる。
店の周囲で串焼きを頬張る客たちの幸せそうな表情といったら。
「………………」
もはや辛抱堪らず、私は財布を鞄から取り出し、所持金を確認した。
――百デリルならギリギリ足りる!
「私も一本ください!」
私はほとんど全財産である硬貨を握り締め、差し出した。
「あいよ」
初老の商人はお金を受け取り、串焼きを私に渡した。
湯気を立てる串焼きを見下ろして、ごくりと唾を飲み込む。
次はいつ食事にありつけるかわからない。心して食べよう。
――いざ!
大きく口を開いたその瞬間、斜め後ろから通行人に押された。
ほとんど突き飛ばされるほどの衝撃を受けて、大きく体勢が崩れ、右手から串が離れた。
串が地面へ落ちて行く様子が酷くゆっくり見える。
引き伸ばされた時間感覚が正常に戻ったとき、串焼きは見るも無残な墜落死体と化していた。
「あああああああああ――っ!!」
十七年生きていてこれほど悲痛な悲鳴を上げたのは初めてだ。
あまりのことに膝を落とし、四つん這いになって串焼きを見下ろす。
愛しの串焼きは砂に塗れてしまっている。
いいえ、なんのこれしき、洗えば食べられる!
たとえ塩が洗い流され、味がなくなっても肉は肉!
人間、食べなきゃ死ぬんだから!
他人の視線が何よ、矜持で腹は膨れない!
恥も外聞もかなぐり捨てて手を伸ばす。
けれど、私が拾い上げる前に、串焼きは通行人の足によって踏み潰された。
「ああっ!?」
「うわ、なんか踏んだ。汚ねえ」
若い男性は顔をしかめ、靴の底を何度か地面にこすりつけて去っていった。
「………………あああ……」
終わった。
四つん這いになったまま、私は伸ばしかけた手を下ろし、深く深く項垂れた。
いくら空腹とはいえ、さすがに他人の靴で踏み潰された串焼きを食べようとは思えない。
私の全財産が……貴重な栄養源が……。
「大丈夫ですか? すみません、ぶつかってしまって……」
申し訳なさそうに屈んで声をかけてきたのは、左手に茶色い袋を抱えた端正な顔立ちの男性だった。
こちらを見て、彼は驚いたようにその目を大きくした。
長身に纏うのは仕立ての良い上等な濃紺のローブ。
茶色にたっぷり灰色を混ぜたような美しいサンディ・ブロンド。
深い海を思わせる紺碧の瞳。
その青い虹彩に金色の環――通称|《魔力環》が浮かんでいるのを見て、私もまた驚きに目を見張った。
――私や妹と同じ魔女なんだ、この人。
魔女とは魔力を持った者の総称。
遠い昔、創造神オルガは「相互扶助の精神を持って、良き隣人となりなさい」と唱えて人間と魔女を作ったという。
混血を繰り返すうちに女性だけではなく男性の魔女も生まれるようになったけれど、男性の魔女は非常に珍しい。
私自身、人生で男性の魔女に会ったのはこれで二回目だ。
偶然にも、初めて男性――正確には年端も行かない男の子の魔女に会ったのは八年前、このロドリー王国の王都でのことだった。
男性の魔女の魔力は大抵が平均値を保つ女性に比べて極端に高いか低いかのどちらかだ。
視線を落として確認してみれば、彼が首に下げている金のペンダントは魔女の最高位『大魔導師』を表していた。
「…………!!」
私は今度こそ、極限まで目を剥いた。
凄い!
『大魔導師』の称号を持つ魔女は国内にたった三人しかいないのに、まさか会える日が来るなんて!!
でも、なんでこんなところにいるんだろう?
『大魔導師』たる魔女なら王宮仕えをしていてもおかしくないけど、街の有力者にでも仕えているんだろうか?
