仮 壱

其の九 淫獄転生 其の壱 壺童子 其の蜂

　……処で、そんな情報結晶体（ソウル・クリスタル）を霊核（コア）として作られる妖魔界の人間の子供達は、魔物達の様に、直接に魔素（マナ）を生命力に変換する事が出来無かったのです。

　……子供達の情報結晶体（ソウル・クリスタル）は性的快感、特に性的絶頂（オルガスム）を子供達が感じた時にだけ、魔素を生命力に変換する様に設計されていたのでした。
　……直接、魔素（マナ）を生命力に変換するので、妖魔界の人間の子供達は飲食も排泄もせず、また病む事も傷付く事も無く、永遠に不老不死で魔物達に玩弄され続けていたのです。
　……そして、そんな人間の子供達は、空腹を覚えた時や、怪我を治療する時に自慰を始めたのでした。
　……全裸で自慰を続ける人間の子供達は、性的快感と共に空腹が癒え、急速に傷が治って行ったのです。
　……また、重傷を負って身動き出来無い子供には、周囲の子供達が其の子の幼い性器を指や舌で愛撫して、治療してやったのでした。
　……全裸で仰向けに寝かされた重傷の子供の恥部を、全裸で四つん這いの子供達が交代で、愛撫し続けていたのです。
　……また、そんな性的快感を覚えている人間の子供達の額では、宝石の様に、透明な情報結晶体（ソウル・クリスタル）が淡い薔薇色に変色して行ったのでした。
　……そして、やがて其の子の幼い性的絶頂と共に、其の情報結晶体は美しい薔薇色に輝いたのです。

　……更に、妖魔界の人間の少年少女達には、全員の陰茎や陰核の海綿体の組織の中に、粘液状の魔法生物を寄生させられていたのでした。
 　……其の魔法生物は淫膿（スライム）と云って、人間の子供達の陰茎と陰核を、常に大きく勃起させ続けていたのです。
 　……淫膿は子供達の幼い性器の内部で、淫らな感触で蠢（うごめ）き続けていて、更に強力な催淫性の淫毒を分泌して、人間の子供達を常に発情した状態にしていたのでした。
 　……なので、妖魔界の人間の子供達は男の子も女の子も全員が、陰茎や陰核、そして両乳首を勃起させ続けたままで、恍惚とした表情を浮かべながら、全裸で魔物達に全身を愛撫され続けて、全身を薔薇色に染めて可愛いらしく喘ぎ、身悶え続けていたのです。
 　……そして、魔物達の舌や触手で丹念に全身を嬲られては、繰り返し性的絶頂させられ続けていたのでした。

 　……また、情報結晶体（ソウル・クリスタル）には、笑気（しょうき）を中和すると云う大切な働きも有ったのです。
 　……笑気と云うのは、妖魔界全体を覆っている狂気の様な精神の毒で、人間を発狂させ、最後は狂死させる危険な気の事でした。
 　……子供達の額の情報結晶体は、そんな妖魔界の、人間の脳を汚染する笑気を吸収し、浄化し続けていたのです。

　……そして、そんな情報結晶体は、実はカミラ公国の山岳地帯に有る結晶の谷の、夢水晶で作られていたのでした。
 　……或る時、カミラ公国の夢魔達が、夢水晶を錬金術で人工的に生成する方法を研究し始めたのです。
 　……其れは、或る夢魔が偶然、自分の裸身と夢の映る夢水晶を発見して、其れをペンダントに加工して仲間に自慢した事が切っ掛けでした。
 　……発見されたのは、夢魔の掌に乗る大きさの夢水晶で、結晶の谷で夢水晶を研究していた女夢魔が、深夜に偶然、自分の裸身と夢を夢見ている夢水晶を見付けて持ち帰り、ペンダントに加工させたのです。
 　……其れを、学会で研究発表する時に、上着の胸に飾って公開した処、カミラ公国だけで無く、妖魔界全体で大きな注目を集めたのでした。
 　……其のペンダントを欲する夢魔達や淫魔達も多かったのですが、一番多かったのが、自分の裸身と夢の映る夢水晶を見付けたいと云う魔物達だったのです。
 　……カミラ公国は、急遽夢水晶を保護する為に、結晶の谷を特別管理地区に指定して一般魔の立ち入りを禁止し、軍隊に守らせ、発見者の女夢魔を主任研究員に、夢水晶の研究所を谷の入り口に建てたのでした。
 　……全ての夢水晶は、カミラ公国で管理され、輸出入も禁止されたのです。

 　……そして、国立夢水晶研究所内で、人工夢水晶の生成実験が開始されたのでした。