上 下
30 / 77
第5章 相棒 笑うAI

29: Mウェイストゥズ

しおりを挟む
 Mウェイストゥズの頭目である譲治ウェインは、自分のリーディング能力を疎ましく思っていた。
 彼の中にある、能力者たちの潜在能力を掘り起こし目覚めさせるもう一つの力については、その存在意義を認めていたが、この人間の悪しき心さえも覗けてしまう力の方は、願い下げだった。
 それでも、この二つの力は、皮肉にも彼が逃げ出してきたサイラボの科学力のお陰で、なんとか制御は出来るようになって来てはいた。

 ただこのリーディング能力は、精神状態が弛緩した時に、突如発動することがある。
 しかも読む相手を選ぶことが出来ない。
 大きくてそれなりのエネルギーをもった精神状態が、否応なしに向こうから飛び込んでくるのだ。

 ベッドの中で譲治ウェインは、その突然やってきたウェーブを押さえ込もうとしていた。
 すっかり生ぬるくなった缶ビールを、側にあるナイトテーブルから取り上げ、二・三口飲んで煙草に火を付けた。

 彼の隣で横たわっているロビンは、そんな譲治の異変を理解しながら敢えて、彼に話しかけていた。
 こんな時の譲治には、「日常に引っ張り込む」関わりが、有効な事を知っていたからだ。
 「大丈夫か?」だとか、「頑張れ」の声かけなど、なんの意味もない。
 本人は言われるまでもなく、大丈夫ではなく、既に頑張っているのだ。

「ところで、ノイジーの事だけど、助けてやらなくていいのか?俺らMウェイストゥズも、今じゃそれなりの力を持ってる。ノイジーの逃亡を手伝って、ここに連れてくるくらいは出来ると思うんだがな。」
 ロビンは普通の組織ならナンバー2、つまり譲治の部下だが、彼らの組織、Mウェイストゥズにはあまりそういった上下関係がない。

「、、、いいさ。奴のことはほっておいて。第一、奴はここに来れないんじゃなくて、来ないんだよ。俺は奴と別れるときに、待ってると言ったんだ。迎えに行くとは言ってない。ノイジーが、色々厄介な連中から追いかけられてるのは知ってる、でもそいつらを振り切るくらいの強さがなければ、サイラボを抜け出しても、この世界では生きていけないからな、、。」

「、かも知れないが、情報屋の狆は、最近、歌う鳥の会の雨降野ってエクソシストが、ノイジーをつけ回してるって話を掴んでるぜ。」
「エクソシスト?意味が判らんな、、サイラボの雇った、追っ手じゃないのか、、。ややこしい事になってるのかもな。だったら尚更、ノイジーは真っ直ぐ、此処には来ないだろう。自分がそうする事によって、こっちに迷惑がかかると思ってやがるんだ。ノイジーは、そんな奴なんだよ。」
「惚れてるのか、、?」

「よせよ、ロビン、そんなんじゃねぇ。だが黒幕の桃田喜一だけは俺の手で始末する。桃田の代わりにサイラボには、こっちの影響力がある人間を送り込む。それが今の俺達に出来る事だ。俺は能力者たちの国を作る。その為の基礎固めにサイラボを作り替えるんだ。手伝ってくれるよな、ロビン。」
 譲治は煙草をふかし終わって、灰皿代わりの缶ビールの空き缶に、吸い殻を落とし込んだ。
 缶に残ったビールに煙草の火が消えるジュっという音が、微かに聞こえた。
 二人の間に沈黙が広がった。

 譲治は手を伸ばし、ロビンの体に触れた。
 ロビンもその気になっている。
 ロビンの体を確認するかの様に、譲治はロビンの体に手を這わし続ける。
 頬から首筋。
 そして肩から胸・脇腹・腰・腹、そして臀部へと、ゆっくりとゆっくりとロビンの体に譲治は手を纏わり付かせた。
 マメだらけでゴツゴツした譲治の手が、ロビンの性感帯に触れる度にロビンは体をビクっと痙攣させた。

 そんな中、ロビンはふと譲治と目が合う。
 微かな微笑を浮かべていた譲治は、「ようやくお前の弱点が、分かってきたぞ」っと悪戯っぽく囁きロビンに唇を重ねてきた。

 ロビンが知っている犯罪者の中には「性根が腐っている」極悪人も沢山いるが、この譲治のように、根は優しい善人も結構いる。
 ロビンは、この男に、自分の力を目覚めさせてもらって、本当に良かったと思っている。
 こういった人間達は、自分の生まれ・生い立ち・運不運、色々なものに押しつぶされ、流され悪事に手を染めそこから抜けられなくなる。
 だが、結果が悪でも、そのやる事全てが、悪党共と一緒ではない。
 それに譲治を中心にして立ち上がったMウェイストゥズは、本当の意味で「悪」なのか、その中心にいても未だにロビンには、それが判らなかった。

 「弱点が判った」と言われて、奇妙に照れくさかった。
 この譲治に自分の性感帯を知られるのは、不思議な気分だった。
 ロビンは、唇を重ね合わせ、お互いの舌を絡ませながら譲治のペニスに手を伸ばした。
 ロビンが譲治のいきり立ったペニスを握り、前後にゆっくりとしごくと、譲治は「おお・・・・・」と擦れた声を上げ、全身を痙攣させる。

「Mウェイストゥズのカシラともあろうものが俺を相手にビンビンかよ。エロイのー、譲治。」と、ロビンは譲治をからかう。
 すっかり譲治は、先ほど陥りかけた精神の穴から抜け出したようだ。

 唇を重ね合わせたまま鼻でフフンと笑た譲治は、「ぶん殴るぞ」と言いながらロビンの脇腹をこそばして来る。
 ロビンは、脇腹だけは駄目だった。
 Mウェイストゥズの斬り込み隊長と言われても、そういった部分だけは、どうにもならない。
 伝説的な美人女優でも、糞をたれるのと同じだ。
 感じるとかを通り越して、只こそばゆいだけなのだが、ただ、それが過剰すぎる。

 ビクンっと体を捩じらせたロビンを譲治はベットに押し倒した。
 譲治はロビンの腹の上に乗っかって、容赦なく脇腹を攻撃して来る。
 ロビンにとっては拷問だった。
 息が出来ないようになるまで、口から泡吹きそうになるまで、こそばして来た。
 なく子も黙るMウェイストゥズのボスが、自分もゲラゲラ笑いながらだ。

 あほらしい・・・。
 ペニスしゃぶりに行ってんのに、大の大人がベットでコチョコチョしてるなんて。
 10代のカップルじゃあるまいし・・・。ロビンはそう思った。
 だが譲治の魅力は、そんな所にあった。

 失神1歩手前まで、こそばされたロビンは、「止めてくれ。何でも言う事聞くから頼む、頼むからもう止めて」と叫んだ。
 譲治は手を止め「ホントか?」と眉間にしわを寄せながら聞いてきた。
 譲治の手は、未だロビンの脇腹に置かれたままだった。

 ロビンが「ああ。ほんとだから止めてくれ」と言うと、譲治はロビンにキスをして、耳元で「も一度、お前のケツを掘っていいか?」と低い声で聞いてきた。
 この夜、二度目だった。
 ロビンが「おお」と答えると、暫く見つめ合った後、二人は全身を重ね唇を重ね合わせた。
 ロビンの上に重なって来た譲治。
 ロビンの舌を求め激しく吸い付いてくる譲治。
 譲治の鼻息と、お互いの舌に吸い付くいやらしい音だけが薄暗い部屋に響いていた。

 不規則に腰を振っている譲治。
 いきり立ったペニスをロビンの腹に擦り付ける様にゆっくりと腰を振る譲治。
 譲治は、譲治とロビンのカチカチになったペニスが触れ合う度に、「ああ・・」と微かにタバコ臭い擦れた吐息を漏らした。
 譲治は、顔をロビンの耳元に埋めると、手に唾液を取り重なり合った腹の辺りに手を入れ、2本のペニスを握った。
 ペニスの裏筋を重ねる合わせる様に、2本のペニスを握った譲治は、ヌチャヌチャと音を立てながら体を上下させる。
 ロビンは、譲治の生温い吐息と、無精髭の感触を首筋に感じながら喘ぎ声を上げた。
 譲治は喉の奥から搾り出すような、鼻息交じりのくぐもった喘ぎ声を上げながら「クッ・・ゥ・気持ちいいな。お前はどうだ?気持ちいいのか?フン?」と擦れた声でロビンに聞いた。

 ロビンが「ああ、譲治。気持ちがいい」と答えると、譲治は腰を振りながらロビンの顔を見つめて、「ヤラシイ顔すんな、お前。男をそそる表情や・・。」と切なげに呟いた。 
 「たまらん」と吐き捨てる様に呟き、ロビンに覆い被さってきた譲治は、ロビンの喉仏に吸い付いてきた。
 チュパチュパと音を立てながら、舌先を使って口の中でロビンの喉仏を転がす譲治。
 ロビンの首筋に顔を擦り付ける様にして、吸い付きまくってくる譲治。

 譲治の髭がジョリジョリと音を立ててロビンの首筋を刺激した。
 ロビンは首筋も感じる。
 ロビンは歯を食い縛り、体を仰け反らす様にして譲治の頭を抱え込んだ。
 それに気づいた譲治はロビンの顔を覗き込み、「おお?何だ?ここ感じんのか、お前?」と囁くとロビンの首筋に吸い付いてきた。
 譲治は、髭を擦りつけたり、吸い付いたり、舌先で嘗め回したりしてロビンの首筋を攻める。

 ロビンは食い縛った歯の隙間から「・・クッゥ・・」と言う声にならない喘ぎ声を漏らした。
 譲治は更に激しく、ロビンの首筋を責めながら、「気持ちいいのか?どうだ?感じてるんだろ?感じてるだったら、もっと声出せ」と低く纏わり付く様な声で囁いた。 
 「ここはどうだ?」と言いながらロビンの耳の裏辺りをベロベロと舐め上げる譲治。
 ロビンは体を痙攣させながら声を上げた。
 譲治は、ロビンのコメカミの辺りと肩を押さえつけ、更に激しくネットリとロビンの耳の裏を舐め上げた。
 押さえつけられ抵抗できないロビンは「・クッゥ・・譲治・・」と声を上げるしかなかった。

「ほら、もっと声出せ。恥ずかしがらないでイイ声出せよ。」と言いながら、譲治は無精髭の生えた頬をロビンの耳元に擦り付けてきた。
 たまらなくなったロビンは、体を悶えさせながら、絶叫に近い喘ぎ声を上げた。
 譲治は満足げに「おお、イイな。イイ声だ。もっと気持ちよくさせるぞ」と言いながら、ロビンの上半身の方へと舌を滑らせてくる。

 ハアハアと息をしながらロビンの乳首に吸い付いてくる譲治。
 舌先でロビンの乳首の周りをゆっくりと舐め、吸い付き舌先で乳首を突く譲治。
 狂った様にロビンの体に吸い付く譲治。
 譲治は、その顔をロビンの股間の辺りに移した。

 ロビンの陰毛に、鼻を埋め大きく息をしながらペニスの根本の土手に歯を立てた譲治は、次にゆっくりとロビンの陰茎を舐めた。
 譲治はレロレロと音が聞こえるような舌先を使い、時折口から垂れる涎を吸いながら、ロビンの陰茎全体を、じらす様に舐め上げた。
 譲治はロビンのペニスを力強く握り2・3回ブルブルと振りながら「おお・・ビンビンだぜ・・俺にしゃぶられて・・スケベやなロビン・・」 とペニス越しにロビンの顔を見つめるように囁いた。

 「どうして欲しい、言ってみろ?」と譲治は続けた。
 「・・・てくれ」と言葉にならないロビン。 
 「なに?聞こえんぞ?」と譲治。
 ロビンのペニスをギュッギュッと握りながら「ほら、どうして欲しいんだ?」と低く擦れた声で嬲るようにように譲治が囁いてくる。
 ロビンはたまらず「ペニスしゃぶってくれっ!」と叫んだ。

 譲治は「ほらきた」と言うと、ロビンの鈴口に口を近づけて来る。
 譲治は「たくさん先走り垂らしやがって」と言いながら、舌先で舐め取るようにロビンの亀頭を舐める。
 ロビンの亀頭を口に含み、舌先でロビンの鈴口を攻めながらチューチューと音を立てる。

 ロビンは全身を小刻みに震わせた。
 ロビンの先走りを全部吸い取った譲治は、ロビンの陰茎全部を口に含んだ。
 譲治はロビンのペニスに舌を纏わり付かせながら頭を上下させる。
 荒い鼻息を漏らしながら激しくリズミカルにロビンのペニスをしゃぶる譲治。
 譲治は「たまらんな・・」と言いながら、自分のペニスをしごきロビンのペニスに貪り付いている。
 そしてロビンのペニスをしゃぶりながら体を回転させ、横伏せになった譲治は、ペニスをロビンの顔に近づけ、それをしゃぶる様に促した。

 赤黒くパンパンになった譲治の亀頭は、先走り汁でいやらしく光っていた。
 ロビンは譲治のペニスを握り親指の腹で譲治の亀頭の先を撫でた。
 先走り汁でヌルヌルになっていた譲治の亀頭。
 ロビンは先走り汁をヌチャヌチャと音を立てながら亀頭全体に塗りつけた。
 譲治はロビンのペニスを咥えた口から「おお・・」と唸るような喘ぎ声を漏らした。
 ロビンは譲治の先走り汁でヌルヌルになった親指を口元に近づけ舐めた。
 譲治の先走り汁の味・・。
 塩気を含んだ舌に纏わり付く様な味だった。

 「どうだ?俺の?旨いか?」と聞く譲治。
 そして譲治は「俺にも舐めさせろ」と続けた。
 ロビンは譲治の亀頭の先走り汁を指に擦り付け譲、治の口元に運んだ。
 譲治は舌を纏わり付かす様に、ロビンの指を舐めた。

 荒い鼻息を漏らしながら、お互いのペニスに貪り付く譲治とロビン。
 薄暗い部屋の中に、いやらしい音だけが響いていた。
 グボっとペニスを喉の奥まで咥え込みえづく音。
 ジュパとペニスに吸い付く音。
 ぺチャぺチャと裏筋を舐め上げる音。
 ジャリジャリと毛むくじゃらの玉袋を舐める音。
 それらの音と譲治の鼻息、そして低く唸る様な譲治の喘ぎ声が、ロビンのペニスを一層堅くさせた。






しおりを挟む

処理中です...