52 / 56
女神召喚編
10 盗賊たちのレクイエム 2
しおりを挟む
「ニッカが誘拐されただと!?」
ここは軍師ブラックの屋敷。
メイドに呼び出されて来てみれば、玄関に制服のスカーフと置き手紙があったのだ。
『娘の命が欲しければ、深夜に金貨一万枚を橋に置け、そうすれば娘は解放してやる。衛兵には言うな。言ったら娘の命はない』
汚い字で、そう書かれてある。
盗賊の仕業だ、と直感した。金貨一万枚……ブラック家の全財産だ、と思った。
ちなみに、この異世界には銀行はない。金貨一万枚は日本円で一億円の価値がある。
「ニッカ……」
十四才になる可愛い娘ニッカ。
絶対に奪われたくない!
ブラックは急いで金庫を開けた。その中には黄金に輝く金貨が、どっさり入っているのだった。
◉
「これっす」
ここはモーレンジの森の中。
鬱蒼とした木々で隠れるように建物がある。倉庫なのだろう。馬車ごと入れるように扉が大きい。
ラフロイグの案内で、ヤマザキ、ヒビキ、チタ、ニッカは盗賊のアジトにたどり着いていた。
「君たちはここにいろ」
「嫌よ」
「デュワーズちゃんを助けたぃです……」
女子学生に拒否られるヤマザキ。
ちょっとショックだった。
安心して、という顔でチタとニッカは魔力を放出する。
ヒビキが、「すごい……」と言うので強いのだろう。だが、ヤマザキには魔力が見えないので分からない。
「私たちを舐めないでよね、おじさん」
「戦ぇます……」
二人はやる気まんまんだ。
まぁ、ヒビキの回復魔法があるから大丈夫だろう。とヤマザキは判断した。
「裏手から入るっすよ」
みなでラフロイグの後を追う。
昔、用意したのだろう。彼はハシゴを森の中から取り出して、二階の窓にかける。それに登り、木材粘土の杖で窓枠を壊し、アジトへの侵入に成功した。
中は寝室のようだ。
薄暗く、湿っぽい空気が漂っている。人の出入りがなかった証拠だ。
ヤマザキたちは、腰を落として、物音を立てないように移動していく。
その部屋を出ると、吹き抜けの廊下だった。眼下の一階は広い倉庫になっていて、中央に縄で緊縛された人たちがいる。
デュワーズとラフロイグの仲間たちだ。
一方、盗賊たちは食事中だった。
大きな扉の前にある椅子に座り、テーブルにある焼いた肉や野菜を摘んでは、もぐもぐと食べている。そんな荒くれ者ものが、合計で五人いる。
「あの大きな男がボスっす」
わかった、とヤマザキはラフロイグの説明に頷く。
そして作戦をみんなに話した。
「ヒビキちゃんはここで戦況を見守って、いざとなったら回復してくれ」
「はい」
「デュワーズの友達の二人は、背の低い盗賊たちを倒してくれ。大きな男はラフロイグが倒す」
「わかったわ」
「はぃ」
「よし、じゃあ俺はここで見てるから、よろしく」
こくり、とみんな頷いたが、心の中で思った。
(おじさん、何もしないんだ……)
ヒビキは、「くすくす」と笑った。
一方、盗賊たちは腹一杯になったようだ。あくびしたり、足を伸ばしてリラックスしている。
するとそこへ、ぷかぷかと浮かぶ水球が盗賊の一人に近づく。
そして頭上から、ぼちゃんと一気に落下した。
「あっぶぶぶ!」
水球が顔をずっぽりと覆ってしまい、息ができない。苦しい。そのまま気絶した。
「なんだ!?」
と異変に気づいたが、もう遅い。
また一人の盗賊も水球で溺れて、「あっぶぶぶ」と気絶して倒れた。
物陰で、ニヤッとチタが笑っている。
得意の水魔法で敵を倒したのだ。
慌てる盗賊たち。ボスが椅子から立ち上がって、
「武器を持て!」
と叫んだ瞬間、盗賊の一人が吹っ飛んで壁に埋まった。
ボスは驚愕して身体を震わせている。なぜなら、ぽつんと少女が立っていたからだ。
「なっ……!?」
チタは拳を握り、残りの盗賊をぶん殴った。完璧なストレートパンチである。無の魔力の効果で、彼女の筋肉は強化されてあるのだ。
「ごめんなさぃ……」
ぺこり、と謝るチタ。
誰に対して? とボスが思っていると、トントンと肩を叩かれる。
おそるおそる振り返ると、そこにいたのはラフロイグだった。
ドガッ!
ボスは殴られて、大きく吹っ飛んだ。
ラフロイグの筋肉が膨れ上がっている。無の魔力を全開に放出していた。
「待ってくれ、ラフロイグ! 国を支配したら半分やろう! な? いい条件だろ?」
「バカ野郎!」
ぶべらァァ!
殴られたボスは、さらに吹っ飛んだ。
すると本気になったらしい。ぐわぁぁ、と雄叫びをあげて立ち上がる。
シャキン、と腰から剣を抜いた。ラフロイグも剣を抜き、一騎打ちになる。
じりじりと両者の間合いが詰められていく。
ザンッ!
勝負は、一瞬だった。
交差したラフロイグとボスは、互いに剣を振り切っている。
グフッと倒れたのはボスの方だ。腹が切られている。出血がひどい。
「……強くなったなラフロイグ」
「守りたい仲間ができたからっす」
剣の血を払ったラフロイグは、そのまま鞘に納める。
それを見たデュワーズは、「かっこいい」と思っていた。
いつも冗談ばかり言っているラフロイグは、ここにはいない。
悪を許さない正義の味方が、ここに立っているのだ。
「大丈夫? 怪我はない?」
「うん……」
ラフロイグはデュワーズの縄を解いた。
そして仲間たちも解放する。泣きながら彼に抱きついた。
「ラフロイグ~! ありがと~!」
「さすが俺たちのリーダーだ!」
泣くなよ、とラフロイグは苦笑いする。
一方、ヤマザキはヒビキに、「回復してくれ」と頼んでいる。
え? みんな無事だけど、と思って首を傾げるが、どうやら回復して欲しいのは盗賊たちの方らしい。
「どうするつもりですか? こんな悪党たち、死んでもいいのでは?」
「クールだね、ヒビキちゃん」
「だって、デュワーズちゃんを誘拐したんですよ! また悪いことをするに決まってます」
「まぁまぁ、いいから頼むよ。あとは俺が何とかするからさ」
「本当に……おじさんはゆったりしすぎです」
しぶしぶ、ヒビキは盗賊たちを回復してあげた。
あれ? なんで俺、生きてんだ?
という不思議な顔をする盗賊たち。ヤマザキは、ニコッと笑うと鞄を開けた。
「さあ、行こうか」
「え? あんただれ?」
ボスの手を掴むヤマザキ。
そして鞄の中にその手を入れた。アイテムボックスが発動。底なしの鞄の中にボスは収納されていく。
「うわぁぁぁ!」
他の盗賊たちも同様だった。
次々にアイテムボックスの中に収納されていく。
みんなドン引きしていた。ヒビキは質問する。
「その人たちをどうするんですか? その中に入れたら、死ぬのでは?」
「たぶん死なないと思う。まぁ、こいつらには掃除でもさせとくよ」
どこの? と思ったが、それよりもデュワーズの髪型が気になってしょうがない。
当のデュワーズは友達と抱き合っている。
「大丈夫か?」
「……怪我はしてなぃ?」
平気だよ、とデュワーズは笑った。
「助けに来てくれてありがとう」
「当然よ」
ニッカは両手を腰に当て、「友達でしょ」とつけ足した。
ちょっと偉そうだが、デュワーズが好きなことが伝わる。
するとそのとき、少女の金髪がプルプルと動き出した。
ポンッ!
と髪は弾けて、元の縦巻きドリルに戻ってしまう。みんな爆笑した。
ニッカは、ちょっと恥ずかしそうに髪を触る。
「何よ……」
ヤマザキは満足そうな顔をしている。
デュワーズに友達ができて、とても嬉しいのだ。
そして、仲間たちに言った。
「よし! 今夜はバーベキューにしよう!」
やったー! とみんな盛り上がるのだった。
◉
わいわい、と河原でバーベキューをするヤマザキたち。
かんぱーい! とそれぞれ飲み物を持ちあげた。
ぱちぱちと燃え盛る焚き火。タレをつけた串肉を焼くのは、ヤマザキとラフロイグたち、それとジョニだ。
「ヤマザキさん」
「ん?」
「さっそくバーベキューを開いてくれて、ありがとうございます」
「ああ、楽しもうぜ」
「はい! あ、ハニィ様、今日は特別ですよ~」
うるさい! 女王に命令するな!
と、ハニィはぷんぷん怒る。そしてデュワーズたちと、ガールズトークに花を咲かせた。
「デュワーズの髪はさらさらだな」
「えへへ、お父さん譲りだよ」
今まで男として生活していたから、このように女性として暮らせることが、無性に楽しいのだ。
「うまい! なんだこの白い飲み物は?」
「それはカウカウのミルクだよ」
デュワーズは、なみなみとミルクをコップについだ。
それをハニィは飲んで、「ぷは~」と感動していたのだ。
チタとニッカは聖女様であるヒビキに夢中だった。
「光魔法、すごぃです……」
「ヒビキさんなら魔法学校の先生になれそう」
ニッカの提案に、「いや、私なんて……」と謙遜する。
そこへ、ヤマザキたちが料理を持ってきた。ドン! と脂ののったジュシーな串焼き、それにサラダやパンなどがテーブルに置かれ、とても豪華である。
さあ、パーティの始まりだ。
いただきまーす!
みんなで騒いで、食べて、飲んで、すごく楽しい夜を過ごした。星空も綺麗だ、
(まるで天国だなぁ……)
ラフロイグは泣きそうだ。
いや、もう泣いている。
今まで、散々悪いことをしてきた。この手で……。
だが今、目にしている光景はどうだ。仲間に囲まれ、食事を楽しんでいる。特に女性陣たちが目の保養すぎて、素晴らしい。
(ヒビキちゃん、デュワーズ、その友達のニッカ、チタ、それにハニィ様、みんな可愛すぎだろ!)
天国には女神様がいるらしい。
だが、もうここが天国と言ってもいいくらい幸せな光景が目の前にある。
当然、ラフロイグの仲間もデレデレしていた。というか、ほぼ召使いみたいに動いている。
串焼きが少なくなったら焼く。
飲み物を追加し、焚き火の管理をする。
元盗賊の彼らにとって、仲良く女性と関われること自体が奇跡なのだ。
するとラフロイグのそばに、デュワーズが寄ってきた。少し顔が赤いのは、気のせいだろうか。
「ラフロイグ……」
「ん?」
「あの、その……助けてくれて、ありがとう」
「お、おう」
「カッコよかったよ……」
そう言って、デュワーズは女性陣の中に戻っていく。
そしてチタとニッカと抱き合って、キャーキャーと騒いでいた。さらに、チラッとこちらを見られる。
(え? なに?)
ラフロイグの心は、甘酸っぱい気持ちで溢れてしまう。学校に通っていない彼にとって、これが初めての青春であった。
「デュ、デュワーズ……か、可愛いすぎる……」
一方ヤマザキは、ジョニにパスタ料理を教えていた。トマトの甘味がたっぷりのナポリタンだ。
完成したので、みんなに食べてもらう。
「おぃしぃ……」
娘のチタに褒められ、ジョニはガッツポーズをした。みんな微笑ましい空気に包まれる。
楽しい時間はすぐに過ぎていく。
焚き火の炎が小さくなり、そろそろお開きだ。
バイバーイ、またやろう、と手を振って別れ、みんなそれぞれの帰路につく。
ヒビキとデュワーズはともに帰り。ヤマザキとラフロイグたちは、せっせっと片付けをしていた。
ハニィとジョニはチタとニッカを連れて、ゆっくりと橋の上を歩く。まだバーベキューの楽しかった余韻が残り、肌をかすめる初夏の風が心地よい。
橋から眺める街の夜景はとても綺麗で、紫娼館やハイランド城の明かりが輝いていた。
夜行は初めての経験なのだろう。
チタとニッカは手を取りあって、楽しそうにはしゃぐ。
と、そのとき。ニッカは橋の上で、「おや?」と見憶えのある男性を発見した。大きな鞄を抱えているのが気になる。
よく見ると、父親のブラックだった。
ニッカは走って父親に近づく。
ハニィとジョニとチタは、ちょっと離れて父と娘を見守ることにした。
「ニッカ!」
「お父様? どうしたのですか?」
「脅迫状が届いていたんだ。ニッカが誘拐されたと……ああ、無事でよかった」
「……助けてもらったのよ」
「誰に?」
「道具屋のおじさん」
道具屋? とブラックは聞き返す。
ニッカは笑顔で答えた。
「ヤマザキさんよ」
「そうか……やはり彼は人格者だ。是非ともニッカをお嫁さんにしてもらいたいな~」
「はぁ? 嫌よ、あんなおじさんと結婚するなんて!」
「そう言うな。父はヤマザキさんが気にいってしまったのだ……よし、まずは婚約者がいるか聞いてみよう」
「もう、やめてよ~」
今夜は家族会議だろうな。
と、その光景を見ているジョニは思った。
チタは、「おじさんと結婚……」と妄想してニヤニヤしている。
その一方で、ハニィは複雑な心境であった。
なぜならニッカは十四歳。この異世界では二十歳のハニィよりも遥かに若いニッカの方が、とても結婚しやすい年頃の娘なのだ。ふつうに負けた気がしてしまう。
(また恋のライバルが……)
◉
次の日の朝。
ヤマザキは農業用の倉庫で一人、魔導具を作っていた。
麦を収穫する魔導具・コンバインだ。
刈り取り部の回転ヘッダ、刃、チェーン、脱穀部のロータ、落ちた実をためるタンク、排出部の筒、足回りのホイール、外装は金属粘土スティックで制作。タイヤはゴムゴムスライムの素材を使用。動力には無と風の魔石を装着した。
だが、まだ完成はしていない。
操作をどうするか困っていた。なぜなら異世界の人は車を運転したことがないからである。
(異世界の人が運転できなきゃ意味ないよな。いつか俺は日本に帰るし……)
と、思っているのだ。
そうは言っても、やはり丸ハンドルと足元のアクセルとブレーキで操作する方法しか考えられなかった。
ふと頭をよぎるのは、ヒビキの光魔法だ。彼女は見たものを保存できた。もしかしたら、光の魔石があれば自動運転も可能ではないだろうか。
いやいや、と首を振る。
今、手元に光の魔石がない。
現実的にも、ここはやはり車のような操作性にしよう。とヤマザキは判断した。
「もう朝か……」
徹夜してしまった。
つい、作業に没頭してしまい寝るのを忘れていたのだ。
するとそのとき、倉庫の扉が開く。
ヒビキだ。朝食を持って来てくれた。メイド服を着ている。可愛い。
「おじさん、いっしょに食べましょう」
「お! ヒビキちゃんありがとう」
厨房から選んで持って来たのだろう。
ヤマザキの好きなトマトサンドイッチと温かいスープだ。二人は美味しく食べた。
子どもが苦手だったヤマザキだが、顔を合わせれば、ニコッと笑ってくれるヒビキを見て思う。
(あれ? 俺ってふつうに子どもと話せてる……異世界に来てよかった~)
で、泣いてしまう。
ヒビキは、ふつうに引いていた。
「……え? なぜ泣いてるんですか?」
「いや、女子高生と話してると思ったら、急に泣けてきた……」
「キモっ……あ、そう言えば盗賊たちはどうなったんですか?」
「ああ、もうアイテムボックスから出したよ」
「まるでゴミみたいに言いますね。どこに出したのですか?」
「アイラ神殿だ。今頃、バスカーにこき使われているだろうよ」
「……修行僧にしたんですね」
「ああ」
一方その頃、アイラ神殿では……。
清々しい青空に向かって、歌声が響いている。聖職者たちが女神を讃える歌をうたっていたのだ。
神殿の中央にある女神の石像は、優しく微笑んでいる。
そんな中に怒声が反響した。バスカー教皇だ。
「悪いことをしたおまえたちは、生まれ変わるのだ! まずは掃除をして反省しろ!」
はい! と神殿の汚れた床を雑巾がけする盗賊たち。いや、今はもう聖職者の見習いか。
いつか彼らの罪が許され、まっとうな人間になれるようにと、ヤマザキがバスカーに頼んでいたのだ。
「ううう……もう一生悪いことはしねぇよ……」
ボスは泣きながら掃除をする。
もうここに盗賊はいない。聖職者たちの歌声はレクイエムとなって、空高く響き渡るのであった。
ここは軍師ブラックの屋敷。
メイドに呼び出されて来てみれば、玄関に制服のスカーフと置き手紙があったのだ。
『娘の命が欲しければ、深夜に金貨一万枚を橋に置け、そうすれば娘は解放してやる。衛兵には言うな。言ったら娘の命はない』
汚い字で、そう書かれてある。
盗賊の仕業だ、と直感した。金貨一万枚……ブラック家の全財産だ、と思った。
ちなみに、この異世界には銀行はない。金貨一万枚は日本円で一億円の価値がある。
「ニッカ……」
十四才になる可愛い娘ニッカ。
絶対に奪われたくない!
ブラックは急いで金庫を開けた。その中には黄金に輝く金貨が、どっさり入っているのだった。
◉
「これっす」
ここはモーレンジの森の中。
鬱蒼とした木々で隠れるように建物がある。倉庫なのだろう。馬車ごと入れるように扉が大きい。
ラフロイグの案内で、ヤマザキ、ヒビキ、チタ、ニッカは盗賊のアジトにたどり着いていた。
「君たちはここにいろ」
「嫌よ」
「デュワーズちゃんを助けたぃです……」
女子学生に拒否られるヤマザキ。
ちょっとショックだった。
安心して、という顔でチタとニッカは魔力を放出する。
ヒビキが、「すごい……」と言うので強いのだろう。だが、ヤマザキには魔力が見えないので分からない。
「私たちを舐めないでよね、おじさん」
「戦ぇます……」
二人はやる気まんまんだ。
まぁ、ヒビキの回復魔法があるから大丈夫だろう。とヤマザキは判断した。
「裏手から入るっすよ」
みなでラフロイグの後を追う。
昔、用意したのだろう。彼はハシゴを森の中から取り出して、二階の窓にかける。それに登り、木材粘土の杖で窓枠を壊し、アジトへの侵入に成功した。
中は寝室のようだ。
薄暗く、湿っぽい空気が漂っている。人の出入りがなかった証拠だ。
ヤマザキたちは、腰を落として、物音を立てないように移動していく。
その部屋を出ると、吹き抜けの廊下だった。眼下の一階は広い倉庫になっていて、中央に縄で緊縛された人たちがいる。
デュワーズとラフロイグの仲間たちだ。
一方、盗賊たちは食事中だった。
大きな扉の前にある椅子に座り、テーブルにある焼いた肉や野菜を摘んでは、もぐもぐと食べている。そんな荒くれ者ものが、合計で五人いる。
「あの大きな男がボスっす」
わかった、とヤマザキはラフロイグの説明に頷く。
そして作戦をみんなに話した。
「ヒビキちゃんはここで戦況を見守って、いざとなったら回復してくれ」
「はい」
「デュワーズの友達の二人は、背の低い盗賊たちを倒してくれ。大きな男はラフロイグが倒す」
「わかったわ」
「はぃ」
「よし、じゃあ俺はここで見てるから、よろしく」
こくり、とみんな頷いたが、心の中で思った。
(おじさん、何もしないんだ……)
ヒビキは、「くすくす」と笑った。
一方、盗賊たちは腹一杯になったようだ。あくびしたり、足を伸ばしてリラックスしている。
するとそこへ、ぷかぷかと浮かぶ水球が盗賊の一人に近づく。
そして頭上から、ぼちゃんと一気に落下した。
「あっぶぶぶ!」
水球が顔をずっぽりと覆ってしまい、息ができない。苦しい。そのまま気絶した。
「なんだ!?」
と異変に気づいたが、もう遅い。
また一人の盗賊も水球で溺れて、「あっぶぶぶ」と気絶して倒れた。
物陰で、ニヤッとチタが笑っている。
得意の水魔法で敵を倒したのだ。
慌てる盗賊たち。ボスが椅子から立ち上がって、
「武器を持て!」
と叫んだ瞬間、盗賊の一人が吹っ飛んで壁に埋まった。
ボスは驚愕して身体を震わせている。なぜなら、ぽつんと少女が立っていたからだ。
「なっ……!?」
チタは拳を握り、残りの盗賊をぶん殴った。完璧なストレートパンチである。無の魔力の効果で、彼女の筋肉は強化されてあるのだ。
「ごめんなさぃ……」
ぺこり、と謝るチタ。
誰に対して? とボスが思っていると、トントンと肩を叩かれる。
おそるおそる振り返ると、そこにいたのはラフロイグだった。
ドガッ!
ボスは殴られて、大きく吹っ飛んだ。
ラフロイグの筋肉が膨れ上がっている。無の魔力を全開に放出していた。
「待ってくれ、ラフロイグ! 国を支配したら半分やろう! な? いい条件だろ?」
「バカ野郎!」
ぶべらァァ!
殴られたボスは、さらに吹っ飛んだ。
すると本気になったらしい。ぐわぁぁ、と雄叫びをあげて立ち上がる。
シャキン、と腰から剣を抜いた。ラフロイグも剣を抜き、一騎打ちになる。
じりじりと両者の間合いが詰められていく。
ザンッ!
勝負は、一瞬だった。
交差したラフロイグとボスは、互いに剣を振り切っている。
グフッと倒れたのはボスの方だ。腹が切られている。出血がひどい。
「……強くなったなラフロイグ」
「守りたい仲間ができたからっす」
剣の血を払ったラフロイグは、そのまま鞘に納める。
それを見たデュワーズは、「かっこいい」と思っていた。
いつも冗談ばかり言っているラフロイグは、ここにはいない。
悪を許さない正義の味方が、ここに立っているのだ。
「大丈夫? 怪我はない?」
「うん……」
ラフロイグはデュワーズの縄を解いた。
そして仲間たちも解放する。泣きながら彼に抱きついた。
「ラフロイグ~! ありがと~!」
「さすが俺たちのリーダーだ!」
泣くなよ、とラフロイグは苦笑いする。
一方、ヤマザキはヒビキに、「回復してくれ」と頼んでいる。
え? みんな無事だけど、と思って首を傾げるが、どうやら回復して欲しいのは盗賊たちの方らしい。
「どうするつもりですか? こんな悪党たち、死んでもいいのでは?」
「クールだね、ヒビキちゃん」
「だって、デュワーズちゃんを誘拐したんですよ! また悪いことをするに決まってます」
「まぁまぁ、いいから頼むよ。あとは俺が何とかするからさ」
「本当に……おじさんはゆったりしすぎです」
しぶしぶ、ヒビキは盗賊たちを回復してあげた。
あれ? なんで俺、生きてんだ?
という不思議な顔をする盗賊たち。ヤマザキは、ニコッと笑うと鞄を開けた。
「さあ、行こうか」
「え? あんただれ?」
ボスの手を掴むヤマザキ。
そして鞄の中にその手を入れた。アイテムボックスが発動。底なしの鞄の中にボスは収納されていく。
「うわぁぁぁ!」
他の盗賊たちも同様だった。
次々にアイテムボックスの中に収納されていく。
みんなドン引きしていた。ヒビキは質問する。
「その人たちをどうするんですか? その中に入れたら、死ぬのでは?」
「たぶん死なないと思う。まぁ、こいつらには掃除でもさせとくよ」
どこの? と思ったが、それよりもデュワーズの髪型が気になってしょうがない。
当のデュワーズは友達と抱き合っている。
「大丈夫か?」
「……怪我はしてなぃ?」
平気だよ、とデュワーズは笑った。
「助けに来てくれてありがとう」
「当然よ」
ニッカは両手を腰に当て、「友達でしょ」とつけ足した。
ちょっと偉そうだが、デュワーズが好きなことが伝わる。
するとそのとき、少女の金髪がプルプルと動き出した。
ポンッ!
と髪は弾けて、元の縦巻きドリルに戻ってしまう。みんな爆笑した。
ニッカは、ちょっと恥ずかしそうに髪を触る。
「何よ……」
ヤマザキは満足そうな顔をしている。
デュワーズに友達ができて、とても嬉しいのだ。
そして、仲間たちに言った。
「よし! 今夜はバーベキューにしよう!」
やったー! とみんな盛り上がるのだった。
◉
わいわい、と河原でバーベキューをするヤマザキたち。
かんぱーい! とそれぞれ飲み物を持ちあげた。
ぱちぱちと燃え盛る焚き火。タレをつけた串肉を焼くのは、ヤマザキとラフロイグたち、それとジョニだ。
「ヤマザキさん」
「ん?」
「さっそくバーベキューを開いてくれて、ありがとうございます」
「ああ、楽しもうぜ」
「はい! あ、ハニィ様、今日は特別ですよ~」
うるさい! 女王に命令するな!
と、ハニィはぷんぷん怒る。そしてデュワーズたちと、ガールズトークに花を咲かせた。
「デュワーズの髪はさらさらだな」
「えへへ、お父さん譲りだよ」
今まで男として生活していたから、このように女性として暮らせることが、無性に楽しいのだ。
「うまい! なんだこの白い飲み物は?」
「それはカウカウのミルクだよ」
デュワーズは、なみなみとミルクをコップについだ。
それをハニィは飲んで、「ぷは~」と感動していたのだ。
チタとニッカは聖女様であるヒビキに夢中だった。
「光魔法、すごぃです……」
「ヒビキさんなら魔法学校の先生になれそう」
ニッカの提案に、「いや、私なんて……」と謙遜する。
そこへ、ヤマザキたちが料理を持ってきた。ドン! と脂ののったジュシーな串焼き、それにサラダやパンなどがテーブルに置かれ、とても豪華である。
さあ、パーティの始まりだ。
いただきまーす!
みんなで騒いで、食べて、飲んで、すごく楽しい夜を過ごした。星空も綺麗だ、
(まるで天国だなぁ……)
ラフロイグは泣きそうだ。
いや、もう泣いている。
今まで、散々悪いことをしてきた。この手で……。
だが今、目にしている光景はどうだ。仲間に囲まれ、食事を楽しんでいる。特に女性陣たちが目の保養すぎて、素晴らしい。
(ヒビキちゃん、デュワーズ、その友達のニッカ、チタ、それにハニィ様、みんな可愛すぎだろ!)
天国には女神様がいるらしい。
だが、もうここが天国と言ってもいいくらい幸せな光景が目の前にある。
当然、ラフロイグの仲間もデレデレしていた。というか、ほぼ召使いみたいに動いている。
串焼きが少なくなったら焼く。
飲み物を追加し、焚き火の管理をする。
元盗賊の彼らにとって、仲良く女性と関われること自体が奇跡なのだ。
するとラフロイグのそばに、デュワーズが寄ってきた。少し顔が赤いのは、気のせいだろうか。
「ラフロイグ……」
「ん?」
「あの、その……助けてくれて、ありがとう」
「お、おう」
「カッコよかったよ……」
そう言って、デュワーズは女性陣の中に戻っていく。
そしてチタとニッカと抱き合って、キャーキャーと騒いでいた。さらに、チラッとこちらを見られる。
(え? なに?)
ラフロイグの心は、甘酸っぱい気持ちで溢れてしまう。学校に通っていない彼にとって、これが初めての青春であった。
「デュ、デュワーズ……か、可愛いすぎる……」
一方ヤマザキは、ジョニにパスタ料理を教えていた。トマトの甘味がたっぷりのナポリタンだ。
完成したので、みんなに食べてもらう。
「おぃしぃ……」
娘のチタに褒められ、ジョニはガッツポーズをした。みんな微笑ましい空気に包まれる。
楽しい時間はすぐに過ぎていく。
焚き火の炎が小さくなり、そろそろお開きだ。
バイバーイ、またやろう、と手を振って別れ、みんなそれぞれの帰路につく。
ヒビキとデュワーズはともに帰り。ヤマザキとラフロイグたちは、せっせっと片付けをしていた。
ハニィとジョニはチタとニッカを連れて、ゆっくりと橋の上を歩く。まだバーベキューの楽しかった余韻が残り、肌をかすめる初夏の風が心地よい。
橋から眺める街の夜景はとても綺麗で、紫娼館やハイランド城の明かりが輝いていた。
夜行は初めての経験なのだろう。
チタとニッカは手を取りあって、楽しそうにはしゃぐ。
と、そのとき。ニッカは橋の上で、「おや?」と見憶えのある男性を発見した。大きな鞄を抱えているのが気になる。
よく見ると、父親のブラックだった。
ニッカは走って父親に近づく。
ハニィとジョニとチタは、ちょっと離れて父と娘を見守ることにした。
「ニッカ!」
「お父様? どうしたのですか?」
「脅迫状が届いていたんだ。ニッカが誘拐されたと……ああ、無事でよかった」
「……助けてもらったのよ」
「誰に?」
「道具屋のおじさん」
道具屋? とブラックは聞き返す。
ニッカは笑顔で答えた。
「ヤマザキさんよ」
「そうか……やはり彼は人格者だ。是非ともニッカをお嫁さんにしてもらいたいな~」
「はぁ? 嫌よ、あんなおじさんと結婚するなんて!」
「そう言うな。父はヤマザキさんが気にいってしまったのだ……よし、まずは婚約者がいるか聞いてみよう」
「もう、やめてよ~」
今夜は家族会議だろうな。
と、その光景を見ているジョニは思った。
チタは、「おじさんと結婚……」と妄想してニヤニヤしている。
その一方で、ハニィは複雑な心境であった。
なぜならニッカは十四歳。この異世界では二十歳のハニィよりも遥かに若いニッカの方が、とても結婚しやすい年頃の娘なのだ。ふつうに負けた気がしてしまう。
(また恋のライバルが……)
◉
次の日の朝。
ヤマザキは農業用の倉庫で一人、魔導具を作っていた。
麦を収穫する魔導具・コンバインだ。
刈り取り部の回転ヘッダ、刃、チェーン、脱穀部のロータ、落ちた実をためるタンク、排出部の筒、足回りのホイール、外装は金属粘土スティックで制作。タイヤはゴムゴムスライムの素材を使用。動力には無と風の魔石を装着した。
だが、まだ完成はしていない。
操作をどうするか困っていた。なぜなら異世界の人は車を運転したことがないからである。
(異世界の人が運転できなきゃ意味ないよな。いつか俺は日本に帰るし……)
と、思っているのだ。
そうは言っても、やはり丸ハンドルと足元のアクセルとブレーキで操作する方法しか考えられなかった。
ふと頭をよぎるのは、ヒビキの光魔法だ。彼女は見たものを保存できた。もしかしたら、光の魔石があれば自動運転も可能ではないだろうか。
いやいや、と首を振る。
今、手元に光の魔石がない。
現実的にも、ここはやはり車のような操作性にしよう。とヤマザキは判断した。
「もう朝か……」
徹夜してしまった。
つい、作業に没頭してしまい寝るのを忘れていたのだ。
するとそのとき、倉庫の扉が開く。
ヒビキだ。朝食を持って来てくれた。メイド服を着ている。可愛い。
「おじさん、いっしょに食べましょう」
「お! ヒビキちゃんありがとう」
厨房から選んで持って来たのだろう。
ヤマザキの好きなトマトサンドイッチと温かいスープだ。二人は美味しく食べた。
子どもが苦手だったヤマザキだが、顔を合わせれば、ニコッと笑ってくれるヒビキを見て思う。
(あれ? 俺ってふつうに子どもと話せてる……異世界に来てよかった~)
で、泣いてしまう。
ヒビキは、ふつうに引いていた。
「……え? なぜ泣いてるんですか?」
「いや、女子高生と話してると思ったら、急に泣けてきた……」
「キモっ……あ、そう言えば盗賊たちはどうなったんですか?」
「ああ、もうアイテムボックスから出したよ」
「まるでゴミみたいに言いますね。どこに出したのですか?」
「アイラ神殿だ。今頃、バスカーにこき使われているだろうよ」
「……修行僧にしたんですね」
「ああ」
一方その頃、アイラ神殿では……。
清々しい青空に向かって、歌声が響いている。聖職者たちが女神を讃える歌をうたっていたのだ。
神殿の中央にある女神の石像は、優しく微笑んでいる。
そんな中に怒声が反響した。バスカー教皇だ。
「悪いことをしたおまえたちは、生まれ変わるのだ! まずは掃除をして反省しろ!」
はい! と神殿の汚れた床を雑巾がけする盗賊たち。いや、今はもう聖職者の見習いか。
いつか彼らの罪が許され、まっとうな人間になれるようにと、ヤマザキがバスカーに頼んでいたのだ。
「ううう……もう一生悪いことはしねぇよ……」
ボスは泣きながら掃除をする。
もうここに盗賊はいない。聖職者たちの歌声はレクイエムとなって、空高く響き渡るのであった。
65
お気に入りに追加
1,002
あなたにおすすめの小説
ハイエルフの幼女は異世界をまったりと過ごしていく ~それを助ける過保護な転移者~
まぁ
ファンタジー
事故で亡くなった日本人、黒野大河はクロノとして異世界転移するはめに。
よし、神様からチートの力をもらって、無双だ!!!
ではなく、神様の世界で厳しい修行の末に力を手に入れやっとのことで異世界転移。
目的もない異世界生活だがすぐにハイエルフの幼女とであう。
なぜか、その子が気になり世話をすることに。
神様と修行した力でこっそり無双、もらった力で快適生活を。
邪神あり勇者あり冒険者あり迷宮もありの世界を幼女とポチ(犬?)で駆け抜けます。
PS
2/12 1章を書き上げました。あとは手直しをして終わりです。
とりあえず、この1章でメインストーリーはほぼ8割終わる予定です。
伸ばそうと思えば、5割程度終了といったとこでしょうか。
2章からはまったりと?、自由に異世界を生活していきます。
以前書いたことのある話で戦闘が面白かったと感想をもらいましたので、
1章最後は戦闘を長めに書いてみました。
俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない
亮亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。
不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。
そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。
帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。
そして邂逅する謎の組織。
萌の物語が始まる。
俺しか使えない『アイテムボックス』がバグってる
十本スイ
ファンタジー
俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。
目立つのが嫌でダンジョンのソロ攻略をしていた俺、アイドル配信者のいる前で、うっかり最凶モンスターをブッ飛ばしてしまう
果 一
ファンタジー
目立つことが大嫌いな男子高校生、篠村暁斗の通う学校には、アイドルがいる。
名前は芹なずな。学校一美人で現役アイドル、さらに有名ダンジョン配信者という勝ち組人生を送っている女の子だ。
日夜、ぼんやりと空を眺めるだけの暁斗とは縁のない存在。
ところが、ある日暁斗がダンジョンの下層でひっそりとモンスター狩りをしていると、SSクラスモンスターのワイバーンに襲われている小規模パーティに遭遇する。
この期に及んで「目立ちたくないから」と見捨てるわけにもいかず、暁斗は隠していた実力を解放して、ワイバーンを一撃粉砕してしまう。
しかし、近くに倒れていたアイドル配信者の芹なずなに目撃されていて――
しかも、その一部始終は生放送されていて――!?
《ワイバーン一撃で倒すとか異次元過ぎw》
《さっき見たらツイットーのトレンドに上がってた。これ、明日のネットニュースにも載るっしょ絶対》
SNSでバズりにバズり、さらには芹なずなにも正体がバレて!?
暁斗の陰キャ自由ライフは、瞬く間に崩壊する!
※本作は小説家になろう・カクヨムでも公開しています。両サイトでのタイトルは『目立つのが嫌でダンジョンのソロ攻略をしていた俺、アイドル配信者のいる前で、うっかり最凶モンスターをブッ飛ばしてしまう~バズりまくって陰キャ生活が無事終了したんだが~』となります。
※この作品はフィクションです。実在の人物•団体•事件•法律などとは一切関係ありません。あらかじめご了承ください。
異世界帰りの底辺配信者のオッサンが、超人気配信者の美女達を助けたら、セレブ美女たちから大国の諜報機関まであらゆる人々から追われることになる話
kaizi
ファンタジー
※しばらくは毎日(17時)更新します。
※この小説はカクヨム様、小説家になろう様にも掲載しております。
※カクヨム週間総合ランキング2位、ジャンル別週間ランキング1位獲得
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
異世界帰りのオッサン冒険者。
二見敬三。
彼は異世界で英雄とまで言われた男であるが、数ヶ月前に現実世界に帰還した。
彼が異世界に行っている間に現実世界にも世界中にダンジョンが出現していた。
彼は、現実世界で生きていくために、ダンジョン配信をはじめるも、その配信は見た目が冴えないオッサンということもあり、全くバズらない。
そんなある日、超人気配信者のS級冒険者パーティを助けたことから、彼の生活は一変する。
S級冒険者の美女たちから迫られて、さらには大国の諜報機関まで彼の存在を危険視する始末……。
オッサンが無自覚に世界中を大騒ぎさせる!?
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
僕の秘密を知った自称勇者が聖剣を寄越せと言ってきたので渡してみた
黒木メイ
ファンタジー
世界に一人しかいないと言われている『勇者』。
その『勇者』は今、ワグナー王国にいるらしい。
曖昧なのには理由があった。
『勇者』だと思わしき少年、レンが頑なに「僕は勇者じゃない」と言っているからだ。
どんなに周りが勇者だと持て囃してもレンは認めようとしない。
※小説家になろうにも随時転載中。
レンはただ、ある目的のついでに人々を助けただけだと言う。
それでも皆はレンが勇者だと思っていた。
突如日本という国から彼らが転移してくるまでは。
はたして、レンは本当に勇者ではないのか……。
ざまぁあり・友情あり・謎ありな作品です。
※小説家になろう、カクヨム、ネオページにも掲載。
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる