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1.フィルシールド誕生

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オギャア!オギャア!オギャア!オギャア!


 アンリエッタの腕の中で泣き続ける小さな赤子は、男児でした。

 (ステータスの確認をしないと)


 サーシャは、通達の中にあった、男児かどうかと、ステータスの確認を行いました。

 (《鑑定》っと)

 ピコンッ!

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

名前 : ————
称号 : 
職業ジョブ : ベイルマート王国第一王子
年齢 : 0
種族 : ?人族?

○ステータス

 レベル 1

・生命力 : 1200
・魔力  : 2300
・体力  : 1800
・攻撃力 : 540
・知力  : 2500
・器用  : 1600
・耐久力 : 860
・筋力  : 1100

○スキル

・《剛健》 レベル 1

・《剣術》 レベル 1

・《赤魔法》 レベル 1
・《青魔法》 レベル 1
・《黄魔法》 レベル 1
・《緑魔法》 レベル 1
・《白魔法》 レベル 1
・《黒魔法》 レベル 1

・《加工》 レベル 1

・《魔法知識》 レベル 1
・《薬草知識》 レベル 1

・《鑑定》 レベル 1

・《全属性魔法適性》レベル 1
・《友好》 レベル 1

・《調理》 レベル 1
・《栽培》 レベル 1

・《解体》 レベル 1
・《錬金術》 レベル 1
・《飼育》 レベル 1


○固有スキル

完全記憶パーフェクトコンプリータ
・記憶復元

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


「!な、何なんだ!この子!基礎レベル1で何故、このようなステータスに!?しかも、スキル数も異常だぞ!というか、種族!“?人族?”って、なんだよ!まさか、あの通達は!」


 (なんだよ。このステータス!ったく、僕の仕事を作らないでくれよ。ソルト!)


 鑑定したステータスの控えを暗号化してからサーシャは手紙を書いて、ソルトラルドの元へ送る・・・・・・・・・前にしばらく、アンリエッタの腕の中の赤ちゃんを眺めることにしました。

 (ソルトは、朝に弱いからな。どうせまだ、起きてないだろうから、少し位なら問題ないだろう。)

 幼なじみのことをよく理解しているが故に、少し欲望に忠実になってみるサーシャでした。

 それから数刻後、正気に戻ったサーシャは、小さく舌打ちをしてから、手紙を王城に送りました。



_____________________




「陛下、起きてください。」


「嫌だ!」


「そんな、子供じみたこと言わないで下さい。一国の王ですよ、貴方は。」


「分かっておる。だが、余は朝が嫌いだ。」


「よろしいのですか?サーシャ様から手紙が届いたのですが、陛下は読まれないと。」


「何!?サーシャから手紙だと!まさか!」


「手紙は、陛下の執務室の机の上に置いてありますよ。」


「こうしてはおれん。余は、急ぐぞ。着替えを用意してくれ。」


「了解しました。あぁ、リーナですか。陛下の着替えを頼みます。」


「分かりました。では、失礼いたします。」


_____________________




「フムフム、復元を急いでくれ。しかし、産まれた子は、男児か。嬉しいのう。余が命名するのか。・・・・・・楽しみじゃ!」


「復元、完了しました。文の内容は、こちらになります。」


「ウムウム、むっ!な!なんだ!?このステータスは!まさか!まさか、余の子が “神の祝福を受けし者” なのか!?」


「そうなのですか?陛下!」


「うむ!なれば、名は1つじゃの!」


「?・・・・・・・・・!まさか、陛下。かの御仁の名を?」


「当たり前じゃ!フィルシールド・ヴァン・ベイルマート!我が子の名は、これ以外何があると言うのだ?」


「それは、そうですね・・・・・・・・・。大変申し訳ございません。何も思い付きませんでした。」


「良い!第一王子の名を諸外国の国家元首やベイルマート王国各貴族家及び各役所等に通達を出せ!フィルシールド・ヴァン・ベイルマートであると!」


「「了解しました!!」」



_____________________




「アンリエッタ。ソルトの奴、この赤子に、初代陛下の名前を付けたんだ。どう思う?」


「ふふ、最初に “初代陛下の名が似合う男児だな” なんて言い出したのは、サーシャの方でしょう♪ソル君に伝えもせずに、ずーっと眺めていたものね♪」


「そ、そんなことはない!しかし、本気で付けるなんて、頭がイカれている。さすがに、アンリエッタもそう思うだろう?」


「どうかしら?フフフ。」


「まったく。」


「それよりも、サーシャもいい加減、素直になったらどうなの?ソル君のことホントは好きなんでしょう♪」


「な、何を言っているんだ、アンリエッタ。数年前まで僕は、男だったんだぞ。男を好きになるわけが・・・・・・・・・」


「えぇ、そうね。でも、今は女よ?」


「そうではなくてだな!」


「フフフ。ソル君の前では、女性みたいな口調で喋っているってことは、知ってるよ♪」


「ち、違う!そんなことはない!」


「フフ、そうかしら?」


 こうして、サーシャとアンリエッタは数刻以上もの長い間、騒ぎ続けました。

 赤ちゃんの小さな目が二つとも、しっかりと二人のことを見ていることにも、喋っている話の内容を正しく(?)理解されていることにも、気付くことなく。
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