ボクのおじさん探偵は調子パズレでいつもヘトヘト 『ディドリームビリーバーとハードディズナイト』

Ann Noraaile

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第2章 漂流、相互干渉多世界

13: 良心回路、奴は俺でなきゃ駄目なんだ

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 『時間がない、もっと特訓だ!』というカリ先輩をなんとかいなして、僕はその日の帰り、諏訪先輩の見舞いによる事にした。
 カリ先輩の事だから、病気で倒れている諏訪先輩に「お前の代役が見つかったから心配するな、しっかり休んでくれ」などというような連絡をするわけは絶対になく、下手をすれば何もせずに放置を決め込む可能性もあったからだ。
 それに僕は少なからず諏訪先輩のファンだった。

 諏訪光という人物は、江夏果理が持ち合わせていない人間性をすべて凝縮して持つ苦労人だった。
 そのくせ外見的には、その童顔と低身長のせいで小学生のように見える。
 僕がロボット研究部に入部した動機は、ただサボれるからという理由だけだったけど、さすがにカリ先輩を目の前にすると、この人の側にいて大丈夫か?と入部をためらっていた。
 その時、カリ先輩の横に諏訪先輩がいて、この人がいるなら安全だと決心したのだ。
 あの頃から、諏訪先輩のクリクリとした大きな眼が輝いているのを見るのは、とても良い感じだった。

 諏訪先輩の家は下町のオートバイ屋だ。
 個人経営でオートバイの販売と修理をやっている。
 経営は相当苦しいらしい。
 ただ修理や改造の腕は良いらしく、その依頼で倒産せずに済んでいるという事だ。

 夕暮れ時の商店街の外れに「諏訪オート」の看板をあげた煤けた店舗があり、その前を買い物帰りの主婦が自転車で通り過ぎていく。
 小さなタコ焼き屋さんを見つけたので、お土産用に買っていくことにした。
 諏訪先輩が病気で食べられないなら僕が戴く、そんな感じだった。
 それにタコ焼きっていうものは、こんな下町の店で買うと意外と『当たり』に出会うものだ。

「こんちわ!」
 店の奥はそのまま修理場になっていて二人の男が、それぞれ別のオートバイに取りついていた。
 僕に反応してくれたのは、手前のハーレーダビットソンの腹部に頭を突っ込んでいた老人の方だった。
 奥にいる中年の男はこちらを見ようともしない。

「ああ?珍しいな。店の方の、お客さんかい?」
「いえ、夏炉工業高校の生徒です。光先輩のお見舞いに来ました。」
「おー、それはそれは。光は奥でくたばってる。勝手に上がってくれ。儂らは今、手が離せんから、何もかまってやれんが好きなだけいてくれていいぞ。」

「ハイ、ありがとう御座います。」
 僕は礼儀正しく老人に頭を下げて、奥の方の男にも一礼した。
 タイヤを外したロードレーサータイプのオートバイにかかり切りになっている中年男の横顔が少し頷いたように見えた。
 なんとなく光先輩の顔に似ていたから、もしかしたら先輩の父親なのかも知れない。




「光先輩も大変ですよね。カリ先輩の面倒みるの。」
 僕は一通り、今回の経緯を話して最後にそう締めくくった。

「だってアイツには、俺しかおらんもん。でもコンテストの方、ホントに良かった。」
 掛け布団をずらせて布団の上に半身を起こした光先輩が嬉しそうに言った。
 汗だらけのTシャツが痩せた身体に張り付いている。

 しかも多分食べないだろうと思っていたタコ焼きを「おっ、美味そうじゃん!」と言ってマスクを外したと思ったら、次の瞬間には、口をハフハフさせながら頬張っている。
 すごいスピードだった。
 ソースの香ばしい匂いが部屋中に充満しだした。
 多分、ろくな物を食べていないのだろう。
 まあタコ焼きが、病人にとって、ろくな物かは判らないけど。
 この様子だと、お湯を捨てる一手間の必要な大盛りのカップ焼きそばだって、ご馳走に該当したのかも知れない。

「カリ先輩が四菱重工業の名前を出した時は本当に吃驚しました。先輩でもあんな事考えてるんだって。」
 僕は諏訪先輩がタコ焼きを全部食べ終わり、ポカリスエットで締めくくったのを見定めて、そう切り出した。

