95 / 115
新たなる脅威篇
7 深謀-4-
しおりを挟む
「なんだ、けっこうイイ感じじゃん」
「…………ッ!?」
フェルノーラが反射的に向きなおった先には――。
何か言いたげな微笑――彼女には揶揄っているように見えた――を浮かべるライネがいた。
しかもわざとらしく背伸びなどしている。
「おき……起きてたの……」
あせりを悟られたくないフェルノーラは平静を装った。
が、その努力を右往左往する視線が無駄にした。
「話し声がしたからさ。あ、アタシにかまわず続けてくれていいぜ? なんなら席はずそうか?」
ライネはいたずらっぽく笑んだ。
「くっ…………!」
何か言い返そうとするも言葉は出てこず、フェルノーラは黙り込んでしまう。
「あの、ごめんなさい……起こしてしまって――」
二人のやりとりの意味が分からないシェイドは首をかしげるばかりだったが、眠りの邪魔をしたことに気付くとすぐに詫びた。
「気にしなくていいって。だって……」
ライネはフェルノーラをちらりと見て言った。
「最初から起きてたし」
「なん――!?」
「寝ようと思ってたところにフェルが入ってきたからさ」
「なんで寝たフリしてたの!?」
「いや、なんとなく?」
フェルノーラは耳まで真っ赤にして俯き、
(やっぱり、この子……)
そして思った。
(……合わない!)
嫌っているワケではない。
恬淡としていて裏表のなさそうなライネは、むしろ付き合いやすい相手だ。
必要以上に気を遣わなくてすむし、その明るさが沈みがちな避難生活に刺激を与えてくれた。
片田舎の貧民だと見下さず、対等に接してくれた。
その意味での感謝の気持ちはあった。
だが同時に、なぜか彼女には対抗意識のようなものが芽生えてしまう。
そもそもこの少女は何に対しても、誰に対してもそうだった。
大人たちがそろって怯える役人にも毅然と立ち向かったし、どんな境遇に置かれても自棄を起こすことはなかった。
迫る脅威には応じ、降りかかる災いは受け止める。
これが彼女の強みだ。
ただ、ライネに対してはどこか、個人的な感情が関係しているようだった。
「……悪趣味。盗み聞きなんて」
今もそうだ。
知られて困るような話はしていないというのに、ライネに聞かれていたというだけで負けた気になる。
「なに言ってんだよ。アタシは隠れたりしないで堂々と聞いてたんだぞ」
まったく悪びれる様子もない彼女に、
「開き直ってる……!」
フェルノーラは非難がましい目を向けた。
(…………?)
シェイドは首をかしげた。
(フェルノーラさんってこんな感じだったっけ?)
この物静かな少女は何もかもを悟ったふうで、諦念とわずかな希望の間で凛然とかまえていたハズだ。
感情をどこかに置いてきてしまったみたいに、彼女は表情も声の調子も、仕草さえも起伏がなかった。
たまに見せる笑顔も心の底からではなく、笑っている顔を皮膚に貼りつけたように透明だった。
今のように恥ずかしがったり怒ったりと、ころころと口調や仕草を変えたところは見たことがない。
(なんだかヘンな感じ……だけど――)
シェイドは微笑んでいた。
(――すごく楽しそう)
それが率直な感想だった。
「……なに?」
その視線に気づいたフェルノーラは明らかに不機嫌そうだった。
「ごめ――」
彼女を怒らせてしまった、と思ったシェイドはいつもの癖で謝りかけたが、それもまた怒らせる理由になりそうだと思い、
「あ、ええっと、あの、ライネさん。本当にありがとうございました」
話題を変えることにした。
改まった様子で名を呼ばれたライネは怪訝な顔をした。
「ついて来てくれて……避難所でもたくさん手伝ってくれましたし、それに――みんなを守ってくれました」
