小さな命たち
呉谷美子は仕事の帰り道、公園で鳴いている仔猫を見つける。
美子は自宅で飼ってもよいかと夫に訊ねるが、彼は大の動物嫌いだったために断念する。
後日、公園に寄った彼女はそこで猫に餌やりをしている女と出会う。
ここにいた仔猫を知らないかと訊くと、カラスに襲われて死んだと言う。
その現場を知っていたことから女は仔猫を見殺しにしたのだと思った美子は、彼女に対して敵意を向ける。
だが女はある意外な事実を告げた――。
1匹の猫の死が、やがて区のちいき課を務める夫・幸治や近隣住民を巻き込む大事件へと発展する。
人間と動物のあり方を考える長編です。
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1 ある幼猫
2 ちいき課と看板
3 及川奈緒という女
4 子どもたち
5 猫殺し
6 障害
7 迷走
8 小休
9 呪い
10 提案
11 毀誉の声
12 それから
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