40 / 47
第39話 別れの言葉(2)
しおりを挟む
一方、リョウは、アリシアに別れを告げ、シャトルリフトに乗り込んでいた。
『研究員居住棟』
リフトのコンピューターに向かって行き先を告げる。
同時に、リフトが動き始めた。
『リズ、爆発まであとどれくらいだ?』
『4分47秒よ』
(間に合うかどうかぎりぎりのところだな)
やがて、リフトが停止して扉が開いた。リョウは、全力で走り出す。
(E-27……)
部屋の番号を探しながら通路を駆けていく。通路の両側には研究員の部屋の扉が並んでいた。
基本的に、居住棟の部屋はオートロックであり、本人以外は中から開けないと扉が開かないことになっている。ただし、家族など本人があらかじめ登録していた者なら、入室ログに記録されるものの、自由に入ることが可能であった。
今向かっているその部屋は自分の部屋ではないため、本来は入ることはできない。しかし、リョウは自分がその部屋の入室許可を受けた者として登録されていることを知っていた。
(……)
やがて、その部屋の前に到着する。扉の横の壁に示された部屋番号を確認するリョウ。そして、その部屋番号の下には居住者のネームプレートが張ってあった。
カレン・ミルフォード
リョウは、カレンの部屋に来たのだ。
掌紋照合パネルに掌を当てると、ピッという音がして、ドアが開いた。
急いで中に入ると、そこは当時の彼女の部屋のままだった。一万年が経過しているため、紙や布製のものは風化してちりとなっていたが、最低限の空調が行われており、それほど時間の経過は感じられない。
その懐かしさに、カレンとの思い出が一気に心の中によみがえる。
さまざまな感情に押し流されそうになるのをなんとか押しとどめて、リョウは部屋を見渡し目的のものを探した。感傷に浸っている暇はない。
『爆発まであと3分よ』
それを裏付けるかのようにリズの声が聞こえる。
(あった!)
リョウは、部屋の奥に自分が探していたものを見つけた。それは、コールドスリープカプセルだった。
カプセルには、シールド機能が備わっている。コールドスリープに入ったあの日、居住棟がミサイルの攻撃を受けてもリョウが生き延びたのは、この機能のおかげである。そして、今再び、自分の命をこれに掛けることになろうとは、全く予想もしていなかった不思議な巡り合わせであった。
リョウは、カプセルに駆け寄り、リズに命じる。
『リズ、カプセル起動。コンフィギュレーションを俺に合わせて設定しろ。システムチェックはプライマリーだけやって後は飛ばしていい』
『了解』
機械の駆動音が鳴り、いくつかの光が点灯して、カプセルの上蓋が開く。リョウは急いで中に入り、仰向けに横たわった。
『それと、爆発予定時刻になったら、短時間でいいからシールド最大にしてくれ。最初の爆発が一番激しいだろう』
『設定したわ。システムチェック完了。カプセルに異常ないわよ。反粒子爆弾の爆発まであと2分20秒』
『コールドスリープ開始』
『コールドスリープ、シークエンス開始するわ』
蓋が両側からだんだんとせり上がってきて完全に閉じた。カプセル内はほんのり明るい。
『そうだ、忘れるところだった。爆発が収まったら、アリシアに聞こえるよう救難信号を出し続けろ』
『了解』
もう後は運を天に任せるしかない。リョウは、目を閉じた。
(アリシア、あとは頼んだぜ)
彼女の優しい笑顔が脳裏に蘇る。リョウは我知らず微笑んで、そして、意識を失った。
■■■■
そのころ、アリシアは転送された崖の端に立って、遠く遺跡を見下ろしていた。
(もうそろそろ爆発する頃だわ)
詳しい話は聞いていないが、本来なら、この地域一体が巨大な穴になってしまうぐらい猛烈な爆発を、基地全体にシールドを張って最小限に抑えるとリョウが言っていた。
人間一人をシールドで包むというのは魔道にもあるが、巨大な建物を全て覆いつくすというのは聞いたこともない。アリシアは、旧文明の科学力に畏敬の念を抱かずにはいられなかった。
やがて、どこか遠くの地下から低い唸り声のような音が聞こえた。同時に激しい地響きが始まった。低い地鳴りが辺りに響き渡り、周りの山々が揺れ動いているように見える。その振動は、遺跡から離れたこの場所でも感じられた。
(来た!)
