上 下
148 / 196
2.計画実行と兄妹登場

2-087

しおりを挟む

  今の僕が、神様の知名度を上げることは、たぶん、難しいと思う。
  けど、覚えることはできるから、この神様のことを詳しく知ってみよう。


  名前はヘルタ・シーファで、健康と安全を司る女神様。
  肖像画の見た目は10代後半くらいで、僕と同じ薄く青みがかった銀髪に紫の瞳を持つ綺麗なお姉さん。

  上級神にしては成立が新しい方で、専属神官は過去に一人しか存在していない。
  専属神官とは、創神教の神官の内、一柱の神に対する信仰が神様側に認められることにより、選出される神官で、この本のどこかで見た説明によると、現代には殆ど存在していないらしい。
  そして、かなり驚いたのが、ヘルタ・シーファに仕えた唯一の専属神官の名前はエテルーン・トレイズ。
  つまり、お母さんの実家、トレイズ公爵家に縁のある人物かもしれないということ。
  もしかしたら、その神官は、今世の僕の遠い御先祖様の可能性があるかもしれないってことで、今、すごくドキドキしてる。




  でも、この神様を代表する神話の物語はさらに衝撃的だった。


_____________________


  ヘルタ・シーファは、家は平民な上に母子家庭の生まれであったものの、才能と容姿に恵まれた少女だった。

  母子家庭の平民であったが故に、当時の選民主義の風潮により、3歳で洗礼の儀を受けることが出来ず、長らく生まれた国の国民として扱われなかった。

  5歳の時、病で倒れた母を介抱するうちに、偶然回復魔法の才に目覚め、以降、ヘルタ・シーファは、母親と共に生活しているスラム街で怪我人や病人の治癒を行うようになった。

  8歳になる頃、その活躍が領主の目に留まり、奴隷商に追われるようになった。
  そのため、ヘルタはスラム街に住む仲間と親しい商人や豪農の子ども、そして、領主に反旗を翻そうと画策していた騎士や領主の子どもと共に、安住の地を求めて世界中を巡り、北大陸の北東部に、代表となる元領主の息子の名を冠した街を築き上げた。

  ヘルタは晩年、自身の一人息子に、街に創神教の教会を造るよう命じ、完成を見届ける前に、神の領域へ至ったと記録されている。

_____________________


  この内容が事実なら、健康神ヘルタは、元人間の神様ってことになるけど、そんなことがあるんだぁ。

  あっ、そういえば、確か前世で読んだ神話に出てくる神様の中には、神様と人間のハーフが神様になるお話があったような気がする。
  もしかしたら、ヘルタ・シーファの、謎に包まれたお父さんは神様だったのかもしれないね。



  備考欄に何か書いてる。

  なになに?

  ヘルタ・シーファが築いた街が、セレグアズ公爵領の前身の街を示す場合、エテルーン・トレイズは、ヘルタ・シーファの一人息子の子孫である可能性が高い。



  ・・・・・・・・・・・・
  ん?
 これって、 どういうこと?

しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?

みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。 ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる 色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く

元悪役令嬢はオンボロ修道院で余生を過ごす

こうじ
ファンタジー
両親から妹に婚約者を譲れと言われたレスナー・ティアント。彼女は勝手な両親や裏切った婚約者、寝取った妹に嫌気がさし自ら修道院に入る事にした。研修期間を経て彼女は修道院に入る事になったのだが彼女が送られたのは廃墟寸前の修道院でしかも修道女はレスナー一人のみ。しかし、彼女にとっては好都合だった。『誰にも邪魔されずに好きな事が出来る!これって恵まれているんじゃ?』公爵令嬢から修道女になったレスナーののんびり修道院ライフが始まる!

転生させて貰ったけど…これやりたかった事…だっけ?

N
ファンタジー
目が覚めたら…目の前には白い球が、、 生まれる世界が間違っていたって⁇ 自分が好きだった漫画の中のような世界に転生出来るって⁈ 嬉しいけど…これは一旦落ち着いてチートを勝ち取って最高に楽しい人生勝ち組にならねば!! そう意気込んで転生したものの、気がついたら……… 大切な人生の相棒との出会いや沢山の人との出会い! そして転生した本当の理由はいつ分かるのか…!! ーーーーーーーーーーーーーー ※誤字・脱字多いかもしれません💦  (教えて頂けたらめっちゃ助かります…) ※自分自身が句読点・改行多めが好きなのでそうしています、読みにくかったらすみません

異世界転生は、0歳からがいいよね

八時
ファンタジー
転生小説好きの少年が神様のおっちょこちょいで異世界転生してしまった。 神様からのギフト(チート能力)で無双します。 初めてなので誤字があったらすいません。 自由気ままに投稿していきます。

ゆとりある生活を異世界で

コロ
ファンタジー
とある世界の皇国 公爵家の長男坊は 少しばかりの異能を持っていて、それを不思議に思いながらも健やかに成長していた… それなりに頑張って生きていた俺は48歳 なかなか楽しい人生だと満喫していたら 交通事故でアッサリ逝ってもた…orz そんな俺を何気に興味を持って見ていた神様の一柱が 『楽しませてくれた礼をあげるよ』 とボーナスとして異世界でもう一つの人生を歩ませてくれる事に… それもチートまでくれて♪ ありがたやありがたや チート?強力なのがあります→使うとは言ってない   ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 身体の状態(主に目)と相談しながら書くので遅筆になると思います 宜しくお付き合い下さい

転生したら妖精や精霊を統べる「妖精霊神王」だったが、暇なので幼女になって旅に出ます‼︎

月華
ファンタジー
21歳、普通の会社員として過ごしていた「狐風 空音」(こふう そらね)は、暴走したトラックにひかれそうになっていた子供を庇い死亡した。 次に目を覚ますとものすごい美形の男性がこちらを見、微笑んでいた。「初めまして、空音。 私はギレンフイート。全ての神々の王だ。 君の魂はとても綺麗なんだ。もし…君が良いなら、私の娘として生まれ変わってくれないだろうか?」えっ⁉︎この人の娘⁉︎ なんか楽しそう。優しそうだし…よしっ!「神様が良いなら私を娘として生まれ変わらせてください。」「‼︎! ほんとっ!やった‼︎ ありがとう。これから宜しくね。私の愛娘、ソルフイー。」ソルフィーって何だろう? あれ? なんか眠たくなってきた…? 「安心してお眠り。次に目を覚ますと、もう私の娘だからね。」「は、い…」 数年後…無事に父様(神様)の娘として転生した私。今の名前は「ソルフイー」。家族や他の神々に溺愛されたりして、平和に暮らしてたんだけど…今悩みがあります!それは…暇!暇なの‼︎ 暇すぎて辛い…………………という訳で下界に降りて幼女になって冒険しに行きます‼︎! これはチートな幼女になったソルフイーが下界で色々とやらかしながらも、周りに溺愛されたりして楽しく歩んでいく物語。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー お久しぶりです。月華です。初めての長編となります!誤字があったり色々と間違えたりするかもしれませんがよろしくお願いします。 1週間ずつ更新していけたらなと思っています!

チート幼女とSSSランク冒険者

紅 蓮也
ファンタジー
【更新休止中】 三十歳の誕生日に通り魔に刺され人生を終えた小鳥遊葵が 過去にも失敗しまくりの神様から異世界転生を頼まれる。 神様は自分が長々と語っていたからなのに、ある程度は魔法が使える体にしとく、無限収納もあげるといい、時間があまり無いからさっさと転生しちゃおっかと言いだし、転生のため光に包まれ意識が無くなる直前、神様から不安を感じさせる言葉が聞こえたが、どうする事もできない私はそのまま転生された。 目を開けると日本人の男女の顔があった。 転生から四年がたったある日、神様が現れ、異世界じゃなくて地球に転生させちゃったと・・・ 他の人を新たに異世界に転生させるのは無理だからと本来行くはずだった異世界に転移することに・・・ 転移するとそこは森の中でした。見たこともない魔獣に襲われているところを冒険者に助けられる。 そして転移により家族がいない葵は、冒険者になり助けてくれた冒険者たちと冒険したり、しなかったりする物語 ※この作品は小説家になろう様、カクヨム様、ノベルバ様、エブリスタ様でも掲載しています。

異世界に転生したので幸せに暮らします、多分

かのこkanoko
ファンタジー
物心ついたら、異世界に転生していた事を思い出した。 前世の分も幸せに暮らします! 平成30年3月26日完結しました。 番外編、書くかもです。 5月9日、番外編追加しました。 小説家になろう様でも公開してます。 エブリスタ様でも公開してます。

処理中です...