上 下
7 / 39

第7話

しおりを挟む
 抜けるような青空と赤茶けた大地がどこまでも広がっていた。

 そしてこの土地に初めて足を踏み入れる行商人たちは、大自然が長い年月を経て作り上げた風景を見て深い感銘を受ける。

 雨が滅多に降らない土地柄ゆえに生息している動植物の数こそ少ないが、夕日を地面全体に縫いつけたような赤く染まる大地は見事の一語に尽きるからだ。

 しかも周囲には風と水が時間という農具を使って奇抜に開拓したようなグラナドロッジが幾つも目にすることができた。

 造詣に疎い人間には奇観としか映らないだろうが、少しでも芸術を嗜む人間からすれば神が創造した至高の景勝地に見えるに違いない。

 コンディグランド。

 原住民の言葉で「太陽の大地」と呼ばれるこの広大不変な土地は、幾つもの部族が肩を寄り添いながら生きている不可侵かつ神聖な場所だった。

 そう、ほんの数十年前までは……。


 ぎりぎりと最大限まで弓矢の弦が引き絞られ、次の瞬間には弦の反動により一本の矢が風を切り裂きながら標的に向かって飛んでいく。

 やがて神速の速度で放たれた矢は獲物の胴体に深々と突き刺さり、どうと地面に倒れる盛大な音が聞こえた。

「おお、やったーッ!」

 岩山の影から顔を出した人間たちは、転倒した獲物を遠目から見て喝采を上げた。

 腰元まで伸ばした漆黒の長髪に大地と同じく褐色の肌。

 体型はそれぞれ違っていたが、総勢五人の人間たちは贅肉が少なく筋骨逞しい肉体をしていた。

 下半身には丈夫な生地で作られた衣服を穿き、手にはそれぞれ半月状の長弓を携えている。

 五人の人間たちは岩の影から身を乗り出すと、仕留めた獲物の元へ駆け寄った。

「すごいな、久しぶりの大物だぞ」

「ああ、村の連中の喜ぶ顔が目に浮かぶようだ」

 仕留めた獲物を見下ろしながら、男たちは口々に喜びの声を上げる。

 正確に急所を射抜かれて絶命していた獲物は、最近になって極端に数が減少したと言われているムルガだ。

 全身を黒い体毛に覆われたムルガは食用だけではなく皮や毛を使って衣服を作ることもできる貴重な動物であり、余った毛皮や装飾品に加工した骨などを月に何度か集落を訪れる行商人に渡して食物と物々交換をすることも可能だった。

