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戦場の花は儚く脆く
〜市街地から補給基地へ〜
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市街地で部隊が壊滅してから約2時間、彼女は森林を歩いていた。別に、日差しを避けたいなどと乙女じみた考えではない。追っ手が来た時に気を遮蔽物にして身を隠しやすく、また逃げて追っ手を撒きやすいからである。
彼女はふと立ち止まり、自分の腰に手をやる。拳銃用ホルスターが装着されており、そこには隊長の使用していたハンドガンが入っていた。
-H7・マシンピストル-
部隊長のみ所持している銃である。隊長の形見であり、土に遺体を埋める直前に、αの所持していた銃と交換で所持している。もちろんαのは、隊長と一緒に埋葬した。6.5mm弾を使用するため、αの所持しているメインのサブマシンガンと共通弾薬で、とりまわしがいい。αに元々支給されていたサブウェポンは9mm弾を使用するためポーチを圧迫していたが、彼女がそれに気づいたのは市街地から脱出した30分後である。共通弾薬なんていうどうでもいい利便性よりも、隊長が居てくれるという安心感からそんな事も忘れていたのだ。
彼女のサブマシンガンは、自らがカスタムしたこの世に一丁しかない銃だ。
-Mk3- と呼ばれる一般兵に支給されるサブマシンガンである。兵士たちにはカスタムをせずに支給されるのだが、消音器や、拡張軽量化マガジンを付けられるように自らの手で改良した物となっている。
半分ほど森を抜けた頃に、上層部に通信端末で自分以外は死んでしまった事を伝えた。すぐに返信が返ってきたが、きたのは自動送信機械の文章であった。
送信 作戦司令部自立指令装置
日付 今日
宛て 04大隊長
連絡 04大隊通信端末
内容
04大隊隊長以下隊員は戦場から逃亡した逃亡兵として通報されています。大人しく投降するように。応じない場合は射殺の許可も出ています。大人しく降伏すれば命は保証します。
以上
やはり、上層部は核を使ったのを口外されたく無いのだろう。だから、強行して早めに落としたのだろう。αはため息をつく。
やはり司令部も、上層部も、部隊は駒であり、ただの資源。人とは思ってないのだろう。
そう思うと余計にむしゃくしゃしたが、それよりも今は、補給基地に行き、誰かとコンタクトを取ってみるべきだろうと判断し、彼女は歩く。彼女は森をぬけた、その先には砂漠がある、皇国の核やロケット、ミサイルに激しい銃撃戦。残ったのは不毛の地と化した大地だった。
しかし、この砂漠さえ超えれば補給基地はすぐそこだ、幸いここの不毛な大地は横断するだけなら広くはない。バックの中身を確認すると、携帯食料の残量がほぼなく、水もそれど残ってない。追い打ちをかけるかのように弾薬も、市街地の戦闘でほぼ使い切ってしまっていた。
「今戦闘になると厳しい……急がなければ」
彼女は補給基地に向けさらに足を進めるのであった。
彼女はふと立ち止まり、自分の腰に手をやる。拳銃用ホルスターが装着されており、そこには隊長の使用していたハンドガンが入っていた。
-H7・マシンピストル-
部隊長のみ所持している銃である。隊長の形見であり、土に遺体を埋める直前に、αの所持していた銃と交換で所持している。もちろんαのは、隊長と一緒に埋葬した。6.5mm弾を使用するため、αの所持しているメインのサブマシンガンと共通弾薬で、とりまわしがいい。αに元々支給されていたサブウェポンは9mm弾を使用するためポーチを圧迫していたが、彼女がそれに気づいたのは市街地から脱出した30分後である。共通弾薬なんていうどうでもいい利便性よりも、隊長が居てくれるという安心感からそんな事も忘れていたのだ。
彼女のサブマシンガンは、自らがカスタムしたこの世に一丁しかない銃だ。
-Mk3- と呼ばれる一般兵に支給されるサブマシンガンである。兵士たちにはカスタムをせずに支給されるのだが、消音器や、拡張軽量化マガジンを付けられるように自らの手で改良した物となっている。
半分ほど森を抜けた頃に、上層部に通信端末で自分以外は死んでしまった事を伝えた。すぐに返信が返ってきたが、きたのは自動送信機械の文章であった。
送信 作戦司令部自立指令装置
日付 今日
宛て 04大隊長
連絡 04大隊通信端末
内容
04大隊隊長以下隊員は戦場から逃亡した逃亡兵として通報されています。大人しく投降するように。応じない場合は射殺の許可も出ています。大人しく降伏すれば命は保証します。
以上
やはり、上層部は核を使ったのを口外されたく無いのだろう。だから、強行して早めに落としたのだろう。αはため息をつく。
やはり司令部も、上層部も、部隊は駒であり、ただの資源。人とは思ってないのだろう。
そう思うと余計にむしゃくしゃしたが、それよりも今は、補給基地に行き、誰かとコンタクトを取ってみるべきだろうと判断し、彼女は歩く。彼女は森をぬけた、その先には砂漠がある、皇国の核やロケット、ミサイルに激しい銃撃戦。残ったのは不毛の地と化した大地だった。
しかし、この砂漠さえ超えれば補給基地はすぐそこだ、幸いここの不毛な大地は横断するだけなら広くはない。バックの中身を確認すると、携帯食料の残量がほぼなく、水もそれど残ってない。追い打ちをかけるかのように弾薬も、市街地の戦闘でほぼ使い切ってしまっていた。
「今戦闘になると厳しい……急がなければ」
彼女は補給基地に向けさらに足を進めるのであった。
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