事故から始まる物語

maruta

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恋愛相談

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 あの休日から数日が経った。照先輩も飛鳥先輩も部活に参加していて、あの日から舞は部活に来ておらず噂で部活を辞めたと聞いた。詩音とは毎日一緒に帰宅している。今は練習が終わり、照先輩と2人で道具の片付けの為に倉庫へ来ていた。

「あの、照先輩」

「ん?何?」

「照先輩は好きな人いますか?」

「・・・おると思う?」

「え??あの、すみません・・・?」

「いや、謝るなよ・・・どしたん?急に」

 そう言われて、無意識に謝ったら怒られてしまった。

「あの、告白されたんですけど、その、好きなのか分からなくて」

「へぇー、ん?あのマネージャーじゃなくて?」

「はい、舞とは別の人です。舞みたいな感じじゃなくて私が困ってたら助けてくれて私の気持ちを優先してくれる人です。」

 照先輩は舞じゃないのかと聞いてきたので違う人で詩音は舞のことで困っていたら助けてくれて私の気持ちが整理できるまで待ってくれている優しい人だと説明した。

「へぇー、いい人やんね。で、私に恋愛相談?する人を間違えてね?」

「え?何でですか?」

「いや、私が恋愛しそうに見えんの?」

「興味なさそうな感じはします。」

「うんうん、だよね?まぁ相談されたからには答えるけどさ、あんまり宛にせんでな?」

「ありがとうございます。」

 照先輩が恋愛に興味無さそうなのは分かっていた、逆に安心して相談出来ると思って話してしまったが照先輩はやっぱり優しいので相談に乗ってくれた。

「うん、まぁ、とりあえず、優希がその人の事を好きなのかどうかだよな?」

「好きって分からなくて友達としては好きなんですがそれと恋愛って違うんですかね?」

「さぁ?分からん。けど、恋愛以前に人として好きじゃなければ付き合うこと自体無理なわけだしなぁ」

「そうですね。」

 照先輩に詩音の事が好きなのか聞かれたが友達としては好きだが恋愛感情かは分からないと答えた。照先輩も分からないらしいが人として好きでないなら付き合う事も出来ないと言われて納得は出来た。

「そうやなぁ、よくある質問だと・・・優希はその人とキスとか出来んの?」

「え?あ、出来るというかしたというか・・・」

「え?したの?え?」

「あ、いや、あの、転んだ拍子にその」

「あー、なるほどね?事故チューってやつ?」

「はい」

「そうなんや、事故やったとしてもキスして嫌ではなかったん?」

「いや、ではなかったです。」

 照先輩にキス出来るか聞かれたのでこの間あった事を話した。すると、照先輩が嫌ではなかったのかと聞いてきたので嫌ではなかったなと思いながら答えた。

「そっか、じゃあ、その人が他の人とキスしていたら?」

「え?他の人とですか?」

「そう、例えばその人とキャプテンがキスしてたらどう思う?」

「・・・いや、ですね。」

 照先輩に詩音が他の人とキスをしていたらどう思うと聞かれて、想像してみるとモヤモヤして他の人として欲しくないと思った。

「うん、じゃあもう答え出てるんやない?」

「この気持ちってそういう事でいいんですかね?」

「さぁ?でも、嫌ならそういう事じゃないん?自分以外として欲しくないんでしょ?」

「そう、ですね。なんかスッキリしました!ありがとうございます!」

 この詩音が他の人とキスするのを想像した時に嫌だと思う気持ちが恋愛感情なのか分からなかったが自分以外として欲しくないと思うとスッキリした。

「そう?答えれて良かったよ。」

「はい!また相談させて下さい!」

「いや、恋愛相談は別の人にしなよ・・・」

「でも、気持ちが整理出来てもどうすればいいんですかね?」

 照先輩にまた相談したいと言ったら他の人にしなと言われたが言えば相談に乗ってくれるのが照先輩だと思った。気持ちの整理が出来たがどうすればいいか分からず照先輩に聞いてみた。

「ん?告白されてんでしょ?返事すればいいんやないん?」

「いや、その勇気がなくて・・・」

「優希だけに?」

「・・・」

「ごめんて、そうやな。告白するのにも勇気がいるわけやん?振られるかもしれないのに勇気を出して告白してくれてる訳やし、それに応えるのにも勇気を出すしかないと思うよ?まぁ相手は返事を聞くのにも勇気がいる訳やし、ちゃんと言ってあげなよ。」

「はい」

 照先輩は私の頭をぐしゃぐしゃと撫でて、倉庫から出る時に照先輩は私に頑張れと言って出て行った。今日も詩音と帰る約束をしていたので帰る準備をして詩音が待っている入口へと向かった。
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