アリシアが身を固くしたその時だった。突如、湖の底から大きな爆発が起こり、とてつもない量の土砂と水柱が天に向かってほとばしった。まるで火山の噴火である。
だが、何ということだろう、それは空中で何か見えない天井にぶち当たったかのように跳ね返されたのだ。一瞬だけ何か半透明な覆いのようなものが光ったのが見えた。そのとき、初めて、アリシアは遺跡全体が透明な殻のようなものに包まれていることを知った。
そして、跳ね返された湖水や土砂は瀑布のように湖面にぶつかって激しい音を立てる。あまりの衝撃と水の量に、水煙が濃い霧のように周りに立ち込め、しばらくの間視界の一部がさえぎられた。さらに、湖に面していた山の斜面も、爆発の影響で次々と崩れて、この世の終わりのような地響きをさせながら湖面に流れ込んでくる。湖面の水が激しくうねり、まさに大荒れの大海のような様相であった。
それに伴い、今度は濁流の音とともに水位が急速に上昇していった。爆発のせいで、どこかの水脈に穴を開けたのかもしれない。見る見るうちに水かさは増え、発掘隊の小屋などもまるで洪水のように一気に押し流してしまった。
これらは、もはや単なる土砂崩れや水位の上昇というレベルではなかった。もうすでに、先ほどとは風景全体が変わってしまっている。
まさに圧倒的な自然の力であった。この光景を目の当たりにして、アリシアは人間の無力さを思い知らされ、ただ立ちつくしていた。
シールドが爆発を抑えてこの状態なら、基地の中は一体どうなっているのだろう。
こんな中を人は生き残ることができるのか。
(無理よ、こんなの、リョウ……)
絶望に打ちのめされ、アリシアは茫然自失の状態で、ただその光景を見つめていた。
どれくらいそうしていただろうか、やがて、地響きも土砂崩れも収まり、あたりは少しずつ静寂を取り戻す。湖水はまだ濁っており、湖面も上昇し続けてはいるが穏やかになりつつあった。
だが、アリシアはその光景を見ているうちに、恐ろしい事実に気がついた。
(こ、これって、もしかして……)
(そうよ、これは……お母さんが見たのと同じ光景なんだわ)
母は、当時湖の底に埋まっていたリョウをなんとか掘り起こそうと人事を尽くした。そして、その三年の間、時折ここに来ては遺跡を眺めていたと聞いた。それは、どれほど絶望的な光景だっただろう。しかも、母はその後、彼と再会することなく歳を重ね、亡くなったのだ。
(うそ……こんなの……)
アリシアは、まさに自分が母と同じ立場に置かれようとしていることに気づき、半ばパニックになった。いや、状況はそれよりずっと悪いかもしれない。
少なくとも母は、リョウが生きていること、そして、どこに埋まっているかは分かっていたのだ。しかし、自分は彼が生きているかどうかもわからないうえ、どこに埋まっているかすら分からない。たとえ生きていても掘り起こしようがないのだ。これでは、彼に会うのは不可能である。
彼女は、リョウを失う恐怖、というより、すでに彼を失った絶望にかられ、空を見上げて天に召された母に懇願した。
「お母さん、お願い。助けて。私、リョウがこんな状態で一人で生きていくなんて無理よ」
「お願い……お母さん……」
だが、奇跡は起きない。
湖の水位は変わらず増え続け、母の声も天の啓示も聞こえて来なかった。
「帰ってきてよ……リョウ……約束したじゃない……」
溢れる涙を止めることができずに、泣きじゃくる。
だが、ここで不思議なことが起こった。
何か声らしき音が聞こえた気がしたのだ。
『……シア……ア…シア……?』
空耳ではない。母の声ではないが、確かに女性の声だ。
アリシアは耳を澄ます。
そして、次の声ははっきり聞こえた。
『アリシア~、聞こえる? 聞こえたら返事して~』
この場に全くふさわしくない、のほほんとした口調。
その声の持ち主と直接言葉をかわしたことはなかったが、声だけは耳慣れている。誰だかすぐ分かった。
『リズ!』
『ああ、聞こえてるのね、よかったよかった』
『リョウは? リョウは無事なの?』
『ええ、ちゃんと生きてるわよ。もうやれやれだわ。あのさ、今から場所を教えるからさあ、ちゃちゃっと掘り起こしに来てくれない?』