「喜ぶのは早い。仕留めたと言ってもまだ一匹だぞ」

 ムルガの傍で喜悦の表情を浮かべていた四人を一蹴したのは、獰猛なムルガを一発で仕留めた若者だった。

 他の四人と同じく年齢は二十代半ばほど。

 一片の贅肉すらない均整の取れた肉体が超人的な体力と身体能力を兼ね備えていることを如実に物語っている。

 しかも今日になってようやく獲物を仕留めたというのに、その表情にはこれで満足した様子は微塵もない。

 物事を冷静かつ慎重に見定める精悍な顔貌は一分の隙もなかった。

 ピピカ族の若頭であるこの青年はビュートと言う。

「そう言うがな、ビュート。最近はムルガの数が極端に減っているんだ。いや、ムルガだけじゃない。マクゥやクォルドルなんかも滅多に見かけなくなった」

「まったくだね。これだと近いうちに集落を移動しなければならないかも」

「そう簡単に言うな。あれほど恵まれた土地は滅多にないんだぞ」

「まあ、なるようにしかならん」

 などと他の四人が口々に呟く中、ビュートだけは気難しい顔でムルガに近寄った。

 後ろ腰に差していたナイフを抜き、ムルガの身体に勢いよく突き立てる。

「無駄話はそれぐらいにして早く解体しろ。まだ日が高いんだからな」

 他の土地よりも日中の気温が高いこのコンディグランドでは、仕留めた獲物はすぐに解体しなければたちまち腐敗してしまう。

 それに持ち帰れない部位は疫病の原因にならないよう地中深くに埋めるのが風習だった。

 これは日々の糧を恵んでくれる大地に感謝し、末永く共存できるように伝えられたピピカ族の掟でもある。

 ビュートに促され、他の四人も後ろ腰に差していたナイフを抜いて解体作業に入る。

 大人五人分の体型を有しているムルガだったが、ビュートたちの鮮やかなナイフ捌きによりあっという間に解体されていった。

「ふむ、こんなものか」

 ムルガの頭部と手足を切り落とし、内臓と肉を切り分けた五人は持参していた布袋に各部位ごとの肉を詰め込んでいく。

 さすがに大型の獲物のムルガであった。

 この一匹だけでも数十人分の胃袋が満たされることだろう。

 だが、それでもまだまだ足りない。

 ピピカ族の人数は総勢で百人近くはいる。

 いくら集落の中で野菜などを女たちが栽培しているとはいえ、集落に生きる人間全員の胃袋を満たすことはできない。

 やはりムルガの他にも何かしらの獲物を仕留める必要がある。

 解体作業を終えたビュートは血を拭ったナイフをケースに仕舞うと、赤茶けた大地と青空がどこまでも広がるコンディグランドを見渡した。

 先ほどクロウが言ったように、確かに最近はムルガだけではなく他の動物も減少の一途を辿っていた。

 子供の頃には天空を自由に飛び回るクォルドルも今では滅多に見ることができなくなり、自分たちが遠出をする際に足代わりにするマクゥも遠く離れた異国かコンディグランドの一部にしか生息していないという燦々たる有様だった。

「嘆かわしい。我らの神聖な土地がどんどん穢れていく」

 ぼそりと呟いたビュートの言葉にオロワンが反応する。

「本当だよな。生息する動物が少なくなったってことは、自然界の平衡が崩れてきている証拠だ。オグララが漏らしたように集落を移動する日はそう遠くないかもな……」

 五人の中で比較的体格が立派だったオロワンががくりと肩を竦めると、真っ白い歯を見せつけるようにウォーボが笑った。

「そんなに卑屈になるなよ。人生なんてなるようにしかならないもんさ。それに獲物が減少して今住んでいる土地を離れることになってもそれは大いなる精霊の意志。俺たちはただ黙って従うだけさ」

「それが間違いなく精霊の意志ならな」

 全員の視線がビュートに集中する。

「いくら何でも最近の動物の減り方は異常だ。俺にはこれが精霊の意志とは思えん」

「じゃあ、何だと言うんだ?」

 幼少期の事故で右耳の半分が千切れているクロウが首を傾げる。

「決まっているだろう。原因が精霊ではないのならば人間の仕業だ」

「ふむ、一理あるね。ただでさえコンディグランドは余所の土地に比べて動植物の生息数が少ないんだ。勝手気ままに乱獲などすればすぐに獲物はいなくなってしまう」

 そう言って両腕を組んだのは、女性のような顔立ちをしているオグララだった。

 一見すると体格は華奢で頼りない優男風に見えるが、一族の中で誰よりも聡明で行商人との取引では彼がいないと成り立たないほどだ。

「とにかく今は残りの獲物を探すことが先決だ。もしかすると近くに群れを成したムルガがいるかもしれない」

 ビュートはムルガの肉を詰めた布袋を肩に担いだ。

 子供の体重ほどもあった肉の塊を片手で軽々と担いだビュートの腕力は尋常ではなかったが、それは他の四人も同じ。

 ビュートと同じく肉の塊を詰めた布袋を肩に担ぎ始める。

「ビュートの意見には賛成だが、ムルガがこの辺で群れを成して行動しているかどうかは疑問だな。多分、こいつは群れから逸れた奴だったんじゃないか?」

「それは言えてるな。ここは水場からも遠いし近くには身を隠す原生林もない。こんなところを一匹でうろうろしているなんてただの馬鹿だ」

 オロワンの首にウォーボは腕を回しながら微笑を浮かべた。

 血の繋がりこそない二人だったが、昔から兄弟のように育てられたせいか非常に仲が良い。

「でも少し気になるね。本来、ムルガは群れを成して行動する動物だ。それが子供でもない成熟したムルガが単独でこんな場所をうろついているのはなぜなんだろう?」

 二人のやり取りを耳にしながら、思案気な顔を作ったのはオグララだった。

「また始まった……おい、オグララよ。お前の悪い癖はそうやって何でも難しく考えすぎることだ。ムルガが一匹でうろついていたのなんて、オロワンとウォーボが言ったように単なる群れから逸れただけさ。それとも何か? このムルガが単独で移動していたのには明確な理由があるとでも言うのかよ?」

 クロウが突っかかると、オグララは大きくため息を漏らした。

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

目立ちたくない召喚勇者の、スローライフな(こっそり)恩返し

gari
ファンタジー
 突然、異世界の村に転移したカズキは、村長父娘に保護された。  知らない間に脳内に寄生していた自称大魔法使いから、自分が召喚勇者であることを知るが、庶民の彼は勇者として生きるつもりはない。  正体がバレないようギルドには登録せず一般人としてひっそり生活を始めたら、固有スキル『蚊奪取』で得た規格外の能力と(この世界の)常識に疎い行動で逆に目立ったり、村長の娘と徐々に親しくなったり。  過疎化に悩む村の窮状を知り、恩返しのために温泉を開発すると見事大当たり! でも、その弊害で恩人父娘が窮地に陥ってしまう。  一方、とある国では、召喚した勇者(カズキ)の捜索が密かに行われていた。  父娘と村を守るため、武闘大会に出場しよう!  地域限定土産の開発や冒険者ギルドの誘致等々、召喚勇者の村おこしは、従魔や息子(?)や役人や騎士や冒険者も加わり順調に進んでいたが……  ついに、居場所が特定されて大ピンチ!!  どうする? どうなる? 召喚勇者。  ※ 基本は主人公視点。時折、第三者視点が入ります。  

「魔物肉は食べられますか?」異世界リタイアは神様のお情けです。勝手に召喚され馬鹿にされて追放されたのでスローライフを無双する。

太も歩けば右から落ちる(仮)
ファンタジー
その日、和泉春人は、現実世界で早期リタイアを達成した。しかし、八百屋の店内で勇者召喚の儀式に巻き込まれ異世界に転移させられてしまう。 鑑定により、春人は魔法属性が無で称号が無職だと判明し、勇者としての才能も全てが快適な生活に関わるものだった。「お前の生活特化笑える。これは勇者の召喚なんだぞっ。」最弱のステータスやスキルを、勇者達や召喚した国の重鎮達に笑われる。 ゴゴゴゴゴゴゴゴォ 春人は勝手に召喚されながら、軽蔑されるという理不尽に怒り、王に暴言を吐き国から追放された。異世界に嫌気がさした春人は魔王を倒さずスローライフや異世界グルメを満喫する事になる。 一方、乙女ゲームの世界では、皇后陛下が魔女だという噂により、同じ派閥にいる悪役令嬢グレース レガリオが婚約を破棄された。 華麗なる10人の王子達との甘くて危険な生活を悪役令嬢としてヒロインに奪わせない。 ※春人が神様から貰った才能は特別なものです。現実世界で達成した早期リタイアを異世界で出来るように考えてあります。 春人の天賦の才  料理 節約 豊穣 遊戯 素材 生活  春人の初期スキル  【 全言語理解 】 【 料理 】 【 節約 】【 豊穣 】【 遊戯化 】【 マテリア化 】 【 快適生活スキル獲得 】 ストーリーが進み、春人が獲得するスキルなど 【 剥ぎ取り職人 】【 剣技 】【 冒険 】【 遊戯化 】【 マテリア化 】【 快適生活獲得 】 【 浄化 】【 鑑定 】【 無の境地 】【 瀕死回復Ⅰ 】【 体神 】【 堅神 】【 神心 】【 神威魔法獲得   】【 回路Ⅰ 】【 自動発動 】【 薬剤調合 】【 転職 】【 罠作成 】【 拠点登録 】【 帰還 】 【 美味しくな~れ 】【 割引チケット 】【 野菜の種 】【 アイテムボックス 】【 キャンセル 】【 防御結界 】【 応急処置 】【 完全修繕 】【 安眠 】【 無菌領域 】【 SP消費カット 】【 被ダメージカット 】 ≪ 生成・製造スキル ≫ 【 風呂トイレ生成 】【 調味料生成 】【 道具生成 】【 調理器具生成 】【 住居生成 】【 遊具生成 】【 テイルム製造 】【 アルモル製造 】【 ツール製造 】【 食品加工 】 ≪ 召喚スキル ≫ 【 使用人召喚 】【 蒐集家召喚 】【 スマホ召喚 】【 遊戯ガチャ召喚 】

悠々自適な転生冒険者ライフ ~実力がバレると面倒だから周りのみんなにはナイショです~

こばやん2号
ファンタジー
とある大学に通う22歳の大学生である日比野秋雨は、通学途中にある工事現場の事故に巻き込まれてあっけなく死んでしまう。 それを不憫に思った女神が、異世界で生き返る権利と異世界転生定番のチート能力を与えてくれた。 かつて生きていた世界で趣味で読んでいた小説の知識から、自分の実力がバレてしまうと面倒事に巻き込まれると思った彼は、自身の実力を隠したまま自由気ままな冒険者をすることにした。 果たして彼の二度目の人生はうまくいくのか? そして彼は自分の実力を隠したまま平和な異世界生活をおくれるのか!? ※この作品はアルファポリス、小説家になろうの両サイトで同時配信しております。

クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~

いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。 他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。 「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。 しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。 1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化! 自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働! 「転移者が世界を良くする?」 「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」 追放された少年の第2の人生が、始まる――! ※本作品は他サイト様でも掲載中です。

召喚出来ない『召喚士』は既に召喚している~ドラゴンの王を召喚したが誰にも信用されず追放されたので、ちょっと思い知らせてやるわ~

きょろ
ファンタジー
この世界では冒険者として適性を受けた瞬間に、自身の魔力の強さによってランクが定められる。 それ以降は鍛錬や経験値によって少しは魔力値が伸びるものの、全ては最初の適性で冒険者としての運命が大きく左右される――。 主人公ルカ・リルガーデンは冒険者の中で最も低いFランクであり、召喚士の適性を受けたものの下級モンスターのスライム1体召喚出来ない無能冒険者であった。 幼馴染のグレイにパーティに入れてもらっていたルカであったが、念願のSランクパーティに上がった途端「役立たずのお前はもう要らない」と遂にパーティから追放されてしまった。 ランクはF。おまけに召喚士なのにモンスターを何も召喚出来ないと信じていた仲間達から馬鹿にされ虐げられたルカであったが、彼が伝説のモンスター……“竜神王ジークリート”を召喚していた事を誰も知らなかったのだ――。 「そっちがその気ならもういい。お前らがSランクまで上がれたのは、俺が徹底して後方からサポートしてあげていたからだけどな――」 こうして、追放されたルカはその身に宿るジークリートの力で自由に生き抜く事を決めた――。

エラーから始まる異世界生活

KeyBow
ファンタジー
45歳リーマンの志郎は本来異世界転移されないはずだったが、何が原因か高校生の異世界勇者召喚に巻き込まれる。 本来の人数より1名増の影響か転移処理でエラーが発生する。 高校生は正常?に転移されたようだが、志郎はエラー召喚されてしまった。 冤罪で多くの魔物うようよするような所に放逐がされ、死にそうになりながら一人の少女と出会う。 その後冒険者として生きて行かざるを得ず奴隷を買い成り上がっていく物語。 某刑事のように”あの女(王女)絶対いずれしょんべんぶっ掛けてやる”事を当面の目標の一つとして。 実は所有するギフトはかなりレアなぶっ飛びな内容で、召喚された中では最強だったはずである。 勇者として活躍するのかしないのか? 能力を鍛え、復讐と色々エラーがあり屈折してしまった心を、召還時のエラーで壊れた記憶を抱えてもがきながら奴隷の少女達に救われるて変わっていく第二の人生を歩む志郎の物語が始まる。 多分チーレムになったり残酷表現があります。苦手な方はお気をつけ下さい。 初めての作品にお付き合い下さい。

異世界の約束:追放者の再興〜外れギフト【光】を授り侯爵家を追い出されたけど本当はチート持ちなので幸せに生きて見返してやります!〜

KeyBow
ファンタジー
 主人公の井野口 孝志は交通事故により死亡し、異世界へ転生した。  そこは剣と魔法の王道的なファンタジー世界。  転生した先は侯爵家の子息。  妾の子として家督相続とは無縁のはずだったが、兄の全てが事故により死亡し嫡男に。  女神により魔王討伐を受ける者は記憶を持ったまま転生させる事が出来ると言われ、主人公はゲームで遊んだ世界に転生した。  ゲームと言ってもその世界を模したゲームで、手を打たなければこうなる【if】の世界だった。  理不尽な死を迎えるモブ以下のヒロインを救いたく、転生した先で14歳の時にギフトを得られる信託の儀の後に追放されるが、その時に備えストーリーを変えてしまう。  メイヤと言うゲームでは犯され、絶望から自殺した少女をそのルートから外す事を幼少期より決めていた。  しかしそう簡単な話ではない。  女神の意図とは違う生き様と、ゲームで救えなかった少女を救う。  2人で逃げて何処かで畑でも耕しながら生きようとしていたが、計画が狂い何故か闘技場でハッスルする未来が待ち受けているとは物語がスタートした時はまだ知らない・・・  多くの者と出会い、誤解されたり頼られたり、理不尽な目に遭ったりと、平穏な生活を求める主人公の思いとは裏腹に波乱万丈な未来が待ち受けている。  しかし、主人公補正からかメインストリートから逃げられない予感。  信託の儀の後に侯爵家から追放されるところから物語はスタートする。  いつしか追放した侯爵家にザマアをし、経済的にも見返し謝罪させる事を当面の目標とする事へと、物語の早々に変化していく。  孤児達と出会い自活と脱却を手伝ったりお人好しだ。  また、貴族ではあるが、多くの貴族が好んでするが自分は奴隷を性的に抱かないとのポリシーが行動に規制を掛ける。  果たして幸せを掴む事が出来るのか?魔王討伐から逃げられるのか?・・・

転生したら脳筋魔法使い男爵の子供だった。見渡す限り荒野の領地でスローライフを目指します。

克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作。面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります! 辺境も辺境、水一滴手に入れるのも大変なマクネイア男爵家生まれた待望の男子には、誰にも言えない秘密があった。それは前世の記憶がある事だった。姉四人に続いてようやく生まれた嫡男フェルディナンドは、この世界の常識だった『魔法の才能は遺伝しない』を覆す存在だった。だが、五〇年戦争で大活躍したマクネイア男爵インマヌエルは、敵対していた旧教徒から怨敵扱いされ、味方だった新教徒達からも畏れられ、炎竜が砂漠にしてしまったと言う伝説がある地に押し込められたいた。そんな父親達を救うべく、前世の知識と魔法を駆使するのだった。

処理中です...