上 下
9 / 83
第一章【レイシア編】

成長

しおりを挟む
「ーーああああっ!? ……あれ?」

 シンがベッドから飛び起きると、窓の外は日が高い位置まで登っていた。

「そうか……気付かない間に気を失っていたのか……」

 想像を絶する快楽の波にシンの意識は途絶え、ずいぶんと寝過ごしてしまった。

「うわ……グチャグチャだ……」

 辺りを見回すと部屋中の至るところに淫猥な液体がぶちまけられている。

「これどうしよう……ん?」

『ムニュ』

 派手に汚してしまった宿の部屋をどうするか悩み立ち上がろうとすると、シンの手に柔らかい感触が伝わる。

「ふあ……ん……あ~おはようダーリン♥️」

 見ると隣には、昨日気が狂うまで抱き合った淫魔が、裸でシンの体に寄り添っていた。

「えええ!? い、淫魔!? なんでまだ消えてないの!?」

 あれだけ魔力を使ったのにまだ降魔術の効果が消えていないことにシンが驚く。

「ん~なんでだろー。分かんないけどダーリンと一緒にいられてうれしい~!」

 淫魔が可愛い笑顔でシンに甘えるように抱きついた。
 気付けば呼び名もダーリンに変わっている。

「一体どういうことだろう……」

 シンがステータスを開いて確認する。するとーー

「ーーは?」

 その表示を見て、シンはさらに目を疑うこととなった。


 ーーーーーーーーーー
 シン(16)
 職業:降魔術師Lv30
 体力:800/800
 魔力:800/800
 攻撃力:500
 防御力:450
 知識:1200
 素早さ:1000
 知恵:1500
 運:600

 スキル:【降魔術】Lv25 【剣術】Lv25 【毒耐性】大 【チャーム耐性】大 【不眠不休】小 【魔力自然回復】小

 Uスキル:【強欲】
 ーーーーーーーーーー

「な、なんじゃこりゃあーっ!?
 Lv30!? 能力値も半端なく上がってるし、スキルも増えてる!」

「わ~! ダーリンすごーい!」

 シンが表示したステータスを見て、淫魔もシンを称賛する。
 それもそのはず。シンは一晩中淫欲の限りを尽くしたことによって、もはやCランク冒険者並みのレベルに到達していた。
 新しく魔力自然回復のスキルまで付いている。魔力の消耗と回復を繰り返しまくったからだろうか。
 どうやらこのスキルによってシンの魔力は途切れることなく、淫魔を召喚し続けられているようだ。
 そういえば淫魔の見た目もどことなく変わっている。

「ーーっていうか、若くなってる!?」

 淫魔の姿をまじまじと眺めると、セクシーなお姉さんっぽい雰囲気だった淫魔が、可愛らしい少女のように若々しくなっている。
 とは言っても体の方は相変わらず暴力的な魅力を放っているが。

「あ、気付いたー? サキュバスは人間の精液をたくさん吸収すると若くなるのー。
 それに搾り取った精液の分だけ魔族としても成長するんだよー。
 私はダーリンがビックリするくらい沢山精液飲ませてくれたから、最上位のサキュバスクイーンまで成長したんだよー!」

 どうやら淫魔もシンとともに激しすぎるセックスによって成長を遂げていたらしい。
 それにしても低級淫魔を2回のセックスで最上位のサキュバスクイーンにしてしまうとは、強欲の効果は末恐ろしい。

「サキュバスクイーンになると色々出来るようになるんだよー。
 暗黒魔法を使って戦えるようにもなるし、こうやって角とか羽を隠して人間みたいにもなれるよ!
 あとは~こんな風にぃ~前みたいな大人のお姉さんにも変身できちゃうよ♥️」

 淫魔は自在に見た目を変えてみせる。
 基本的な見た目は変わらないが、人間の少女にしか見えなくなったり色気ムンムンお姉さんになったりと、全裸の淫魔が様々な魅力を振りまくせいで、またもやシンの性欲が刺激される。

