上 下
55 / 79
第3章 聴講生になったので、自由にします!

王都にて

しおりを挟む



  王都に戻る事なんか、直ぐなので、ジョセフィアのギルドに報告後、直ぐに移動したんだけど……

  飛行型の召喚獣に乗って移動する時間までは、王都の側の森で採集と狩りをしてた。

  あっちでも雪が降り積もってたけど、王都近辺でもだった。

  その為か、冒険者たちが活動してる雰囲気の足跡もなく、あるのはホーンラビが多い。

  雪が降って直ぐに、茶色の毛並みが冬毛の白に変わるので、見付け難くなるけど、毛皮としては白の方が高値で取引してくれるから、狩るなら今なのに……

  それに、肉質も秋にいっぱい食べて肥えてるから、美味しいのに。

  レイトルなんて、自分の庭みたいなもんだから、嬉しそうに駆け回ってる。


  時間を潰した後、王都に入って、グラニエール薬屋に行けば、何やら、婆ちゃんにはジロジロ見られた。

  「谷のダンジョンから戻って直ぐか?」

  「うん、そうだよ。はい、コレ風邪薬の薬草」

  そう言いながら、採集して来た薬草を次々に出してたら、何やら息を吐きながら直し始めた。

  「今からどうするんじゃ?」

  「このあとは……辺境伯領の新しい上級ダンジョンが気になるから戻るよ」

  思案気味に聞かれたけど、自分の予定は決まってる。

  まあ、戻る前に、オバサンじゃなくお姉さんの店とコーデリアのサロンに行って、在庫だけ確かめに行くけどね。

  「そうか」という婆ちゃんに、要る物あったら連絡してねーと言って、店を出て来た。

  んだけど……

  何か様子が変なのは何なんだろ?


  オバサンことお姉さんの処でも、在庫チェックしてれば、一時は減った貴族の令嬢と思われる者たちが居て、思わず首を傾げた。

  だって、コーデリアのサロンで出禁にならない限り、サロンに通った方がステータスにもなるから良いだろうに……

  何でだ?

  「何か聞いてる?」とお姉さんに聞いても、口は重いみたいで、何やら渋ってる。


  コーデリアのサロンに行けば、貴族の令嬢はいつも以上に居て、繁盛してるみたいだった。

  コーデリアが居なくても、回してる店長やメイドが居れば、店は回るので……

  「在庫はどう?」と聞けば、減って来てる物は既にリストアップされてた。

  ので、足りない物を補充して行ってたんだけど……

  「コーデリア様、本当に、辺境領に行ってしまわれるのかしら?」

  「嫁がれても、サロンは残されるかもしれませんわ」

  レストルームにでも行ってたのか、そう話してる令嬢方が居て……

  「辺境伯領は遠いですが、ロッテンマイヤー家も南の辺境みたいなものよ」

  「どちらにしても、お相手、ヴィルジーク様よ。上手くやったものよねえ」

  僻み妬みでもあるのか、くすくすと笑う声が黒く聞こえた。




しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【完結】婚姻無効になったので新しい人生始めます~前世の記憶を思い出して家を出たら、愛も仕事も手に入れて幸せになりました~

Na20
恋愛
セレーナは嫁いで三年が経ってもいまだに旦那様と使用人達に受け入れられないでいた。 そんな時頭をぶつけたことで前世の記憶を思い出し、家を出ていくことを決意する。 「…そうだ、この結婚はなかったことにしよう」 ※ご都合主義、ふんわり設定です ※小説家になろう様にも掲載しています

浮気をした王太子が、真実を見つけた後の十日間

田尾風香
恋愛
婚姻式の当日に出会った侍女を、俺は側に置いていた。浮気と言われても仕方がない。ズレてしまった何かを、どう戻していいかが分からない。声には出せず「助けてくれ」と願う日々。 そんな中、風邪を引いたことがきっかけで、俺は自分が掴むべき手を見つけた。その掴むべき手……王太子妃であり妻であるマルティエナに、謝罪をした俺に許す条件として突きつけられたのは「十日間、マルティエナの好きなものを贈ること」だった。

あんなことをしたのですから、何をされても文句は言えませんよね?

柚木ゆず
恋愛
 ウチことクロフフォーラ伯爵家は金銭面でとても苦しい状況にあり、何かしらの手を打たないとわたしの次か次の代で破産しかねない状態となっていました。にもかかわらず肝心の父、母、妹も、『自分さえ幸せならどうでもいい』と考えていて、対策を練ることなく日々好き放題していました。  このままでは家が大変なことになってしまう。そこでわたしは9歳の頃に、国家資格である『1級薬師』を取得してオリジナルの薬を作り、その製造と販売でクロフフォーラ家を守ろうと決意しました。  それから5年後にわたしは14歳で1級薬師となり、24歳で薬の開発に成功。侍女や使用人がサポートしてくれたおかげで無事目標を達成することができた、のですが――。父と母と妹はわたしを屋敷から追い出し、薬に関する利益をすべて自分達のものにしようとし始めたのでした。  ……そういうことをするのでしたら、こちらにも考えがあります。  全員、覚悟してくださいね?  ※体調不良の影響で現在最新のお話以外の感想欄を、一時的に閉じております。なにかございましたら、お手数ではございますが、そちらにお願い致します。

二人の公爵令嬢 どうやら愛されるのはひとりだけのようです【完結】

矢野りと
恋愛
ある日、マーコック公爵家の屋敷から一歳になったばかりの娘の姿が忽然と消えた。 それから十六年後、リディアは自分が公爵令嬢だと知る。 本当の家族と感動の再会を果たし、温かく迎え入れられたリディア。 しかし、公爵家には自分と同じ年齢、同じ髪の色、同じ瞳の子がすでにいた。その子はリディアの身代わりとして縁戚から引き取られた養女だった。 『シャロンと申します、お姉様』 彼女が口にしたのは、両親が生まれたばかりのリディアに贈ったはずの名だった。 家族の愛情も本当の名前も婚約者も、すでにその子のものだと気づくのに時間は掛からなかった。 自分の居場所を見つけられず、葛藤するリディア。 『……今更見つかるなんて……』 ある晩、母である公爵夫人の本音を聞いてしまい、リディアは家族と距離を置こうと決意する。  これ以上、傷つくのは嫌だから……。 けれども、公爵家を出たリディアを家族はそっとしておいてはくれず……。 ――どうして誘拐されたのか、誰にひとりだけ愛されるのか。それぞれの事情が絡み合っていく。 ◇家族との関係に悩みながらも、自分らしく生きようと奮闘するリディア。そんな彼女が自分の居場所を見つけるお話です。 ※この作品の設定は架空のものです。 ※作品の内容が合わない時は、そっと閉じていただければ幸いです。 ※執筆中は余裕がないため、感想への返信はお礼のみになっております。……本当に申し訳ございませんm(_ _;)m

綺麗になる為の呪文

木嶋うめ香
恋愛
リナリアは伯爵家の長女。 弟ばかりを可愛がる母親から、醜いと言われ続けて大きくなったリナリアは 十六歳になり貴族学校に入学し寮に入る事になった。 寮に入れば母親からの仕打ちから逃れられる。 私は醜いと言われてきたけれど、婚約者の隣に堂々と立つ為に自分を変えて行こう。 入寮の朝、リナリアはそう決心するのだった。

気がついたら無理!絶対にいや!

朝山みどり
恋愛
アリスは子供の頃からしっかりしていた。そのせいか、なぜか利用され、便利に使われてしまう。 そして嵐のとき置き去りにされてしまった。助けてくれた彼に大切にされたアリスは甘えることを知った。そして甘えられることも・・・ やがてアリスは自分は上に立つ能力があると自覚する

[完結]麗しい婚約者様、私を捨ててくださってありがとう!

青空一夏
恋愛
ギャロウェイ伯爵家の長女、アリッサは、厳格な両親のもとで育ち、幼い頃から立派な貴族夫人になるための英才教育を受けてきました。彼女に求められたのは、家業を支え、利益を最大化するための冷静な判断力と戦略を立てる能力です。家格と爵位が釣り合う跡継ぎとの政略結婚がアリッサの運命とされ、婚約者にはダイヤモンド鉱山を所有するウィルコックス伯爵家のサミーが選ばれました。貿易網を国内外に広げるギャロウェイ家とサミーの家は、利害が一致した理想的な結びつきだったのです。 しかし、アリッサが誕生日を祝われている王都で最も格式高いレストランで、学園時代の友人セリーナが現れたことで、彼女の人生は一変します。予約制のレストランに無断で入り込み、巧みにサミーの心を奪ったセリーナ。その後、アリッサは突然の婚約解消を告げられてしまいます。 家族からは容姿よりも能力だけを評価され、自信を持てなかったアリッサ。サミーの裏切りに心を痛めながらも、真実の愛を探し始めます。しかし、その道のりは平坦ではなく、新たな障害が次々と立ちはだかります。果たしてアリッサは、真実の愛を見つけ、幸福を手にすることができるのでしょうか――。 清楚で美しい容姿の裏に秘めたコンプレックス、そして家と運命に縛られた令嬢が自らの未来を切り開く姿を描いた、心に残る恋愛ファンタジー。ハッピーエンドを迎えるまでの波乱万丈の物語です。 可愛い子ウサギの精霊も出演。残酷すぎないざまぁ(多分)で、楽しい作品となっています。

【完結】婚約者は自称サバサバ系の幼馴染に随分とご執心らしい

冬月光輝
恋愛
「ジーナとはそんな関係じゃないから、昔から男友達と同じ感覚で付き合ってるんだ」 婚約者で侯爵家の嫡男であるニッグには幼馴染のジーナがいる。 ジーナとニッグは私の前でも仲睦まじく、肩を組んだり、お互いにボディタッチをしたり、していたので私はそれに苦言を呈していた。 しかし、ニッグは彼女とは仲は良いがあくまでも友人で同性の友人と同じ感覚だと譲らない。 「あはは、私とニッグ? ないない、それはないわよ。私もこんな性格だから女として見られてなくて」 ジーナもジーナでニッグとの関係を否定しており、全ては私の邪推だと笑われてしまった。 しかし、ある日のこと見てしまう。 二人がキスをしているところを。 そのとき、私の中で何かが壊れた……。

処理中です...