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ホテル
お祝いはホテルのクラブフロアで(上)
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俺と篠田はまぁちょいちょい言い争いはしてる。後から何で争ってたのかわかんないようなくだらないことでね。
でも、あんまり大きな喧嘩ってしたことなかった。
そう、この時までは。
「だーかーら!俺は温泉に行きたいの!」
「あのさあ、そもそも何で旅行いくのか覚えてます?俺の誕生日祝いでしょ!」
「んなのわかってるけどさぁ、でも俺の誕生日旅行なんてしてねーじゃん!?」
「それは、まだ付き合ってなかったからでしょーが!」
「でも不公平でしょ?!だから間をとって、2人の行きたいとこにしようって言ったじゃん」
「そうですよ。でも俺熱海って気分じゃないんですってぇ」
「なーんで!温泉気持ちーじゃん!」
こんな様子でお互い譲らず、旅行に行くはずなのになかなか行き先すら決まらないのであった。
そしてめちゃくちゃ大喧嘩した末、京都にでも行こうか、観光はもちろん嵐山なら温泉もあるねと落ち着いた。
のに、篠田が本社の方の仕事で長期の休みが取れなくなってしまった。
「はぁあ~あ」
「あれ?池沢くんどうしたの、ため息吐いちゃって」
「あー、いえ、ちょっと旅行行こうと思ってたんすけど、一緒に行く友達がダメになって」
「えーそれは残念だね。どこ行くんだったの?」
「京都です」
「あらー、せっかくだったら行けたらよかったのにねぇ。お友達お仕事忙しいんだ?」
「はい。急に連休とれなくなったって」
「そっかあ、でもまぁ、またいいことあるよ!」
そう言って女性の先輩社員は俺の肩を叩いて励ましてくれた。
ちなみに今の先輩も、後輩の篠田が店舗に回ってくるとキャーキャー言って集まる女性の1人だ。
こんなふうに女が放っておかない男を独占してるだけで、旅行くらいダメになっても文句は言えないかぁ。
と言い聞かせたところで、落ち込んだ気持ちが晴れるわけではないのであった。
そして元は京都に旅立っていたはずの日。
本当ならこの金曜を休みにして、2泊3日で旅行する予定だった。
しかし篠田が土曜出勤になってしまったのだ。
それでなくても金曜日はもう疲れが溜まってるというのに、土曜も彼氏は仕事となればテンションが上がるはずもなかった。
「はぁ…」
俺はこっそりまた溜息をついた。
その時。
篠田からのLINEの通知が。
ちょうど休憩でスマホを手にしていたのですぐに開ける。
「明日土曜の夜空いてますか」
空いてるに決まってるじゃん!
俺はちょっとだけ気分が回復してきた。
「空いてるよ」っと。
「じゃあ土曜夜から日曜まで開けといてください」
だって?
ん~?まあ、いつも通りってことかな?
きっとうちにでも来るんだろうと思い、OKした。
金曜のうちに土日に食べる食材もある程度買っておく。
一部だけ下味をつけて冷凍する。
そして土曜日、篠田が仕事を終えたのは15時頃と早い時間で、そこから俺の家に着いたのが16時過ぎだった。
「お疲れ~」
「先輩、行きますよ」
「は?」
「1泊する分だけ荷物持ってください」
「はあ?どこ行くの?その辺のホテル行くならうちでいいじゃん」
今日はここ行きます、と篠田がスマホの画面を見せてきた。
○○○ホテルのクラブフロア…?
「え、何この高そうなとこ」
「だからいいんじゃないですか。時間ないから遠出できないんで、近場で贅沢しましょうよ」
「え、こんなの行くの?普通の服でいいの?」
「せっかくだからホテルのレストランで食時しましょう。襟付きのシャツ着てください」
「え~…なんか、こういうの俺たち初めてだね?」
「うん、たまには良いかなって」
さすがイケメン様ぁ!
俺はいそいそと着替えをし、一泊分の荷物をさっとまとめた。
でも、あんまり大きな喧嘩ってしたことなかった。
そう、この時までは。
「だーかーら!俺は温泉に行きたいの!」
「あのさあ、そもそも何で旅行いくのか覚えてます?俺の誕生日祝いでしょ!」
「んなのわかってるけどさぁ、でも俺の誕生日旅行なんてしてねーじゃん!?」
「それは、まだ付き合ってなかったからでしょーが!」
「でも不公平でしょ?!だから間をとって、2人の行きたいとこにしようって言ったじゃん」
「そうですよ。でも俺熱海って気分じゃないんですってぇ」
「なーんで!温泉気持ちーじゃん!」
こんな様子でお互い譲らず、旅行に行くはずなのになかなか行き先すら決まらないのであった。
そしてめちゃくちゃ大喧嘩した末、京都にでも行こうか、観光はもちろん嵐山なら温泉もあるねと落ち着いた。
のに、篠田が本社の方の仕事で長期の休みが取れなくなってしまった。
「はぁあ~あ」
「あれ?池沢くんどうしたの、ため息吐いちゃって」
「あー、いえ、ちょっと旅行行こうと思ってたんすけど、一緒に行く友達がダメになって」
「えーそれは残念だね。どこ行くんだったの?」
「京都です」
「あらー、せっかくだったら行けたらよかったのにねぇ。お友達お仕事忙しいんだ?」
「はい。急に連休とれなくなったって」
「そっかあ、でもまぁ、またいいことあるよ!」
そう言って女性の先輩社員は俺の肩を叩いて励ましてくれた。
ちなみに今の先輩も、後輩の篠田が店舗に回ってくるとキャーキャー言って集まる女性の1人だ。
こんなふうに女が放っておかない男を独占してるだけで、旅行くらいダメになっても文句は言えないかぁ。
と言い聞かせたところで、落ち込んだ気持ちが晴れるわけではないのであった。
そして元は京都に旅立っていたはずの日。
本当ならこの金曜を休みにして、2泊3日で旅行する予定だった。
しかし篠田が土曜出勤になってしまったのだ。
それでなくても金曜日はもう疲れが溜まってるというのに、土曜も彼氏は仕事となればテンションが上がるはずもなかった。
「はぁ…」
俺はこっそりまた溜息をついた。
その時。
篠田からのLINEの通知が。
ちょうど休憩でスマホを手にしていたのですぐに開ける。
「明日土曜の夜空いてますか」
空いてるに決まってるじゃん!
俺はちょっとだけ気分が回復してきた。
「空いてるよ」っと。
「じゃあ土曜夜から日曜まで開けといてください」
だって?
ん~?まあ、いつも通りってことかな?
きっとうちにでも来るんだろうと思い、OKした。
金曜のうちに土日に食べる食材もある程度買っておく。
一部だけ下味をつけて冷凍する。
そして土曜日、篠田が仕事を終えたのは15時頃と早い時間で、そこから俺の家に着いたのが16時過ぎだった。
「お疲れ~」
「先輩、行きますよ」
「は?」
「1泊する分だけ荷物持ってください」
「はあ?どこ行くの?その辺のホテル行くならうちでいいじゃん」
今日はここ行きます、と篠田がスマホの画面を見せてきた。
○○○ホテルのクラブフロア…?
「え、何この高そうなとこ」
「だからいいんじゃないですか。時間ないから遠出できないんで、近場で贅沢しましょうよ」
「え、こんなの行くの?普通の服でいいの?」
「せっかくだからホテルのレストランで食時しましょう。襟付きのシャツ着てください」
「え~…なんか、こういうの俺たち初めてだね?」
「うん、たまには良いかなって」
さすがイケメン様ぁ!
俺はいそいそと着替えをし、一泊分の荷物をさっとまとめた。
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