この言い方を聞いて、アリシアは安堵に涙ぐみながらも、思わず吹き出した。
『今すぐ行くわ。待ってて!』
『研究員居住棟』
リフトのコンピューターに向かって行き先を告げる。
同時に、リフトが動き始めた。
『リズ、爆発まであとどれくらいだ?』
『4分47秒よ』
(間に合うかどうかぎりぎりのところだな)
やがて、リフトが停止して扉が開いた。リョウは、全力で走り出す。
(E-27……)
部屋の番号を探しながら通路を駆けていく。通路の両側には研究員の部屋の扉が並んでいた。
基本的に、居住棟の部屋はオートロックであり、本人以外は中から開けないと扉が開かないことになっている。ただし、家族など本人があらかじめ登録していた者なら、入室ログに記録されるものの、自由に入ることが可能であった。
今向かっているその部屋は自分の部屋ではないため、本来は入ることはできない。しかし、リョウは自分がその部屋の入室許可を受けた者として登録されていることを知っていた。
(……)
やがて、その部屋の前に到着する。扉の横の壁に示された部屋番号を確認するリョウ。そして、その部屋番号の下には居住者のネームプレートが張ってあった。
カレン・ミルフォード
リョウは、カレンの部屋に来たのだ。
掌紋照合パネルに掌を当てると、ピッという音がして、ドアが開いた。
急いで中に入ると、そこは当時の彼女の部屋のままだった。一万年が経過しているため、紙や布製のものは風化してちりとなっていたが、最低限の空調が行われており、それほど時間の経過は感じられない。
その懐かしさに、カレンとの思い出が一気に心の中によみがえる。
さまざまな感情に押し流されそうになるのをなんとか押しとどめて、リョウは部屋を見渡し目的のものを探した。感傷に浸っている暇はない。
『爆発まであと3分よ』
それを裏付けるかのようにリズの声が聞こえる。
(あった!)
リョウは、部屋の奥に自分が探していたものを見つけた。それは、コールドスリープカプセルだった。
カプセルには、シールド機能が備わっている。コールドスリープに入ったあの日、居住棟がミサイルの攻撃を受けてもリョウが生き延びたのは、この機能のおかげである。そして、今再び、自分の命をこれに掛けることになろうとは、全く予想もしていなかった不思議な巡り合わせであった。
リョウは、カプセルに駆け寄り、リズに命じる。
『リズ、カプセル起動。コンフィギュレーションを俺に合わせて設定しろ。システムチェックはプライマリーだけやって後は飛ばしていい』
『了解』
機械の駆動音が鳴り、いくつかの光が点灯して、カプセルの上蓋が開く。リョウは急いで中に入り、仰向けに横たわった。
『それと、爆発予定時刻になったら、短時間でいいからシールド最大にしてくれ。最初の爆発が一番激しいだろう』
『設定したわ。システムチェック完了。カプセルに異常ないわよ。反粒子爆弾の爆発まであと2分20秒』
『コールドスリープ開始』
『コールドスリープ、シークエンス開始するわ』
蓋が両側からだんだんとせり上がってきて完全に閉じた。カプセル内はほんのり明るい。
『そうだ、忘れるところだった。爆発が収まったら、アリシアに聞こえるよう救難信号を出し続けろ』
『了解』
もう後は運を天に任せるしかない。リョウは、目を閉じた。
(アリシア、あとは頼んだぜ)
彼女の優しい笑顔が脳裏に蘇る。リョウは我知らず微笑んで、そして、意識を失った。
■■■■
そのころ、アリシアは転送された崖の端に立って、遠く遺跡を見下ろしていた。
(もうそろそろ爆発する頃だわ)
詳しい話は聞いていないが、本来なら、この地域一体が巨大な穴になってしまうぐらい猛烈な爆発を、基地全体にシールドを張って最小限に抑えるとリョウが言っていた。
人間一人をシールドで包むというのは魔道にもあるが、巨大な建物を全て覆いつくすというのは聞いたこともない。アリシアは、旧文明の科学力に畏敬の念を抱かずにはいられなかった。
やがて、どこか遠くの地下から低い唸り声のような音が聞こえた。同時に激しい地響きが始まった。低い地鳴りが辺りに響き渡り、周りの山々が揺れ動いているように見える。その振動は、遺跡から離れたこの場所でも感じられた。
(来た!)
アリシアが身を固くしたその時だった。突如、湖の底から大きな爆発が起こり、とてつもない量の土砂と水柱が天に向かってほとばしった。まるで火山の噴火である。
だが、何ということだろう、それは空中で何か見えない天井にぶち当たったかのように跳ね返されたのだ。一瞬だけ何か半透明な覆いのようなものが光ったのが見えた。そのとき、初めて、アリシアは遺跡全体が透明な殻のようなものに包まれていることを知った。
そして、跳ね返された湖水や土砂は瀑布のように湖面にぶつかって激しい音を立てる。あまりの衝撃と水の量に、水煙が濃い霧のように周りに立ち込め、しばらくの間視界の一部がさえぎられた。さらに、湖に面していた山の斜面も、爆発の影響で次々と崩れて、この世の終わりのような地響きをさせながら湖面に流れ込んでくる。湖面の水が激しくうねり、まさに大荒れの大海のような様相であった。
それに伴い、今度は濁流の音とともに水位が急速に上昇していった。爆発のせいで、どこかの水脈に穴を開けたのかもしれない。見る見るうちに水かさは増え、発掘隊の小屋などもまるで洪水のように一気に押し流してしまった。
これらは、もはや単なる土砂崩れや水位の上昇というレベルではなかった。もうすでに、先ほどとは風景全体が変わってしまっている。
まさに圧倒的な自然の力であった。この光景を目の当たりにして、アリシアは人間の無力さを思い知らされ、ただ立ちつくしていた。
シールドが爆発を抑えてこの状態なら、基地の中は一体どうなっているのだろう。
こんな中を人は生き残ることができるのか。
(無理よ、こんなの、リョウ……)
絶望に打ちのめされ、アリシアは茫然自失の状態で、ただその光景を見つめていた。
どれくらいそうしていただろうか、やがて、地響きも土砂崩れも収まり、あたりは少しずつ静寂を取り戻す。湖水はまだ濁っており、湖面も上昇し続けてはいるが穏やかになりつつあった。
だが、アリシアはその光景を見ているうちに、恐ろしい事実に気がついた。
(こ、これって、もしかして……)
(そうよ、これは……お母さんが見たのと同じ光景なんだわ)
母は、当時湖の底に埋まっていたリョウをなんとか掘り起こそうと人事を尽くした。そして、その三年の間、時折ここに来ては遺跡を眺めていたと聞いた。それは、どれほど絶望的な光景だっただろう。しかも、母はその後、彼と再会することなく歳を重ね、亡くなったのだ。
(うそ……こんなの……)
アリシアは、まさに自分が母と同じ立場に置かれようとしていることに気づき、半ばパニックになった。いや、状況はそれよりずっと悪いかもしれない。
少なくとも母は、リョウが生きていること、そして、どこに埋まっているかは分かっていたのだ。しかし、自分は彼が生きているかどうかもわからないうえ、どこに埋まっているかすら分からない。たとえ生きていても掘り起こしようがないのだ。これでは、彼に会うのは不可能である。
彼女は、リョウを失う恐怖、というより、すでに彼を失った絶望にかられ、空を見上げて天に召された母に懇願した。
「お母さん、お願い。助けて。私、リョウがこんな状態で一人で生きていくなんて無理よ」
「お願い……お母さん……」
だが、奇跡は起きない。
湖の水位は変わらず増え続け、母の声も天の啓示も聞こえて来なかった。
「帰ってきてよ……リョウ……約束したじゃない……」
溢れる涙を止めることができずに、泣きじゃくる。
だが、ここで不思議なことが起こった。
何か声らしき音が聞こえた気がしたのだ。
『……シア……ア…シア……?』
空耳ではない。母の声ではないが、確かに女性の声だ。
アリシアは耳を澄ます。
そして、次の声ははっきり聞こえた。
『アリシア~、聞こえる? 聞こえたら返事して~』
この場に全くふさわしくない、のほほんとした口調。
その声の持ち主と直接言葉をかわしたことはなかったが、声だけは耳慣れている。誰だかすぐ分かった。
『リズ!』
『ああ、聞こえてるのね、よかったよかった』
『リョウは? リョウは無事なの?』
