上 下
23 / 39

第23話

しおりを挟む
 宗鉄は袖を巻くって逞しい二の腕を露にするが、当のエリファスは背中の羽根を動かして空高く非難する。

「何で朝早くから沐浴に付き合ってあげたのに殴られなくちゃならないのよ」

 背伸びをしても絶対に手が届かない位置にまで飛んだエリファスは、真下にいる宗鉄に向かって赤い舌をぺろりと出す。

 その行為が宗鉄の苛立ちを増長させた。

「ふざけるな! お前が勝手についてきただけだろうが!」

 宗鉄は手に持っていた鉄砲をエリファス目掛けて振り回す。

 だが、やはりエリファスには掠りもしない。

 そんな二人を見ていたウィノラは、ふとある異変に気がついた。

「救世主殿……そう言えば今日はあの奇妙な髪型ではないのだな」

 そうである。

 昨日までの宗鉄は奇妙に結った髪型をしていたのだが、今の宗鉄は背中まで垂れた長髪をうなじの辺りで一房に縛っていた。

 そのせいか前髪も眉の下にまで垂れ下がり、よく見ると昨日までの印象とまったく違う。

 どちらかと言えばコンディグランドに住まう部族が結う髪型と酷似している。

「おいおい、今頃になって気づくなよ」

 宗鉄はエリファスを鉄砲で殴ることを諦めると、素朴な疑問を口にしたウィノラに向き直った。

 本人もあまり気に入っていないのか、仕切りに垂れていた前髪を弄り出す。

「本当は髷を解く気はなかったんだ。だがな、どこかの馬鹿が一瞬の隙をついて髷を解きやがったんだ。
 くそ、武士にとって大事な髷だというのに」

 悪態をついた宗鉄にすかさずエリファスが反論する。

「何さ。あんな変な髪型だと洗髪するのに不自由だと思ったから手伝ったのよ。それにそのお陰で髪の隙間に入っていた砂粒が取れたんなら、感謝されてこそすれ非難される謂れはないわ」

 えへん、と両腰に手を添えて胸を高らかに張ったエリファス。

 その態度と表情には悪びれた感情は一切見受けられず、むしろ褒めてくれと言わんばかりに自慢げであった。

 一方、宗鉄は洗髪したのだろう頭を掻きながらため息を漏らす。

「……ったく、髪結床もない世界でどうやって髷を結えばいいんだ」

 ぶつぶつと呟き始めた宗鉄は、誰の目にも明らかなほど気力が削がれていた。

 無理もない。ウィノラは宗鉄が置かれている現状をよく知っている。

 間違いだったといえ、〈アスラ・マスタリスク〉によって異世界からこちらの世界に飛ばされたことは紛れもない事実。

 しかも、次の〈アスラ・マスタリスク〉が舞えるのは十五年後である。

 そしてウィノラは宗鉄に内緒にしていたが、本来の〈アスラ・マスタリスク〉は複数の踊り手により舞わなければならない神聖な踊りであり、たとえ十五年後に〈アスラ・マスタリスク〉を舞ったとしても確実に元の世界に帰せる保障はなかった。

