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第2回《うちの子》推し会!2022夏

楽しいスイカ割り(前編)【パラレルワールド】

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※アンダルシュ《うちの子》推し会!に参加します♪お題は「スイカ割り」です。
篠田兄弟ネタが思いついたので、3Pアリのパラレルワールド(R18)になります。苦手な方はご自衛ください。


☆☆☆☆


夕食後に洗い物をしていたら、篠田のスマホに着信が入った。
通話を終えた彼が「剣志からでした」と笑顔で言う。

「一樹さん、週末海行きましょ」
「は……? 海? なんだよ急に」
「うちの母親がスイカ送ってくれたみたいで明日届くんです。二人じゃ食べきれないから、剣志と一緒に海でスイカ割りしましょうよ」
「スイカ割りぃ? 子どもじゃないんだからそんなことやるかよ」

この暑いのに、割れたスイカ片付けんのめんどくさいだろ……と俺は眉をひそめた。

「いいじゃないですか。剣志がバーベキューの準備してく迎えに来てくれるって言ってますし」
「え!? バーベキュー? それなら行きたい!」

スイカは面倒だけど、バーベキューなら話は別だ。外で肉焼いて食べたい。
エビとかカニ焼くのもいいな。

俺の考えてることが読めたようで、篠田は満足そうに微笑んだ。そんなわけで、俺は結局肉に釣られて篠田兄弟と海へ行くことになった。


*****


週末は天気予報通りによく晴れた。
朝早い時間に篠田の弟剣志が車で俺たちを拾ってくれ目的地へ向かう。

「こんな早く出るなんて、どこの海行くの?」

運転席の剣志は無言だ。兄弟揃って日本人離れした顔立ちなのでサングラスがよく似合っている。
弟の代わりに兄が答えた。

「着いてのお楽しみですよ」

てっきり海水浴場へ向かっているのかと思ったら、数時間後車が着いたのは港だった。
スイカやクーラーボックスを持って兄弟はある船へと真っ直ぐに歩いていく。

「おはようございます。お久しぶりです」
「お~来たか。相変わらずの色男だなユウちゃんケンちゃん」
「森さんも元気そうですね」

篠田兄弟と親しげに話しているのはごま塩頭を五分刈りにしているガタイの良いおじさんだった。日に焼けた肌でニッコリ笑うと白い歯が眩しい。
漁師さんかな?

「おや、今日は色男がもう一人いるじゃねえか」
「俺の奥さんです」
「ぶっっっ!!」

篠田の発言に俺は思わず吹き出した。するとおじさんは冗談だと思ったのか大笑いする。

「あっはっは! ユウちゃんの奥さんか。こりゃいいや。さすがにユウちゃんが見初めるだけあってべっぴんさんだな。よろしく」
「あ……はじめまして。池沢といいます」

篠田はしれっとしており、その横の剣志はニヤニヤ笑って立っている。後で覚えてろよ……。


*****


その後おじさんの船に乗せてもらい、俺たちは島にやってきた。

「じゃあ暗くなる前にまた迎えに来るからな~」
「はい。お願いします」

おじさんは俺たちを島に降ろすとまた港の方へ帰っていった。
一見すると小さめの丘程度のサイズの島だ。砂浜が広がっていて、小さな小屋がある。その奥は森になっているようだ。

「なあ、ここどこ?」
「無人島」

剣志がこともなげに言う。

「嘘だろ?」
「本当だよ。母さんが税金対策で買ったんだ」

篠田母、無人島なんて持ってるんか……。

「ほとんど手入れもしてないからリゾートって感じじゃないけど、一応プライベートビーチってやつだ」
「すげ~……」
「バーベキューでもスイカ割りでも好きにできるから良いと思ってね」
「さっきの人は?」
「俺たちが水泳部で合宿してたときお世話になった民宿のおじさんなんだ」
「へぇ」
「剣志は今もたまに釣りに連れてってもらったりしてるんだよな」
「ああ」
「え、俺も今度釣りやりたいな」
「ふん、お前に釣りなんてできんの?」

剣志が馬鹿にしたように笑う。
ほんっと腹立つ奴だな。

「舐めんなよ? 大体お前はそうやっていつも俺に噛み付いて……」
「まあまあ。こんなところまで来て喧嘩しないで、一樹さん。剣志も失礼なこと言ってないでとっととバーベキューの道具小屋から持ってきてくれよ」

剣志はべっと舌を出して小屋へ歩いて行った。

「俺は小屋からビーチチェア出して来るんで、一樹さんは持ってきた氷でスイカ冷やしてもらっていいです? でかい桶がたしかあるはずなんで」
「オッケ」

手分けして用意をし、スイカと椅子のセッティングは済んだ。
剣志がバーベキューの火を起こしてくれている間、篠田が俺にサンオイルを塗ってくれるという。
笑顔の篠田がサンオイルを手に俺に指示する。

「さ、先輩ここ寝てくださいね」
「別に自分でできるけど……」
「何言ってるんですか。なんのためにわざわざ島まで来たと思ってるんです?」
「なんのためって?」
「先輩といちゃつくために決まってるじゃないですか」
「はぁ?」

んだよその理由……。
俺がぽかんとしていたら剣志が言う。

「兄貴キモすぎ。一樹さんドン引きじゃん」
「とかなんとか言いながらお前だってそのつもりだったろうが」
「うっせー。俺は肉食いたかっただけだよ」
「どうだか? あわよくば一樹さんも食えるかもって下心あっただろ」

兄弟の酷い会話に思わずツッコミを入れる。

「おい! お前らなんつーこと話してんだよ」
「いいでしょ。誰も居ないんだし」

やれやれ……そんな魂胆あってこんな無人島くんだりまでやって来たとは。
篠田は文句なしの爽やかイケメンだが、考えることがたまに若干変態寄りなんだよな。




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