(ま、まずい……また股間が……)

 シンは淫魔に悟られまいと必死に股間を抑える。

「そ・れ・と♥️ ダーリンの耐性を全部無効化して、無限に感度を上げ続けることだってできちゃうよ……?」

 淫魔はシンの耳元でささやくと、その真っ赤に染まった耳に『フゥッ』と息を吹きかけた。

「ひぃっ!?」

 シンの体に電気が走り、思わず悲鳴をあげる。

「ダーリンどうするぅ? このままビチョビチョマ◯コにチ◯ポズボズボ入れてぇ、サキュバスクイーンのいっちばん濃ぉ~い体液流し込んでぇ私と一日中ハメハメしちゃう~?
 それともぉ……私がダーリンを淫魔界に連れてって、時間のない空間で永遠に搾り取ってあげよっか♥️」

「そ、それは困る……! けど……」

(い、淫魔界で永遠に……!?
 それはさすがに怖いけど……でも一度だけ行ってみたい……!)

 文字通り悪魔のささやきにシンが惑わされているとーー

『ドンドンドンドン!』

「お客さん! お客さん!」

 突然ドアの叩かれる音が部屋中に響きわたり、店主の怒鳴り怒鳴り声が二人の淫靡な雰囲気を遮ったーー



「ーーどうしよう……宿を出禁になってしまった……」

 連日の騒音に対する宿泊客からの苦情と、部屋を汚しまくったことによりシンは宿から追い出されてしまった。
「二度と来るな!」と店主に怒鳴られたシンは、トボトボと落ち込みながら街を歩いていた。

「大丈夫よダーリン、宿なら他にもあるし! どうせなら一軒家に住もうよー」

 シンの横をフワフワと浮かぶ淫魔が、シンをなぐさめる。

「簡単に言うけど、家を借りるとなると宿代の何倍もかかるし……まあなんとかなるかなぁ」

 お金の事を気にかかるシンだったが、レベルが上がったことでなんとかなるだろうという期待もあった。
 ここは淫魔の意見に従い、シンは借家を探すことに決めたーー
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

幼なじみ三人が勇者に魅了されちゃって寝盗られるんだけど数年後勇者が死んで正気に戻った幼なじみ達がめちゃくちゃ後悔する話

妄想屋さん
ファンタジー
『元彼?冗談でしょ?僕はもうあんなのもうどうでもいいよ!』 『ええ、アタシはあなたに愛して欲しい。あんなゴミもう知らないわ!』 『ええ!そうですとも!だから早く私にも――』  大切な三人の仲間を勇者に〈魅了〉で奪い取られて絶望した主人公と、〈魅了〉から解放されて今までの自分たちの行いに絶望するヒロイン達の話。

クラスで一人だけ男子な僕のズボンが盗まれたので仕方無くチ○ポ丸出しで居たら何故か女子がたくさん集まって来た

pelonsan
恋愛
 ここは私立嵐爛学校(しりつらんらんがっこう)、略して乱交、もとい嵐校(らんこう) ━━。  僕の名前は 竿乃 玉之介(さおの たまのすけ)。  昨日この嵐校に転校してきた至極普通の二年生。  去年まで女子校だったらしくクラスメイトが女子ばかりで不安だったんだけど、皆優しく迎えてくれて ほっとしていた矢先の翌日…… ※表紙画像は自由使用可能なAI画像生成サイトで制作したものを加工しました。

痩せる為に不人気のゴブリン狩りを始めたら人生が変わりすぎた件~痩せたらお金もハーレムも色々手に入りました~

ぐうのすけ
ファンタジー
主人公(太田太志)は高校デビューと同時に体重130キロに到達した。 食事制限とハザマ(ダンジョン)ダイエットを勧めれるが、太志は食事制限を後回しにし、ハザマダイエットを開始する。 最初は甘えていた大志だったが、人とのかかわりによって徐々に考えや行動を変えていく。 それによりスキルや人間関係が変化していき、ヒロインとの関係も変わっていくのだった。 ※最初は成長メインで描かれますが、徐々にヒロインの展開が多めになっていく……予定です。 カクヨムで先行投稿中!

【全話挿絵】発情✕転生 〜何あれ……誘ってるのかしら?〜【毎日更新】

墨笑
ファンタジー
『エロ×ギャグ×バトル+雑学』をテーマにした異世界ファンタジー小説です。 主人公はごく普通(?)の『むっつりすけべ』な女の子。 異世界転生に伴って召喚士としての才能を強化されたまでは良かったのですが、なぜか発情体質まで付与されていて……? 召喚士として様々な依頼をこなしながら、無駄にドキドキムラムラハァハァしてしまう日々を描きます。 明るく、楽しく読んでいただけることを目指して書きました。

【R18 】必ずイカせる! 異世界性活

飼猫タマ
ファンタジー
ネットサーフィン中に新しいオンラインゲームを見つけた俺ゴトウ・サイトが、ゲーム設定の途中寝落すると、目が覚めたら廃墟の中の魔方陣の中心に寝ていた。 偶然、奴隷商人が襲われている所に居合わせ、助けた奴隷の元漆黒の森の姫であるダークエルフの幼女ガブリエルと、その近衛騎士だった猫耳族のブリトニーを、助ける代わりに俺の性奴隷なる契約をする。 ダークエルフの美幼女と、エロい猫耳少女とSEXしたり、魔王を倒したり、ダンジョンを攻略したりするエロエロファンタジー。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

序盤でボコられるクズ悪役貴族に転生した俺、死にたくなくて強くなったら主人公にキレられました。え? お前も転生者だったの? そんなの知らんし〜

水間ノボル🐳
ファンタジー
↑「お気に入りに追加」を押してくださいっ!↑ ★2024/2/25〜3/3 男性向けホットランキング1位! ★2024/2/25 ファンタジージャンル1位!(24hポイント) 「主人公が俺を殺そうとしてくるがもう遅い。なぜか最強キャラにされていた~」 『醜い豚』  『最低のゴミクズ』 『無能の恥晒し』  18禁ゲーム「ドミナント・タクティクス」のクズ悪役貴族、アルフォンス・フォン・ヴァリエに転生した俺。  優れた魔術師の血統でありながら、アルフォンスは豚のようにデブっており、性格は傲慢かつ怠惰。しかも女の子を痛ぶるのが性癖のゴミクズ。  魔術の鍛錬はまったくしてないから、戦闘でもクソ雑魚であった。    ゲーム序盤で主人公にボコられて、悪事を暴かれて断罪される、ざまぁ対象であった。  プレイヤーをスカッとさせるためだけの存在。  そんな破滅の運命を回避するため、俺はレベルを上げまくって強くなる。  ついでに痩せて、女の子にも優しくなったら……なぜか主人公がキレ始めて。 「主人公は俺なのに……」 「うん。キミが主人公だ」 「お前のせいで原作が壊れた。絶対に許さない。お前を殺す」 「理不尽すぎません?」  原作原理主義の主人公が、俺を殺そうとしてきたのだが。 ※ カクヨム様にて、異世界ファンタジージャンル表紙入り。5000スター、10000フォロワーを達成!

妻がエロくて死にそうです

菅野鵜野
大衆娯楽
うだつの上がらないサラリーマンの士郎。だが、一つだけ自慢がある。 美しい妻、美佐子だ。同じ会社の上司にして、できる女で、日本人離れしたプロポーションを持つ。 こんな素敵な人が自分のようなフツーの男を選んだのには訳がある。 それは…… 限度を知らない性欲モンスターを妻に持つ男の日常

処理中です...