 だがそれを告げてしまえば、宗鉄は今すぐにでも集落から出て行ってしまうだろう。

 それだけは駄目だ。宗鉄には何としてでもピピカ族の願い、強いては自分の願いも叶えてもらわなくては困る。

 ウィノラは肩を落として落ち込んでいる宗鉄を優しく慰めようとした。

 ここは徹底的に宗鉄を慰め、一日でも多くこの集落に留まってもらおう。

 そのためには自分の身体ぐらいは喜んで捧げる覚悟がある。

 ウィノラは宗鉄に近寄り、そっと触れようと手を伸ばした。

 そしてウィノラの手が宗鉄の肩に触れようとした瞬間、

「おおおおおおおおおお――――ッ!」

 突如、宗鉄は野獣の咆哮に似た雄叫びを上げた。

「うおッ!」

「きゃあッ!」

 そのあまりの声量にウィノラとエリファスは驚愕した。

 ウィノラは思わず後退し、エリファスは両耳を押さえて旋回を繰り返す。

 やがて雄叫びを発し終えた宗鉄は、打って変わった無表情でぽつりと呟いた。

「まあいいか。どのみち鮎原家からは出る予定だったんだ。それにここもある意味、異国とも言えなくはない」

 一人得心した宗鉄だったが、至近距離から激しく耳朶を刺激された二人は得心がいくはずもない。

 特に異世界のアスラは相当にご立腹だった。

「この馬鹿! いきなり馬鹿みたいに叫ばないでよ、馬鹿!」

 異世界のアスラであるエリファスは目にも止まらない速度で宗鉄の鼻先に近づくと、何度も頷いていた宗鉄の鼻っ柱に渾身の蹴りを見舞った。

 さすがに折れはしなかったが、宗鉄はほどよく伸びている鼻梁を痛々しそうに押さえつける。

「何をする! 俺の鼻を蹴り折る気か?」

「うるさい、この馬鹿! 何を一人で馬鹿みたいに納得してるのよ。あんた、元の世界に帰りたくないの?」

 エリファスにそう指摘された宗鉄は、鼻を啜りながらう~んと唸る。

「帰りたくないかと言われれば帰りたいさ。だが現状を鑑みる限り、その可能性は低いのだろう? それはウィノラも言っていただろうが」

 宗鉄はウィノラの説明を明確に覚えていたらしい。現状では今すぐに宗鉄たちが元の世界に戻れる手段がないことを。

「その件についてなんだけど」

 不意にエリファスは視線を宗鉄からウィノラに移した。

「ねえ、ウィノラ。本当にわたしたちがこっちの世界に来た原因はあなたが舞った踊りのせいなの? もしかして、何か他の要素も加わってない?」

「と言うと?」

「うん。わたしは向こうの世界で〈シレルタ〉っていう魔道具に封印されていたのね。それでソーテツは覚えてないと言い張っているんだけど、ソーテツは間違いなくその〈シレルタ〉に施されていた封印を解いたはずなのよ。その際、もしかするとわたしとソーテツをこっちの世界に飛ばすほどの〝何らかの原因〟があったかもしれないの。まあ、これはあくまでもわたしの仮説なんだけど、魔術師でもないソーテツが〈シレルタ〉の封印を強引に解いたせいで大量の魔力が〈シレルタ〉から溢れ出し、偶然にも同じ時刻にウィノラが特別な踊りを踊ったことでわたしとソーテツの二人が次元の狭間を通ってこっちの世界に飛ばされた……とかね」

 矢継ぎ早に仮説を口にしたエリファス。

 だがその仮説を笑い飛ばしたのは他でもない宗鉄だった。

「まったく、お前も物ノ怪の端くれならばもう少しマシな仮説は立てられないのか? お前の話を聞く限りでは、そんな偶然がほいほい重なったとはとても思えん」

 それはウィノラも同意見だった。

 そしてあまり詳しいことはわからなかったが、宗鉄とエリファスがこちらの世界に来た原因は間違いなく自分が踊った〈アスラ・マスタリスク〉が原因なはずである。

 異世界からアスラを召喚する。それこそが〈アスラ・マスタリスク〉の力だからだ。

 ただ、今回は自分一人が踊ったせいで人間の宗鉄も召喚してしまったのだが……。

「だからあくまでも仮説だって話よ。でも、そうとしか考えられないのよね。それでも、せめて〈シレルタ〉さえあれば何かわかると思うんだけど」

 エリファスは額を人差し指でこんこんと突き始める。

「さっきから気になっていたんだが、その〈シレルタ〉とは何なんだ? 魔道具と言っていたが大地を耕す農具とは違うのか?」

「全然違うわよ」

 そう言うとエリファスは、両腕を使って〈シレルタ〉の大きさを表現する。

「このぐらいの大きさの魔道具なんだけど。う~ん、ソーテツたちには何て説明すればいいんだろう? 銀色と鈍色の中間色をした円盤って言えばわかるかな?」

 銀色と鈍色の中間色をした円盤? その単語を聞いた直後、ウィノラは大きく目を見張った。

(それはもしかすると……)