「きゅ、急にどうしたんだ?」
「ちゃんとお礼を言っていなかったので……僕のせいでケガまでさせてしまって――」
「気にすることないって! それがアタシの仕事なんだし」
「でも…………」
年の近い、しかも女の子を危険に晒してしまったことをシェイドは申し訳なく思った。
ライネに限らず、誰にも犠牲になってほしくないと考える彼は、彼女が気丈であればあるほど心苦しい。
「いいってば!」
大袈裟に手を振るさまはどこかわざとらしい。
実際、彼女は落ち着きなく体を揺すったりしている。
「本当に感謝してるんです。それと同じくらい申し訳なくて」
言葉ではとても足りない、と言わんばかりにシェイドは謝意を並び立てる。
その度にライネはそわそわする。
そして彼女はついに言ってしまった。
「なんつうかさ、なんか恥ずかしいんだよ……改まってそう言われると……!」
アシュレイの推薦を受けたこのボディガードは、褒められると気を良くするが、感謝されることには弱いらしい。
うっすらと赤い頬がそれを証明している。
「ふぅん……」
良いものを見せてもらった、とばかりに今度はフェルノーラの口元がゆるむ。
「――ねえ」
姿勢を正し、ライネを真正面に見据える。
「私からもお礼を言うわ。あなたのおかげよ」
声色は妙に艶っぽい。
聞く者に、これは本心からの言葉だと思わせる、説得力のある静かな響きだ。
「皆、あなたに感謝してるわ。避難所の被害も小さくて済んだし」
「フェルまで何を言い出すんだよ!?」
「だって本当のことだもの。彼も言ったけど、感謝してもし足りないくらいよ」
冗談めかして言ったのでは効果がない。
だから彼女は真剣な口調で言い、真剣な眼差しでライネを見つめた。
「あ、ああ、いや……」
ライネは目を泳がせた。
動揺しているせいか声が上ずる。
「だから、その……改めて――言うわ」
そしてなぜかフェルノーラもまた顔を赤くしていた。
「あ……り…………」
深呼吸をひとつ。
大きく息を吸い込んで、
「……ありがとうっ」
最後のほうはやけ気味に言った。
「やめ……やめろってぇぇ……ッ!!」
堪えきれずライネはテーブルに突っ伏した。
真っ赤になった耳がぴくぴくと動いている。
自身も気恥ずかしさから頬を紅潮させ、フェルノーラは荒い息をしながら天井を見上げた。
(勝った……!!)
その表情は満足げだった。
「…………ッ!?」
フェルノーラが反射的に向きなおった先には――。
何か言いたげな微笑――彼女には揶揄っているように見えた――を浮かべるライネがいた。
しかもわざとらしく背伸びなどしている。
「おき……起きてたの……」
あせりを悟られたくないフェルノーラは平静を装った。
が、その努力を右往左往する視線が無駄にした。
「話し声がしたからさ。あ、アタシにかまわず続けてくれていいぜ? なんなら席はずそうか?」
ライネはいたずらっぽく笑んだ。
「くっ…………!」
何か言い返そうとするも言葉は出てこず、フェルノーラは黙り込んでしまう。
「あの、ごめんなさい……起こしてしまって――」
二人のやりとりの意味が分からないシェイドは首をかしげるばかりだったが、眠りの邪魔をしたことに気付くとすぐに詫びた。
「気にしなくていいって。だって……」
ライネはフェルノーラをちらりと見て言った。
「最初から起きてたし」
「なん――!?」
「寝ようと思ってたところにフェルが入ってきたからさ」
「なんで寝たフリしてたの!?」
「いや、なんとなく?」
フェルノーラは耳まで真っ赤にして俯き、
(やっぱり、この子……)
そして思った。
(……合わない!)
