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第3章 聴講生になったので、自由にします!

魔の森

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  国内の上級ダンジョンで、もう1つのエイドリアン領に行くか、依頼の魔の森に入るか、となったら、魔の森でしょ!

  ヴィルジーク様からの指名依頼だし!

  日頃から冒険者が入り間引かれている、ウプラムの園庭と中級ダンジョン「エンデの森」の近辺は、北西の森と違って、魔物との遭遇率は低い。

  居ない訳じゃないけど、採集が可能な程度の遭遇率。

  中級ダンジョンに、ブドウ採集と魚釣りに行った時に鑑定したの。

  ダンジョンNo.31  15階層の中級ダンジョン「エンデの森」フィールド系

  ウプラムが86だから、31って古い方なんだろうね。

  何で、中級ダンジョンに?の理由は、季節が秋めいて来たので。

  ダンジョンって季節関係ないと言われてるけど、初級ダンジョンでは3階層の里山は影響受けてたんで。

  それで変化してないかなあ?と思って出向いたの。

  結果は、秋の始まり程度では変化はなかった。

  召喚獣の小屋にあった海は、北海に遭遇した事で、南国の海一辺倒ではなくなって……

  日によって、北の海流が強く出る日もあれば、南の海流が強い時もあって、季節が関係するのかな?

  そう思ってる、検証中。


  それに対し、北西の森は……

  ヴィルジーク様が言うには、10日に1度の割合で、魔物の群れが見張りの塔から目に入り、鐘が鳴らされるので、早目に摘みに出掛ける様にしてるんだって。

  狼少年じゃないけど、鐘の鳴らしすぎは住んでる者の警戒感を削ぐんじゃない?

  そう心配するけど、城の外に出てる者には必要かあ。

  まあ、15mはある城壁がある領都に居る者にしたら、安心するか。

  そう考えながら、通った門は軍用の北門。

  そう!考えてた様にあったの!

  だって、鐘が鳴らされて、城内を馬で走ったら、不安になるじゃない。

  となったら、駆け抜けなくて良い処となったら、北だよねえ。

  北東に上級ダンジョンもあるし。

  正確には東北東。北北東じゃなく東北東。

  で、今回の依頼が北西の調査なので、北門の使用を許可された訳だけど……

  通用門を出て直ぐは、東門とさほど変わりなく、採りに来る者が居ないので、薬草取り放題状態。

  ただ、違うとしたら、馬が駆け抜けて行くから、踏み固められた広めの道が出来上がってるくらい。

  まあ、奥に行けば、魔物が徒党を組んで居るんだろう。

  そう思いながら、索敵、鑑定、防御の魔法を3重で掛けて、歩きだした。

  勿論、レイトルたちも側に居るよ。

  ちなみに、召喚獣の小屋をいつも置いてるのは、西門を出て、少し行った場所。

  南門が王都に至る道だから、人通りが段違いに少ないので、そちらの森の中に置いてるんだ。


  馬のつけた道の側を、道に沿って奥に向かいながら、海用に作ったソナーを起動させた。

  使えないかなあ?と思ってね。

  ただ、起動させなきゃ良かった~!と思う事態になって、切ったよ。

  自分の間近に居るって出たの!

  でも、地下に広がっている魔力の反応を探知した!

  領都から8kmの位置だった、その場には多くの魔物の反応があって、狩っても狩っても途切れなかったから、途切れた際に起動させたんだ。

  ダンジョン内ではないので、消えない魔物の姿が大量に転がってる。

  大概が、ゴブリンにコボルト、ウルフという魔物だけど、森においては下から2番目の階層に居るものたち。

  スタンピードになると言われるのは、Dランクの魔物が外に出て来てる状態なので、ギリギリの状態だねえ。

  一応、首の皮1枚繋がってる状態なので……

  ダンジョンの入口を見付けたら、少し数を減らしておくべきだねえ。

  そう思い、ダンジョンの出入口を探せば……



  今までの経験上、洞窟など地上部に入口があったので、気付かずに落っこちた自分。

  自分を囲った魔物を蹴散らしたのは、飛び降りて来たフレスベルグの夫婦。

  「あいたたた」と頭を摩ってる時には、イベルダも威嚇してて……

  レイトルは?と思ったら、穴が小さかった様で、穴を大きくしようと地面を蹴ってる様で、土塊がボロボロと上から落ちて来てた。

  あんなに穴が小さかったから、魔物が出にくくスタンピードが押し止められてたんだな。

  そう理解も出来たのは、落ちた穴の奥からやって来る足音が伝わって来るから!

  フレスベルグ夫婦が蹴散らした魔物が消えて行く事からも、この場所がダンジョンだと察せられたけど!

  蟻地獄タイプの様だと思ったのは、地上に行く術がよじ登る以外になくて……

  「ベリンダ!乗せて!一時撤退!」

  そういえば、ベリンダだけ大きくなって、乗せてくれたんだけど……

  大きくなったベリンダでは、穴から出れないし、フレスベルグではホバリングは難しい様だった。

  ソルとイベルダは、穴の外に出て、自分を引っ張り出そうとしてて、ようやくレイトルが冷静になって、自分の服を噛んだ。


  自分が這い出た後、小さくなったベリンダが出て来たけど、何コレ!

  不意打ちもいいところだよ!

  きっちり、出入口部分にマーキングした後、報告するのに帰路に着いたんだけど……

  しばらく出て来れない様に、大量の水を魔法で出して流しておいた。



  朝に出て、夕刻に戻って来た自分に、北門の兵驚いてたけど……

  「ダンジョンの出入口見付けたって、報告あげて!」

  そう言えば、先触れを出せと言われたと気付き、1人は走り去って行った。

  もう1人が言う「案内が来るまでお待ちください」には頷いた。

  その時、まだ小屋に戻ってなかった召喚獣たちに、インベントリから「エンベロープの実」を出してあげてから戻して行ったんだ。

  小屋に入れば好きなだけ、自身で食べられるのにあげていたのは、ご褒美だから。

  召喚獣たちが力を合わせて、抜け出せたから。

  それに、枇杷っぽいソレは、花畑の中なので羽虫たちに育てられてるので、召喚獣の彼らといえ好きには食べられないし。

  けど、羽虫たちが世話をしだして1ヶ月程で、実が生っちゃうって凄いよねえ。

  花弁はマナポーションの材料になって、実は材料にはならなくても、そのまま食べても回復はするし。

  羽虫たちが好きな物って、本当に、どれもこれも甘くて魔力が多く含む物が多いよ~。

  これも、先日のチートな薔薇同様、月や魔素の条件で、花の色、実の色が変わるんだって。

  金色の花弁と実が生ったら、羽虫達には劇薬になるけど、薬師にしたら最上級マナポーションの材料です。

  そうそう、ウプラムの園庭で見て以来、羽虫たちを外でも見れる様になったんだよ!






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