 エリファスの言う魔道具――〈シレルタ〉についてウィノラは口を開こうとしたが、その言葉は最後まで二人に伝えることはできなかった。

「何、この音?」

 突如、言葉を伝えようとしたエリファスが高らかに舞い上がったからである。

 そしてふと隣を見てみると、宗鉄は宗鉄で衣服が汚れることも構わずに地面に蹲り、片耳を地面に押し付ける奇妙な行動に出ていた。

 無論、二人の行動はウィノラも奇妙に思った。

 しかし、二人が取った行動の意味をウィノラはすぐに知ることになる。

 なぜなら、集落全体には太鼓の音が盛大に鳴り響き始めたからだ。

 危険を知らせる警鐘の太鼓の音色が――。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

目立ちたくない召喚勇者の、スローライフな(こっそり)恩返し

gari
ファンタジー
 突然、異世界の村に転移したカズキは、村長父娘に保護された。  知らない間に脳内に寄生していた自称大魔法使いから、自分が召喚勇者であることを知るが、庶民の彼は勇者として生きるつもりはない。  正体がバレないようギルドには登録せず一般人としてひっそり生活を始めたら、固有スキル『蚊奪取』で得た規格外の能力と(この世界の)常識に疎い行動で逆に目立ったり、村長の娘と徐々に親しくなったり。  過疎化に悩む村の窮状を知り、恩返しのために温泉を開発すると見事大当たり! でも、その弊害で恩人父娘が窮地に陥ってしまう。  一方、とある国では、召喚した勇者(カズキ)の捜索が密かに行われていた。  父娘と村を守るため、武闘大会に出場しよう!  地域限定土産の開発や冒険者ギルドの誘致等々、召喚勇者の村おこしは、従魔や息子(?)や役人や騎士や冒険者も加わり順調に進んでいたが……  ついに、居場所が特定されて大ピンチ!!  どうする? どうなる? 召喚勇者。  ※ 基本は主人公視点。時折、第三者視点が入ります。  

「魔物肉は食べられますか?」異世界リタイアは神様のお情けです。勝手に召喚され馬鹿にされて追放されたのでスローライフを無双する。

太も歩けば右から落ちる(仮)
ファンタジー
その日、和泉春人は、現実世界で早期リタイアを達成した。しかし、八百屋の店内で勇者召喚の儀式に巻き込まれ異世界に転移させられてしまう。 鑑定により、春人は魔法属性が無で称号が無職だと判明し、勇者としての才能も全てが快適な生活に関わるものだった。「お前の生活特化笑える。これは勇者の召喚なんだぞっ。」最弱のステータスやスキルを、勇者達や召喚した国の重鎮達に笑われる。 ゴゴゴゴゴゴゴゴォ 春人は勝手に召喚されながら、軽蔑されるという理不尽に怒り、王に暴言を吐き国から追放された。異世界に嫌気がさした春人は魔王を倒さずスローライフや異世界グルメを満喫する事になる。 一方、乙女ゲームの世界では、皇后陛下が魔女だという噂により、同じ派閥にいる悪役令嬢グレース レガリオが婚約を破棄された。 華麗なる10人の王子達との甘くて危険な生活を悪役令嬢としてヒロインに奪わせない。 ※春人が神様から貰った才能は特別なものです。現実世界で達成した早期リタイアを異世界で出来るように考えてあります。 春人の天賦の才  料理 節約 豊穣 遊戯 素材 生活  春人の初期スキル  【 全言語理解 】 【 料理 】 【 節約 】【 豊穣 】【 遊戯化 】【 マテリア化 】 【 快適生活スキル獲得 】 ストーリーが進み、春人が獲得するスキルなど 【 剥ぎ取り職人 】【 剣技 】【 冒険 】【 遊戯化 】【 マテリア化 】【 快適生活獲得 】 【 浄化 】【 鑑定 】【 無の境地 】【 瀕死回復Ⅰ 】【 体神 】【 堅神 】【 神心 】【 神威魔法獲得   】【 回路Ⅰ 】【 自動発動 】【 薬剤調合 】【 転職 】【 罠作成 】【 拠点登録 】【 帰還 】 【 美味しくな~れ 】【 割引チケット 】【 野菜の種 】【 アイテムボックス 】【 キャンセル 】【 防御結界 】【 応急処置 】【 完全修繕 】【 安眠 】【 無菌領域 】【 SP消費カット 】【 被ダメージカット 】 ≪ 生成・製造スキル ≫ 【 風呂トイレ生成 】【 調味料生成 】【 道具生成 】【 調理器具生成 】【 住居生成 】【 遊具生成 】【 テイルム製造 】【 アルモル製造 】【 ツール製造 】【 食品加工 】 ≪ 召喚スキル ≫ 【 使用人召喚 】【 蒐集家召喚 】【 スマホ召喚 】【 遊戯ガチャ召喚 】

悠々自適な転生冒険者ライフ ~実力がバレると面倒だから周りのみんなにはナイショです~

こばやん2号
ファンタジー
とある大学に通う22歳の大学生である日比野秋雨は、通学途中にある工事現場の事故に巻き込まれてあっけなく死んでしまう。 それを不憫に思った女神が、異世界で生き返る権利と異世界転生定番のチート能力を与えてくれた。 かつて生きていた世界で趣味で読んでいた小説の知識から、自分の実力がバレてしまうと面倒事に巻き込まれると思った彼は、自身の実力を隠したまま自由気ままな冒険者をすることにした。 果たして彼の二度目の人生はうまくいくのか? そして彼は自分の実力を隠したまま平和な異世界生活をおくれるのか!? ※この作品はアルファポリス、小説家になろうの両サイトで同時配信しております。

クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~

いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。 他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。 「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。 しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。 1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化! 自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働! 「転移者が世界を良くする?」 「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」 追放された少年の第2の人生が、始まる――! ※本作品は他サイト様でも掲載中です。

召喚出来ない『召喚士』は既に召喚している~ドラゴンの王を召喚したが誰にも信用されず追放されたので、ちょっと思い知らせてやるわ~

きょろ
ファンタジー
この世界では冒険者として適性を受けた瞬間に、自身の魔力の強さによってランクが定められる。 それ以降は鍛錬や経験値によって少しは魔力値が伸びるものの、全ては最初の適性で冒険者としての運命が大きく左右される――。 主人公ルカ・リルガーデンは冒険者の中で最も低いFランクであり、召喚士の適性を受けたものの下級モンスターのスライム1体召喚出来ない無能冒険者であった。 幼馴染のグレイにパーティに入れてもらっていたルカであったが、念願のSランクパーティに上がった途端「役立たずのお前はもう要らない」と遂にパーティから追放されてしまった。 ランクはF。おまけに召喚士なのにモンスターを何も召喚出来ないと信じていた仲間達から馬鹿にされ虐げられたルカであったが、彼が伝説のモンスター……“竜神王ジークリート”を召喚していた事を誰も知らなかったのだ――。 「そっちがその気ならもういい。お前らがSランクまで上がれたのは、俺が徹底して後方からサポートしてあげていたからだけどな――」 こうして、追放されたルカはその身に宿るジークリートの力で自由に生き抜く事を決めた――。

エラーから始まる異世界生活

KeyBow
ファンタジー
45歳リーマンの志郎は本来異世界転移されないはずだったが、何が原因か高校生の異世界勇者召喚に巻き込まれる。 本来の人数より1名増の影響か転移処理でエラーが発生する。 高校生は正常?に転移されたようだが、志郎はエラー召喚されてしまった。 冤罪で多くの魔物うようよするような所に放逐がされ、死にそうになりながら一人の少女と出会う。 その後冒険者として生きて行かざるを得ず奴隷を買い成り上がっていく物語。 某刑事のように”あの女(王女)絶対いずれしょんべんぶっ掛けてやる”事を当面の目標の一つとして。 実は所有するギフトはかなりレアなぶっ飛びな内容で、召喚された中では最強だったはずである。 勇者として活躍するのかしないのか? 能力を鍛え、復讐と色々エラーがあり屈折してしまった心を、召還時のエラーで壊れた記憶を抱えてもがきながら奴隷の少女達に救われるて変わっていく第二の人生を歩む志郎の物語が始まる。 多分チーレムになったり残酷表現があります。苦手な方はお気をつけ下さい。 初めての作品にお付き合い下さい。

異世界の約束:追放者の再興〜外れギフト【光】を授り侯爵家を追い出されたけど本当はチート持ちなので幸せに生きて見返してやります!〜

KeyBow
ファンタジー
 主人公の井野口 孝志は交通事故により死亡し、異世界へ転生した。  そこは剣と魔法の王道的なファンタジー世界。  転生した先は侯爵家の子息。  妾の子として家督相続とは無縁のはずだったが、兄の全てが事故により死亡し嫡男に。  女神により魔王討伐を受ける者は記憶を持ったまま転生させる事が出来ると言われ、主人公はゲームで遊んだ世界に転生した。  ゲームと言ってもその世界を模したゲームで、手を打たなければこうなる【if】の世界だった。  理不尽な死を迎えるモブ以下のヒロインを救いたく、転生した先で14歳の時にギフトを得られる信託の儀の後に追放されるが、その時に備えストーリーを変えてしまう。  メイヤと言うゲームでは犯され、絶望から自殺した少女をそのルートから外す事を幼少期より決めていた。  しかしそう簡単な話ではない。  女神の意図とは違う生き様と、ゲームで救えなかった少女を救う。  2人で逃げて何処かで畑でも耕しながら生きようとしていたが、計画が狂い何故か闘技場でハッスルする未来が待ち受けているとは物語がスタートした時はまだ知らない・・・  多くの者と出会い、誤解されたり頼られたり、理不尽な目に遭ったりと、平穏な生活を求める主人公の思いとは裏腹に波乱万丈な未来が待ち受けている。  しかし、主人公補正からかメインストリートから逃げられない予感。  信託の儀の後に侯爵家から追放されるところから物語はスタートする。  いつしか追放した侯爵家にザマアをし、経済的にも見返し謝罪させる事を当面の目標とする事へと、物語の早々に変化していく。  孤児達と出会い自活と脱却を手伝ったりお人好しだ。  また、貴族ではあるが、多くの貴族が好んでするが自分は奴隷を性的に抱かないとのポリシーが行動に規制を掛ける。  果たして幸せを掴む事が出来るのか?魔王討伐から逃げられるのか?・・・

転生したら脳筋魔法使い男爵の子供だった。見渡す限り荒野の領地でスローライフを目指します。

克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作。面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります! 辺境も辺境、水一滴手に入れるのも大変なマクネイア男爵家生まれた待望の男子には、誰にも言えない秘密があった。それは前世の記憶がある事だった。姉四人に続いてようやく生まれた嫡男フェルディナンドは、この世界の常識だった『魔法の才能は遺伝しない』を覆す存在だった。だが、五〇年戦争で大活躍したマクネイア男爵インマヌエルは、敵対していた旧教徒から怨敵扱いされ、味方だった新教徒達からも畏れられ、炎竜が砂漠にしてしまったと言う伝説がある地に押し込められたいた。そんな父親達を救うべく、前世の知識と魔法を駆使するのだった。

処理中です...