「みんなはカリの表面しか見てないんだよ。あんな天才が夏炉に来るんだ。そりゃ、色々あるさ。」
「でも正直言って、カリ先輩、性格悪すぎ。」

「、、だな。だから俺は、ヤツの良心回路のつもりでいるよ。」
 光先輩は笑いながら言った。
 歯に青のりがついていた。
 他の男子なら、なんとも言えない光景だけど、光先輩の場合はとても可愛らしく見える。
 屈託のない笑いにシンクロしてるような、表情豊かな可愛い目の動き。
 病気をしてても、青春真っ直中という感じだ。

「でも本当に、僕なんかが代役で良いんですか?これドラマだとかじゃ、光先輩が病を押して会場に駆けつけるとか、そんな場面じゃないかなぁ、、。実際、光先輩、それだけの事をしてきた訳だし。」

「馬鹿言うな。俺、何でガッコ休んでるって思ってるんだ。インフルエンザだぞ。出校停止なんだ。それが全国レベルの正規大会に出れるか。一杯仲間が来てるんだぞ。出場してるみんなに迷惑が掛かる。たとえ騙して出ても、後でそれがばれたら、今度は俺達の高校の問題になる。あれは個人の資格で出てるわけじゃないんだ。」
 光先輩は改めて着け直した顔を覆うマスクの下で、モゴモゴ、熱にうなされたように言った。
 吃驚するほどの真面目な常識人だけど、『騙して出ても』という言葉の端に、光先輩の本当の思いがあるような気がした。

「光先輩、そのインフルエンザ、もしかしてテンロンでもらった?」
 その辺りの事情は、カリ先輩から聞いていた。
 ロボットを組み上げる最終の追い込みを掛けようかという時期に、カリ先輩が新しいアイデアを思いつき、それを光先輩に持ちかけたらしい。
 方向性が違う時には、もの凄い喧嘩をする二人だが、アイデアが一致したときには、この二人は、まるで双子のように行動する。

 で、光先輩がカリ先輩のアイデアを実現すべく動いた。
 でも手近には、そのアイデアを実現する資材も資金もなく、光先輩はテンロンの闇マーケットに足繁く足を運んだという事だった。
 テンロンの裏マーケットには、本当に色々な人間が出入りする。
 自分がインフルエンザにかかっていても、マスクなんてしようと思わない人間は山ほどいる。

「それに、最近ほとんど寝てなかったんでしょ?」
「ん、あの時は、家にもバイクの修理の注文が沢山入っててな、、三日間一睡もしてなかった。普通ならウィルス貰っても発症しない自信あんだけどな、」
 諏訪オートは親子三代がフル稼働でやって、やっとの事。
 本当は一番の働き手である光先輩が倒れて一番困っているのは、カリ先輩なんかじゃなくて諏訪家なのだろう。

 僕は、諏訪先輩の寝ていた布団の周りに視線を落とした。
 空のカップラーメンやパッケージに入ったままの下着、栄養ドリンク、生卵パック、テッシュの箱、エロ雑誌、薬の袋、冷えピタ。
「、、それか。うちの爺さんが買ってきてくれた。精を付けたら治るってさ。風邪とインフルエンザの違いがよく判ってないんだよ。オートバイの修理させたら、あの年で天下一品なんだけどな。それでも親父よりましかな。母さんが出て行ってから、ずっと爺さんが母親代わりだったから。」

 キュンと来た。

「先輩、汗びっしょりだよ。それに変な匂いがする。僕、身体拭いてあげようか。それでそのあと、その新しい下着に着替えたら?」
「馬鹿言え、男のお前にそんな事させられるか、」

「何言ってるんだよ、男同士だからいいんじゃないか。スーパー銭湯に行って身体あらいっこするだろ、あれと一緒だよ。第一、せっかくお爺さんが買って来てくれたその下着、汚い身体の上から又、着ちゃうの?治るものもなおんないよ。」
 僕はそう言ったが、もちろん僕にはスーパー銭湯でのあらいっこの経験はない。

「ぜ、全部、脱がないぞ。拭いてもらうだけだ。風呂場はその奥にある。そこにバスタオルとかもまだある筈だからなんでも使ってくれ。」


「先輩起ってる、、。」
 先輩の身体を拭くために掛け布団を横にずらせたりして準備を進めてる最中に、先輩が下に着けてる白と青の縦ストライプのパジャマの中にあるオチンチンが勃起してるのを発見した。