『ええ、ちゃんと生きてるわよ。もうやれやれだわ。あのさ、今から場所を教えるからさあ、ちゃちゃっと掘り起こしに来てくれない?』
この言い方を聞いて、アリシアは安堵に涙ぐみながらも、思わず吹き出した。
『今すぐ行くわ。待ってて!』
0
お気に入りに追加
49
あなたにおすすめの小説
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」
戦場に跳ねる兎
瀧川蓮
ファンタジー
「ママ……私はあと……どれだけ殺せばいいの……?」
科学と魔法が混在する世界で覇権を狙うネルドラ帝国。特殊任務を専門に担う帝国の暗部、特殊魔導戦団シャーレ、最強と呼ばれる『鮮血』部隊を率いる15歳の少女リザ・ルミナスは、殺戮の日々に嫌気がさし戦場から行方をくらました。そんな彼女に手を差し伸べたのが、世界一の戦上手と評される兎獣人(アルミラージュ)のレイナだった。
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
身分差婚~あなたの妻になれないはずだった~
椿蛍
恋愛
「息子と別れていただけないかしら?」
私を脅して、別れを決断させた彼の両親。
彼は高級住宅地『都久山』で王子様と呼ばれる存在。
私とは住む世界が違った……
別れを命じられ、私の恋が終わった。
叶わない身分差の恋だったはずが――
※R-15くらいなので※マークはありません。
※視点切り替えあり。
※2日間は1日3回更新、3日目から1日2回更新となります。
エリート警察官の溺愛は甘く切ない
日下奈緒
恋愛
親が警察官の紗良は、30歳にもなって独身なんてと親に責められる。
両親の勧めで、警察官とお見合いする事になったのだが、それは跡継ぎを産んで欲しいという、政略結婚で⁉
美しい公爵様の、凄まじい独占欲と溺れるほどの愛
らがまふぃん
恋愛
こちらは以前投稿いたしました、 美しく残酷な公爵令息様の、一途で不器用な愛 の続編となっております。前作よりマイルドな作品に仕上がっておりますが、内面のダークさが前作よりはあるのではなかろうかと。こちらのみでも楽しめるとは思いますが、わかりづらいかもしれません。よろしかったら前作をお読みいただいた方が、より楽しんでいただけるかと思いますので、お時間の都合のつく方は、是非。時々予告なく残酷な表現が入りますので、苦手な方はお控えください。 *早速のお気に入り登録、しおり、エールをありがとうございます。とても励みになります。前作もお読みくださっている方々にも、多大なる感謝を! ※R5.7/23本編完結いたしました。たくさんの方々に支えられ、ここまで続けることが出来ました。本当にありがとうございます。ばんがいへんを数話投稿いたしますので、引き続きお付き合いくださるとありがたいです。この作品の前作が、お気に入り登録をしてくださった方が、ありがたいことに200を超えておりました。感謝を込めて、前作の方に一話、近日中にお届けいたします。よろしかったらお付き合いください。 ※R5.8/6ばんがいへん終了いたしました。長い間お付き合いくださり、また、たくさんのお気に入り登録、しおり、エールを、本当にありがとうございました。 ※R5.9/3お気に入り登録200になっていました。本当にありがとうございます(泣)。嬉しかったので、一話書いてみました。 ※R5.10/30らがまふぃん活動一周年記念として、一話お届けいたします。 ※R6.1/27美しく残酷な公爵令息様の、一途で不器用な愛(前作) と、こちらの作品の間のお話し 美しく冷酷な公爵令息様の、狂おしい熱情に彩られた愛 始めました。お時間の都合のつく方は、是非ご一読くださると嬉しいです。
*らがまふぃん活動二周年記念として、R6.11/4に一話お届けいたします。少しでも楽しんでいただけますように。
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる