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1937年8月ドイツ第三帝国義勇軍大日本帝国に到着以後
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ドイツ第三帝国からの義勇軍は想像以上に精強な軍隊であった。そして機甲師団三師団3000人と近接航空支援空団1個空団200機とかなり大規模であった。
彼らは一度長崎に寄港し、祝いの席を設けたあと、中国に向けて出航した。彼らの指揮系統は少し複雑である。大日本帝国陸軍と同様に最高指揮権は天皇にあるが、実質的な指揮はドイツ第三帝国参謀本部から派遣された人物が行う。つまり現実的な行動権は大日本帝国が関与することが出来ない、ということである。そこに一抹の不安があるが、永田はそれを切り捨て、対中戦に意識を向けた。
そして今永田のいる会議室には陸軍と海軍の実質的なトップである杉田と山本が着席していた。
「久しぶりだな…。2ヶ月ぶりか?」
気楽な感じで永田が山本と杉田に話しかける。2人は嫌な顔の一つも取らない。
「対中戦の会議でその発言が一言目とはな。油断大敵では無いか?」
「永田の言動に業を煮やさないお前も中々に余裕そうではないか。」
「大きな仕事がないからと言っていじけるな、山本よ。我が大日本帝国陸軍は大仕事の最中であるがな。」
そう言って杉田は大きく笑い声を上げる。その光景に永田と山本は苦笑いしか出なかった。
これほどまでに緩い、まるで戦時を感じさせない会議はあまりないことであろう。それ程までに対中戦は好調であった。
開戦一ヶ月で敵首都である北京が陥落した。市街地外に築かれた陣地は独の義勇軍と少量である物の大日本帝国陸軍製の戦車が破壊し尽くし、航空機の対地支援や火砲による度重なる攻撃により北京の街は廃墟に変わり果て、抵抗は少なかった。
また、開戦と同時に行った沿岸確保作戦(強襲上陸)は大日本帝国の持つ全ての主力艦を投入し、尚且つ複数地点に同時上陸したことで中華民国軍は抵抗することなく沿岸地域を手放した。そのおかげで、臨時首都である、南京にまで既に手が届きつつある。
もちろん、航空戦力の大規模投入やドイツ義勇軍や大日本帝国陸軍の戦車を問題なく活動するための石油事情は強襲上陸以後の海軍の活動制限によって賄われている。
「杉田、大日本帝国陸軍の活躍の裏には海軍の活躍があることを忘れるな。新規駆逐艦などの造船を見送り、輸送船の数を揃えたりと陸軍の知らないところで支えてくれているのだから。」
「何…!!」
「そこは驚く場所じゃないだろう?陸軍立案の作戦が物資不足で中止ないし、中断したことは無かっただろう?もちろん開戦2ヶ月で補給不足とか洒落にすらならないが。」
杉田は驚きの顔持ちのまま、山本に頭を下げた。紛れも無い謝意の表明であった。
「良い良い、気にするな。早期に中華を打倒せねば我らの宿敵米帝に勝てぬ。」
「かたじけない。」
永田はそこまで一旦話を終わらせ、陸軍の今後の行動についての話を変えた。
「陸軍はこれからどうやって中華を攻める?」
その一言を皮切りに三人は顔つきを変え会議を始めた。杉田が卓上の鈴を鳴らすと軍服を着た将校が紙束を3つ持って入室来てきた。それぞれの前に紙束を置くと、見事な敬礼とともに退室して行った。
杉田はそれを見計らい、席を立って会議室壁に大きく設えられた黒板の前に立ち今後の行動指針と作戦概要について話を始めた。
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別シリーズ《第一次世界大戦》って需要はあります?
あればコメントよろしくお願いします。
投稿頻度は低めですがちょっとずつ書いていきたいと思います。
彼らは一度長崎に寄港し、祝いの席を設けたあと、中国に向けて出航した。彼らの指揮系統は少し複雑である。大日本帝国陸軍と同様に最高指揮権は天皇にあるが、実質的な指揮はドイツ第三帝国参謀本部から派遣された人物が行う。つまり現実的な行動権は大日本帝国が関与することが出来ない、ということである。そこに一抹の不安があるが、永田はそれを切り捨て、対中戦に意識を向けた。
そして今永田のいる会議室には陸軍と海軍の実質的なトップである杉田と山本が着席していた。
「久しぶりだな…。2ヶ月ぶりか?」
気楽な感じで永田が山本と杉田に話しかける。2人は嫌な顔の一つも取らない。
「対中戦の会議でその発言が一言目とはな。油断大敵では無いか?」
「永田の言動に業を煮やさないお前も中々に余裕そうではないか。」
「大きな仕事がないからと言っていじけるな、山本よ。我が大日本帝国陸軍は大仕事の最中であるがな。」
そう言って杉田は大きく笑い声を上げる。その光景に永田と山本は苦笑いしか出なかった。
これほどまでに緩い、まるで戦時を感じさせない会議はあまりないことであろう。それ程までに対中戦は好調であった。
開戦一ヶ月で敵首都である北京が陥落した。市街地外に築かれた陣地は独の義勇軍と少量である物の大日本帝国陸軍製の戦車が破壊し尽くし、航空機の対地支援や火砲による度重なる攻撃により北京の街は廃墟に変わり果て、抵抗は少なかった。
また、開戦と同時に行った沿岸確保作戦(強襲上陸)は大日本帝国の持つ全ての主力艦を投入し、尚且つ複数地点に同時上陸したことで中華民国軍は抵抗することなく沿岸地域を手放した。そのおかげで、臨時首都である、南京にまで既に手が届きつつある。
もちろん、航空戦力の大規模投入やドイツ義勇軍や大日本帝国陸軍の戦車を問題なく活動するための石油事情は強襲上陸以後の海軍の活動制限によって賄われている。
「杉田、大日本帝国陸軍の活躍の裏には海軍の活躍があることを忘れるな。新規駆逐艦などの造船を見送り、輸送船の数を揃えたりと陸軍の知らないところで支えてくれているのだから。」
「何…!!」
「そこは驚く場所じゃないだろう?陸軍立案の作戦が物資不足で中止ないし、中断したことは無かっただろう?もちろん開戦2ヶ月で補給不足とか洒落にすらならないが。」
杉田は驚きの顔持ちのまま、山本に頭を下げた。紛れも無い謝意の表明であった。
「良い良い、気にするな。早期に中華を打倒せねば我らの宿敵米帝に勝てぬ。」
「かたじけない。」
永田はそこまで一旦話を終わらせ、陸軍の今後の行動についての話を変えた。
「陸軍はこれからどうやって中華を攻める?」
その一言を皮切りに三人は顔つきを変え会議を始めた。杉田が卓上の鈴を鳴らすと軍服を着た将校が紙束を3つ持って入室来てきた。それぞれの前に紙束を置くと、見事な敬礼とともに退室して行った。
杉田はそれを見計らい、席を立って会議室壁に大きく設えられた黒板の前に立ち今後の行動指針と作戦概要について話を始めた。
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あればコメントよろしくお願いします。
投稿頻度は低めですがちょっとずつ書いていきたいと思います。
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