王侯貴族や富豪は一種のステータスとして魔女を側に置く者が多い。
事実、私の主人も一人の魔女を仕えさせていた。
けれど、彼が何者かなんてことより大事なのは彼の発言。
『ぶつかった』ということは、彼が犯人で確定。
578
お気に入りに追加
1,689
あなたにおすすめの小説
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。

婚約破棄をされ、父に追放まで言われた私は、むしろ喜んで出て行きます! ~家を出る時に一緒に来てくれた執事の溺愛が始まりました~
ゆうき
恋愛
男爵家の次女として生まれたシエルは、姉と妹に比べて平凡だからという理由で、父親や姉妹からバカにされ、虐げられる生活を送っていた。
そんな生活に嫌気がさしたシエルは、とある計画を考えつく。それは、婚約者に社交界で婚約を破棄してもらい、その責任を取って家を出て、自由を手に入れるというものだった。
シエルの専属の執事であるラルフや、幼い頃から実の兄のように親しくしてくれていた婚約者の協力の元、シエルは無事に婚約を破棄され、父親に見捨てられて家を出ることになった。
ラルフも一緒に来てくれることとなり、これで念願の自由を手に入れたシエル。しかし、シエルにはどこにも行くあてはなかった。
それをラルフに伝えると、隣の国にあるラルフの故郷に行こうと提案される。
それを承諾したシエルは、これからの自由で幸せな日々を手に入れられると胸を躍らせていたが、その幸せは家族によって邪魔をされてしまう。
なんと、家族はシエルとラルフを広大な湖に捨て、自らの手を汚さずに二人を亡き者にしようとしていた――
☆誤字脱字が多いですが、見つけ次第直しますのでご了承ください☆
☆全文字はだいたい14万文字になっています☆
☆完結まで予約済みなので、エタることはありません!☆
公爵令嬢アナスタシアの華麗なる鉄槌
招杜羅147
ファンタジー
「婚約は破棄だ!」
毒殺容疑の冤罪で、婚約者の手によって投獄された公爵令嬢・アナスタシア。
彼女は獄中死し、それによって3年前に巻き戻る。
そして…。
婚約破棄されましたが、帝国皇女なので元婚約者は投獄します
けんゆう
ファンタジー
「お前のような下級貴族の養女など、もう不要だ!」
五年間、婚約者として尽くしてきたフィリップに、冷たく告げられたソフィア。
他の貴族たちからも嘲笑と罵倒を浴び、社交界から追放されかける。
だが、彼らは知らなかった――。
ソフィアは、ただの下級貴族の養女ではない。
そんな彼女の元に届いたのは、隣国からお兄様が、貿易利権を手土産にやってくる知らせ。
「フィリップ様、あなたが何を捨てたのかーー思い知らせて差し上げますわ!」
逆襲を決意し、華麗に着飾ってパーティーに乗り込んだソフィア。
「妹を侮辱しただと? 極刑にすべきはお前たちだ!」
ブチギレるお兄様。
貴族たちは青ざめ、王国は崩壊寸前!?
「ざまぁ」どころか 国家存亡の危機 に!?
果たしてソフィアはお兄様の暴走を止め、自由な未来を手に入れられるか?
「私の未来は、私が決めます!」
皇女の誇りをかけた逆転劇、ここに開幕!
この度、猛獣公爵の嫁になりまして~厄介払いされた令嬢は旦那様に溺愛されながら、もふもふ達と楽しくモノづくりライフを送っています~
柚木崎 史乃
ファンタジー
名門伯爵家の次女であるコーデリアは、魔力に恵まれなかったせいで双子の姉であるビクトリアと比較されて育った。
家族から疎まれ虐げられる日々に、コーデリアの心は疲弊し限界を迎えていた。
そんな時、どういうわけか縁談を持ちかけてきた貴族がいた。彼の名はジェイド。社交界では、「猛獣公爵」と呼ばれ恐れられている存在だ。
というのも、ある日を境に文字通り猛獣の姿へと変わってしまったらしいのだ。
けれど、いざ顔を合わせてみると全く怖くないどころか寧ろ優しく紳士で、その姿も動物が好きなコーデリアからすれば思わず触りたくなるほど毛並みの良い愛らしい白熊であった。
そんな彼は月に数回、人の姿に戻る。しかも、本来の姿は類まれな美青年なものだから、コーデリアはその度にたじたじになってしまう。
ジェイド曰くここ数年、公爵領では鉱山から流れてくる瘴気が原因で獣の姿になってしまう奇病が流行っているらしい。
それを知ったコーデリアは、瘴気の影響で不便な生活を強いられている領民たちのために鉱石を使って次々と便利な魔導具を発明していく。
そして、ジェイドからその才能を評価され知らず知らずのうちに溺愛されていくのであった。
一方、コーデリアを厄介払いした家族は悪事が白日のもとに晒された挙句、王家からも見放され窮地に追い込まれていくが……。
これは、虐げられていた才女が嫁ぎ先でその才能を発揮し、周囲の人々に無自覚に愛され幸せになるまでを描いた物語。
他サイトでも掲載中。

婚約者を義妹に奪われましたが貧しい方々への奉仕活動を怠らなかったおかげで、世界一大きな国の王子様と結婚できました
青空あかな
恋愛
アトリス王国の有名貴族ガーデニー家長女の私、ロミリアは亡きお母様の教えを守り、回復魔法で貧しい人を治療する日々を送っている。
しかしある日突然、この国の王子で婚約者のルドウェン様に婚約破棄された。
「ロミリア、君との婚約を破棄することにした。本当に申し訳ないと思っている」
そう言う(元)婚約者が新しく選んだ相手は、私の<義妹>ダーリー。さらには失意のどん底にいた私に、実家からの追放という仕打ちが襲い掛かる。
実家に別れを告げ、国境目指してトボトボ歩いていた私は、崖から足を踏み外してしまう。
落ちそうな私を助けてくれたのは、以前ケガを治した旅人で、彼はなんと世界一の超大国ハイデルベルク王国の王子だった。そのままの勢いで求婚され、私は彼と結婚することに。
一方、私がいなくなったガーデニー家やルドウェン様の評判はガタ落ちになる。そして、召使いがいなくなったガーデニー家に怪しい影が……。
※『小説家になろう』様と『カクヨム』様でも掲載しております

【完結】私のことを愛さないと仰ったはずなのに 〜家族に虐げれ、妹のワガママで婚約破棄をされた令嬢は、新しい婚約者に溺愛される〜
ゆうき
恋愛
とある子爵家の長女であるエルミーユは、家長の父と使用人の母から生まれたことと、常人離れした記憶力を持っているせいで、幼い頃から家族に嫌われ、酷い暴言を言われたり、酷い扱いをされる生活を送っていた。
エルミーユには、十歳の時に決められた婚約者がおり、十八歳になったら家を出て嫁ぐことが決められていた。
地獄のような家を出るために、なにをされても気丈に振舞う生活を送り続け、無事に十八歳を迎える。
しかし、まだ婚約者がおらず、エルミーユだけ結婚するのが面白くないと思った、ワガママな異母妹の策略で騙されてしまった婚約者に、婚約破棄を突き付けられてしまう。
突然結婚の話が無くなり、落胆するエルミーユは、とあるパーティーで伯爵家の若き家長、ブラハルトと出会う。
社交界では彼の恐ろしい噂が流れており、彼は孤立してしまっていたが、少し話をしたエルミーユは、彼が噂のような恐ろしい人ではないと気づき、一緒にいてとても居心地が良いと感じる。
そんなブラハルトと、互いの結婚事情について話した後、互いに利益があるから、婚約しようと持ち出される。
喜んで婚約を受けるエルミーユに、ブラハルトは思わぬことを口にした。それは、エルミーユのことは愛さないというものだった。
それでも全然構わないと思い、ブラハルトとの生活が始まったが、愛さないという話だったのに、なぜか溺愛されてしまい……?
⭐︎全56話、最終話まで予約投稿済みです。小説家になろう様にも投稿しております。2/16女性HOTランキング1位ありがとうございます!⭐︎
どうも、死んだはずの悪役令嬢です。
西藤島 みや
ファンタジー
ある夏の夜。公爵令嬢のアシュレイは王宮殿の舞踏会で、婚約者のルディ皇子にいつも通り罵声を浴びせられていた。
皇子の罵声のせいで、男にだらしなく浪費家と思われて王宮殿の使用人どころか通っている学園でも遠巻きにされているアシュレイ。
アシュレイの誕生日だというのに、エスコートすら放棄して、皇子づきのメイドのミュシャに気を遣うよう求めてくる皇子と取り巻き達に、呆れるばかり。
「幼馴染みだかなんだかしらないけれど、もう限界だわ。あの人達に罰があたればいいのに」
こっそり呟いた瞬間、
《願いを聞き届けてあげるよ!》
何故か全くの別人になってしまっていたアシュレイ。目の前で、アシュレイが倒れて意識不明になるのを見ることになる。
「よくも、義妹にこんなことを!皇子、婚約はなかったことにしてもらいます!」
義父と義兄はアシュレイが状況を理解する前に、アシュレイの体を持ち去ってしまう。
今までミュシャを崇めてアシュレイを冷遇してきた取り巻き達は、次々と不幸に巻き込まれてゆき…ついには、ミュシャや皇子まで…
ひたすら一人づつざまあされていくのを、呆然と見守ることになってしまった公爵令嬢と、怒り心頭の義父と義兄の物語。
はたしてアシュレイは元に戻れるのか?
剣と魔法と妖精の住む世界の、まあまあよくあるざまあメインの物語です。
ざまあが書きたかった。それだけです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる