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【第7話】森と私と
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私は目を覚ますと、森の中にいた。
──ここ何処……?私はさっきアルと一緒に居たのよ……ね?
その記憶は、靄がかかっている様にぼんやりしている。
「とにかく、今は状況を整理しなきゃいけなさそうね。」
──?
森の奥の方から何か聞こえる。
「……………………………………」
「…………………………………………」
──誰の声?
2人の少女の声が聞こえる。その声はとても懐かしいものだった。
──まさかこの声って……。
私は半信半疑で声のする方向へ走る。
すると森を抜けて広い野原に出た。そこには先程の声の主であろう少女達が、一緒に座っていた。
どちらの少女も、こちらを向いてはいなかったが私はその少女達の正体がわかった。
──あれは……わた、し……?
目の前にいる少女は信じがたいが、あれは間違いなく私で。となると、もう一人の少女は……。
「……お、姉ちゃん……?」
その後ろ姿だけでわかる、優しそうな感じ、その私を大切にしている感じから、私の姉だと直感した。
──この感じからして、私が5歳くらいのときかしら……。
2人は仲良く何か話しながら、遊んでいるようだった。
私はお姉ちゃんと、遊んでいた昔のことを思い出して、懐かしくて、その2人に近づいていった。
──もう少しで手が届く……!!
そう思った途端に2人は透けるように、消えてしまった。するとまた、後ろの方から声が聞こえてきた。
渡しはおそるおそる振り向くと、その頃から、少し成長した私達がいた。
今度は私が、姉の手を引っ張っている。
「おねえちゃん!今日はあそこに行ってみようよ!」
「駄目だよ……。あそこはきっと危ないよ?それに、怖いからやめようよ……。」
「だいじょうぶだって!いこ!」
そう言ってその私はお姉ちゃんを奥に見える館の方へ無理やり引っ張って連れて行った。
──あぁ……。今のは7歳くらいの頃か。
あの後、結局館の前で怖くて引き返したのだけれど。先程の出来事は実際に私が7歳の頃にあった。ということはもしかして、
──あの頃を繰り返してる……?
そしてまた先程と景色が変わる。
しかし、今度は先程と違って、
"私"がいなかった────
──ここ何処……?私はさっきアルと一緒に居たのよ……ね?
その記憶は、靄がかかっている様にぼんやりしている。
「とにかく、今は状況を整理しなきゃいけなさそうね。」
──?
森の奥の方から何か聞こえる。
「……………………………………」
「…………………………………………」
──誰の声?
2人の少女の声が聞こえる。その声はとても懐かしいものだった。
──まさかこの声って……。
私は半信半疑で声のする方向へ走る。
すると森を抜けて広い野原に出た。そこには先程の声の主であろう少女達が、一緒に座っていた。
どちらの少女も、こちらを向いてはいなかったが私はその少女達の正体がわかった。
──あれは……わた、し……?
目の前にいる少女は信じがたいが、あれは間違いなく私で。となると、もう一人の少女は……。
「……お、姉ちゃん……?」
その後ろ姿だけでわかる、優しそうな感じ、その私を大切にしている感じから、私の姉だと直感した。
──この感じからして、私が5歳くらいのときかしら……。
2人は仲良く何か話しながら、遊んでいるようだった。
私はお姉ちゃんと、遊んでいた昔のことを思い出して、懐かしくて、その2人に近づいていった。
──もう少しで手が届く……!!
そう思った途端に2人は透けるように、消えてしまった。するとまた、後ろの方から声が聞こえてきた。
渡しはおそるおそる振り向くと、その頃から、少し成長した私達がいた。
今度は私が、姉の手を引っ張っている。
「おねえちゃん!今日はあそこに行ってみようよ!」
「駄目だよ……。あそこはきっと危ないよ?それに、怖いからやめようよ……。」
「だいじょうぶだって!いこ!」
そう言ってその私はお姉ちゃんを奥に見える館の方へ無理やり引っ張って連れて行った。
──あぁ……。今のは7歳くらいの頃か。
あの後、結局館の前で怖くて引き返したのだけれど。先程の出来事は実際に私が7歳の頃にあった。ということはもしかして、
──あの頃を繰り返してる……?
そしてまた先程と景色が変わる。
しかし、今度は先程と違って、
"私"がいなかった────
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