「仕方ないだろ、、機械じゃないんだから、俺の言う事聞かないさ。ほっときゃ冷えて大人しくなる、、。空冷式だよ。」
「先輩らしい言い方だね。じゃこのまま続けようかな。」

 もちろん、可愛そうだから、このまま放っておいて身体だけを拭いて上げる積りにはならない。
 どんな風にしたら、嫌がられずに光先輩を満足させれるんだろうかと思いつつ、はやる気持ちを飲み込みながら、僕は光先輩を布団に寝かせてその横に座った。
 最初は単純に身体を拭いてあげたいって思っていたんだけど、僕の気持ちは、そこに止まってはいなかったのだ。
 弱った光先輩の姿を見ていると、何故か「愛おしい」っていう気持ちが次々とわいて来た。

 仰向けに寝かせた光先輩の左側に座り、冗談ぽく枕元に置いてあった使い捨てマスク二つで目隠しをした。
 口元のマスクに、目元のマスク、、まるで光先輩は、某ファーストフードで店員やってる簡易ミイラ男みたいだ。

「目を開けちゃうと恥ずかしいでしょ。これなら大丈夫かな?恥ずかしがり屋さん。」
 光先輩は頭脳だけじゃなく、感性も優秀だから、なんとなく僕の魂胆は察知してると思った。
 夏炉では、僕の女装癖は、太陽が東から昇るのと同じくらい、みんなの常識だった。

 目隠しは一応、光先輩の恥ずかしさを和らげるためだが、見えないことで皮膚感度が増して感じやすくなるだろうし、こっちは部屋の電気をつけた明るいままで、光先輩の体の全てを見れるから一石三鳥だ。
 光先輩のTシャツをまくり上げて、濡らしたタオルの上から、光先輩の乳首をさりげなく触った。
 そして青白ストライプパジャマを脱がし終えた短パンの上から、偶然を装って股間に軽く触れる。
 やっぱり光先輩は、すでに勃起していた。

 これは光先輩の性癖がどうという事ではなく、相手が誰だって同じ反応なんだろうと思った。
 若い身体が単純に反応してるのだ。
 おまけに光先輩の理性は、インフルエンザにやられて朦朧としてる。
 でも僕は光先輩のオチンチン君には悪いけど、彼に期待はさせつつ、股間からは手を離し、濡れタオルで胸の汗を乳首を中心にして拭き上げた。
 僕は顔を意識して光先輩の肌によせて、その作業をやったから、光先輩には僕の息づかいが感じられた筈だ。

 目隠しの効果か、元からそうなのか、光先輩は感度がよく、体をふるわせて感じているみたいだった。
 乳首を舐めてもうんともすんとも反応しない人形みたいな相手だと、やる気が減るところだけど、光先輩は身体の反応も可愛らしかった。

 でも光先輩に必要以上に体を動かされると責めにくく、いや違った、身体を拭きにくくなるので、僕は自分の右手を腕枕みたいに光先輩の頭の下に通し、その手で光先輩の右肩を押さえ、光先輩の上半身に密着しながら、光先輩の身体を軽く固定した。
 そして僕の左足、を抱き枕を押さえる感じで、光先輩の左足に絡めて固定してみた。

「・・・おい。」
 光先輩はそう言ったももの、じっとしている。
 これで光先輩は左半身は動けなくなった。
 その体勢のまま、僕は光先輩の乳首に挨拶代わりの軽いキスをして、左手で股間以外の上半身や太ももなどを濡れタオルで拭き上げた。
 光先輩は小声で少しくすぐったそうに悶えながら、逃げたくても逃げれない状況下で、身体を小刻みに振るわせて、感じ始めていた。

 僕が時々、遊びの時、悪ふざけでやるように相手を紐などで縛っているわけではないし、僕の手足を使った半身だけの軽い拘束だから、光先輩のようなノンケでも、今の情況に不安感は抱いていないはずだと思う。
 目隠しに多少不安はあるだろうけど、これから始まる『何を、どこを、どうされるか見えない、判らない』という感じが、不安や緊張よりも、期待感を上回らせ、身体の感度や興奮を高めるはずだ。
 それに光先輩はもうすでに、この成り行きを受け入れて始めていた。

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