嫌っているワケではない。
恬淡としていて裏表のなさそうなライネは、むしろ付き合いやすい相手だ。
必要以上に気を遣わなくてすむし、その明るさが沈みがちな避難生活に刺激を与えてくれた。
片田舎の貧民だと見下さず、対等に接してくれた。
その意味での感謝の気持ちはあった。
だが同時に、なぜか彼女には対抗意識のようなものが芽生えてしまう。
そもそもこの少女は何に対しても、誰に対してもそうだった。
大人たちがそろって怯える役人にも毅然と立ち向かったし、どんな境遇に置かれても自棄を起こすことはなかった。
迫る脅威には応じ、降りかかる災いは受け止める。
これが彼女の強みだ。
ただ、ライネに対してはどこか、個人的な感情が関係しているようだった。
「……悪趣味。盗み聞きなんて」
今もそうだ。
知られて困るような話はしていないというのに、ライネに聞かれていたというだけで負けた気になる。
「なに言ってんだよ。アタシは隠れたりしないで堂々と聞いてたんだぞ」
まったく悪びれる様子もない彼女に、
「開き直ってる……!」
フェルノーラは非難がましい目を向けた。
(…………?)
シェイドは首をかしげた。
(フェルノーラさんってこんな感じだったっけ?)
この物静かな少女は何もかもを悟ったふうで、諦念とわずかな希望の間で凛然とかまえていたハズだ。
感情をどこかに置いてきてしまったみたいに、彼女は表情も声の調子も、仕草さえも起伏がなかった。
たまに見せる笑顔も心の底からではなく、笑っている顔を皮膚に貼りつけたように透明だった。
今のように恥ずかしがったり怒ったりと、ころころと口調や仕草を変えたところは見たことがない。
(なんだかヘンな感じ……だけど――)
シェイドは微笑んでいた。
(――すごく楽しそう)
それが率直な感想だった。
「……なに?」
その視線に気づいたフェルノーラは明らかに不機嫌そうだった。
「ごめ――」
彼女を怒らせてしまった、と思ったシェイドはいつもの癖で謝りかけたが、それもまた怒らせる理由になりそうだと思い、
「あ、ええっと、あの、ライネさん。本当にありがとうございました」
話題を変えることにした。
改まった様子で名を呼ばれたライネは怪訝な顔をした。
「ついて来てくれて……避難所でもたくさん手伝ってくれましたし、それに――みんなを守ってくれました」
「きゅ、急にどうしたんだ?」
「ちゃんとお礼を言っていなかったので……僕のせいでケガまでさせてしまって――」
「気にすることないって! それがアタシの仕事なんだし」
「でも…………」
年の近い、しかも女の子を危険に晒してしまったことをシェイドは申し訳なく思った。
ライネに限らず、誰にも犠牲になってほしくないと考える彼は、彼女が気丈であればあるほど心苦しい。
「いいってば!」
大袈裟に手を振るさまはどこかわざとらしい。
実際、彼女は落ち着きなく体を揺すったりしている。
「本当に感謝してるんです。それと同じくらい申し訳なくて」
言葉ではとても足りない、と言わんばかりにシェイドは謝意を並び立てる。
その度にライネはそわそわする。
そして彼女はついに言ってしまった。
「なんつうかさ、なんか恥ずかしいんだよ……改まってそう言われると……!」
アシュレイの推薦を受けたこのボディガードは、褒められると気を良くするが、感謝されることには弱いらしい。
うっすらと赤い頬がそれを証明している。
「ふぅん……」
良いものを見せてもらった、とばかりに今度はフェルノーラの口元がゆるむ。
「――ねえ」
姿勢を正し、ライネを真正面に見据える。
「私からもお礼を言うわ。あなたのおかげよ」
声色は妙に艶っぽい。
聞く者に、これは本心からの言葉だと思わせる、説得力のある静かな響きだ。
「皆、あなたに感謝してるわ。避難所の被害も小さくて済んだし」
「フェルまで何を言い出すんだよ!?」
「だって本当のことだもの。彼も言ったけど、感謝してもし足りないくらいよ」
冗談めかして言ったのでは効果がない。
だから彼女は真剣な口調で言い、真剣な眼差しでライネを見つめた。
「あ、ああ、いや……」
ライネは目を泳がせた。
動揺しているせいか声が上ずる。
「だから、その……改めて――言うわ」
そしてなぜかフェルノーラもまた顔を赤くしていた。
「あ……り…………」
深呼吸をひとつ。
大きく息を吸い込んで、
「……ありがとうっ」
最後のほうはやけ気味に言った。
「やめ……やめろってぇぇ……ッ!!」
堪えきれずライネはテーブルに突っ伏した。
真っ赤になった耳がぴくぴくと動いている。
自身も気恥ずかしさから頬を紅潮させ、フェルノーラは荒い息をしながら天井を見上げた。
(勝った……!!)
その表情は満足げだった。
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
美しい姉と痩せこけた妹
サイコちゃん
ファンタジー
若き公爵は虐待を受けた姉妹を引き取ることにした。やがて訪れたのは美しい姉と痩せこけた妹だった。姉が夢中でケーキを食べる中、妹はそれがケーキだと分からない。姉がドレスのプレゼントに喜ぶ中、妹はそれがドレスだと分からない。公爵はあまりに差のある姉妹に疑念を抱いた――
「不細工なお前とは婚約破棄したい」と言ってみたら、秒で破棄されました。
桜乃
ファンタジー
ロイ王子の婚約者は、不細工と言われているテレーゼ・ハイウォール公爵令嬢。彼女からの愛を確かめたくて、思ってもいない事を言ってしまう。
「不細工なお前とは婚約破棄したい」
この一言が重要な言葉だなんて思いもよらずに。
※約4000文字のショートショートです。11/21に完結いたします。
※1回の投稿文字数は少な目です。
※前半と後半はストーリーの雰囲気が変わります。
表紙は「かんたん表紙メーカー2」にて作成いたしました。
❇❇❇❇❇❇❇❇❇
2024年10月追記
お読みいただき、ありがとうございます。
こちらの作品は完結しておりますが、10月20日より「番外編 バストリー・アルマンの事情」を追加投稿致しますので、一旦、表記が連載中になります。ご了承ください。
1ページの文字数は少な目です。
約4500文字程度の番外編です。
バストリー・アルマンって誰やねん……という読者様のお声が聞こえてきそう……(;´∀`)
ロイ王子の側近です。(←言っちゃう作者 笑)
※番外編投稿後は完結表記に致します。再び、番外編等を投稿する際には連載表記となりますこと、ご容赦いただけますと幸いです。
旦那様、どうやら御子がお出来になられたようですのね ~アラフォー妻はヤンデレ夫から逃げられない⁉
Hinaki
ファンタジー
「初めまして、私あなたの旦那様の子供を身籠りました」
華奢で可憐な若い女性が共もつけずに一人で訪れた。
彼女の名はサブリーナ。
エアルドレッド帝国四公の一角でもある由緒正しいプレイステッド公爵夫人ヴィヴィアンは余りの事に瞠目してしまうのと同時に彼女の心の奥底で何時かは……と覚悟をしていたのだ。
そうヴィヴィアンの愛する夫は艶やかな漆黒の髪に皇族だけが持つ緋色の瞳をした帝国内でも上位に入るイケメンである。
然もである。
公爵は28歳で青年と大人の色香を併せ持つ何とも微妙なお年頃。
一方妻のヴィヴィアンは取り立てて美人でもなく寧ろ家庭的でぽっちゃりさんな12歳年上の姉さん女房。
趣味は社交ではなく高位貴族にはあるまじき的なお料理だったりする。
そして十人が十人共に声を大にして言うだろう。
「まだまだ若き公爵に相応しいのは結婚をして早五年ともなるのに子も授からぬ年増な妻よりも、若くて可憐で華奢な、何より公爵の子を身籠っているサブリーナこそが相応しい」と。
ある夜遅くに帰ってきた夫の――――と言うよりも最近の夫婦だからこそわかる彼を纏う空気の変化と首筋にある赤の刻印に気づいた妻は、暫くして決意の上行動を起こすのだった。
拗らせ妻と+ヤンデレストーカー気質の夫とのあるお話です。
《勘違い》で婚約破棄された令嬢は失意のうちに自殺しました。
友坂 悠
ファンタジー
「婚約を考え直そう」
貴族院の卒業パーティーの会場で、婚約者フリードよりそう告げられたエルザ。
「それは、婚約を破棄されるとそういうことなのでしょうか?」
耳を疑いそう聞き返すも、
「君も、その方が良いのだろう?」
苦虫を噛み潰すように、そう吐き出すフリードに。
全てに絶望し、失意のうちに自死を選ぶエルザ。
絶景と評判の観光地でありながら、自殺の名所としても知られる断崖絶壁から飛び降りた彼女。
だったのですが。
【本編完結】さようなら、そしてどうかお幸せに ~彼女の選んだ決断
Hinaki
ファンタジー
16歳の侯爵令嬢エルネスティーネには結婚目前に控えた婚約者がいる。
23歳の公爵家当主ジークヴァルト。
年上の婚約者には気付けば幼いエルネスティーネよりも年齢も近く、彼女よりも女性らしい色香を纏った女友達が常にジークヴァルトの傍にいた。
ただの女友達だと彼は言う。
だが偶然エルネスティーネは知ってしまった。
彼らが友人ではなく想い合う関係である事を……。
また政略目的で結ばれたエルネスティーネを疎ましく思っていると、ジークヴァルトは恋人へ告げていた。
エルネスティーネとジークヴァルトの婚姻は王命。
覆す事は出来ない。
溝が深まりつつも結婚二日前に侯爵邸へ呼び出されたエルネスティーネ。
そこで彼女は彼の私室……寝室より聞こえてくるのは悍ましい獣にも似た二人の声。
二人がいた場所は二日後には夫婦となるであろうエルネスティーネとジークヴァルトの為の寝室。
これ見よがしに少し開け放たれた扉より垣間見える寝台で絡み合う二人の姿と勝ち誇る彼女の艶笑。
エルネスティーネは限界だった。
一晩悩んだ結果彼女の選んだ道は翌日愛するジークヴァルトへ晴れやかな笑顔で挨拶すると共にバルコニーより身を投げる事。
初めて愛した男を憎らしく思う以上に彼を心から愛していた。
だから愛する男の前で死を選ぶ。
永遠に私を忘れないで、でも愛する貴方には幸せになって欲しい。
矛盾した想いを抱え彼女は今――――。
長い間スランプ状態でしたが自分の中の性と生、人間と神、ずっと前からもやもやしていたものが一応の答えを導き出し、この物語を始める事にしました。
センシティブな所へ触れるかもしれません。
これはあくまで私の考え、思想なのでそこの所はどうかご容赦して下さいませ。
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
婚約破棄と領地追放?分かりました、わたしがいなくなった後はせいぜい頑張ってくださいな
カド
ファンタジー
生活の基本から領地経営まで、ほぼ全てを魔石の力に頼ってる世界
魔石の浄化には三日三晩の時間が必要で、この領地ではそれを全部貴族令嬢の主人公が一人でこなしていた
「で、そのわたしを婚約破棄で領地追放なんですね?
それじゃ出ていくから、せいぜいこれからは魔石も頑張って作ってくださいね!」
小さい頃から搾取され続けてきた主人公は 追放=自由と気付く
塔から出た途端、暴走する力に悩まされながらも、幼い時にもらった助言を元に中央の大教会へと向かう
一方で愛玩され続けてきた妹は、今まで通り好きなだけ魔石を使用していくが……
◇◇◇
親による虐待、明確なきょうだい間での差別の描写があります
(『嫌なら読むな』ではなく、『辛い気持ちになりそうな方は無理せず、もし読んで下さる場合はお気をつけて……!』の意味です)
◇◇◇
ようやく一区切りへの目処がついてきました
拙いお話ですがお付き合いいただければ幸いです
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる